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ちゅうカラぶろぐ


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先週日本を駆け巡ったイチロー引退のニュースにはさすがに私も寂しい気持ちを隠しきれません。あまり野球の話を大っぴらにしたことはないのですが、実は私、小学生の頃に兵庫県西宮市に住んでいた時期があり、父親に連れられて初めて観に行った野球の試合が阪急対南海戦だったことから以降ずっと阪急(現在のオリックス・バファローズ)ファンで、だからこそ90年代にオリックス・ブルーウェーブ(当時)で大活躍していたイチローはまさにスター、というかヒーローのような存在でした。
 今まで、本当にありがとうございました。

 こんばんは、小島@監督です。 
 しかしイチローというと度々目撃される「定時で帰る」や「人の金で焼き肉が食べたい」などのフレーズがデザインされた珍妙なTシャツのイメージも強いのですがアレは一体何だったんだろう(笑)

 さて、今回の映画は「ロボコップ(4Kリマスター版)」です。

 近未来のデトロイト。犯罪都市として腐敗と荒廃が進んだこの都市は警察組織も巨大コングロマリット企業「オムニ社」によって民営化され街全体が支配されていた。
 デトロイト市警に配属されたばかりのアレックス・マーフィ(ピーター・ウェラー)は、相棒のアン・ルイス(ナンシー・アレン)と共に強盗犯を追跡する。強盗犯は連続して警官を殺害する「警官殺し」のクラレンス(カートウッド・スミス)率いる一味であった。追跡の末クラレンスのアジトを見つけたマーフィ達だったが返り討ちに遭いマーフィは射殺されてしまう。
 しかしオムニ社はある計画を実行に移すためマーフィの死体を利用した。マーフィのまだ生きている部分を生体部品として利用しデトロイトの犯罪撲滅のために戦うサイボーグ警察官「ロボコップ」を完成させたのだ…!

 1980年代というのはCG技術はまだ揺籃期にあったものの進歩を続ける映像技術と、1977年に公開された「スターウォーズ」の大ヒットも追い風にして「E.T.」「エイリアン」「ターミネーター」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ブレードランナー」「プレデター」など現在でもシリーズが続いていたり高い人気や評価を得ているアイコニックなSF映画が次々と製作された時期でもあります。そんな最中の1987年に「ターミネーター」と同じオライオン・ピクチャーズによって製作されたのがこの「ロボコップ」です。監督は後に「氷の微笑」「スターシップ・トゥルーパーズ」などを手掛けるようになるポール・バーホーベン。
 TV放送で何度か観たことはあるのですが、まさかスクリーンで上映されるのを観られる日が来ようとは。

 ちょっとシュールなCMを挟みながら進む、妙にキャスターのテンションが高いニュース番組のシーンがシニカルな笑いを誘うイントロで始まるこの映画は、非常に激しいバイオレンス描写が特徴で、それ故にTV放送用や海外上映用に差し替えたシーンがあったり再編集が施されたりしています。日本でも初公開時や地上波放送時はそのバージョンが使われており、本来の形であるディレクターズカット版の鑑賞が可能になったのは2007年にDVDが発売されてからだとか。ありがたいことに今回のリマスター版上映はそのディレクターズカット版を基にしているのでその激しいバイオレンスぶりを余すことなく鑑賞することができます。
 無論それだけが特徴ではなくロボコップとして蘇ったもののオムニ社によって記憶を消されたマーフィがふとしたきっかけで自身の記憶を探し始める、そんな所に深みを感じられる物語が魅力です。

 また、SF映画だけありVFXも見どころです。特に後半ロボコップと戦うことになる治安維持用ロボット「ED-209」はストップ・モーションを駆使した特殊撮影の大家であるフィル・ティペットの手による力作で、CG全盛の現在とは一味違うアナログ特殊効果の妙を楽しむことが出来ます。

 実は「ロボコップ」は個人的にちょっと思い入れがあります。この1作目の大ヒットによってシリーズは3作目まで製作された(2014年にはリブートされた作品も上映されました)のですが、その3作目の公開時、ラジオ局(確かニッポン放送だった)のキャンペーンに当選して同級生と共にラジオCMに出演したことがあるのです。それ故自分としても思い出深いキャラクターで、久しぶりの再会とでも言うべき今回のリバイバル上映はなかなか不思議な感慨がありました。
 時にはこういう映像体験も楽しいですね。

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 今回は昨日「ゾンビランドサガ」や「アイドルマスターSideM」などのイベントと重なったこともあり普段より少なめの参加者数でしたがその分皆さんがっつり歌えたのでは。初参加の方も楽しんで頂けたようで何よりです。

 こんばんは、小島@監督です。
 そうそう、どなたか分かりませんがじゃんけん大会でワインを出品された方、品物の紹介は私がしておきました。前置き無しのアドリブでワインの解説するイベントが発生する、それがちゅうカラ(笑)

 さて、今回の映画は「グリーンブック」です。

 1962年、ニューヨークのナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒を務めるトニー・”リップ”・バレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)は、店が改装のため2ヶ月休業を決めてしまい、妻子を養うために新たな仕事を探していた。
 ある日「ドクターが運転手を探している」と紹介されたトニーが指定された住所を訪ねるとそこはカーネギーホールだった。しかも相手は医者ではなく劇場上層部の高級マンションで暮らす黒人ピアニストのドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)だった。ドナルドが求めていたのはクリスマスまでの2か月間、差別が色濃く残るアメリカ南部を回るコンサートツアーの運転手だった…

 アメリカという国は面白いもので時に文化的な面から政治の潮流に対して揺り戻しというか反目の風を起こすことがあります。今年のアカデミー賞作品賞を受賞したこの「グリーンブック」は1950年代からピアニストとして長く活躍したドナルド・シャーリーとナイトクラブ「コパカバーナ」に長く勤めその後俳優なども経験したトニー・バレロンガの友情を実話をベースにした物語です。共同脚本としてクレジットされているニック・バレロンガはその名の通りトニーの息子であり、父親から聞かされた話が作品のベースとなっているとか。監督は「メリーに首ったけ」や「愛しのローズマリー」などのコメディ映画を数多く手掛けたピーター・ファレリー。いやしかしまさか彼がオスカー監督になる日が来ようとは。

 アカデミー賞受賞に当たっては賛否両論あるそうですが、相当にハードな内容をユーモアでくるんで優れたエンターテインメントに仕立て上げたという点で実にハイレベルな逸品です。
タイトルにある「グリーンブック」とは1930~1960年代に発行されていた黒人旅行者向けのガイドブックで、黒人が利用できる店や宿が紹介されていたほか黒人が差別や暴力を避け長距離移動をするために欠かせないツールとなっていました。1960年代のアメリカ南部での黒人差別や盛り上がりを見せていた公民権運動に対しては「夜の大捜査線」(1967年製作)などに詳しく、合わせて鑑賞すればより理解を深められるでしょう。一方でドナルドと同行することになるトニーも白人ではあるもののイタリア系アメリカ人でいわゆる「WASP」ではないためマジョリティーにはなりきれないところもポイントです。
 コメディ寄りに作ってある映画ではありますが、「笑うに笑えないシーン」というのが作中登場する瞬間があります。作品のテーマから鑑みてある意味でそここそが物語の「肝」であるとも言えるでしょう。作中では約2ヶ月間の物語となっていますが実際のツアーは1年以上にも及ぶ長丁場だったそうです。とすると映画を観る中で不意に訪れるズシンと来るようないくつかの瞬間ももっとずっと重く深かったに違いありません。
 
 物語の骨格にヘビーなテーマを内包していますが一方で優れていると感じさせるのは、トニーとドナルドのキャラクター造形の見事さに加えて、主要人物の人となりを見せる冒頭から気の利いたセリフと共に心地良い余韻を残すラストシーンまで、極めて起承転結が端正で映画として非常に「観やすい」というのも挙げられます。テーマを表現したいばかりに複雑にするのではなく明快に整理された物語構造は作品の敷居を正しく下げることに成功していて「伝える」ということに迷いが無い作品となっています。
 無論ピアニストの物語なので音楽のセンスも良く、サントラが欲しくなる人もいらっしゃるんじゃないでしょうか。あと多分カティーサークを飲んでみたくなります、きっと(笑)
 
 半世紀ほど前の時代を舞台にした物語ではありますが、描かれる主題は普遍的で現在にも通じるテーゼです。この作品がアカデミー賞作品賞を受賞したという一事を見ても政治的な意図を見出すことは容易いとは思いますが、先ずは映画を自身の目で見て判断してみてください。

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週末、ちゅうカラメンバーからのお誘いを受けリアル脱出ゲームなどを楽しむエンターテインメント施設「ナゾ・コンプレックス名古屋」で初めてリアル脱出ゲームを楽しんできました。前々から一度やってみたいと思っていたものが遂に実現した形です。
 この時プレイしたのが「最終兵器工場からの脱出」という、「起動準備段階に入ってしまった最終兵器を制限時間60分以内に破壊する」というシチュエーションのゲームで6人1組で様々なパズルや謎を解いてミッション達成を図るというもの。出されるパズルの種類もなかなかバリエーションに富んでいて、活躍出来たりポンコツになったりなどかなり相性の好悪がはっきり見える感じなのも楽しかったですね。制限時間の縛りが無ければ1人で全て解き明かすこともできたでしょうがそうじゃないところにチーム戦の楽しさがあるのが良いですね。
 ま、結果は失敗だったんですけども!く…ッ!悔しいぜ…!気づくに至る材料は全て揃っていながら…ッ!

 こんばんは、小島@監督です。
 ぶっちゃけまたやりたいですね。負けっぱなしでは終われないのでね!

 さて、そんな謎解きゲームを楽しんだ翌日、私は「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 1stLIVE FLY TO THE SHINY SKY」のライブビューイングを観に行ってきました。昨春からサービスが始まったアイマスの新たなタイトル「シャイニーカラーズ」、間も無く1周年を迎えるタイミングで初の単独ライブが舞浜アンフィシアターにて9,10日の2日間にわたり3公演が開催されました。私が観たのはその中の10日の昼公演。恐らく硬かった人もいたであろう初ステージを経て少し余裕の出てきたキャスト達のステージを楽しんできました。
 実のところ、シャイニーカラーズは今ソーシャルゲームを新しく始めるのに時間的余裕が無いこともあり全くプレイしていないため、キャラは多少知っているけれど曲は全く知らないというほぼフラットな状態での鑑賞です。

 出演者は全部で16名。同じアイマスの「SideM」のように予め全員が3~5名で構成された計4つのユニットに所属しているというスタイルで、今のところまだソロ曲は無く各ユニットの曲か全体曲のみのセットリストで、恐らくそれは3公演共通でしょう。
 まだ始まって日が浅く曲が少ないこともあってか、ステージは楽曲のパフォーマンスだけでなく幕間に朗読劇を交えMCも長めに取るかなりゆったりとした構成でキャラクターと出演者を印象付けさせるように演出していました。先々もっと楽曲が充実していけばそれだけオミットされていくに違いない部分が多く、ある意味で今だけの味わいと言えますね。

 観ていた中で印象に残ったのはまず5人ユニットの「L'Antica(アンティーカ)」、センターを務める月岡恋鐘役の磯部花凜さんはミュージカル出演の経験が多い方なのもあってか歌唱力も高い上にカメラに対してのアピール力も高く華を感じさせますね。もう一人、三峰結華役の成海瑠奈さんはダンススキルが高く動きやポージングのキレが出演者中随一でこちらも強い華があり「バベルシティ・グレイス」と言ったヘヴィロック調のナンバーに良く映えパワフルなステージングを展開していました。
 他のユニットもアッパーな曲で徹底的に観客を煽りボルテージを上げこれからシャイニーカラーズのアンセムになっていきそうな「放課後クライマックスガールズ」、「ポップでハッピー」を謳い文句にしつつもその歌曲の中にはどこか陰のあるリリックが潜んでいるのが特徴的な「アルストロメリア」、そして作品のセンターであるユニットは最早アイマスのお家芸となりつつあるトリコロールカラーをイメージした「illumination STARS」と、どれも個性的で1stライブのお披露目としての役割は十分に果たしたと言えますね。同時に出演者の習熟度やキャラクターとの距離感がまだバラバラなのもまた味と言ったところでしょう。

 今ある全てを見せる場に辿り着く、しかしそれこそがスタートライン。これぞまさしく1st。
 3公演の最後には2ndライブの開催と5番目となる新ユニットの登場が告知されたとか。
 シャイニーカラーズもなかなか目が離せないタイトルになりそう。…やっぱりこれは先ずはゲームを始めないとダメかな(苦笑)?

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先日「アイドルマスター シンデレラガールズ」に鳴り物入りで新登場した2人のアイドルがファンの間で賛否両論。個人的には7年続いて10周年も視野に入れようかという時期にテコ入れして波紋を投げかけるのは変に小さくまとまらないためにも必要と思うのでその采配に特に気にならなかったのですが、そうして出てきた2人のキャラが金髪紅眼で刹那的な吸血鬼の末裔(自称)とその従者である黒髪ショートで無愛想な少女という十数年前のギャルゲーのヒロインテイスト全開でむしろそっちに変な笑いが出ました。自分も良く買っていたしこの手のジャンルが一番売れていたという1990年代終盤~2000年代前半にはこんな感じのキャラクター、良くいたような気がします。

 こんばんは、小島@監督です。
 2人の歌う楽曲も今のところキャラ優先で少し浮いたような感じですが、世界観の懐が異様に深いデレマスの事、その内に馴染んでいくんじゃないかな。ライブイベントでどのようなお披露目になるのかも少し楽しみ。

 さて、今回の映画は「アリータ:バトルエンジェル」です。

 「没落戦争(ザ・フォール)」と呼ばれる戦争より300年、世界は空中都市「ザレム」とザレムから排出された廃棄物が山となるほど堆積している屑鉄の街「アイアンシティ」、支配者と被支配者の二つの世界に分断されていた。
 アイアンシティでサイボーグたちのメンテナンスを生業とするサイバー医師のイド(クリストフ・ヴァルツ)は、屑鉄の山を物色中にボロボロに壊れた少女の頭部を発見する。奇跡的に脳が無事であることに気づいたイドは少女にボディーを与えアリータ(ローサ・サラザール)と名付けた。
 イドの元で暮らし始めたアリータはパーツ屋の青年ヒューゴ(キーアン・ジョンソン)たちとも交流を持つようになり穏やかな日々を過ごすが、ある日、女性だけを狙う連続殺人犯であるサイボーグと遭遇した事で自身の中に高い戦闘能力が宿っている事を知る。それがアリータの過酷な戦いの始まりのであった…

 木城ゆきとのSFコミック「銃夢」の映画化権をジェームズ・キャメロンが獲得したというニュースが走ったのはもう20年近く前になります。私と同じくらいの世代でそこそこ年季の入ったアニメ・マンガファンにとっては当時結構大きなニュースであり、記憶に残っている方も多いことでしょう。ですがその後ほとんど続報が出ず、ハリウッドに良くある塩漬けにされてそのまま消え去る企画の一つに埋没してしまったのかと思いきや、今になって遂に実現。長生きはするものです。もっともジェームズ・キャメロンは監督はせずに脚本と製作を担い監督は「シン・シティ」や「プレデターズ」などを手掛けたロバート・ロドリゲスが担っています。実はジェームズ・キャメロンが原作付きの脚本を書くのは長いキャリアの中でコレが初めて。それだけ原作に惚れ込んでいるのが分ります。

 率直に言ってジェームズ・キャメロンもロバート・ロドリゲスも原作の「銃夢」が大好きなんだなとそのリスペクトぶりがとても良く分かる楽しい映画です。確かに設定はいくつもアレンジしていますし、ところどころ人物の感情描写が散漫だったりもしますが何より世界観の確固たる構築ぶりは原作への理解無しでは不可能でしょう。

 主人公アリータをフルCGで作り上げる今作の映像スタイル、キービジュアルだけを見た場合少々違和感を覚えた方も多いかとは思いますが、物語が動き出すと途端にそれは消え去り、むしろ可愛いとすら思えてきます。意図的に目を大きめにしたビジュアルはそれ自体が日本のコミックへのリスペクトであり、同時にアリータが世界の中である種の「異物」であることを視覚的に訴えてくれるため、極めて合理的で見事なセンスしています。更にアリータが駆け回ることになるアイアンシティのビジュアルも含めて映像世界の完成ぶりが素晴らしく、私が観たのは2D版ですがIMAX3D版などで観るのも楽しいハズです。企画が塩漬けになっている間にキャメロンは「アバター」を手掛けてCG技術が飛躍的に向上したのも大きな要因になったでしょう。10年前や15年前ではこうはいかなかったはずで、長い雌伏の時間を待たされただけの甲斐はあったと言えるでしょう。
 また、ロドリゲス一流の腕やら首やらスパンスパン飛ぶアクションシーンが今作でも展開しますが基本的にそれは皆サイボーグということでレーティングの指定が入っていないのは何だか可笑しくちょっとフフッとなります。

 直情的で喧嘩っ早いけど純粋なアリータのキャラクター造形は実に可愛らしいと同時にその躍動的なバトルシーン、自身の力で運命と未来を切り拓いていく姿はまさに「ターミネーター」のサラ・コナーや「ダークエンジェル」のマックスなどジェームズ・キャメロンが描き出してきたバトルヒロインたちの系譜に連なるに間違いなく、そのキュートさも含めてある意味で集大成とも言える出来映えになっています。

 画面の隅々まで神経の行き届いたこれぞハリウッドとでも言うべきエンターテインメント。こういうのはスクリーンで楽しんで何ぼのタイプの作品です。原作好きな方も良くは知らないよという方も、日本が生んだコミックが一流のクリエイターの手でどのような映像世界へと構築されたのか、どうぞその目で確かめてみてください。

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週末、昨年12月にナゴヤドームで開催された「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 6thLIVE MERRY-GO-ROUNDOME!!!」のアンコール上映を観に行ってきました。ライブそのものの感想は12月3日の回でがっつり書いたのでそちらをご参照いただくとして、実は「当日現地で観たライブを後日アンコール上映で再度鑑賞する」って初めてで、当時花道に近いところのアリーナ席で観ておりそれはそれで出演者の距離が近くていろいろ眼福だったのですが、ステージを大きく使ったような演出や出演者の方が仕込んだ小ネタなどはやはり観れていなかった部分が結構多いのに気づき同じライブを観ているのに結構新鮮でした。
 
 こんばんは、小島@監督です。
 しかし、一度観てるにも関わらずやっぱり全力でコールするのは避けられない(笑)

 さて、今回の映画は「デッドエンドの思い出」です。

 しばらく会っていない婚約者テギュ(アン・ボヒョン)と会うためにユミ(チェ・スヨン)は名古屋を訪れた。友人であるジンソン(ドン・ヒョンベ)からテギュの住所を聞きアパートへ向かうとユミを出迎えた女性の姿に衝撃を受ける。アヤ(平田薫)と名乗るその女性はテギュと結婚を前提に付き合っているという。思いがけず婚約者の裏切りを知ったユミは居ても立っても居られずその場を立ち去った。
 傷心を抱えたまま慣れぬ名古屋の街を彷徨うユミはふと目に留まったカフェに立ち寄った。「エンドポイント」という名のそのカフェにはゲストハウスも併設されていた。気持ちの整理の付かないユミはしばらくここに滞在しようと決める。エンドポイントにはユミと年代の近い西山(田中俊介)というオーナーが経営していた。西山の不思議な存在感が、ユミの心を少しずつ解きほぐそうとしていく…

 韓国でも人気が高いという吉本ばななの小説を原作に、日韓共同で製作された映画です。監督はこれが長編デビューとなるチェ・ヒョンヨン、主演に「少女時代」のチェ・スヨンと「BOYS AND MEN」の田中俊介と日韓のアイドルが競演しているのもポイントです。面白いことにこの映画を公開しているミニシアター・シネマスコーレが製作にも名を連ね刈谷日劇や愛知県フィルムコミッションなどとも連携を取り全編愛知ロケが行われた作品です。

 原作をちゃんと読んでいないので忠実に作られているのかどうか分かりませんが、独特の風合いを持つ作品です。傷心の女性がカフェのオーナー西山やそこに訪れる客たちとの交流を通して新たな一歩を踏み出すまでを描くこの物語は、何か特別大きなことが起こるわけでもないゆったりしたテンポの語り口ながら、不思議と退屈はしない作品です。ユミの再出発に主眼が置かれているので特に西山とのラブストーリーなどになったりはしないのもこういう類の物語としては良いですね。傷心で弱っている時にしか見えない風景というものは確かにあり、チェ・ヒョンヨン監督はまだその手腕が洗練されてはいないもののそういう風景を丁寧にすくい上げてみせて好感が持てますし、何より主演2人の演技が素晴らしく、チェ・スヨンにしろ田中俊介にしろ引き込まれるような魅力があります。

 もう一つのこの映画のポイント、それはオール愛知ロケ。名古屋の栄、納屋橋、円頓寺や長久手古戦場、若松海水浴場など東海地区在住、あるいは仕事などでホームにしている方には見慣れた場所が次々と登場します。一瞬ですがシネマスコーレも登場してフフッとなります。正直言って「屋内のシーン以外ほぼ知ってる場所しか出ない」という極めて珍しい経験しました。今NHKで放送しているドラマ「トクサツガガガ」をご覧になっている方には、あれも名古屋で製作している事もあって良く知ってる場所が次々登場して何だか不思議な気分になりますが、あれをスクリーンサイズで味わうと思っていただければ大体の目安にはなるかな…なるか?
 また、西山役田中俊介を筆頭に、アヤ役の平田薫を除いて日本人の出演者はほぼ愛知県出身者で固められていおり、この側面から見てもローカル感全開です。

 物語自体は割と普遍的な話ですがどちらかと言えばこのローカル感をこそ推したい。あまりない機会ですし、せっかく地元で上映しているので是非映画館でこの独特の得も言われぬ感覚を味わっていただきたいですね。
 

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 ええ!バレンタインと言ったらサラミですよ!ほら、「クリスマスには鮭を食え」(Byサモーン・シャケキスタンチン「ルパンレンジャーVSパトレンジャー」より)とも言うじゃないですか!
 …と、参加者以外には一切伝わらない一文で始まる書き出し。

 こんばんは、小島@監督です。
 でも恵方巻のごとくかぶりつくのはまた後日にしたい。

 さて、今回の映画は「シティーハンター 新宿プライベートアイズ」です。

 女子大生・進藤亜衣(声・飯豊まりえ)は父親が事故死して以来連日何者かにつけ狙われるようになった。ある日、一つの噂を知った亜衣は新宿駅へ向かう。新宿駅東口にある掲示板。そこに「XYZ」と記せば…!
 しかし取り立てて何か起きるような様子はない。眉唾物の都市伝説を真に受けた自身の愚かさを呪いながら駅を後にした亜衣は防犯グッズでも買って帰ろうとした矢先に暴漢たちの襲撃を受ける。しかし、突如現れた一人の男に暴漢たちは瞬く間に叩きのめされてしまった。驚く亜衣に向かいその男は言った。
「俺を読んだのは、君だろ?…XYZ。確かに、後が無さそうだ」
 男の名は冴羽獠(声・神谷明)。人呼んで、「シティーハンター」。

 1980年代後半に訪れたジャンプ黄金期に連載され、1987年からはTVアニメも放送し大ヒットシリーズとなった「シティーハンター」、その約20年ぶりとなる新作が劇場用作品として製作され現在公開中です。主要キャストは冴羽獠役神谷明、槇村香役伊倉一恵を筆頭に当時のオリジナルメンバーが勢揃いしたほかスタッフの方も総監督こだま兼嗣以下当時の中心メンバーが多数参加した作品になっています。
 キャストについて更に言えばIT企業の若きCEO御国を演じる山寺宏一、その側近・氷枝役の山崎たくみ、冴羽獠たちを陰ながら助力をする「教授」と呼ばれる老人役の茶風林はTVアニメ放送時にモブとして多様な役をルーティンで演じていた経験があり、そういった点でも面白いキャスティングと言えるでしょう。また、レジェンド級の声優が揃い踏みする中で健闘している亜衣役飯豊まりえの好演と、出番は少ないながら強烈なインパクトを残すコニータ役徳井義実(チュートリアル)の怪演もポイント。

 そんなこの映画の最大の特徴、それは「変わっていない」こと。コレに尽きます。確かにかつて公衆電話だった通信手段はスマートフォンになり、軍用ドローンが物語の肝の一つであったりとツールこそ変遷していますが「シティーハンター」という物語をなす「イズム」は何も変わっていません。それこそ直撃世代なら開幕1分と経たずに毎週の放送を楽しみにしていた「あの頃」に引き戻してくれることでしょう。物語のきめ細やかさよりも「シティーハンターらしさ」を重視して作られているため、ところどころシナリオが緩いというかアバウトなのですが、そう言った点まで含めて「らしい」と言えますね。
 意図的なものか、結果的にそうなったのかはわかりませんが、変化著しい新宿駅周辺だけでなく花園神社やゴールデン街など意外と変わらないままでいる場所が度々ロケーションとして登場するのも興味深いところです。

 「シティーハンター」を構成する要素としてもう一つ無視できないのが音楽。「シティーハンター」はアニメとJ-POP(当時はまだこの呼称は無かったが)との関係性を大きく変えた画期的な作品であり、特に「Get Wild」はTM NETWORKをブレイクさせ90年代半ばにブームを巻き起こす小室哲哉のサウンドを世に知らしめる契機となりました。今作ではその「Get Wild」がエンディングテーマに使われているほか当時のTVシリーズのオープニングやエンディング、挿入曲の大半がBGMとして作中に登場します。それもアレンジバージョンなどではなくそのままで使用されているところに製作者のこだわりを感じます。

 世代でない人から見ればあっけらかんとしたセクハラとパワハラの応酬で笑いを取る「シティーハンター」のスタイルは眉をひそめてしまうものかもしれません。ただこれが通っていた時代の産物だったということであり、またそうでなければ「シティーハンター」とは言えないのです。現在とは少しスタイルの違う笑いを楽しんで頂けると嬉しいのですが。

 この映画はファーストショットからエンドクレジットまで、余すところなく一分の隙も無い完璧なまでの「シティーハンター」。今回に限っては私、贔屓目丸出し。自身が直撃世代のただ中にいた幸運をこれ程噛み締められた作品にそうそう出会った事がありません。特に同世代の方にはあの頃胸躍らせたキャラクターと音楽たちが映画館であなたの訪れを待っています。

 

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週末、GarZさんが主催するスポットイベント、アナログゲーム会に参加してきました。その時プレイした中の「Splendor」というゲームが個人的にヒット。プレイヤーは中世の商人となって宝石や金を集めつつそれを元手に様々な物件を購入して所定のポイントにいかに早く達するかを競うゲームで、ルールも覚えやすくビギナーでもプレイしやすい上に戦略と運の要素のバランス加減も丁度良く、どこか麻雀めいた楽しさがあります。ちょっと自分用に手元に一つ欲しくなったくらい。聞けば英語版のみながらアプリ版もあるようで、これを買ってプレイしてみるのもいいかもしれない。

 こんばんは、小島@監督です。
 なかなか機会が掴めないですがたまにやるとアナログゲームもとても楽しい。

 さて、今回の映画は「バハールの涙」です。

 2014年、IS(イスラミック・ステート)はイラク北西部のシンジャル山岳地帯の村々を侵攻し次々と村人たちを虐殺、拉致していった。女性と少女は性的奴隷として売買され少年たちは戦闘員として強制的に訓練させられた。しかしクルド人自治区政府軍ペシュメルガと武装勢力はISへの抵抗部隊を組織し反攻を試みる。その中にはかつてISで奴隷として性的搾取されその後脱走した女性たちだけで構成された部隊もあった。
 戦場ジャーナリストのマチルド(エマニュエル・ベルコ)は、同じくジャーナリストであった夫を紛争地域で亡くした傷も癒えぬまま愛娘を故郷に残して取材に赴く。クルド人自治政府軍を訪ねたマチルドはそこでその女性部隊の存在を知り、夫を殺された怒りを拉致された息子を取り戻すべく戦いを続けるヤズディ教徒の女性バハール(ゴルシフテ・ファラハニ)と出会うのだった。

 いつの時代にも「理不尽」によって吐き出された感情から生み出された作品というのが存在します。それは必ずしも映画に限った話ではなく例えばピカソの「ゲルニカ」であったり山上憶良の「貧窮問答歌」であったり、何かを表現できるようになった時から人はずっと「怒り」や「哀しみ」を刻み付けてきました。
 「バハールの涙」はフィクションではありますが、実際に起きた事件をベースに監督であるエヴァ・ウッソン自身がクルド人自治区で女性戦闘員たちを取材した経験なども活かされた作品になっています。自身も性暴力の被害者でありながらその実態と女性たちの救済を訴え続け昨年ノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドのニュースも記憶に新しい所で、実にタイムリーな映画と言えるでしょう。
 狂信的なイスラム原理主義であるISの構成員たちにとって異教徒は「人間扱いする必要のない存在」であり、それ故2014年から約1年間に渡りシンジャル山岳地域で行われた虐殺行為は凄惨を極めたそうです。ただ興味深いことに狂信的なISのメンバーにとって「女に殺されたら天国に行けない」そうで、それ故クルド人自治区政府軍で構成された女性部隊は恐怖の的でもあったそうです。

 バハールたちによる子供たちの奪還作戦とそれを取材するマチルドの姿を起点にバハールが如何にして銃を取り最前線に立つようになったかを時系列を行きつ戻りつしながら描くこの物語は、同時に理不尽な暴力にさらされ続けた人間が如何にして誇りと尊厳を取り戻していくかを描く物語にもなっています。
 この映画で注目すべき点は戦闘シーンはそれなりにあるもののそこを決して重要視しているわけではなく、また過度に過激にすることもせず、同時に拷問などのシーンなども直接的な描写をほぼ避けているところです。生々しく見せつける方法もあったでしょうが、それではある意味で暴力で屈服させようとしている側と同じになってしまうから、ということかもしれません。それでも虚ろになった表情やわずかな隙を見計らって電話を掛けようとする際の震える手などで表現する手腕が見事です。過酷な性被害に遭いながらも協力者の手引きを得てISからの脱出を図るバハールたちに訪れる「人生で最も重要な30メートル」は観る者に深い感動を与えることでしょう。

 この映画、原題を「Les filles du soleil」(直訳して「太陽の女性たち」)と言います。あらゆる暴力に屈せず、戦場の中で埃にまみれながら自身が太陽の如き「希望」そのものになっていく女性たちの気高い姿。今ある現実と地続きの中で起こっている事を実感させる、「今観るべき映画」と言える作品です。上映館が決して多くはないため機会が掴みにくい作品ではありますが、是非多くの方に観ていただきたい1本ですね。
 

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