昨年の秋からこっち、10か月くらいかけて昨日アニメ「銀河英雄伝説」全110話を完走しました。いつかちゃんと観たいと思いながらなかなか実現できずにいましたがようやく達成できました。ありがとうAmazonプライム(笑)完走してようやくこの物語が放つ普遍的な魅力に気づけたという一方、やっぱり10代から大学生くらいの内に履修しておけば良かったとも思ったり。
こんばんは、小島@監督です。
まだ余韻に浸り気味とは言え「外伝」全52話も残ってますし原作も未読なのでいろいろ道半ば。もうしばらく堪能できそうです。
さて、今回の映画は「トゥルーノース」です。
非営利団体「TED」のスタッフに促され、一人のアジア人男性が緊張の面持ちでステージに立ち、講演会が始まる。
男は語り始めた。「政治の話はしませんよ、代わりに物語をお伝えします。私の、家族の物語です…」
1995年、北朝鮮。パク一家はある日突然父が失踪し当局による家宅捜索を受けたのち、母ユリ、長男ヨハン、妹ミヒの3人はトラックで政治犯強制収容所へと連行された。冷徹なハン所長が支配する収容所で過酷な労働を強いられるヨハンたち。ある日ヨハンは、看守にレイプされ妊娠させられた母を理不尽に処刑され孤児となった少年・インスと出会う。
突然平穏な生活が終わりを告げ、理由もわからぬまま強制収容所へ送られ自由を奪われ、明日をも知れぬ状況へと追いやられる。しかもそれはホラーやサスペンスの導入部というわけではなく海を隔てたすぐ近くの国で今も実際に起こっている。一説には北朝鮮でそうやって政治犯として収容されている人は12万人にも上るそうです。そんなテーマを主軸に描かれたドキュメンタリータッチのアニメーションです。世界を見渡せば、ポル・ポト時代のカンボジアの強制収容所を舞台にした「FUNAN/フナン」や、タリバン政権下のアフガニスタンで抑圧された家族の姿を描く「ブレッドウィナー」など、近現代の破壊や抑圧の歴史を戯画化しアニメ化する試みが近年相次いでいます。こういうことは時として実写よりアニメの方がより多くの人に伝わりやすくなることがあります。
映画が始まると、恐らく多くの方がそのビジュアルにちょっと驚くのではないでしょうか。実写と見紛う程のリアルな映像もCGアニメで作れるご時世に、妙にパキパキしたというか2000年代初頭くらいのPS2ソフトみたいなローポリゴン調のビジュアルをしているのです。始めは「予算や製作体制の問題なのか?」と思いましたがすぐにそうではないことに気づきます。リアルに近づけてしまえば、あるいは実写でやってしまうと正視に耐え難い状況が次々と描かれるから、敢えて強めのデフォルメをかけたことが分かります。
物語の中心となるのはパク一家の長男・ヨハン。過酷な状況下でも機転で切り抜けようとするヨハンは看守の手足として囚人を監視する立場を得、同時に食料などに便宜を図ってもらえる地位に着きます。が、そのことによる代償も受けることになります。人間の持つ最も善き面と最も悪しき面の狭間でヨハンの人格は形成されていくことになります。それは収容された政治犯たちだけではなくそれを監視する看守ら体制側にも逃れ得ぬ命題であり、作中にはこの狭間で均衡を失っていく青年看守も登場します。
興味深いことにパク一家は帰還事業(1950~80年代に行われた在日朝鮮人とその家族を北朝鮮へと移住させた事業)によって北朝鮮へ移り住んだ一家であることが示されます。また、作中には日本から誘拐されてきて用済みとなった拉致被害者も登場します。哀しいかな、日本から縁遠い話ではないことを突き付けられてしまうのです。
北朝鮮という国家自体はその存在を否定している政治犯強制収容所、監督である清水ハン栄治氏は、脱北者たちのインタビューやリサーチを重ね作り上げたこの映画を「告発のための作品」としてではなく「抑止のための作品」として製作したそうです。かつて敗戦間近のナチスドイツで収容所で大虐殺が起きたように、もしも北朝鮮という国から独裁体制が消えた時、あるいは北朝鮮が世界に開かれた時に「無かったこと」にさせないため。だからこそ「政治の話はしませんよ、代わりに物語をお伝えします」という冒頭のセリフが活きてきます。ここまでの想いで作られた映画というのもなかなか無いのではないかと思います。しかも「物語をお伝えします」の言葉通りに、これほどヘビーな題材を扱う作品でありながらエンターテインメントとしても極めて優れた出来栄えをしており、はっきり言って凄まじいエネルギーを感じる映画になっています。
これぞまさに「今観るべき映画」でしょう。一人でも多くの方に観て欲しいと願うと同時にせめてこの作品が今も収容されている12万人という人たちの希望の光となって欲しいと祈って止みません。
こんばんは、小島@監督です。
まだ余韻に浸り気味とは言え「外伝」全52話も残ってますし原作も未読なのでいろいろ道半ば。もうしばらく堪能できそうです。
さて、今回の映画は「トゥルーノース」です。
非営利団体「TED」のスタッフに促され、一人のアジア人男性が緊張の面持ちでステージに立ち、講演会が始まる。
男は語り始めた。「政治の話はしませんよ、代わりに物語をお伝えします。私の、家族の物語です…」
1995年、北朝鮮。パク一家はある日突然父が失踪し当局による家宅捜索を受けたのち、母ユリ、長男ヨハン、妹ミヒの3人はトラックで政治犯強制収容所へと連行された。冷徹なハン所長が支配する収容所で過酷な労働を強いられるヨハンたち。ある日ヨハンは、看守にレイプされ妊娠させられた母を理不尽に処刑され孤児となった少年・インスと出会う。
突然平穏な生活が終わりを告げ、理由もわからぬまま強制収容所へ送られ自由を奪われ、明日をも知れぬ状況へと追いやられる。しかもそれはホラーやサスペンスの導入部というわけではなく海を隔てたすぐ近くの国で今も実際に起こっている。一説には北朝鮮でそうやって政治犯として収容されている人は12万人にも上るそうです。そんなテーマを主軸に描かれたドキュメンタリータッチのアニメーションです。世界を見渡せば、ポル・ポト時代のカンボジアの強制収容所を舞台にした「FUNAN/フナン」や、タリバン政権下のアフガニスタンで抑圧された家族の姿を描く「ブレッドウィナー」など、近現代の破壊や抑圧の歴史を戯画化しアニメ化する試みが近年相次いでいます。こういうことは時として実写よりアニメの方がより多くの人に伝わりやすくなることがあります。
映画が始まると、恐らく多くの方がそのビジュアルにちょっと驚くのではないでしょうか。実写と見紛う程のリアルな映像もCGアニメで作れるご時世に、妙にパキパキしたというか2000年代初頭くらいのPS2ソフトみたいなローポリゴン調のビジュアルをしているのです。始めは「予算や製作体制の問題なのか?」と思いましたがすぐにそうではないことに気づきます。リアルに近づけてしまえば、あるいは実写でやってしまうと正視に耐え難い状況が次々と描かれるから、敢えて強めのデフォルメをかけたことが分かります。
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