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ちゅうカラぶろぐ


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職場では何度か使ったことがあるのですが、プライベートではほぼ使ったことが無いに等しいZoomで先日初オンライントーク参加してました。Discordなら時折使ってるのですが、ツールが変わると勝手も変わるのでそもそも始めるまでに戸惑ってしまったり。でも使えるものが増えるのは楽しいですね。

 こんばんは、小島@監督です。
 だいぶ長いこと会えてない人たちだけど、いずれオンラインじゃなく酒を酌み交わしたいものですね。

 さて、今回の映画は「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」です。

 宇宙世紀0105年、シャア・アズナブルがアクシズ落としを敢行した第二次ネオ・ジオン戦争が終結してより12年後、地球連邦政府の腐敗は更に進み、増え過ぎた人口を強制的に宇宙へ連行する「人狩り」まで行われるようになっていた。その連邦政府に対し、政府高官を暗殺する手段で抵抗を開始する組織が誕生した。それが「マフティー」である。
 地球圏の重要な政策が話し合われる「アデレード会議」、その参加者たちを乗せた往還シャトル「ハウンゼン365便」、ハサウェイ・ノア(声・小野賢章)はそこに乗っていた。同じ便にはダバオ空軍基地司令に赴任するため地球に向かう連邦軍将校ケネス・スレッグ大佐(声・諏訪部順一)と予知に近い洞察力を持つ謎めいた美少女ギギ・アンダルシア(声・上田麗奈)も同乗していた。そこに、「マフティー」を名乗るハイジャック犯たちが急襲、シャトルを占拠したのだった…

 「逆襲のシャア」から12年後の世界を舞台にした「機動戦士ガンダム」を手掛けた富野由悠季監督自身の手による小説「閃光のハサウェイ」を原作とし三部作の予定で映像化するプロジェクト、今作はその1作目に当たる映画です。「Gジェネレーションズ」などゲームでは何度か登場していますが長くアニメ化が熱望されてきました。当初は昨年公開予定でしたがコロナ禍により延期を余儀なくされ、その後も度々再延期となったため無期延期となりはすまいかとちょっと心配しましたが無事公開されて少しホッとしています。
 もう少し作品の沿革を語ると、原作小説「閃光のハサウェイ」は厳密には映画「逆襲のシャア」の続編ではありません。「逆襲のシャア」のシナリオ第1稿をベースにした小説「ベルトーチカ・チルドレン」の続編になります。更に言えば富野由悠季監督、映画の方の「逆襲のシャア」に沿ったストーリーラインに前日譚などのエピソードを大幅に追加した「ハイ・ストリーマー」という小説も書いています。このややこしい辺りをちゃんと意識しているというか、今回の映画では「小説の映像化」という体を取りながらもアニメの続編としても観られるように上手くセリフが工夫されています。
 また、富野由悠季監督作品というのは独特のリズム感のダイアローグをしているのですが、今作のシナリオはこの癖みたいなものを原作のテイストを残しつつも上手く匂いを消しているような印象を受け、新しい観客も取り入れたい作り手の意識みたいなものが感じ取れます。

 映画の方は期待値の高さを裏切らない、実にハイカロリーな映像を楽しめる1本です。キャラクターはどこまでも端正に、モビルスーツのバトルシーンはダイナミックに。イメージビジュアルや撮影ボードをフル活用し細部に至るまで綿密に設計された画面が全編に渡って展開します。「ウィッチハンターロビン」や「虐殺器官」など洋画的な雰囲気を持ったスタイリッシュな作風で知られる村瀬修功監督の手腕が遺憾なく発揮された映像と言えるでしょう。
 テロリズムとの戦い(というか主役がテロリスト側)を主軸にしているからかモビルスーツの戦闘シーンが夜間戦闘が主体となっているのですが、高精細な背景美術に支えられたハイスピードなバトルシークエンスは「初見ではちょっと目で追いきれなかった」という自分のダメさ加減はさておき(苦笑)、この夜間戦闘の画のキレは今後のガンダムシリーズ、引いてはロボットアニメの一つの指針となるのではないでしょうか。そう思わせられてしまうくらいのパワフルなシーンが展開します。30年以上前に書かれた小説ながら国家間の戦闘の次にはテロリズムとの戦いに移行していく様を看破しているあたり、むしろ現在でこそ物語に入りやすい骨格をしているのではないでしょうか。

 もう一つ、これは個人的にツボだった箇所なのですが、ヒロイン・ギギ・アンダルシア役上田麗奈の演技が絶品です。近年は多彩な役をこなしその演技力に定評のある彼女ですが、今作の天然でハサウェイやケネスを振り回すギギ役はそんな彼女の代表作になりそうな雰囲気です。もちろん上田麗奈だけではなくハサウェイ役小野賢章、ケネス役諏訪部順一のほか津田健次郎、種崎敦美、早見沙織、山寺宏一など鉄板のキャスト陣をしており、また「逆襲のシャア」でハサウェイを演じた佐々木望も刑事警察機構調査部長ゲイス・H・ヒューゲスト役で出演しています。声優の顔の見えない演技ができる人たちが勢揃いしているのも手伝って、音の面でも没入度の高い作品となっています。

 三部作の序章ということで、物語は本格的にエンジンがかかるところで終わってしまいますし第2作についてもまだ何の告知も無いのが現状ですが、それでも新たな誕生を告げるこの作品を、スクリーン全体を使い切る躍動感と共に是非堪能していただきたいですね。

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DATE : 2021/07/11(Sun)08:32:25 EDIT
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