ちゅうカラぶろぐ


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週末、GarZさんが主催するスポットイベント、アナログゲーム会に参加してきました。その時プレイした中の「Splendor」というゲームが個人的にヒット。プレイヤーは中世の商人となって宝石や金を集めつつそれを元手に様々な物件を購入して所定のポイントにいかに早く達するかを競うゲームで、ルールも覚えやすくビギナーでもプレイしやすい上に戦略と運の要素のバランス加減も丁度良く、どこか麻雀めいた楽しさがあります。ちょっと自分用に手元に一つ欲しくなったくらい。聞けば英語版のみながらアプリ版もあるようで、これを買ってプレイしてみるのもいいかもしれない。

 こんばんは、小島@監督です。
 なかなか機会が掴めないですがたまにやるとアナログゲームもとても楽しい。

 さて、今回の映画は「バハールの涙」です。

 2014年、IS(イスラミック・ステート)はイラク北西部のシンジャル山岳地帯の村々を侵攻し次々と村人たちを虐殺、拉致していった。女性と少女は性的奴隷として売買され少年たちは戦闘員として強制的に訓練させられた。しかしクルド人自治区政府軍ペシュメルガと武装勢力はISへの抵抗部隊を組織し反攻を試みる。その中にはかつてISで奴隷として性的搾取されその後脱走した女性たちだけで構成された部隊もあった。
 戦場ジャーナリストのマチルド(エマニュエル・ベルコ)は、同じくジャーナリストであった夫を紛争地域で亡くした傷も癒えぬまま愛娘を故郷に残して取材に赴く。クルド人自治政府軍を訪ねたマチルドはそこでその女性部隊の存在を知り、夫を殺された怒りを拉致された息子を取り戻すべく戦いを続けるヤズディ教徒の女性バハール(ゴルシフテ・ファラハニ)と出会うのだった。

 いつの時代にも「理不尽」によって吐き出された感情から生み出された作品というのが存在します。それは必ずしも映画に限った話ではなく例えばピカソの「ゲルニカ」であったり山上憶良の「貧窮問答歌」であったり、何かを表現できるようになった時から人はずっと「怒り」や「哀しみ」を刻み付けてきました。
 「バハールの涙」はフィクションではありますが、実際に起きた事件をベースに監督であるエヴァ・ウッソン自身がクルド人自治区で女性戦闘員たちを取材した経験なども活かされた作品になっています。自身も性暴力の被害者でありながらその実態と女性たちの救済を訴え続け昨年ノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドのニュースも記憶に新しい所で、実にタイムリーな映画と言えるでしょう。
 狂信的なイスラム原理主義であるISの構成員たちにとって異教徒は「人間扱いする必要のない存在」であり、それ故2014年から約1年間に渡りシンジャル山岳地域で行われた虐殺行為は凄惨を極めたそうです。ただ興味深いことに狂信的なISのメンバーにとって「女に殺されたら天国に行けない」そうで、それ故クルド人自治区政府軍で構成された女性部隊は恐怖の的でもあったそうです。

 バハールたちによる子供たちの奪還作戦とそれを取材するマチルドの姿を起点にバハールが如何にして銃を取り最前線に立つようになったかを時系列を行きつ戻りつしながら描くこの物語は、同時に理不尽な暴力にさらされ続けた人間が如何にして誇りと尊厳を取り戻していくかを描く物語にもなっています。
 この映画で注目すべき点は戦闘シーンはそれなりにあるもののそこを決して重要視しているわけではなく、また過度に過激にすることもせず、同時に拷問などのシーンなども直接的な描写をほぼ避けているところです。生々しく見せつける方法もあったでしょうが、それではある意味で暴力で屈服させようとしている側と同じになってしまうから、ということかもしれません。それでも虚ろになった表情やわずかな隙を見計らって電話を掛けようとする際の震える手などで表現する手腕が見事です。過酷な性被害に遭いながらも協力者の手引きを得てISからの脱出を図るバハールたちに訪れる「人生で最も重要な30メートル」は観る者に深い感動を与えることでしょう。

 この映画、原題を「Les filles du soleil」(直訳して「太陽の女性たち」)と言います。あらゆる暴力に屈せず、戦場の中で埃にまみれながら自身が太陽の如き「希望」そのものになっていく女性たちの気高い姿。今ある現実と地続きの中で起こっている事を実感させる、「今観るべき映画」と言える作品です。上映館が決して多くはないため機会が掴みにくい作品ではありますが、是非多くの方に観ていただきたい1本ですね。
 

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DATE : 2024/01/25(Thu)20:48:11 EDIT
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