ちゅうカラぶろぐ


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明けましておめでとうございます!
今回は元旦の更新!2日前に1本上げてるけど今日は今日でちゃんと書きますよ!

こんばんは、小島@監督です。
皆さん、今年もよろしくお願いします。

さて、2018年最初の映画は「スターウォーズ 最後のジェダイ」です。

スターキラー基地の破壊に成功したものの、レジスタンスの劣勢は変わらない。ファーストオーダーの猛攻に、撤退戦を余儀なくされていた。その攻撃のさなか、レイア(キャリー・フィッシャー)は重傷を負ってしまう。
一方その頃、古代寺院が残るばかりの絶海の孤島で、レイ(デイジー・リドリー)はルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)と邂逅を果たしていた。レイはフォースが覚醒した自身を導いてほしいと願い出るが頑なに断られてしまう。ルークはかつて愛弟子であったベン・ソロがダークサイドに堕ちカイロ・レン(アダム・ドライバー)になるのを止められなかったことを悔い、隠棲生活を送っていたのだ…

2015年にJ.J.エイブラムスの手によって新たなスタートを踏み出した「スターウォーズ」、三部作の2作目に当たるエピソード8が現在公開中です。
前作の「フォースの覚醒」は1作目であるエピソード4「新たなる希望」の構図を踏襲しながら新たな世代の人物と物語を描き出していきましたが、今作ではその「フォースの覚醒」でできた断層のようなものを更に広げてくるような作りになっています。

特徴的な点と言えば今作はシリーズ最長の150分という上映時間ながら作中で描かれる経過時間は恐らくシリーズで最も短いというところが挙げられるでしょう。個人のパーソナルな物語や冒険と共にエピソード1~3では増長したジェダイ・オーダーの凋落や民主主義の没落が、エピソード4~6では帝国と共和国という二国間の対立が並列して描かれましたが、今作では覚醒したフォースに戸惑い葛藤するレイと自我が暴走し無軌道な行動をとるカイロ・レンの魂の交錯といったパーソナルな描写は充実しているものの、大局的な展開はほぼなく局所的な描写に終始しているのがポイントです。
ディズニーが権利を買い取り、本伝だけでなく「ローグ・ワン」のようなスピンオフも今後コンスタントに製作・公開されるであろう現在、「スターウォーズ」は「神話」から「年代記(クロニクル)」へと語り口の舵取りを変えてきたように思えます。今作は物語としては局所的ですが、「スターウォーズ」そのもののあり方としては転換点にある作品と言えるでしょう。今作でのルーク・スカイウォーカーの、さながらイエス・キリストを思わせる描写はまさにその転換を象徴するもののように思えます。

そんな中、前作から徹底して描かれるのは旧きものの「喪失」と新たなるものへの「継承」とくびきからの「解放」です。
ネタバレを避けるため詳細は敢えてここでは書きませんが、多くのものが失われていく中で、レイやカイロ・レンが何を手にし、何を受け継いでいくかが重要な焦点と言えます。また、同時にストームトルーパーの呪縛から解き放たれたフィン(ジョン・ボイエガ)と、その彼に憎悪にも似た感情を抱くキャプテン・ファズマ(グウェンドリン・クリスティ)の確執にも注目です。

一方でこの映画、賛否両論あるのもうなずけるというか、かなり大きな欠点を抱えています。
一つは「スターウォーズ」の重要なファクターの一つともいえる「フォース」の描写が今作ではかなり万能に過ぎるという点です。枷や制限のほとんどない能力の描き方は物語から緊張感を削ぐばかりか寒いギャグにもなりかねない危険性を孕んでいて、次作以降はこの辺ちょっと自重してほしいところです。
もう一つは、ご覧になった方はご理解いただけるのではと思うのですが、実は後半の展開に作劇上極めて重大な欠陥があります。せっかくここまで時間をかけて描いてきたキャラクターの魅力を根こそぎダメにする寸前まで行っているため、大きな展開は変わらずとも細かいところにもっとフォローが欲しかった感じです。

欠点が多いと言っても久しぶりにがっつり物語に絡むルーク・スカイウォーカーの姿に加え、実はサプライズ気味にもう一人懐かしいキャラクターも登場してくれて、結構胸が熱くなるのは確かですし、今作が遺作となるレイア役キャリー・フィッシャーの最期の姿と、それを伝えるスタッフクレジットの一言がどうしようもなく切なくなります。
作品の評価はどうあれ、「スターウォーズ」のファンという方であるならば、今作はちゃんとスクリーンで観ておくべきでしょう。
幸いにして、字幕翻訳はSF作品に定評のある林完治さんですし、畑違いの芸能人を起用するようなことをしなかったので吹替でも安心して観ていられます。お時間の合う方でどうぞ。










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