2年くらい前に虫歯の治療をして以来、歯の定期検診を欠かさないようにしています。面白いもので、こういうのをちゃんとスケジュールに組み込むと虫歯ってなりにくくなってくれます。意識の持ち方が変わるからって事なのかも。3か月先の日付を適当に予約してしまうのでたまに受診日を忘れかけるのが難点ですが(苦笑)
こんばんは、小島@監督です。
検診は午前中にサクッと済ませてその後映画を観に行くまでがワンセット。平日の昼間は大抵空いててゆったり観られるのです(笑)
さて、今回の映画は「劇場版シネマ狂想曲-名古屋映画館革命-」です。
JR名古屋駅、太閤通口から西へ歩いて2分ほどの場所に小さな映画館がある。
シネマスコーレ。席数51。1983年映画監督故・若松孝二の手によって開館した。アジア映画やインディーズ映画、B級映画を主に上映する傍らで日本映画の巨匠の特集上映も積極的に行う幅の広さが特徴のミニシアター。この映画の主役となる男はそこにいる。
副支配人・坪井篤史。スタッフとして勤務する一方で、愛知淑徳大学で非常勤講師として映画の魅力を語り、老舗のライブハウスで映画について語るトークショーを開いたりと精力的に活動している。この男、「映画館革命」なるものを目論んでいるらしい。それは一体何なのか。
今年2月にメ~テレ深夜枠で放送され、ローカル番組ながらTwitterでトレンド入りを果たすなどの反響を呼んだドキュメンタリー番組「シネマ狂想曲」、そこに約20分の未放送テイクを追加し再編集を施した作品が現在その舞台であるシネマスコーレで上映されています。
正直言ってかなりヘンテコな映画です。というかこの坪井篤史さんという方が変です。映画に対する偏愛ぶりが尋常じゃありません。映画を人に広め、「映画に褒めてもらえる」なら何でもやる、と言い切る方で、映画監督とつるんで様々なイベントを仕掛けます。ミニシアターならではのフットワークで作り手に寄り添うそのあり方で白石晃士(「貞子VS伽耶子」など)や松江哲明(「フラッシュバックメモリーズ3D」など)と言った日本映画の雄たちに慕われているのもうなずけます。その他「アメカル映画祭」(「アメージングでカルトな映画」を上映するイベント、ではなくそれについて坪井さんが語り倒すイベント)を定期的に開催したりと、実に旺盛に映画の伝道に努めています。
何と言うか、「終わらない学園祭」の中に生きている人みたいに思える瞬間があります。
この作品の映像的に驚かされる瞬間は、坪井さんとその友人である森裕介さん(ミッドランドスクエアシネマ名古屋空港支配人)と連名で借りているアパートの一室。当人いわく「VHSの墓場」の姿です。壁一面に積みあがるVHSとロフトにぎっしり並ぶDVDの山に軽くビビります。しかもコレを集めているのは「金銭的な価値がある」からとかそんな俗っぽい理由ではありません。はるかに業の深い理由です。
竹中直人の暑苦しいナレーションもステキなこの映画が、他とは一線を画す理由は、実は映画本編ではなく別のところにあります。この映画、「観に行った場所が映画に登場して、チケットをもぎった人が映画に出てきて観終わって場外へ出たら今映画に出てきた人が挨拶してる」という坪井さんが「リアル4DX」と呼ぶ不思議なシームレス感です。この感覚は間違い無く唯一無二の映像体験。これもまた坪井さんの言う「映画館革命」の一環なのかもしれません。
映画好きを強烈にこじらせた人の映画、ではありますが一方で「好きを突き詰めて仕事にしていく」とはどういうことなのか、を真摯に見せてくれる映画でもあります。自身の進路に迷いがある方はこの映画は案外ヒントになるかもしれません。好き勝手やってるだけに見える坪井さんがある部分で明確に1本「線」を引いているのですが、それをどこに引いているかは参考にできるのではと思います。
上映しているシネマスコーレでは上映期間中(6月2日までの予定)連日のように舞台挨拶やゲストを呼んでのトークショーなども開いていて、事前にホームページで確認ができます。気になる方が登壇されるところを狙って行ってみるのも面白いかも。作品の性質上ソフト化の予定が全く無いとの事で、このライブ感はまさに今だけの楽しみです。
こんなに風変わりで素敵な映画館が身近にある楽しさと喜びを是非、味わってみてください。
また、その坪井さんがはるな愛、高柳明音(SKE48)、田中俊介(BOYS AND MEN)の3人と共に新作映画について語る番組「映画MANIA」も東海テレビで毎週木曜深夜に放送中。こちらも合わせてどうぞ。
こんばんは、小島@監督です。
検診は午前中にサクッと済ませてその後映画を観に行くまでがワンセット。平日の昼間は大抵空いててゆったり観られるのです(笑)
さて、今回の映画は「劇場版シネマ狂想曲-名古屋映画館革命-」です。
JR名古屋駅、太閤通口から西へ歩いて2分ほどの場所に小さな映画館がある。
シネマスコーレ。席数51。1983年映画監督故・若松孝二の手によって開館した。アジア映画やインディーズ映画、B級映画を主に上映する傍らで日本映画の巨匠の特集上映も積極的に行う幅の広さが特徴のミニシアター。この映画の主役となる男はそこにいる。
副支配人・坪井篤史。スタッフとして勤務する一方で、愛知淑徳大学で非常勤講師として映画の魅力を語り、老舗のライブハウスで映画について語るトークショーを開いたりと精力的に活動している。この男、「映画館革命」なるものを目論んでいるらしい。それは一体何なのか。
今年2月にメ~テレ深夜枠で放送され、ローカル番組ながらTwitterでトレンド入りを果たすなどの反響を呼んだドキュメンタリー番組「シネマ狂想曲」、そこに約20分の未放送テイクを追加し再編集を施した作品が現在その舞台であるシネマスコーレで上映されています。
正直言ってかなりヘンテコな映画です。というかこの坪井篤史さんという方が変です。映画に対する偏愛ぶりが尋常じゃありません。映画を人に広め、「映画に褒めてもらえる」なら何でもやる、と言い切る方で、映画監督とつるんで様々なイベントを仕掛けます。ミニシアターならではのフットワークで作り手に寄り添うそのあり方で白石晃士(「貞子VS伽耶子」など)や松江哲明(「フラッシュバックメモリーズ3D」など)と言った日本映画の雄たちに慕われているのもうなずけます。その他「アメカル映画祭」(「アメージングでカルトな映画」を上映するイベント、ではなくそれについて坪井さんが語り倒すイベント)を定期的に開催したりと、実に旺盛に映画の伝道に努めています。
何と言うか、「終わらない学園祭」の中に生きている人みたいに思える瞬間があります。
この作品の映像的に驚かされる瞬間は、坪井さんとその友人である森裕介さん(ミッドランドスクエアシネマ名古屋空港支配人)と連名で借りているアパートの一室。当人いわく「VHSの墓場」の姿です。壁一面に積みあがるVHSとロフトにぎっしり並ぶDVDの山に軽くビビります。しかもコレを集めているのは「金銭的な価値がある」からとかそんな俗っぽい理由ではありません。はるかに業の深い理由です。
竹中直人の暑苦しいナレーションもステキなこの映画が、他とは一線を画す理由は、実は映画本編ではなく別のところにあります。この映画、「観に行った場所が映画に登場して、チケットをもぎった人が映画に出てきて観終わって場外へ出たら今映画に出てきた人が挨拶してる」という坪井さんが「リアル4DX」と呼ぶ不思議なシームレス感です。この感覚は間違い無く唯一無二の映像体験。これもまた坪井さんの言う「映画館革命」の一環なのかもしれません。
映画好きを強烈にこじらせた人の映画、ではありますが一方で「好きを突き詰めて仕事にしていく」とはどういうことなのか、を真摯に見せてくれる映画でもあります。自身の進路に迷いがある方はこの映画は案外ヒントになるかもしれません。好き勝手やってるだけに見える坪井さんがある部分で明確に1本「線」を引いているのですが、それをどこに引いているかは参考にできるのではと思います。
上映しているシネマスコーレでは上映期間中(6月2日までの予定)連日のように舞台挨拶やゲストを呼んでのトークショーなども開いていて、事前にホームページで確認ができます。気になる方が登壇されるところを狙って行ってみるのも面白いかも。作品の性質上ソフト化の予定が全く無いとの事で、このライブ感はまさに今だけの楽しみです。
こんなに風変わりで素敵な映画館が身近にある楽しさと喜びを是非、味わってみてください。
また、その坪井さんがはるな愛、高柳明音(SKE48)、田中俊介(BOYS AND MEN)の3人と共に新作映画について語る番組「映画MANIA」も東海テレビで毎週木曜深夜に放送中。こちらも合わせてどうぞ。
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