忍者ブログ

ちゅうカラぶろぐ


[74]  [75]  [76]  [77]  [78]  [79]  [80]  [81]  [82]  [83]  [84
こんばんは、小島@監督です。
今年も残すところあとわずか、私の今年最後のブログ更新です。今回は今年観た61本(手元の記録より。但しライブビューイング除く)の映画から2014年のベスト5をチョイス!
昨年同様現在の鑑賞可能状況も併せて記載します。

1.THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!
しょうがない。こればっかりはもうどうしようもない(笑)公開中に4度も映画館に足を運んだ作品も今のところ人生でこれだけですしね!
Blu-rayやDVDも既にリリースされているのですが、各種イベントなどで現在も断続的にスクリーン上映されています。

2.フルートベール駅で
アイマス以外で最も印象に残ったのがコレ。丸腰であるにもかかわらず警官に射殺された黒人青年の最期の一日を描くドラマ。地味で淡々とした作りではあるけどだからこそ沁みる。現在も同様の事件が起こり大規模なデモにまで発展しているアメリカの縮図も垣間見えます。
Blu-ray/DVD/ダウンロード版発売中。

3.グランド・ブダペスト・ホテル
貴婦人の遺産を受け継ぐことになったコンシェルジュとベルボーイの冒険を描くミステリ・アドベンチャー。超豪華なキャストとこれでもかと盛り込まれた技巧と趣向の数々が楽しい。
Blu-ray/DVD/ダウンロード版発売中。

4.ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
今年観た中で最高のボンクラ映画(笑)一人一人ではどうしようもないアウトローたちがチームを組んで宇宙の危機に立ち向かう。ノー天気で底抜けに面白い一本。作品を盛り上げる70年代のヒットナンバーも楽しい。
ダウンロード版は既に発売中。Blu-rayとDVDは来年1月21日にリリースです。


5.楽園追放
ただでさえ自分好みの要素満載なのにヒロインの声が釘宮理恵。しょうがない。もうどうしようもない(笑)
まだ上映が続いている映画館もあるのですが、既にBlu-rayやDVDがリリースされています。

ベスト5はこんな感じです。続けて次点として印象に残った映画をご紹介。こちらは単に自分が観た順に列記していくので特に順位とかは無いです。

・メイジーの瞳
離婚した両親の間を行き来する少女の心の揺れを描くドラマ。メイジー役のオナタ・アプリールの演技が半端無い。Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・ダラス・バイヤーズ・クラブ
自身の延命の為に未承認の薬を求めやがて同じ境遇の患者へ薬を密輸するようになったHIV患者の物語。現在上映中の「インターステラー」でも主演しているマシュー・マコノヒーの鬼気迫る演技が凄い。Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・薄桜鬼
結構息の長い乙女ゲームの劇場版。その後なんだかんだとTVシリーズを観てしまい更には原作のゲームにまで手を出してしまいました(笑)2部作ですが既に2作品ともソフト化されています。
・アナと雪の女王
ちょっとブームになり過ぎた感もありますが、良作なのは間違いありません。Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・かしこい狗は、吠えずに笑う
2人の女子高生の奇妙な友情の顛末とは。製作費150万円の超低予算インディーズ映画ながら上質な逸品。一見の価値あり。TSUTAYAでのみDVDレンタルが可能です。
・キャプテンアメリカ・ウィンターソルジャー
現代的な風刺とヒーローの苦悩を掘り下げる骨太な物語と派手で大味なアクションの両立が楽しい。Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・たまこラブストーリー
恋と進路に悩む少年と少女の瑞々しい青春の日々を描くアニメ。甘酸っぱいぜ!Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・GODZILLA
その威容!その咆哮!ずっと待ってたんですよ、怪獣映画を!Blu-ray等のソフトは2月25日リリース予定。
・マレフィセント
眠れる森の美女の魔女を主人公にしたファンタジー。主演アンジェリーナ・ジョリーとオーロラ姫役エル・ファニングの演技が作品の格を上げている。近い時期に公開された同じディズニーの「アナと雪の女王」との相似点を見比べてみるのも一興。Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・テロ、ライブ
ほぼ全編リアルタイムかつTV局のスタジオの中だけで展開するサスペンス。少々飛躍が過ぎる部分もありますが、ハイレベルな緊張感を楽しめます。DVDが2月4日に発売予定。Blu-rayの発売予定は今の所無いようです。
・NY心霊捜査官
謎めいた事件に過去の傷をえぐられながらも真相を追う刑事。果たして全ては悪霊の仕業なのか?一般的なオカルト・ホラーとは一線を画す作りでベースはむしろ刑事もの。単に現場検証してるだけのシーンがヤケに怖かったり、雰囲気を醸成する演出が冴える。刑事の心の成長に物語の軸を置き、ホラー映画にしては珍しく温かな印象を残すラストの余韻も良い。Blu-ray等ソフトは2月4日発売予定。
・ジェイソン・ベッカーNOT DEAD YET
ALSを発症しながらも音楽活動を続けるギタリスト、ジェイソン・ベッカーの半生を綴るドキュメンタリー。どんな状況でも人は音楽を奏でられる。その意志と情熱に涙が止まらない。現在各地のミニシアターで上映されています。中部東海地区では来年1月31日よりジョイランドシネマ沼津にて上映開始予定。

どれも素晴らしい作品ばかりなのですが、昨年と比べるとホームラン級の当たりが少なかった印象です。
来年はどんな映画に出会えるのでしょう。2015年もガンガン観ていきますよ!

拍手[0回]

PR
世間がクリスマスムードに染まれば染まるほど忙しくなる職場なのでここ最近はまさに1年のピークと言っても良い忙しさ。
でもそんな中を敢えて強引に休みを取って(というか2か月前から「この日はお休みいただきます」と主張し続けた成果とも言う)、この土日大阪に行ってきました。
夜、ほとんどの店がえらい混んでてさすがクリスマスシーズン。そこを敢えて孤独のグルメする俺。それもまた一興。

こんばんは、小島@監督です。
結果的に良いBARを見つける事が出来たので大体OK(笑)

さて、大阪まで出向いた一番の理由は今年最後のライブ観覧、「今井麻美9th live tour little legacy」の初日である大阪公演です。
アイマスの如月千早役やシュタインズゲートの牧瀬紅梨栖役などで声優として知られる今井麻美ですが、一方では精力的に音楽活動も行っています。
とは言えアイマスのライブは幾度となく足を運んだ私もそこから離れた「今井麻美」としてのライブを観るのは初めてです。
会場となった大阪クリエイティブセンターは元々名村造船所跡、つまりガチの港湾施設で、住宅地と港湾業者の無骨な建物が並ぶ周囲は飾りっ気ゼロ。開場までの間は雨と海風で風邪引くんじゃないかと心配になる寒さでした(苦笑)

直前にリリースされたアコースティックアレンジアルバム「little legacy」を引っ提げてのツアーという事でセットリストはアルバムに収録された楽曲を中心に構成されていたようです。
今井麻美の持ち味とも言える伸びがあり良く通る歌声とエモーションを前面に押し出す歌唱スタイル、それを支える豊かな表現力は見事なもので、「漆黒のサステイン」のようなハードロックナンバーやボサノヴァアレンジの「COLOR SANCTUARY」、ラテン調の「The Azure」など、幅広いジャンルの楽曲を聴かせてくれます。
その多彩なジャンルの楽曲をフォローするバックバンドのパフォーマンスも素晴らしく、正直そう広いとは言えないステージなのにベース、ギター2人、キーボード、ドラム、パーカッション、サックス、バイオリンという8人体制!かなり窮屈な印象を拭えない大編成でしたがそれ故に重厚なサウンドが楽しめました。パンフレットを読むとステージによっては更にフルートとバックダンサーも加わるとか。水樹奈々のライブにも匹敵しそうな大所帯です(笑)
特に今井麻美が衣装替えでステージから降りている間にバックバンドのみで披露された「スターウォーズのテーマ」と「G線上のアリア」のメタルアレンジは選曲と言いアレンジと言い自分の好みにどストライクでえらいテンション上がりました。
ええそうです、うっすら察しがついているかと思いますがバックバンドの技量が高いと私の評価はさらに高くなります(笑)

曲間のトークも積極的に客と絡むスタイルが、時にちょっとウザい感じもするもののそれはそれで楽しく、ライブの隅から隅まで楽しめた印象です。
唯一の後悔はライブにはアイマスP達が少なからず参戦すると容易く想像できたにも関わらず、名刺を用意しなかったことでしょうか(苦笑)
次はぬからないぞ!

今回ソロライブを初めて観てみて、アイマスライブにおける今井麻美は本当に「如月千早」だけを研ぎ澄ませてきてるのだ、と実感しました。さすがアーティストというべきでしょうか。まるで色が違います。アイマスライブの時は千早のキャラクターそのままに、どこまでも冴え渡る良く晴れた冬の日の空のようなブルーのイメージですが、ソロライブの方は時に赤、時に白、そして黄色や黒と、パレットにもっと多様な絵の具が用意されている感じです。この印象の違い自体が楽しさにつながるのも新鮮でした。
実は来月もう一人アイマス声優のソロライブを観覧する予定になっているので、それもまた楽しみになってきました。

来年もいろんなライブを楽しんでいきたいですね。
何よりアイマス10周年も控えてるしね!日程がいつになるか分からないけど、何が何でも行きますよ!

拍手[0回]

昨日の歌会に参加された皆さんお疲れ様でした。
とうとう804号室では収まり切らずエレベーターホールでプレゼント交換を行うというなかなか凄い状況。これはこれで新鮮な経験でした。声を嗄らして番号を読み上げてくれたショーグンさん、特にお疲れ様です。
カラオケの方も今回は何だかメンバーに恵まれて心底楽しい時間を過ごせました。正直飛ばし過ぎて引かれてないか若干心配になるレベル(苦笑)

こんばんは、小島@監督です。
今回のプレゼント交換ではポケモンのエネコのぬいぐるみを頂きました。前回は「まどか☆マギカ」のまどかとほむらのぬいぐるみだったので、何か毎回ぬいぐるみ頂いています(笑)
自分の方は今回は映画「最強のふたり」のBlu-rayをチョイスしました。観た事無い方の手にこそ渡って欲しいと思っていましたが、どうやら望んだ結果になったようでちょっと嬉しい。

さて、今回の映画は「ジェイソン・ベッカー NOT DEAD YET」です。

ジェイソン・ベッカーは1969年にカリフォルニアに生まれ、17歳にしてメタル系のインディーズ・レーベル・シュラプネルにスカウトされ、マーティ・フリードマンと共にバンド「カコフォニー」のギタリストとしてデビューした早熟の天才ギタリスト。
カコフォニーで2枚、個人名義で1枚のアルバムをリリースした後、デヴィッド・リー・ロス・バンドに加入し世界的成功を目前にしながらALS(筋萎縮性側索硬化症。ルー・ゲーリッグ病、シャルコー病とも言う)を発症。ギタリストとしての生命を絶たれてしまう。
日に日に身体が自由を失っていくも、不屈の意志で現在も音楽活動を続けるジェイソン・ベッカーの姿を綴ったドキュメンタリー。
正直この映画を観るまでは既に故人になっていると思ってました。

神経系が変性し、脳が発した命令が筋肉まで伝わらなくなり全身の筋肉が衰弱していく難病ALS、最近著名人たちによる「アイス・バケツ・チャレンジ」でその関心を集めました。
フィクションの世界でも度々登場し、「宇宙兄弟」ではヒロインの一人である伊東せりかが父親をALSで亡くした事が宇宙飛行士へと志す契機となっています。また「ブラックジャック」では「未来への贈り物」というエピソードでALS患者が登場します。

話を映画に戻すと、この映画、関係者のインタビューを中心に取材時撮影された映像や保存されている映像の数々をフッテージとして使用する、ドキュメンタリーとしては非常にストレートな作りです。
しかしながら素材一つ一つが放つ光芒が凄まじいため、その素朴ともいえそうな作りが全くマイナスになりません。
インタビューを受けた関係者がマーティ・フリードマン(元メガデスのギタリスト。近年は日本を中心に活動。とは言えなぜかアニメ「ちょぼらうにょぽみ劇場あいまいみー」のED曲に携わっていたのにはさすがに驚きましたが(笑))やシュラプネル・レコーズの創立者マイク・ヴァーニー、グラミー賞受賞経験を持つギタリスト・スティーヴ・ヴァイなど錚々たるメンバーな上に、よほど家族がちゃんと大事にしていてくれたのでしょうと思えるプライベート・フィルムの数々、2度の来日の際に撮影された素材など貴重な物がふんだんに使われ、その超絶技巧を楽しませてくれると共に、だからこそそれがALSによって奪われた事の重さがのしかかってきます。
しかしそれでもその病気を受容し共存し、音楽活動を続けるジェイソン・ベッカーの姿が気高く映ります。

人生は理不尽である。それでもなお前を向き旋律を紡ぐその意思。そしてそんな彼の生き方を支え続ける人たちがいる。
ALS患者の境遇を想像する事などできない。そしてそれを想像できなくて良い幸運。
様々な感情と感覚が渾然となって湧きあがり、気づけば涙を流してる自分がいました。

コロナ系列か各地のミニシアターでの散発的なロードショーでしか今の所観られる機会が無いためなかなか触れられにくい作品であるのがもったいない、本当に素晴らしい映画です。どこかで上映している所を見かけたら、あるいはいつかレンタルが始まった時やTVで放送された時にフッと目に留まったら、是非観てみて欲しいですね。きっと心に「何か」が残るはず。

拍手[0回]

アニメ観てから気にはなっていた「薄桜鬼」の原作ゲーム(vita版)を遂に購入してしまいました。
時代物として何気にしっかりした物語も然る事ながらヒロイン千鶴ちゃんが可愛いので結局好奇心に勝てず人生初の乙女ゲー購入です。
ただ目当ての千鶴ちゃんは主人公、つまりプレイヤーキャラなので攻略も何もありません。なので状況ごとのリアクションを桑島法子ボイスを脳内再生しながら楽しむことにします(笑)

こんばんは、小島@監督です。
大きく逸脱してる者もいるものの概ね新選組の史実を踏襲しているこの物語、攻略ルートを北から順にしようか南から順にしようか思案中。

さて、今回の映画は「フューリー」です。

1945年4月欧州戦線、「フューリー」と名付けたM4シャーマン戦車を駆る通称「ウォーダディ」ことコリアー軍曹(ブラッド・ピット)とその指揮下のクルー達は数多くの戦いを生き抜いてきたが、遂に副操縦士を喪ってしまう。
後任に配属されたのは、何故か司令部の事務係に任官されるはずだった新兵ノーマン(ローガン・ラーマン)だった。

戦争映画は数あれど、戦車や戦車戦をメインにした映画は案外あまり思い当りません。パッと浮かぶのは「バルジ大作戦」くらい。潜水艦映画ならポンポン浮かぶんですが。戦争映画では不思議と「添え物」になりがちだった戦車をフィーチャーした甲斐あって、他作品ではあまり見られないアクションが展開します。
装甲に弾かれあさっての方へ飛んでいく跳弾や貫通力を重視した対戦車兵器の表現などは新鮮な驚きを与えてくれますし、何と言ってもVFXに頼っている部分もあるとは言え本物のM4シャーマン戦車、そして終盤には動態保存としては世界で一台しか現存しないティーガーを博物館からわざわざ借り出してきただけあり迫力を通り越して一種のオーラめいたものまで感じます。その駆動音を音圧として体感できるだけでもこの映画をスクリーンで楽しむ価値があります。

物語の方は、酸鼻を極める戦場の過酷さの中、ウォーダディ―達の戦いを新兵ノーマンに寄り添う形で進んでいきます。
自身と部下が生き残るためなら無慈悲で残酷な事も平然とやってのけるウォーダディ―達の行いや容易に人が原形も留めず死んでいく現実ににノーマンの良心と人間性は摩耗し、代わって生き残る術と敵への憎悪を叩きこまれて行く事になります。
声高に反戦を謳うでも戦争を賛美するでもなくただ苛烈な生々しさと汚さを叩きつけるこのスタンスは、戦車戦の迫力とは裏腹に観る者にカタルシスを与えることを拒絶します。
だからというワケではないのですが、非常に高質な映画である事は間違い無いにも関わらず、私は最後まで妙に物語に乗り切れないままに終わってしまいました。ストライクゾーンからボール半個分ずれたような気分というか。
この辺りはあくまでも相性の問題なので、ある種の寓意を含んだラストシーンに深い感動を覚える方も多い事でしょう。

ツボにハマるにしろそうでないにしろ観る者に多様な感想をもたらす映画です。観た人と感想を語り合ってみるのも一興。世間的なクリスマスムードに一切おもねらない灰と泥にまみれた沈鬱な映画ですが、観てみる価値はある一本だと思いますよ。

拍手[0回]

高倉健さんに続いて菅原文太さんまでも!
日本の名優の相次ぐ訃報にさすがに驚きを隠せません。勿論私は東映任侠映画全盛期を知りませんが、それでも衝撃が半端無かったです。

こんばんは、小島@監督です。
それにしても先日高倉健の追悼特番で「南極物語」が放送されてた裏で菅原文太が声優として出演していた「千と千尋の神隠し」が放送されていたのは偶然にしても出来過ぎだ…

さて、今回の映画はドキュメンタリー映画「世界一美しいボルドーの秘密」です。

何世紀にも渡り富と権力の象徴として人々を魅了し続けたボルドーワイン。その繁栄の裏には刻々と変化を続けるグローバル経済との密接な関わり合いがあった。そして今ボルドーワインは大きな危機に直面している。欧米へのそれまでの顧客の減少と中国市場の台頭。その中で伝統あるシャトーたちはどのように向き合っていくのか。

年間を通じて多種多様な映画を観に行く私ですが、「自分の仕事に直結するから」という理由で観るなどさすがにそうはありません。
タイトルからてっきりいわゆる5大シャトーへの取材やロバート・パーカーを始めとしたワインジャーナリストを中心にしたボルドーワインの歴史などを綴ったドキュメンタリーかと思っていたら然に非ず。

いや、序盤の内容はそれで間違いないのですが、この映画の主眼はそこではありません。本題が始まるのは中盤に入ってから。
中国市場の台頭、というより席巻によって価格が異常高騰したことが示されてからいかにボルドーのシャトーたちが翻弄され、その状況に立ち向かっていったかをスリリングに描き出してから途端に面白くなります。
市場としてはまだ新しいながら、急速な成長を遂げた中国は底無しと呼べるほどの需要でボルドーワインを圧迫していきます。というかもうホント底無し。観てて怖くなってくるレベルです。
この流れにいち早く対応して中国で大きなブランドとなったシャトーがユダヤの家系に端を発したシャトー、というのもなかなかに示唆的。

事ここに至って邦題と内容に大きく食い違いがある様な気がしないでもありませんがそこはきっとスルーしろって事なのでしょう(苦笑)
因みに原題は「Red Obsession」、直訳すれば「赤い狂騒」といったところでしょうか。
上映時間は75分と短めながら何気にナレーションをラッセル・クロウが担当していて妙な重厚感があるのも楽しい所。

主題こそボルドーワインですが決してワインだけに限らない、まさしく世界の「今」を切り取ったかなりタイムリーな内容です。結構ここで示される「潮流」を体感してる方多いのではないでしょうか。公開館が少なくあまり触れられる機会の少ない映画ですが、チャンスがあれば観てみて欲しい一本ですね。
勿論観ればワインが飲みたくなること必至!こういう映画をきっかけにしてみるのも、楽しいですよ(笑)

拍手[0回]

この連休で試験を一つ受けてきました。
正式名称「全国乗馬倶楽部振興協会技能認定4級」、平たく言えば「馬術4級」です。何年か前に始めた乗馬もラブプラス程ではないにしろ結構長く続いてます。
1級から5級まであり、4級まではインストラクターが各人の技量の習得具合を見て随時試験が行われます。3級以上はコンペの形式を取るのでその日程に合わせて調整して行く事になります。
毎週どころか毎日のように乗馬クラブに通ってる人なんかは4級取得なぞ数ヶ月もあれば行けてしまうのですが、私は行けて月2回がやっとなので5級取得から2年近くかかってしまいました。
「銀の匙」で観られるような障害を跳べるのは3級以上。4級は…そうですね、「浜辺で暴れん坊将軍ごっこができるレベル」と言えば分かりやすいでしょうか(笑)
筆記試験は余裕だったものの、実技試験が少々危なっかしかったですが何とか合格できました。次からはいよいよ障害を跳べるようになるための技術を習得する段階が始まります。
先はとても長い(苦笑)

こんばんは、小島@監督です。
果たして「スティール・ボール・ラン」ごっこができるようになるのはいつになるのだろう…?

さて、今回の映画は「楽園追放」です。

未曾有の大災害「ナノハザード」により人類は滅亡の危機に瀕した。残された人類は地上を捨て、電脳世界「ディーヴァ」でデータとなって暮らすようになっていた。
そのディーヴァに、地上世界から「フロンティアセッター」(声・神谷浩史)と名乗る者からのハッキング攻撃が相次いでいた。ディーヴァの捜査官・アンジェラ(声・釘宮理恵)は、フロンティアセッターを捕えハッキングの真意を探るべく生身の体・マテリアルボディとなって地上に降り立ち、現地調査員ディンゴ(声・三木眞一郎)と接触、調査を開始するのだった。

脚本虚淵玄、監督水島精二と今脂の乗ったクリエイターがタッグを組んで製作されたSFアニメにして東映アニメーション実に40年ぶりというオリジナル劇場長編アニメ映画が登場です。
40年前って何だ?と思って調べてみたら1973年春の「東映まんがまつり」内の1作品「パンダの大冒険」以来、という事でした。原作の無いオリジナルアニメの劇場公開がいかに難業か垣間見えそうな話ですね。さすがに「パンダの大冒険」は観た事無いですが(苦笑)
近年OVAシリーズの劇場公開が一般化しつつある風潮もこの映画の公開を後押ししたかもしれませんね。

物語はSFに造詣の深い虚淵と水島の作品らしくフィリップ・K・ディックやブルース・スターリングの小説を思わせる世界観です。
ただこの映画の優れたところは、恐らく非常にガッチリ組み上げているはずの設定を敢えて削げるだけ削ぎ落とし、シナリオはシンプルかつ王道に、アニメーションとしての動きの楽しさを優先し、アンジェラ、ディンゴ、フロンティアセッターの3人に物語の焦点を絞った思い切りの良さです。
そもそも物語の発端となった「ナノハザード」についても「人類が滅亡の危機に瀕した」とだけしか作中では語られません。これがTVシリーズなら「どういう災害であったか」の詳細まで踏み込むところですが、そうはしません。他にもそう言った箇所が多数存在しますが、それがマイナスにならないのが面白い所。特に90年代のOVAに慣れ親しんだ方には、このテイスト、ちょっと懐かしく感じられるのではないでしょうか。

そして何と言ってもこの映画最大の魅力は主人公アンジェラを演じる釘宮理恵の演技!
成熟した大人の厳しさと未成熟な少女の可憐さが同居するアンジェラという複雑なキャラクターを見事に演じ切り、これは紛れも無く彼女のキャリアで代表作として輝きを放つ作品です。物語がどうこう以前に釘宮病患者の方は絶対に外せない逸品。こんなに2時間ニヤニヤ出来る映画そうありません(笑)
あるいは個人的には発症しかかってる人にコレを観させて萌え苦しませてとどめを刺したいというか(笑)
何気にその他の声優陣も一人残らず実力派ばかりでキャスティングに死角が無いのもこの映画の長所の一つでもあります。

それはさておき、アニメ映画としても基本的には王道のエンターテインメントながら、この作品は1度目はキャラクターとアクションを楽しみ、2度目はSFとして物語を「読む」というような複数回楽しめるポテンシャルを秘めたなかなかの佳作。心底楽しい1本です。
SFファン、アニメファン、多くの方に遡求できる作品です。来月にはもうBlu-rayがリリースされますが、できれば映画館に足を運んでスクリーンで楽しんでほしいところ。

アニメーションそれ自体が爛熟し閉塞しつつある昨今、こういう野心的な作品が一度きりの徒花で終わらないでいて欲しいと思わずにはいられません。コレをきっかけに後に続く作品が現れて欲しいものですね。

拍手[0回]

今年もボジョレー・ヌーヴォーの季節がやってきました。
ヌーヴォーの広告で良く見かける「10年に1つ」とか「50年に1度」とかいうあのコピーなんですが、フランス・ボージョレ―地区から定期的に(4月頃からほぼ月1回程度)世界へ発信されるヴィンテージ・レポートの聞こえの良い所を一般消費者の購買意欲を掻き立てようと販売者が安易に短くまとめた結果、みたいなところが多いので文面をそのまま鵜呑みにはできなくなってしまっているのが現状です。
確かに極端な当たり年というのは存在して、近年では2009年がそれに当たり、その年のヌーヴォーは「どんな安物を買っても美味い」レベルでした。また「ハズレの年」も同様に存在し、最近では2012年がそれに該当するのですが、そう言う年ではむしろ生産者の醸造技術のレベルが如実に商品に出るのでそれはそれで楽しみ方というのがあったりします。
今年は夏季に天候が崩れはしたもののその後は持ち直したようで結果的にはかなり優良なヴィンテージになってるらしいとか。「偉大な」なんてフレーズが久しぶりに飛び出したので結構自信あるみたいです。まあ私もまだ飲んでいないので「らしい」「みたい」なんて曖昧な表現しかできませんが(笑)

こんばんは、小島@監督です。
実はボジョレー・ヌーヴォーのようなその年の出来を占う新酒というのは世界中にあり、近年ではイタリアのヴィーノ・ノヴェッロ(こちらは既に解禁済み)なんかも輸入され始めているのでご興味ある方は探してみてください。

さて、今回の映画は特集上映「ベルイマンの黄金期」より「第七の封印」です。

十字軍の長い遠征を終えて帰国の途に着く騎士アントニウス(マックス・フォン・シドー)とその従者ヨンス(グンナール・ビョルンストランド)。
そのアントニウスの前に死を宣告するために死神(ベント・エケロート)が現れた。その死神に対し、アントニウスは自らの命を賭けてのチェス勝負を申し込む。それは死を恐れてと言うより戦役で疲れ揺らいだ信仰を取り戻す時間をつかみ取るための行いであった。
アントニウスの家路と共に続く死神との対局。果たしてその行方は。

1957年に製作(日本での初公開は1962年)されたこの映画は、騎士と死神のチェス対決を通して神の存在を問い掛けるという哲学的なテーマを内包した物語です。
騎士アントニウスは死神との対局と共に故郷への旅を続け、その中で黒死病の蔓延に苦しむ民衆や魔女狩りで火あぶりにされようとしている女性と出会い、都度信仰心を揺らがされ「問」を重ね、その答えを求めるかのように死神との対話を重ねます。
実は十字軍遠征と黒死病蔓延と魔女狩りの横行はそれぞれ相当時代に隔たりがありますが、監督ベルイマンは恐らくその辺承知の上で盛り込んで来てると思いますので多分ツッコミは厳禁です(笑)
題材と言い洗練された会話と言いとても半世紀以上前の映画とは思えない逸品です。特に押井守作品のファンの方にはきっとストライクに違いないと思います(笑)
また、単に小難しいセリフが飛び交うだけの作品ではなく鍛冶屋の妻を寝取った旅芸人と鍛冶屋との珍妙なやり取りなどコミカルなシーンもあり、決して堅いだけの作品ではないのも楽しい所。

後になって知ったのですがこの映画は当時非常に画期的な作品だったそうです。どの辺りがというと、何と「死神が登場する事」それ自体だそうです。
ホラー映画もモンスター映画も既に多数製作されていながら「死」そのものを具現化した「死神」が映画に登場したのはこの作品が初めてだそうで、それに合わせて「黒衣を纏った白い顔の男(下図参照)」という死神のビジュアルや「チェスをたしなむ」ところなどはその後の作品に多大な影響を与えました。

私もそうですが「死神」というとこの姿をイメージされる方、多いのではないでしょうか。もっとずっと昔からあるイメージかと思ったんですが実はかなり新しいものだったんですね。
物語の面白さもさることながらこう言ったところも楽しんでほしい作品ですね。

私は企画上映の機会を捕まえて映画館で楽しむことができましたが、古い作品ですので既にDVDも発売されています。映画ファンはもちろん、先述した押井ファンに加えライトノベルファン、そして何がしかの形で創作に携わる方には特に観ておいてほしい作品ですね。きっと得られるものがあると思いますよ。

拍手[0回]

忍者ブログ / [PR]