仕事上がりに良く寄っていた古本屋がこの10月いっぱいで閉店してしまうと知り、今月は極力足を運ぶようにしています。
名残惜しいから、というのももちろんですが文庫本が全品50円という文字通りの「投げ売り」状態の半端無い破壊力に何かもうバカスカ買っています。
大抵の物は数年前のタイトルが多いのですが、中にはここ2,3か月にリリースされたばかりの、普通に今書店で平積みされてる物が混ざっており、それも例外なく50円。ここまで来るとラッキーというより何だか申し訳無くなってきます。でも勿論買っちゃう(笑)
こんばんは、小島@監督です。
とは言え自分の読書ペースを考えるとそろそろ一冬越せそうな量になってきた(苦笑)
さて、今回の映画は「ジャージー・ボーイズ」です。
1950年代、ビートルズ以前に「シェリー」「君の瞳に恋してる」など、現在においてもカヴァーを重ねられる名曲を生み出し不滅の伝説を打ち立てた4人組「フォー・シーズンズ」
ニュージャージーの貧困の中に生まれ育った彼らが音楽で栄光をつかむまでの軌跡、そしてその栄光故に襲われるグループ内での嫉妬と不和、崩壊と喪失、そこからの再生を彼らが生み出した数々の楽曲と共に描き出すミュージカルです。
80歳を過ぎても尚旺盛に作品を発表し続ける巨匠クリント・イーストウッド。彼が新たに選んだ題材がミュージカル、それもポップミュージックを扱ったミュージカル、というのに結構驚きました。
クリント・イーストウッドってジャズ好きで有名だったので、こういうポップ系も行けるとは思いませんでした。
そういえば最近になって知りましたが、ミュージカルにおいて物語に合わせて楽曲を作るのではなく、この「ジャージー・ボーイズ」のように古今のヒットナンバーの披露を主眼に置いて物語をそれに合わせて組み上げるというミュージカルのスタイルを「カタログ・ミュージカル」というそうです。日本では劇団四季の定番の演目である「マンマ・ミーア!」が有名ですね。
作品は軽妙にして洒脱、近年のイーストウッド作品と言うと「硫黄島からの手紙」や「ヒア・アフター」などの重厚な作品の印象が強いですが、彼には「スペース・カウボーイ」のようなノー天気な作品もあり、こんな洒落た作品をものする事もできるとは、さすが巨匠、懐の深さが違います(笑)
この映画の大きな特徴は50~60年代のヒットナンバーが多数使われている事ももちろんですが、それ以上に物語の随所に主要キャラクターが自身の心情をモノローグではなくカメラ目線で観客に向けて語りかける、いわゆる「第四の壁を破る」演出を用いている事が印象的です。
「第四の壁」とは舞台演劇に端を発する言葉で、大道具の壁が設置される左右と奥の壁に次ぐ、演者と観客を隔てる境界線を指し、この境界線を無視して演者が観客に語りかけたりすることを「第四の壁を破る」と言います。
映画で使われた最近の実例としては「プリキュア」シリーズでミラクルライトを振るのを呼びかけたり諸注意を子供に語りかけたりするのに用いている、アレですね。
実はこの「舞台に極力近い演出」というのが時に欠点でもあります。シナリオがそもそも楽曲に重点が置かれている事もあり、いくつか「経過」がバッサリ省かれ「結果」だけが示されるエピソードがあり、物語が有機的に繋がってる感じがしにくいのが残念です。
それでもさすが数十年の時を経てなお生き残った楽曲群だけあって、音楽の素晴らしさは見事の一言。この音楽の素晴らしさが「舞台に近い演出」と特に最高次元で融合した映画ラストのある「趣向」はきっと高い満足感を得られる事でしょう。
もうすぐ公開も終盤にさしかかっていますが、音楽の良い映画はそれだけでスクリーン映えするので、機会のある方は是非映画館で味わっていただきたいですね。
ところで余談ですが、主人公のモデルになったフォー・シーズンズのリードボーカル、フランキー・ヴァリは存命どころか何とまだ現役!だそうで、今年初めての来日公演もこなしたとか。監督クリント・イーストウッドと言い、元気なお爺ちゃんが多いですね(笑)
名残惜しいから、というのももちろんですが文庫本が全品50円という文字通りの「投げ売り」状態の半端無い破壊力に何かもうバカスカ買っています。
大抵の物は数年前のタイトルが多いのですが、中にはここ2,3か月にリリースされたばかりの、普通に今書店で平積みされてる物が混ざっており、それも例外なく50円。ここまで来るとラッキーというより何だか申し訳無くなってきます。でも勿論買っちゃう(笑)
こんばんは、小島@監督です。
とは言え自分の読書ペースを考えるとそろそろ一冬越せそうな量になってきた(苦笑)
さて、今回の映画は「ジャージー・ボーイズ」です。
1950年代、ビートルズ以前に「シェリー」「君の瞳に恋してる」など、現在においてもカヴァーを重ねられる名曲を生み出し不滅の伝説を打ち立てた4人組「フォー・シーズンズ」
ニュージャージーの貧困の中に生まれ育った彼らが音楽で栄光をつかむまでの軌跡、そしてその栄光故に襲われるグループ内での嫉妬と不和、崩壊と喪失、そこからの再生を彼らが生み出した数々の楽曲と共に描き出すミュージカルです。
80歳を過ぎても尚旺盛に作品を発表し続ける巨匠クリント・イーストウッド。彼が新たに選んだ題材がミュージカル、それもポップミュージックを扱ったミュージカル、というのに結構驚きました。
クリント・イーストウッドってジャズ好きで有名だったので、こういうポップ系も行けるとは思いませんでした。
そういえば最近になって知りましたが、ミュージカルにおいて物語に合わせて楽曲を作るのではなく、この「ジャージー・ボーイズ」のように古今のヒットナンバーの披露を主眼に置いて物語をそれに合わせて組み上げるというミュージカルのスタイルを「カタログ・ミュージカル」というそうです。日本では劇団四季の定番の演目である「マンマ・ミーア!」が有名ですね。
作品は軽妙にして洒脱、近年のイーストウッド作品と言うと「硫黄島からの手紙」や「ヒア・アフター」などの重厚な作品の印象が強いですが、彼には「スペース・カウボーイ」のようなノー天気な作品もあり、こんな洒落た作品をものする事もできるとは、さすが巨匠、懐の深さが違います(笑)
この映画の大きな特徴は50~60年代のヒットナンバーが多数使われている事ももちろんですが、それ以上に物語の随所に主要キャラクターが自身の心情をモノローグではなくカメラ目線で観客に向けて語りかける、いわゆる「第四の壁を破る」演出を用いている事が印象的です。
「第四の壁」とは舞台演劇に端を発する言葉で、大道具の壁が設置される左右と奥の壁に次ぐ、演者と観客を隔てる境界線を指し、この境界線を無視して演者が観客に語りかけたりすることを「第四の壁を破る」と言います。
映画で使われた最近の実例としては「プリキュア」シリーズでミラクルライトを振るのを呼びかけたり諸注意を子供に語りかけたりするのに用いている、アレですね。
実はこの「舞台に極力近い演出」というのが時に欠点でもあります。シナリオがそもそも楽曲に重点が置かれている事もあり、いくつか「経過」がバッサリ省かれ「結果」だけが示されるエピソードがあり、物語が有機的に繋がってる感じがしにくいのが残念です。
それでもさすが数十年の時を経てなお生き残った楽曲群だけあって、音楽の素晴らしさは見事の一言。この音楽の素晴らしさが「舞台に近い演出」と特に最高次元で融合した映画ラストのある「趣向」はきっと高い満足感を得られる事でしょう。
もうすぐ公開も終盤にさしかかっていますが、音楽の良い映画はそれだけでスクリーン映えするので、機会のある方は是非映画館で味わっていただきたいですね。
ところで余談ですが、主人公のモデルになったフォー・シーズンズのリードボーカル、フランキー・ヴァリは存命どころか何とまだ現役!だそうで、今年初めての来日公演もこなしたとか。監督クリント・イーストウッドと言い、元気なお爺ちゃんが多いですね(笑)
PR
先日リリース直前のドラマの先行上映会に行ってきました。
タイトルは「ストライク・バック」
イギリス機密情報部配下の極秘部隊「セクション20」、そこに所属する元SBS隊員で生真面目なマイケル・ストーンブリッジ(フィリップ・ウィンチェスター)と元デルタフォースながら軽薄な性格かつ女たらしのダミアン・スコット(サリバン・スティプルトン)のコンビが世界各地で困難なミッションに挑むアクション・ドラマです。
既にCSやWOWOWで放送されているのでタイトルをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
TVドラマながら「R15+」のレーティングが施されるだけあり、かなりハードなアクションシーンが展開する上、登場人物たちの濡れ場も結構ストレートに描いてきます。
基本的に2話で1つのエピソードを構成するので、2話を一気見するとちょうど90分のアクション映画1本に相当するようなイメージです。それでいて連続ドラマとして全体を通底するような謎や伏線も用意してるのでかなり凝った構成と言えます。
…ですが、基本は派手なアクション重視のノー天気なドラマと言え、ダミアンが行く先々でひっかける女性たちと合わせておっさんホイホイな作品と言って差し支えないでしょう。肩ひじ張らずに楽しめる一品ですね。
こんばんは、小島@監督です。
「ストライク・バック」は10月22日セル&レンタルスタート!
さて、今回の映画は「映画ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ」です。
活躍を続けるハピネスチャージプリキュアのメンバー達。しかしそれを暗い顔で見つめる少女の姿があった。
ある日保育園で人形劇をすることになっためぐみ(声・中島愛)たち。失敗してしまったものの子供たちに何とか喜んでもらえてめぐみもご満悦だ。
劇を終えて片づけを始めるとその中に見覚えの無い人形がある事に気付く。と、その人形が喋り出した。つむぎ(声・堀江由衣)と名乗るその人形はドール王国から来たという。ドール王国は今幻影帝国の侵攻を受け存亡の危機に立っていると聞いためぐみたちは、つむぎの導きでドール王国へと向かう事にするのだった。
シリーズ10周年記念作品と銘打ち、冒頭やパンフレットの表紙にもその旨を示すロゴが施されています。
内容の方もそのロゴに負けないものになっていました。
TVシリーズよりほんの少し輪郭線が強調されたビジュアルが特徴的で、また心なしか各キャラクターともTVシリーズよりスタイルが良くなって特にすらっとした美脚が何ともグッドルッキング。いや、それはいいとして内容の話に移りましょう(笑)
とにかく開幕すぐのアクションシークエンスが強烈なインパクト。最初の7,8分の疾走、いや爆走感が尋常じゃありません。恐らくシリーズ最高レベルのスピード感です。また、このハイテンポに煽られたのか特に白雪ひめ(声・潘めぐみ)の感情のアップダウンがTVシリーズ以上に強調されており、賑やかと言うよりはもう「やかましい」と感じてしまう方も出てきてしまいそう。あるいはこの速さに振り落とされてしまう方もいるかもしれません。
さすがに冒頭の異様なスピード感が70分超も続くワケは無く、テンポが一旦落ち着いてからこの映画の物語、そのテーマ性が明瞭になって行きます。
「お祭り感」を強調する「オールスターズ」と違い、単独タイトルのプリキュア劇場版は子供向けの作品ながらかなりヘビーなテーマを、しかも本気で盛り込んでくる傾向があり、それはこのハピネスチャージでも例外ではありません。
「みんなを幸せにしたい」と常に願うめぐみですが、何もかもに絶望しきったその心に対してめぐみの漠然とした願いはあまりにも無力。
その中で、それでも「望む結果に向かってできる事を精一杯やる」というのがいかに難しく、しかし尊い事かを謳い上げます。
ゲストヒロインの「つむぎ」という名前に合わせて「紡ぐ」「織る」という言葉をセリフの中に織り交ぜてテーマをより深く彫り込んでいくそのシナリオも巧みです。
昨年の、未来へと繋がる礎としての「思い出」を描いた「ドキドキ!プリキュア」と言い、メインターゲットのお子さんにはまずもって分かりにくいテーマだとは思いますが、恐らく制作陣はその辺り織り込み済みで作っているんじゃないかと思います。
「今すぐ理解できなくても、ほんの少し心に何かを残せればそれでいい」、そう言う考えかも知れません。成熟した大人が子供に向けて本気で語りかけているような力強い説得力があります。
さすがに毎週のTVシリーズでこんな重たい話をしょっちゅうブン投げられても困りますが(笑)、この「本気」、失くさないままでいて欲しいですね。
タイトルは「ストライク・バック」
イギリス機密情報部配下の極秘部隊「セクション20」、そこに所属する元SBS隊員で生真面目なマイケル・ストーンブリッジ(フィリップ・ウィンチェスター)と元デルタフォースながら軽薄な性格かつ女たらしのダミアン・スコット(サリバン・スティプルトン)のコンビが世界各地で困難なミッションに挑むアクション・ドラマです。
既にCSやWOWOWで放送されているのでタイトルをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
TVドラマながら「R15+」のレーティングが施されるだけあり、かなりハードなアクションシーンが展開する上、登場人物たちの濡れ場も結構ストレートに描いてきます。
基本的に2話で1つのエピソードを構成するので、2話を一気見するとちょうど90分のアクション映画1本に相当するようなイメージです。それでいて連続ドラマとして全体を通底するような謎や伏線も用意してるのでかなり凝った構成と言えます。
…ですが、基本は派手なアクション重視のノー天気なドラマと言え、ダミアンが行く先々でひっかける女性たちと合わせておっさんホイホイな作品と言って差し支えないでしょう。肩ひじ張らずに楽しめる一品ですね。
こんばんは、小島@監督です。
「ストライク・バック」は10月22日セル&レンタルスタート!
さて、今回の映画は「映画ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ」です。
活躍を続けるハピネスチャージプリキュアのメンバー達。しかしそれを暗い顔で見つめる少女の姿があった。
ある日保育園で人形劇をすることになっためぐみ(声・中島愛)たち。失敗してしまったものの子供たちに何とか喜んでもらえてめぐみもご満悦だ。
劇を終えて片づけを始めるとその中に見覚えの無い人形がある事に気付く。と、その人形が喋り出した。つむぎ(声・堀江由衣)と名乗るその人形はドール王国から来たという。ドール王国は今幻影帝国の侵攻を受け存亡の危機に立っていると聞いためぐみたちは、つむぎの導きでドール王国へと向かう事にするのだった。
シリーズ10周年記念作品と銘打ち、冒頭やパンフレットの表紙にもその旨を示すロゴが施されています。
内容の方もそのロゴに負けないものになっていました。
TVシリーズよりほんの少し輪郭線が強調されたビジュアルが特徴的で、また心なしか各キャラクターともTVシリーズよりスタイルが良くなって特にすらっとした美脚が何ともグッドルッキング。いや、それはいいとして内容の話に移りましょう(笑)
とにかく開幕すぐのアクションシークエンスが強烈なインパクト。最初の7,8分の疾走、いや爆走感が尋常じゃありません。恐らくシリーズ最高レベルのスピード感です。また、このハイテンポに煽られたのか特に白雪ひめ(声・潘めぐみ)の感情のアップダウンがTVシリーズ以上に強調されており、賑やかと言うよりはもう「やかましい」と感じてしまう方も出てきてしまいそう。あるいはこの速さに振り落とされてしまう方もいるかもしれません。
さすがに冒頭の異様なスピード感が70分超も続くワケは無く、テンポが一旦落ち着いてからこの映画の物語、そのテーマ性が明瞭になって行きます。
「お祭り感」を強調する「オールスターズ」と違い、単独タイトルのプリキュア劇場版は子供向けの作品ながらかなりヘビーなテーマを、しかも本気で盛り込んでくる傾向があり、それはこのハピネスチャージでも例外ではありません。
「みんなを幸せにしたい」と常に願うめぐみですが、何もかもに絶望しきったその心に対してめぐみの漠然とした願いはあまりにも無力。
その中で、それでも「望む結果に向かってできる事を精一杯やる」というのがいかに難しく、しかし尊い事かを謳い上げます。
ゲストヒロインの「つむぎ」という名前に合わせて「紡ぐ」「織る」という言葉をセリフの中に織り交ぜてテーマをより深く彫り込んでいくそのシナリオも巧みです。
昨年の、未来へと繋がる礎としての「思い出」を描いた「ドキドキ!プリキュア」と言い、メインターゲットのお子さんにはまずもって分かりにくいテーマだとは思いますが、恐らく制作陣はその辺り織り込み済みで作っているんじゃないかと思います。
「今すぐ理解できなくても、ほんの少し心に何かを残せればそれでいい」、そう言う考えかも知れません。成熟した大人が子供に向けて本気で語りかけているような力強い説得力があります。
さすがに毎週のTVシリーズでこんな重たい話をしょっちゅうブン投げられても困りますが(笑)、この「本気」、失くさないままでいて欲しいですね。
先週に引き続いてまたしても台風が襲来。
連休の交通網とイベントを次々直撃していきました。先週は出勤時にストライクで結局半日休みましたが、今度のはどうだろう?
こんばんは、小島@監督です。
結局この連休は家で引籠ってひたすらビデオチェックとゲームばかりしてました。
さて、今回の映画は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」です。
母親が死んだ日に宇宙人にアブダクションされ、以来宇宙を股に掛けるトレジャーハンターとして育てられた自称「スター・ロード」ことピーター・クィル(クリス・プラット)。
ある時クィルは惑星を壊滅させられるほどの力を秘める至宝「オーブ」を盗み出したものの、悪党たちとの争奪戦の末、刑務所に送り込まれてしまう。
しかしそこで「オーブ」を銀河系でその悪名を轟かせるロナン(リー・ペイス)が狙っているのを知ると、刑務所で知り合った囚人たち、ロナンに送り込まれた女暗殺者ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)、遺伝子改造されたアライグマのロケット(ブラッドリー・クーパー)、ロケットの相棒で植物人間のグルート(ヴィン・ディーゼル)、ロナンに家族を殺された復讐鬼ドラックス(デビッド・バウティスタ)らと手を組み脱獄。ロナンへのリベンジに乗り出した。
「アベンジャーズ」を世に送り出したマーベルが新たなヒーローと心底楽しい映画を生み出しました。
1人ではとても主人公を張れそうにないボンクラなアウトローたちがチームを組んで宇宙の危機に立ち向かいます。
パンフレット読んで知りましたが、このメンバー、コミックとしても数十年ぶりに再登場したキャラもいるそうでアニメ化も無く映像として登場するのはどいつもこいつも初めてだとか。
「ダークナイト」を筆頭に近年のアメコミ映画は、ある程度緩く作ってあったとしても現実と直結した悲哀や社会風刺を忍ばせてきましたが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はそう言ったものからも距離を置き、というか吹っ切れ気味に個性的なキャラクターがセンス・オブ・ワンダーなビジュアルの中を入り乱れる荒唐無稽な、それでいて正統派な「熱さ」が沁みる物語に仕立て上げました。
ホントにいろいろどうしようもないメンバーなのに彼らがヒーローへと成長するその終盤のカッコ良さと来たら!
物語を印象付ける「もう一つの主人公」というべき存在がクィルの母が生前贈ったウォークマン(最初期モデル)とカセットテープ「最強ミックス」
そこに収められた70年代のヒット曲の数々が物語に華を添えます。
聞けば作中で使用された楽曲を収録したアルバムが本国アメリカではビルボードチャートで1位を獲得したとか。それも納得の珠玉の名曲たちがこのバカバカしいような映画に忘れ難い感動を与えてくれます。日本では何故か配信のみ。これこそCD発売しましょうよ!仕方が無いから輸入盤探します。
あ、そうそう、もちろんオーバーテクノロジーな宇宙船にカセットデッキが何で据え付けてあるの?とかそんな野暮な事は言っちゃいけません(笑)
「アベンジャーズ」のラストに登場した存在が遂に名前とその全容を現したり、「マイティ・ソー ダークワールド」に登場したキャラが出てきたり、マーベルの他作品とのリンクを仕込むのもシリーズのファンには楽しい所。
同時に監督ジェームズ・ガンがどうやら心底SFオタクらしく「分かる人には分かる」レベルのパロディが大量に仕込まれています。マニアを自称する人は片っ端から探してみるのも一興でしょう。さすがに私も全部見抜いたとはとても思えません。
少年漫画を思わせるコミカルで、それでいてストレートに熱いこのスペース・オペラ、ある人には新鮮で、またある人には懐かしく映るでしょうが、紛れも無く人を選ばない、誰もが楽しめる逸品です。
まだご覧になっていない方、自分の心に眠る少年ハートを震わせに、是非映画館に足を運んでみてください。
なお、マーベル作品のお約束としてご多聞に漏れずこの映画もエンドクレジット後にもう1シーンあります。劇場が明るくなるまで席をお立ちになりませんように。
連休の交通網とイベントを次々直撃していきました。先週は出勤時にストライクで結局半日休みましたが、今度のはどうだろう?
こんばんは、小島@監督です。
結局この連休は家で引籠ってひたすらビデオチェックとゲームばかりしてました。
さて、今回の映画は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」です。
母親が死んだ日に宇宙人にアブダクションされ、以来宇宙を股に掛けるトレジャーハンターとして育てられた自称「スター・ロード」ことピーター・クィル(クリス・プラット)。
ある時クィルは惑星を壊滅させられるほどの力を秘める至宝「オーブ」を盗み出したものの、悪党たちとの争奪戦の末、刑務所に送り込まれてしまう。
しかしそこで「オーブ」を銀河系でその悪名を轟かせるロナン(リー・ペイス)が狙っているのを知ると、刑務所で知り合った囚人たち、ロナンに送り込まれた女暗殺者ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)、遺伝子改造されたアライグマのロケット(ブラッドリー・クーパー)、ロケットの相棒で植物人間のグルート(ヴィン・ディーゼル)、ロナンに家族を殺された復讐鬼ドラックス(デビッド・バウティスタ)らと手を組み脱獄。ロナンへのリベンジに乗り出した。
「アベンジャーズ」を世に送り出したマーベルが新たなヒーローと心底楽しい映画を生み出しました。
1人ではとても主人公を張れそうにないボンクラなアウトローたちがチームを組んで宇宙の危機に立ち向かいます。
パンフレット読んで知りましたが、このメンバー、コミックとしても数十年ぶりに再登場したキャラもいるそうでアニメ化も無く映像として登場するのはどいつもこいつも初めてだとか。
「ダークナイト」を筆頭に近年のアメコミ映画は、ある程度緩く作ってあったとしても現実と直結した悲哀や社会風刺を忍ばせてきましたが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はそう言ったものからも距離を置き、というか吹っ切れ気味に個性的なキャラクターがセンス・オブ・ワンダーなビジュアルの中を入り乱れる荒唐無稽な、それでいて正統派な「熱さ」が沁みる物語に仕立て上げました。
ホントにいろいろどうしようもないメンバーなのに彼らがヒーローへと成長するその終盤のカッコ良さと来たら!
物語を印象付ける「もう一つの主人公」というべき存在がクィルの母が生前贈ったウォークマン(最初期モデル)とカセットテープ「最強ミックス」
そこに収められた70年代のヒット曲の数々が物語に華を添えます。
聞けば作中で使用された楽曲を収録したアルバムが本国アメリカではビルボードチャートで1位を獲得したとか。それも納得の珠玉の名曲たちがこのバカバカしいような映画に忘れ難い感動を与えてくれます。日本では何故か配信のみ。これこそCD発売しましょうよ!仕方が無いから輸入盤探します。
あ、そうそう、もちろんオーバーテクノロジーな宇宙船にカセットデッキが何で据え付けてあるの?とかそんな野暮な事は言っちゃいけません(笑)
「アベンジャーズ」のラストに登場した存在が遂に名前とその全容を現したり、「マイティ・ソー ダークワールド」に登場したキャラが出てきたり、マーベルの他作品とのリンクを仕込むのもシリーズのファンには楽しい所。
同時に監督ジェームズ・ガンがどうやら心底SFオタクらしく「分かる人には分かる」レベルのパロディが大量に仕込まれています。マニアを自称する人は片っ端から探してみるのも一興でしょう。さすがに私も全部見抜いたとはとても思えません。
少年漫画を思わせるコミカルで、それでいてストレートに熱いこのスペース・オペラ、ある人には新鮮で、またある人には懐かしく映るでしょうが、紛れも無く人を選ばない、誰もが楽しめる逸品です。
まだご覧になっていない方、自分の心に眠る少年ハートを震わせに、是非映画館に足を運んでみてください。
なお、マーベル作品のお約束としてご多聞に漏れずこの映画もエンドクレジット後にもう1シーンあります。劇場が明るくなるまで席をお立ちになりませんように。
先日同窓会に上京した際、実は先週のブログで取り上げた「駅馬車」以外にもう1本観ていました。
場所は新宿バルト9。
HPはこちら。
新宿3丁目にあるデパート「マルイアネックス」が入るイーストビルの9~13階に同居する全9スクリーンのシネコンです。主に東映や東急系の作品を中心に上映し、作品によっては基幹上映館としての機能も果たしています。
そのためか頻繁に舞台挨拶等のイベントも開催しているようで、実際私が訪れた日も「翠星のガルガンティア」の舞台挨拶が催されていました。
この日観たのは「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」
今月8日のBlu-ray&DVDの発売に合わせて再上映が組まれました。「Videom@ster版」と称し、作画のクオリティが1月の公開時よりアップしてるのが特徴です。
ま、内容については今更語る所は特にございません。単に基幹館のバルト9でアイマス観たかっただけなんや(笑)
こんばんは、小島@監督です。
以上、「孤独のキネマ・番外編」でした(笑)
さて、昨日はそのアイマスの9thツアーの最終公演となる東京公演2日目のライブビューイングに行ってきました。
主な出演者等の基本情報は昨日のショーグンさんのブログを参照していただくとして、最終公演ではゲーム「ONE FOR ALL」でライバルキャラ玲音(レオン)を演じた茅原実里がゲストとして出演しました。
9thツアーはこれまで以上にソロでのパフォーマンスを重点的に構成しており、それは東京公演でも変わりません。出演者1人1人に3曲とMCを割り当て、中盤に今回出演しないメンバーの持ち歌を出演者がカバーするコーナーを挟んで前半と後半で4人ずつソロパートを持ってくる構成の大枠は名古屋や大阪と大きく違いは無いです。
選曲で何より驚かされたのは沼倉愛美さんの「初恋第一章~片想いの桜」
「生っすかSPECIAL!」というCDシリーズで展開した、少年と少女の初恋を季節の移ろいと共に描く一章から五章までの連作の組曲として作られたもので、その性格上ライブでの披露はかなり難しい曲と思っていたので今回のチョイスは非常に嬉しかったです。
また、今回はライブビューイングでの鑑賞だったのですが、ソロパート中心のセットリストのお陰で視点のブレが少なく、ポーズだけでなく視線や表情で客を煽る中村繪理子さんや激しいダンスパフォーマンスを披露する沼倉、茅原あたりでは腰の動きをクローズアップしてみせたり勘所を押さえたカメラワークだったのも嬉しい所でした。
その他、わざわざ小道具まで用意してネタを仕込んでくる下田麻美さんや、演じるキャラクターそのままに観客を罵倒した後思いっきり照れる様に「ツンデレ」の極意を見せつける釘宮理恵さんなど出演者の個性が前面に出たMCも楽しませてくれましたが、何と言っても今回のツアー最大の魅力はアイマスの楽曲群が持つパワーをファンに再確認させてくれた所にあります。
「Vault That Borderline」、直訳すると「境界線を飛び越えろ」という意味のタイトルの曲があるのですが、ジャズやボサノバ、トランス、ビバップ等の多彩なジャンルが「アイマス」という名のもと対立もせず同居しうる、まさに「境界線を飛び越えた」ライブステージというのは稀有な存在と言って良いでしょう。
その楽曲たちを歌う出演者たちの「経験」と、ファンがここまで築き上げた「時間」の全てが渾然一体となり、より高いレベルのパフォーマンスがステージで展開されていました。
そしてそれら全ての集大成と言えるのが今回のステージ終盤での今井麻美さんの「約束」です。
その前の曲「蒼い鳥」から既に目に涙を浮かべていた今井麻美さん、少し震え気味に歌うその様をカメラがずっとその表情をクローズアップしたまま捉え、ラスサビに入ったところで出演者全員がそのサビを歌い出し、そして最後のパートを今井さんが引き継ぐアニメ20話を彷彿とさせる演出。しかしその後感極まった今井さんが泣き崩れて歌えなくなってしまったのを全員が引き継ぐ「彷彿」どころか「そのまま」の状況に私の涙腺も決壊。
ステージ最後のMCもイチイチ泣かせることを言ってくれる人たちばかりで、ああ、自分はホント掛け値無しにアイマスが好きなのだなと再確認しました。
中村さんがMCで「10年続けば「趣味」と言って良いレベル」と仰ってましたが、そろそろ自分も「趣味」の欄に「アイマス」を書き加えても良さそうな領域に入ってきました。
ええ!行ける所まで行きますよ!
場所は新宿バルト9。
HPはこちら。
新宿3丁目にあるデパート「マルイアネックス」が入るイーストビルの9~13階に同居する全9スクリーンのシネコンです。主に東映や東急系の作品を中心に上映し、作品によっては基幹上映館としての機能も果たしています。
そのためか頻繁に舞台挨拶等のイベントも開催しているようで、実際私が訪れた日も「翠星のガルガンティア」の舞台挨拶が催されていました。
この日観たのは「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」
今月8日のBlu-ray&DVDの発売に合わせて再上映が組まれました。「Videom@ster版」と称し、作画のクオリティが1月の公開時よりアップしてるのが特徴です。
ま、内容については今更語る所は特にございません。単に基幹館のバルト9でアイマス観たかっただけなんや(笑)
こんばんは、小島@監督です。
以上、「孤独のキネマ・番外編」でした(笑)
さて、昨日はそのアイマスの9thツアーの最終公演となる東京公演2日目のライブビューイングに行ってきました。
主な出演者等の基本情報は昨日のショーグンさんのブログを参照していただくとして、最終公演ではゲーム「ONE FOR ALL」でライバルキャラ玲音(レオン)を演じた茅原実里がゲストとして出演しました。
9thツアーはこれまで以上にソロでのパフォーマンスを重点的に構成しており、それは東京公演でも変わりません。出演者1人1人に3曲とMCを割り当て、中盤に今回出演しないメンバーの持ち歌を出演者がカバーするコーナーを挟んで前半と後半で4人ずつソロパートを持ってくる構成の大枠は名古屋や大阪と大きく違いは無いです。
選曲で何より驚かされたのは沼倉愛美さんの「初恋第一章~片想いの桜」
「生っすかSPECIAL!」というCDシリーズで展開した、少年と少女の初恋を季節の移ろいと共に描く一章から五章までの連作の組曲として作られたもので、その性格上ライブでの披露はかなり難しい曲と思っていたので今回のチョイスは非常に嬉しかったです。
また、今回はライブビューイングでの鑑賞だったのですが、ソロパート中心のセットリストのお陰で視点のブレが少なく、ポーズだけでなく視線や表情で客を煽る中村繪理子さんや激しいダンスパフォーマンスを披露する沼倉、茅原あたりでは腰の動きをクローズアップしてみせたり勘所を押さえたカメラワークだったのも嬉しい所でした。
その他、わざわざ小道具まで用意してネタを仕込んでくる下田麻美さんや、演じるキャラクターそのままに観客を罵倒した後思いっきり照れる様に「ツンデレ」の極意を見せつける釘宮理恵さんなど出演者の個性が前面に出たMCも楽しませてくれましたが、何と言っても今回のツアー最大の魅力はアイマスの楽曲群が持つパワーをファンに再確認させてくれた所にあります。
「Vault That Borderline」、直訳すると「境界線を飛び越えろ」という意味のタイトルの曲があるのですが、ジャズやボサノバ、トランス、ビバップ等の多彩なジャンルが「アイマス」という名のもと対立もせず同居しうる、まさに「境界線を飛び越えた」ライブステージというのは稀有な存在と言って良いでしょう。
その楽曲たちを歌う出演者たちの「経験」と、ファンがここまで築き上げた「時間」の全てが渾然一体となり、より高いレベルのパフォーマンスがステージで展開されていました。
そしてそれら全ての集大成と言えるのが今回のステージ終盤での今井麻美さんの「約束」です。
その前の曲「蒼い鳥」から既に目に涙を浮かべていた今井麻美さん、少し震え気味に歌うその様をカメラがずっとその表情をクローズアップしたまま捉え、ラスサビに入ったところで出演者全員がそのサビを歌い出し、そして最後のパートを今井さんが引き継ぐアニメ20話を彷彿とさせる演出。しかしその後感極まった今井さんが泣き崩れて歌えなくなってしまったのを全員が引き継ぐ「彷彿」どころか「そのまま」の状況に私の涙腺も決壊。
ステージ最後のMCもイチイチ泣かせることを言ってくれる人たちばかりで、ああ、自分はホント掛け値無しにアイマスが好きなのだなと再確認しました。
中村さんがMCで「10年続けば「趣味」と言って良いレベル」と仰ってましたが、そろそろ自分も「趣味」の欄に「アイマス」を書き加えても良さそうな領域に入ってきました。
ええ!行ける所まで行きますよ!
週末木曽御嶽山の噴火の報に心底ビビりました。よりにもよってその日に両親がその近くまで旅行に行っていたからです。幸い何事も無く宿にも泊まれたようでホッとしました。
こんばんは、小島@監督です。
ただ、風向きによってはウチの方まで灰が届く可能性があるのでまだ油断はできませんが。
さて、御嶽山が噴火してた頃私は同窓会に出席するため東京に行ってました。アイマスなどのライブ遠征も含めると今年は2か月に1回の結構なハイペースで上京してます。
ホテルにチェックインして、同窓会の集合時刻までの間、「本格的に何かをするには短いがただ待つには長い時間」が生じるのは分かっていたのでそうなったら私の場合はもう映画一択(笑)
今回行ったのは新宿三丁目にある「シネマート新宿」
公式HPはこちら
新宿文化ビルの6・7階にある映画館で、主に独立系の作品を2スクリーンで上映する映画館です。席数はスクリーン1が335席、スクリーン2が62席です。
また同じビルの4・5階には「角川シネマ新宿」があり、その名の通り角川配給作品を中心に上映する映画館です。
今は「ストライク・ウィッチーズ」「gdgd妖精」などが上映されています。
今回観たのは「駅馬車」
1939年に監督ジョン・フォード、主演ジョン・ウェインで製作された映画史上に残る西部劇の傑作です。当時B級映画俳優に過ぎなかったジョン・ウェインをスターダムにのし上げた作品でもあります。ジョン・フォード生誕120周年を記念して「静かなる男」(1952年製作)と共にデジタル・リマスター版での特集上映が組まれました。
館内には映画撮影時と現在の様子を比較するパネルも掲示されています。
「駅馬車」は脱獄囚、保安官、飲んだくれの医者、ばくち打ち、酒売りの商人、大金を横領した銀行家、娼婦、騎兵隊大尉夫人ら駅馬車に乗り合わせた者たちの人間模様と馬車を襲撃するアパッチとの死闘、因縁の相手との決闘が描かれます。
人の「情」が熱い物語に、コミカルなアクセントとロマンスを織り込み、70年以上も前の作品とは思えぬ面白さです。
クライマックスのアパッチとの死闘はスピーディーな迫力に満ち、近年の作品にも決して引けを取りません。「オールタイムベスト」などで良くランクインされるのも当然と言うべき作品です。
この映画、ジョン・ウェイン演じる復讐に燃える脱獄囚リンゴ・キッドも良いですが、トーマス・ミッチェル演じる飲んだくれの医師ブーンが素晴らしい。最初は酒をあおるだけのどうしようもない役立たずのように見えて大尉夫人を救うために必死になったり札付きの悪党を前に啖呵切ったり、冴えない見た目に反して最高にカッコいいです。実際演じたトーマス・ミッチェルはこのブーン役でアカデミー助演男優賞に輝きました。
ただ、デジタルリマスター版ではありますが、画面ブレなどは無くなっているもののさすがに古すぎるせいか「ゴジラ」のように特撮のピアノ線すら鮮明になっているような驚きはなかったのがちょっぴり残念と言えば残念でした。そこはクラシックタイトルをスクリーンで観られる機会を得ただけ良しと割り切った方が良さそうです。
「駅馬車」と「静かなる男」はもちろん既にソフト化等はされてるので観ようと思えばいつでも観られますが10月末から名古屋でも今池シネマテークで、11月には中川コロナシネマワールドでも上映が始まるので70年の時を経てなお色あせないこの傑作、是非多くの人にスクリーンで楽しんでもらいたいですね。
それともう一つ、今回足を運んだシネマート新宿の系列館であるシネマート六本木にてちゅうカラメンバーで現在東京を中心に芸能活動をしているvoda☆poneこと井上まいさんが出演する作品「少女ギャング」が10月5日の12時20分からと16時20分からの2回上演されます。映画とライブアクションを融合させた舞台という事でなかなかユニークな作品のよう。場所が東京だし、歌会開催日だしで結構厳しいかもですが、関東近郊にお住まいの方、当日近くにおいでの方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
こんばんは、小島@監督です。
ただ、風向きによってはウチの方まで灰が届く可能性があるのでまだ油断はできませんが。
さて、御嶽山が噴火してた頃私は同窓会に出席するため東京に行ってました。アイマスなどのライブ遠征も含めると今年は2か月に1回の結構なハイペースで上京してます。
ホテルにチェックインして、同窓会の集合時刻までの間、「本格的に何かをするには短いがただ待つには長い時間」が生じるのは分かっていたのでそうなったら私の場合はもう映画一択(笑)
今回行ったのは新宿三丁目にある「シネマート新宿」
公式HPはこちら
新宿文化ビルの6・7階にある映画館で、主に独立系の作品を2スクリーンで上映する映画館です。席数はスクリーン1が335席、スクリーン2が62席です。
また同じビルの4・5階には「角川シネマ新宿」があり、その名の通り角川配給作品を中心に上映する映画館です。
今は「ストライク・ウィッチーズ」「gdgd妖精」などが上映されています。
今回観たのは「駅馬車」
1939年に監督ジョン・フォード、主演ジョン・ウェインで製作された映画史上に残る西部劇の傑作です。当時B級映画俳優に過ぎなかったジョン・ウェインをスターダムにのし上げた作品でもあります。ジョン・フォード生誕120周年を記念して「静かなる男」(1952年製作)と共にデジタル・リマスター版での特集上映が組まれました。
館内には映画撮影時と現在の様子を比較するパネルも掲示されています。
「駅馬車」は脱獄囚、保安官、飲んだくれの医者、ばくち打ち、酒売りの商人、大金を横領した銀行家、娼婦、騎兵隊大尉夫人ら駅馬車に乗り合わせた者たちの人間模様と馬車を襲撃するアパッチとの死闘、因縁の相手との決闘が描かれます。
人の「情」が熱い物語に、コミカルなアクセントとロマンスを織り込み、70年以上も前の作品とは思えぬ面白さです。
クライマックスのアパッチとの死闘はスピーディーな迫力に満ち、近年の作品にも決して引けを取りません。「オールタイムベスト」などで良くランクインされるのも当然と言うべき作品です。
この映画、ジョン・ウェイン演じる復讐に燃える脱獄囚リンゴ・キッドも良いですが、トーマス・ミッチェル演じる飲んだくれの医師ブーンが素晴らしい。最初は酒をあおるだけのどうしようもない役立たずのように見えて大尉夫人を救うために必死になったり札付きの悪党を前に啖呵切ったり、冴えない見た目に反して最高にカッコいいです。実際演じたトーマス・ミッチェルはこのブーン役でアカデミー助演男優賞に輝きました。
ただ、デジタルリマスター版ではありますが、画面ブレなどは無くなっているもののさすがに古すぎるせいか「ゴジラ」のように特撮のピアノ線すら鮮明になっているような驚きはなかったのがちょっぴり残念と言えば残念でした。そこはクラシックタイトルをスクリーンで観られる機会を得ただけ良しと割り切った方が良さそうです。
「駅馬車」と「静かなる男」はもちろん既にソフト化等はされてるので観ようと思えばいつでも観られますが10月末から名古屋でも今池シネマテークで、11月には中川コロナシネマワールドでも上映が始まるので70年の時を経てなお色あせないこの傑作、是非多くの人にスクリーンで楽しんでもらいたいですね。
それともう一つ、今回足を運んだシネマート新宿の系列館であるシネマート六本木にてちゅうカラメンバーで現在東京を中心に芸能活動をしているvoda☆poneこと井上まいさんが出演する作品「少女ギャング」が10月5日の12時20分からと16時20分からの2回上演されます。映画とライブアクションを融合させた舞台という事でなかなかユニークな作品のよう。場所が東京だし、歌会開催日だしで結構厳しいかもですが、関東近郊にお住まいの方、当日近くにおいでの方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
こういうのも一種の職業病とでもいうのか、先週ニュースを賑わせたスコットランド独立の是非を問う住民投票、それを聞いて私がつい考えてしまったのは、
「スコットランドが独立したらウィスキーの輸送ルートってどうなるんだろう?」
でした。直接自分が買い付けに関わってるワケではないので気にする必要など一切無いのですが(苦笑)
こんばんは、小島@監督です。
とは言え世界のニュースは時に身近なものに感じられる事、ありますね。
さて、今回の映画は韓国発のサスペンス「テロ、ライブ」です。
不祥事でテレビキャスターの職を追われラジオ局へ左遷されたヨンファ(ハ・ジョンウ)
燻った感情を抱きながらも今日も生放送の時間が始まる。
リスナーと電話でやり取りする中、建築作業員パク・ノギュと名乗る人物から「麻浦大橋に爆弾を仕掛けた。俺の要求を聞かなければ爆破する」と、脅迫を受けるが、ヨンファはどうせいたずらと取り合わず電話を切る。
しかし、次の瞬間爆音が響き麻浦大橋が爆発した!
その衝撃に驚きながらもこれがテロと確信するヨンファは特大スクープの予感に身を震わせ、自信を左遷したチャ局長(イ・ギョンヨン)に取引を持ちかけ、このスクープを独占生中継しその実績をもってテレビキャスターへ返り咲こうと画策したのだ。
そして再びパク・ノギュからの電話がヨンファへと届いた…!
全編ほぼスタジオの中のみで展開し、かつリアルタイムで進行する極めてミニマムかつソリッドなサスペンスです。
キャスター・ヨンファと犯人パク・ノギュとの心理戦はもちろん、このスクープを物にせんとする利己心丸出しのテレビ局の人間や保身に走る政府関係者たちの、僅かな良心など容易く踏みつけ握りつぶす欲望の激突がこの映画の見所です。
危機に際して登場人物の多くがあからさまなまでに自身の利益のみを追求していくその姿に今年3月に発生した「客船セウォル号沈没事件」を想起してしまう方も多いに違いありません。韓国という国の最も醜い部分を露呈したと言っても良い事件でしたが、この映画の凄い所はその沈没事件より前に製作されている点です。皮肉のようにも聞こえますが、その予見性には舌を巻くほかありません。あるいはクリエイターの冷静な批評精神の為せる業、というべきでしょうか。
演出について、よほどシナリオを徹底的に推敲したのでしょう、限界ギリギリまで余剰は削ぎ落され無意味なセリフは一つも無いと言って良いレベルな上に、ほぼ全編スタジオの中のみで展開しながらもリポーターの中継や他局のニュース映像なども差し挟むことによって映像が単調になる事を上手く回避し、それでいて物語を時に飛躍させてエンターテインメント性を強調する事も忘れず、高い緊張感を最後まで維持し続けるその手腕は見事としか言いようがありません。
何となく犯人パク・ノギュがいろいろチートすぎる気がしなくもないですが(笑)、紛れも無く今年公開されるサスペンスやスリラー映画の中でトップレベルの出来栄えです。
既に名古屋での上映は終了してしまっていますが、稲沢や岡崎、大垣での上映はこれから始まりますし、機会のある方は是非ご覧になっていただきたい作品ですね。
これほどの逸品、韓流好きのおば様達だけに独占させておくなどもったいない(笑)!
「スコットランドが独立したらウィスキーの輸送ルートってどうなるんだろう?」
でした。直接自分が買い付けに関わってるワケではないので気にする必要など一切無いのですが(苦笑)
こんばんは、小島@監督です。
とは言え世界のニュースは時に身近なものに感じられる事、ありますね。
さて、今回の映画は韓国発のサスペンス「テロ、ライブ」です。
不祥事でテレビキャスターの職を追われラジオ局へ左遷されたヨンファ(ハ・ジョンウ)
燻った感情を抱きながらも今日も生放送の時間が始まる。
リスナーと電話でやり取りする中、建築作業員パク・ノギュと名乗る人物から「麻浦大橋に爆弾を仕掛けた。俺の要求を聞かなければ爆破する」と、脅迫を受けるが、ヨンファはどうせいたずらと取り合わず電話を切る。
しかし、次の瞬間爆音が響き麻浦大橋が爆発した!
その衝撃に驚きながらもこれがテロと確信するヨンファは特大スクープの予感に身を震わせ、自信を左遷したチャ局長(イ・ギョンヨン)に取引を持ちかけ、このスクープを独占生中継しその実績をもってテレビキャスターへ返り咲こうと画策したのだ。
そして再びパク・ノギュからの電話がヨンファへと届いた…!
全編ほぼスタジオの中のみで展開し、かつリアルタイムで進行する極めてミニマムかつソリッドなサスペンスです。
キャスター・ヨンファと犯人パク・ノギュとの心理戦はもちろん、このスクープを物にせんとする利己心丸出しのテレビ局の人間や保身に走る政府関係者たちの、僅かな良心など容易く踏みつけ握りつぶす欲望の激突がこの映画の見所です。
危機に際して登場人物の多くがあからさまなまでに自身の利益のみを追求していくその姿に今年3月に発生した「客船セウォル号沈没事件」を想起してしまう方も多いに違いありません。韓国という国の最も醜い部分を露呈したと言っても良い事件でしたが、この映画の凄い所はその沈没事件より前に製作されている点です。皮肉のようにも聞こえますが、その予見性には舌を巻くほかありません。あるいはクリエイターの冷静な批評精神の為せる業、というべきでしょうか。
演出について、よほどシナリオを徹底的に推敲したのでしょう、限界ギリギリまで余剰は削ぎ落され無意味なセリフは一つも無いと言って良いレベルな上に、ほぼ全編スタジオの中のみで展開しながらもリポーターの中継や他局のニュース映像なども差し挟むことによって映像が単調になる事を上手く回避し、それでいて物語を時に飛躍させてエンターテインメント性を強調する事も忘れず、高い緊張感を最後まで維持し続けるその手腕は見事としか言いようがありません。
何となく犯人パク・ノギュがいろいろチートすぎる気がしなくもないですが(笑)、紛れも無く今年公開されるサスペンスやスリラー映画の中でトップレベルの出来栄えです。
既に名古屋での上映は終了してしまっていますが、稲沢や岡崎、大垣での上映はこれから始まりますし、機会のある方は是非ご覧になっていただきたい作品ですね。
これほどの逸品、韓流好きのおば様達だけに独占させておくなどもったいない(笑)!
先日リリース前の海外ドラマの先行上映会に行ってきました。
タイトルは「ホステージ」
「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「CSI」シリーズを手掛けたジェリー・ブラッカイマーが新たにプロデュースするシリーズです。間断なくパワフルな作品を30年以上も提示し続けるあたり、恐るべき手腕です。
大統領への心臓外科手術の執刀を間近に控えた女性外科医エレン(トニ・コレット)。その自宅が突如4人の人間に襲撃され家族を人質に取られてしまう。
犯人の要求は1つ。「手術中に大統領を殺害する事」
従わなければ家族を殺すと脅迫する犯人に対し、エレンの取る決断とは?15日間に及ぶ極限の心理戦が描かれます。
犯人グループがあくまでも実行犯で裏に黒幕がいる事や、家族にも多くの秘密が見え隠れするあたり、さすがアメリカのドラマというべきでしょうか。かなり凝った作りしてます。
1話で1日、全15話で展開し、どうやら次のシーズンへ引っ張るわけでなくキッチリ完結するようで一気身にも向いているかも知れませんね(笑)
こんばんは、小島@監督です。
「ホステージ」は今月19日よりセル&レンタルリリーススタート!
さて、今回の映画は「イントゥ・ザ・ストーム」です。
アメリカ、コロラド州シルバートン。高校の卒業式当日の朝、教頭を務めるゲイリー(リチャード・アーミティッジ)は低気圧の接近を知らせるニュースに式を延期すべきかどうか頭を悩ませていた。同じ高校に通うゲイリーの2人の息子ドニー(マックス・ディーコン)とトレイ(ネイサン・クレス)に式の撮影を依頼するが、母親を事故で亡くして以来特に長男との仲が上手くいっていない事も悩みの種だ。
一方、ストームチェイサー・ピート(マット・ウォルシュ)と気象学者アリソン(サラ・ウェイン・キャリーズ)のチームも低気圧接近の報を受けシルバートンへと向かう。さらにその姿を見たおバカ動画で有名人になろうと目論むドンク(カイル・デイヴィス)とリービス(ジョン・リープ)も興奮気味に彼らの後を追う。
そして、最初の竜巻が地表にタッチダウンした……!
この映画を一言で形容するなら「一点突破」
物語は余剰を省いてごくシンプルに、VFX、音響など演出の全てをいかに「竜巻に迫力を持たせるか」ということのみに費やし、結果その思い切りの良さが作品の質を高める事に繋がったユニークな逸品です。
低気圧が接近してくるにつれ勢いを増していく竜巻の姿はどこまでがリアルでどこからがハッタリなのか良く分かりませんがとにかく恐ろしいまでの迫力です。スクリーンで観てこそ意味のある映像が次々と出てくるところがこの映画の魅力です。
この「迫力」を表現するために用いた手法もなかなかユニークで、ハンドカメラや携帯電話、車載カメラによる主観映像を積極的に多用しさながらフェイク・ドキュメンタリー映画のよう。主要人物がみなカメラを携行している事に自然な状況を作り上げた事と、主観と客観をシーンに合わせてスイッチするそのセンスに脱帽です。
徹底して1つの要素を見せ切る事に全力を尽くしているため、89分という短い時間にまとめ上げた点も評価したい所ですね。
そうは言ってもこの作品は「巨大竜巻に襲われて人々が必死に何かにしがみつく」、言ってしまえばそれだけの映画です。下らないと断ずればそれまでであり、人によっては映画館を出たそばから物語をきれいサッパリ忘れてしまう方もいらっしゃるに違いありません。
だがそれがいい。
ほんの一時憂き世を忘れさせる、それだってもとは見世物小屋から始まった「映画」という娯楽が持つある意味最も根源的な「魔法」です。
わたしはこんな作品が大好きです。
タイトルは「ホステージ」
「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「CSI」シリーズを手掛けたジェリー・ブラッカイマーが新たにプロデュースするシリーズです。間断なくパワフルな作品を30年以上も提示し続けるあたり、恐るべき手腕です。
大統領への心臓外科手術の執刀を間近に控えた女性外科医エレン(トニ・コレット)。その自宅が突如4人の人間に襲撃され家族を人質に取られてしまう。
犯人の要求は1つ。「手術中に大統領を殺害する事」
従わなければ家族を殺すと脅迫する犯人に対し、エレンの取る決断とは?15日間に及ぶ極限の心理戦が描かれます。
犯人グループがあくまでも実行犯で裏に黒幕がいる事や、家族にも多くの秘密が見え隠れするあたり、さすがアメリカのドラマというべきでしょうか。かなり凝った作りしてます。
1話で1日、全15話で展開し、どうやら次のシーズンへ引っ張るわけでなくキッチリ完結するようで一気身にも向いているかも知れませんね(笑)
こんばんは、小島@監督です。
「ホステージ」は今月19日よりセル&レンタルリリーススタート!
さて、今回の映画は「イントゥ・ザ・ストーム」です。
アメリカ、コロラド州シルバートン。高校の卒業式当日の朝、教頭を務めるゲイリー(リチャード・アーミティッジ)は低気圧の接近を知らせるニュースに式を延期すべきかどうか頭を悩ませていた。同じ高校に通うゲイリーの2人の息子ドニー(マックス・ディーコン)とトレイ(ネイサン・クレス)に式の撮影を依頼するが、母親を事故で亡くして以来特に長男との仲が上手くいっていない事も悩みの種だ。
一方、ストームチェイサー・ピート(マット・ウォルシュ)と気象学者アリソン(サラ・ウェイン・キャリーズ)のチームも低気圧接近の報を受けシルバートンへと向かう。さらにその姿を見たおバカ動画で有名人になろうと目論むドンク(カイル・デイヴィス)とリービス(ジョン・リープ)も興奮気味に彼らの後を追う。
そして、最初の竜巻が地表にタッチダウンした……!
この映画を一言で形容するなら「一点突破」
物語は余剰を省いてごくシンプルに、VFX、音響など演出の全てをいかに「竜巻に迫力を持たせるか」ということのみに費やし、結果その思い切りの良さが作品の質を高める事に繋がったユニークな逸品です。
低気圧が接近してくるにつれ勢いを増していく竜巻の姿はどこまでがリアルでどこからがハッタリなのか良く分かりませんがとにかく恐ろしいまでの迫力です。スクリーンで観てこそ意味のある映像が次々と出てくるところがこの映画の魅力です。
この「迫力」を表現するために用いた手法もなかなかユニークで、ハンドカメラや携帯電話、車載カメラによる主観映像を積極的に多用しさながらフェイク・ドキュメンタリー映画のよう。主要人物がみなカメラを携行している事に自然な状況を作り上げた事と、主観と客観をシーンに合わせてスイッチするそのセンスに脱帽です。
徹底して1つの要素を見せ切る事に全力を尽くしているため、89分という短い時間にまとめ上げた点も評価したい所ですね。
そうは言ってもこの作品は「巨大竜巻に襲われて人々が必死に何かにしがみつく」、言ってしまえばそれだけの映画です。下らないと断ずればそれまでであり、人によっては映画館を出たそばから物語をきれいサッパリ忘れてしまう方もいらっしゃるに違いありません。
だがそれがいい。
ほんの一時憂き世を忘れさせる、それだってもとは見世物小屋から始まった「映画」という娯楽が持つある意味最も根源的な「魔法」です。
わたしはこんな作品が大好きです。