前回の歌会で既にご存知の方もいらっしゃいますが、実は先月から遂にスマートフォンに変えまして、今はどんな機能が付いているのかをいろいろ試している真っ最中。
その中に歩数計があって、買った日からの日々の歩数が記録されてるのですが、私出勤日は毎日20,000~25,000歩歩いてました。概算距離は20~25km。通勤で徒歩の距離は全部足しても3kmあるかどうか位のはずなので、実に20km前後を職場内で歩いてる計算に。道理で足腰鍛えられてる気がするわけだ。
こんばんは、小島@監督です。
つまりあとは腹回りを何とかすれば…!
さて、今回の映画は「デッドプール」です。
トラブルシューターをして日銭を稼ぐウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)は、ある時娼婦のヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)と出会い、やがて2人は愛し合うようになり婚約するに至るが、その日にウェイドは意識を失い倒れてしまう。
病院で末期ガンと診断されたウェイドは、自身が朽ちていく様をヴァネッサに見せたくないと一方的に別れを切り出し、塞ぎ込んでいた。そんなウェイドに謎の男が接触を図る。「ガンを治癒できる」という男の誘いに乗り人体実験の被験者になる事を決めたウェイドだったが、謎の薬品を投与され、その結果細胞が変異し超人的な治癒力を持つようになるが同時に全身火傷を負ったような姿に変貌してしまった。
醜い姿になってしまった自分を受け入れられないウェイドは、マスクを被り復讐人「デッドプール」と名乗り、自身を変えた男たちの手がかりを追い始める。
マーベル・コミックが送り出す新たなヒーロー映画はオープニング・クレジットから全力で笑いを取りに行く異色の構成が目を引くまさに「コミカル」な作品です。
「デッドプール」というキャラクターはアメコミ・ヒーロー数あれど相当ユニークなキャラクターで、映画も原典同様にデッドプールが観客に幾度となく直接語り掛ける構成をしています。しかも大抵そういう時は何かしら自虐的なセリフを発しますし、それ以外にもカメラを意識した行動やBGMがかかっていることを自覚したセリフなど、いわゆる「第四の壁」をホイホイ破る演出が多用されています。
笑いの取り方の方向性としては80~90年代の香港映画や、あるいは日本のアニメで言えば水島努監督作品のそれと似ているように思います。この辺りを好む方にはこのテンポはかなり心地良く感じるのではないでしょうか。
一応作品としては「X-MEN」の系譜に当たる作品で、シリーズお馴染みの「恵まれし子らの学園」と、「ファイナル・ディシジョン」や「フューチャー&パスト」に登場したコロッサス(今作ではステファン・カピチッチが演じている)が登場しますが、基本的には単独の作品です。
デッドプールというキャラクター自体「ウルヴァリン X-MEN ZERO」(2009年製作。監督ギャヴィン・フッド)に登場し、ライアン・レイノルズはその時デッドプールを演じてもいますが、作品としてはほぼ全く関係ありません。もっとも「ウルヴァリン」の時のデッドプールのシリアスな人物造形にライアン・レイノルズがいささか不満で何とか原作のイメージに近いデッドプールを映像化したかったという熱意もあったようで、経緯としては無関係ではなさそうですが。
なので、「デッドプール」を観るにあたり何か「X-MEN」シリーズを予習しておいた方が良いのかと言えばそんな必要はありません。もしも何か予習を…とお考えの方はむしろ「127時間」(2010年製作。監督ダニー・ボイル、主演ジェームズ・フランコ。因みにこの映画のフランコの吹替えは奇しくもデッドプールのライアン・レイノルズと同じ加瀬康之である)をお薦めしておきます。それ以外にも多くの映画のパロディが盛り込まれているので、映画の素養が深いとそれだけ深く楽しめるようになっています。
基本的にはコメディ寄りの作品ではありますが、デッドプールがいかにデッドプールになっていったか、という「エピソード1」としての機能はしっかりと果たせていますし、セリフ回しが下品とは言えひたすらヴァネッサへの愛情を貫こうとする純愛映画的な一面も持ち合わせ、エンターテインメントとしての質は思いのほか高いです。
反面、R-15というレイティングも伊達ではなく、悪人たちが結構勢いよく手とか首とかすっ飛ばされたり爆散したりするため、こういうスラッシャー描写が苦手な方は注意が必要です。これでもいわゆるスプラッタ・ホラーに比べたら大したことないと言えばそうなのですが、苦手な人は苦手ですしね。
その辺が大丈夫ならデッドプールは期待以上の楽しさを観る者に約束してくれる映画です。近年複雑かつ長大化の一途をたどるアメコミ映画に反して登場人物も少なく108分と短めでテンポが良く見やすいのもポイント高いです。気になってる方は是非映画館で上質のボンクラ体験を!
もちろん他のマーベル映画同様にエンドクレジット後にもう1シーンあります。ただ他と違ってちょっと入り方が特殊なので場内が明るくなるまで席をお立ちになりませんよう。
その中に歩数計があって、買った日からの日々の歩数が記録されてるのですが、私出勤日は毎日20,000~25,000歩歩いてました。概算距離は20~25km。通勤で徒歩の距離は全部足しても3kmあるかどうか位のはずなので、実に20km前後を職場内で歩いてる計算に。道理で足腰鍛えられてる気がするわけだ。
こんばんは、小島@監督です。
つまりあとは腹回りを何とかすれば…!
さて、今回の映画は「デッドプール」です。
トラブルシューターをして日銭を稼ぐウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)は、ある時娼婦のヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)と出会い、やがて2人は愛し合うようになり婚約するに至るが、その日にウェイドは意識を失い倒れてしまう。
病院で末期ガンと診断されたウェイドは、自身が朽ちていく様をヴァネッサに見せたくないと一方的に別れを切り出し、塞ぎ込んでいた。そんなウェイドに謎の男が接触を図る。「ガンを治癒できる」という男の誘いに乗り人体実験の被験者になる事を決めたウェイドだったが、謎の薬品を投与され、その結果細胞が変異し超人的な治癒力を持つようになるが同時に全身火傷を負ったような姿に変貌してしまった。
醜い姿になってしまった自分を受け入れられないウェイドは、マスクを被り復讐人「デッドプール」と名乗り、自身を変えた男たちの手がかりを追い始める。
マーベル・コミックが送り出す新たなヒーロー映画はオープニング・クレジットから全力で笑いを取りに行く異色の構成が目を引くまさに「コミカル」な作品です。
「デッドプール」というキャラクターはアメコミ・ヒーロー数あれど相当ユニークなキャラクターで、映画も原典同様にデッドプールが観客に幾度となく直接語り掛ける構成をしています。しかも大抵そういう時は何かしら自虐的なセリフを発しますし、それ以外にもカメラを意識した行動やBGMがかかっていることを自覚したセリフなど、いわゆる「第四の壁」をホイホイ破る演出が多用されています。
笑いの取り方の方向性としては80~90年代の香港映画や、あるいは日本のアニメで言えば水島努監督作品のそれと似ているように思います。この辺りを好む方にはこのテンポはかなり心地良く感じるのではないでしょうか。
一応作品としては「X-MEN」の系譜に当たる作品で、シリーズお馴染みの「恵まれし子らの学園」と、「ファイナル・ディシジョン」や「フューチャー&パスト」に登場したコロッサス(今作ではステファン・カピチッチが演じている)が登場しますが、基本的には単独の作品です。
デッドプールというキャラクター自体「ウルヴァリン X-MEN ZERO」(2009年製作。監督ギャヴィン・フッド)に登場し、ライアン・レイノルズはその時デッドプールを演じてもいますが、作品としてはほぼ全く関係ありません。もっとも「ウルヴァリン」の時のデッドプールのシリアスな人物造形にライアン・レイノルズがいささか不満で何とか原作のイメージに近いデッドプールを映像化したかったという熱意もあったようで、経緯としては無関係ではなさそうですが。
なので、「デッドプール」を観るにあたり何か「X-MEN」シリーズを予習しておいた方が良いのかと言えばそんな必要はありません。もしも何か予習を…とお考えの方はむしろ「127時間」(2010年製作。監督ダニー・ボイル、主演ジェームズ・フランコ。因みにこの映画のフランコの吹替えは奇しくもデッドプールのライアン・レイノルズと同じ加瀬康之である)をお薦めしておきます。それ以外にも多くの映画のパロディが盛り込まれているので、映画の素養が深いとそれだけ深く楽しめるようになっています。
基本的にはコメディ寄りの作品ではありますが、デッドプールがいかにデッドプールになっていったか、という「エピソード1」としての機能はしっかりと果たせていますし、セリフ回しが下品とは言えひたすらヴァネッサへの愛情を貫こうとする純愛映画的な一面も持ち合わせ、エンターテインメントとしての質は思いのほか高いです。
反面、R-15というレイティングも伊達ではなく、悪人たちが結構勢いよく手とか首とかすっ飛ばされたり爆散したりするため、こういうスラッシャー描写が苦手な方は注意が必要です。これでもいわゆるスプラッタ・ホラーに比べたら大したことないと言えばそうなのですが、苦手な人は苦手ですしね。
その辺が大丈夫ならデッドプールは期待以上の楽しさを観る者に約束してくれる映画です。近年複雑かつ長大化の一途をたどるアメコミ映画に反して登場人物も少なく108分と短めでテンポが良く見やすいのもポイント高いです。気になってる方は是非映画館で上質のボンクラ体験を!
もちろん他のマーベル映画同様にエンドクレジット後にもう1シーンあります。ただ他と違ってちょっと入り方が特殊なので場内が明るくなるまで席をお立ちになりませんよう。
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「鋼の錬金術師」が実写映画化されることが決定したとか。
また果敢に挑戦するなぁと思わざるもないですが、最近それでも漫画やアニメの実写化が絶えないのは「ネタが無い」とか「売れた原作でひと稼ぎしたい」とか以上に反発される声が大きいだろうことを承知の上で「そういう声を黙らせてみたい」という製作者の意地みたいなのでもあるんじゃないかと思うようになってきました。
こんばんは、小島@監督です。
何を題材にしようと誰が演じようと必要なのは「脚本」と「思い切りの良さ」。あとハガレンならアルフォンスの質感ですね。取り敢えずキャスティングは悪くない人選なのでちょっと期待はしています。
さて、今回の映画は「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」です。
かなり早い段階で観ていたというのに何故今までほったらかしに?決して忘れていたワケではありません。後回しにしすぎただけです。
ある夜、警視庁内に何者かが忍び込み機密データを奪い取ろうとしていた。その動きを察知していた公安の安室透(声・古谷徹)らは、忍び込んでいた女を捕えようとするものの取り逃し、女は車で逃走を図る。追跡を開始した安室だが、そこにFBIの赤井秀一(声・池田秀一)も乱入し三つ巴のカーチェイスが繰り広げられる中、遂に女の乗った車は橋から転落してしまう。
翌日、江戸川コナン(声・高山みなみ)と少年探偵団一行はリニューアルオープンを迎えた東都水族館に赴いていた。そこでコナンたちは記憶を失ったオッドアイの女(声・天海祐希)と出会う。
シリーズ20作目の記念作品となる今作は、黒の組織とFBI、CIA、公安らが一人の女性を巡り暗闘を繰り広げるサスペンス・アクション。
安室透、水無怜奈(声・三石琴乃)が劇場版に初登場するほか、これまで回想シーン程度の僅かな出番だけだった赤井秀一も初めて本格的に物語に絡んできます。また、故・家弓家正氏に代わってジェイムズ・ブラック役を担うことになった土師孝也氏がTVシリーズに先んじてジェイムズ役を演じています。
黒の組織のメンバーを含め、言わば「メインストーリー」に絡むキャラクターが多数登場する中で物語の主線に絡む劇場版オリジナルのキャラクターは実質オッドアイの女ただ一人、という点が異色と言えますね。
脚本を担当したのは「相棒」や「科捜研の女」など刑事ドラマのシナリオを多く手掛けた櫻井武晴氏。コナン映画としては17作目「絶海の探偵」、19作目「業火の向日葵」に続いて3度目の登板になります。3度目にしてある種の「距離感」を掴んだのか、ドラマ畑で鍛えた経験をアニメに持ち込んだ事の強みを活かしながらアニメならではのハッタリを効かせたい部分は思い切って監督や作監などスタッフに任せるバランス感覚が巧い具合に作品に好影響を及ぼしているように感じました。
主要オリジナルキャラクターがほぼ1人のみ、ということでこれまでのような「犯人は誰か?」というミステリー的部分は大幅にオミットされ、推理という部分は「記憶喪失の女性は何者なのか」という部分に集約され、あとはいかに黒の組織の裏をかけるか、というサスペンス色が強い作品で、2011年以降の劇場版コナンを担当している静野孔文監督の得意とする派手で激しいアクション描写との相性も良く、特に終盤は安室と赤井も加わってのダイナミックなアクションはまさにアニメならではの楽しさに満ちていると言えるでしょう。
反面それ以前のミステリ色の強い作品に愛着のある方にとってはこのハリウッド映画のような味わいは却って反感を買うかもしれません。また「コナン」のメインストーリーに極めて近いセリフやシーンが頻出するので初見の方にはろくに話が分からないかもしれません。
私もミステリ色強い落ち着いた作品も大好きですが、せっかくスクリーンでアニメを観るのなら「動き」のもたらすカタルシスのある作品はやっぱり楽しいですね。
そうそうもう一つ。古谷徹演じる安室と池田秀一演じる赤井が揃って劇場版に登場するのは初めて、ということで、2人が登場するシーンやセリフの一部に「ガンダム」ネタが仕込んであるようです。気づくとちょっとニヤニヤできますよ。それとネタバレすれすれでもう一言。「ガールズ&パンツァー劇場版」をご覧になっている方はあるシーンで変な笑いが出ます。それがどこかは当然内緒です。
20作目にして未だに興収を伸ばし続けるモンスターなシリーズとなった「名探偵コナン」、今作も順調で公開から既に1か月以上が経過していますがもうしばらく上映が続きそうです。派手なシーンが多くスクリーン映えする作品ですし、何より「コナン」のこの後の物語に関わる大きな伏線も登場しますし、気になっている方はTV放送を待たずに劇場で堪能することをお薦めしますよ。
また果敢に挑戦するなぁと思わざるもないですが、最近それでも漫画やアニメの実写化が絶えないのは「ネタが無い」とか「売れた原作でひと稼ぎしたい」とか以上に反発される声が大きいだろうことを承知の上で「そういう声を黙らせてみたい」という製作者の意地みたいなのでもあるんじゃないかと思うようになってきました。
こんばんは、小島@監督です。
何を題材にしようと誰が演じようと必要なのは「脚本」と「思い切りの良さ」。あとハガレンならアルフォンスの質感ですね。取り敢えずキャスティングは悪くない人選なのでちょっと期待はしています。
さて、今回の映画は「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」です。
かなり早い段階で観ていたというのに何故今までほったらかしに?決して忘れていたワケではありません。後回しにしすぎただけです。
ある夜、警視庁内に何者かが忍び込み機密データを奪い取ろうとしていた。その動きを察知していた公安の安室透(声・古谷徹)らは、忍び込んでいた女を捕えようとするものの取り逃し、女は車で逃走を図る。追跡を開始した安室だが、そこにFBIの赤井秀一(声・池田秀一)も乱入し三つ巴のカーチェイスが繰り広げられる中、遂に女の乗った車は橋から転落してしまう。
翌日、江戸川コナン(声・高山みなみ)と少年探偵団一行はリニューアルオープンを迎えた東都水族館に赴いていた。そこでコナンたちは記憶を失ったオッドアイの女(声・天海祐希)と出会う。
シリーズ20作目の記念作品となる今作は、黒の組織とFBI、CIA、公安らが一人の女性を巡り暗闘を繰り広げるサスペンス・アクション。
安室透、水無怜奈(声・三石琴乃)が劇場版に初登場するほか、これまで回想シーン程度の僅かな出番だけだった赤井秀一も初めて本格的に物語に絡んできます。また、故・家弓家正氏に代わってジェイムズ・ブラック役を担うことになった土師孝也氏がTVシリーズに先んじてジェイムズ役を演じています。
黒の組織のメンバーを含め、言わば「メインストーリー」に絡むキャラクターが多数登場する中で物語の主線に絡む劇場版オリジナルのキャラクターは実質オッドアイの女ただ一人、という点が異色と言えますね。
脚本を担当したのは「相棒」や「科捜研の女」など刑事ドラマのシナリオを多く手掛けた櫻井武晴氏。コナン映画としては17作目「絶海の探偵」、19作目「業火の向日葵」に続いて3度目の登板になります。3度目にしてある種の「距離感」を掴んだのか、ドラマ畑で鍛えた経験をアニメに持ち込んだ事の強みを活かしながらアニメならではのハッタリを効かせたい部分は思い切って監督や作監などスタッフに任せるバランス感覚が巧い具合に作品に好影響を及ぼしているように感じました。
主要オリジナルキャラクターがほぼ1人のみ、ということでこれまでのような「犯人は誰か?」というミステリー的部分は大幅にオミットされ、推理という部分は「記憶喪失の女性は何者なのか」という部分に集約され、あとはいかに黒の組織の裏をかけるか、というサスペンス色が強い作品で、2011年以降の劇場版コナンを担当している静野孔文監督の得意とする派手で激しいアクション描写との相性も良く、特に終盤は安室と赤井も加わってのダイナミックなアクションはまさにアニメならではの楽しさに満ちていると言えるでしょう。
反面それ以前のミステリ色の強い作品に愛着のある方にとってはこのハリウッド映画のような味わいは却って反感を買うかもしれません。また「コナン」のメインストーリーに極めて近いセリフやシーンが頻出するので初見の方にはろくに話が分からないかもしれません。
私もミステリ色強い落ち着いた作品も大好きですが、せっかくスクリーンでアニメを観るのなら「動き」のもたらすカタルシスのある作品はやっぱり楽しいですね。
そうそうもう一つ。古谷徹演じる安室と池田秀一演じる赤井が揃って劇場版に登場するのは初めて、ということで、2人が登場するシーンやセリフの一部に「ガンダム」ネタが仕込んであるようです。気づくとちょっとニヤニヤできますよ。それとネタバレすれすれでもう一言。「ガールズ&パンツァー劇場版」をご覧になっている方はあるシーンで変な笑いが出ます。それがどこかは当然内緒です。
20作目にして未だに興収を伸ばし続けるモンスターなシリーズとなった「名探偵コナン」、今作も順調で公開から既に1か月以上が経過していますがもうしばらく上映が続きそうです。派手なシーンが多くスクリーン映えする作品ですし、何より「コナン」のこの後の物語に関わる大きな伏線も登場しますし、気になっている方はTV放送を待たずに劇場で堪能することをお薦めしますよ。
。昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れさまでした。
今回も100人越えの参加者ということで、前回の歌会を頭から参加していたワケではなかった事もあり、いつもの集合場所が膨れ上がっている様に軽く驚きました(笑)
また今回みちさんの提案で設けられたJAM部屋も大盛況だったようですね。私も1曲参加させてもらいました。普段のカラオケと少々違う感覚に戸惑いましたが、6人がかりでパート分けして歌うのはなかなか無い経験なので楽しかったですね。
こんばんは、小島@監督です。
そうそう、今回じゃんけん大会で島根の地酒セットを頂きました。出雲はまだしも隠岐や石見の地酒は今まで縁が無かったのでどんな味わいなのか楽しみですよ。
さて、今回の映画は「ズートピア」です。
動物たちが暮らす大都会ズートピア。そこにウサギのジュディ・ホップス(声・ジェニファー・グッドウィン)が新任警察官として配属された。しかし、過去に例の無い体の小さなウサギの警察官など誰もその能力を信用せず、署長である水牛のボゴ(声・イドリス・エルバ)から与えられた仕事は駐禁の切符切り。
理想と現実のギャップに苦しみながらも仕事を続けるジュディは、ある日厭世的なキツネの詐欺師ニック(声・ジェイソン・ベイトマン)と出会う。
折しもズートピアでは肉食動物たちが謎の失踪事件を繰り返していた。ひょんなことからジュディはニックと共に失踪事件を追うことになるのだが。
ディズニーの新作アニメーション映画は、いかにもディズニーらしい動物を基調にした可愛らしいキャラクター達が躍動しながら、しかしその実相当に骨太で硬派な物語を展開します。
聡明で猪突猛進、そしてちょっぴり世間知らずなジュディと厭世的ながら世渡り上手なニックという対照的な2人が事件捜査に当たるという構図自体は決して珍しい物ではありませんが、方や草食動物、方や肉食動物という設定が後半思わぬ形で活かされてくる当たりが見事。それ以外にも数々の小道具や序盤の小さなエピソードが終盤活きてくる作劇が実に巧みです。
サイズも生息環境もまちまちな多くの動物たちが暮らすズートピアは、そのまま多様な人種が混在するニューヨークの戯画化と言えるでしょう。
その為ジュディとニック、それぞれが抱くコンプレックスはそのままマイノリティゆえの苦しみとも言えます。ケモナー大歓喜の可愛らしいビジュアルながら物語の根底には様々な形の「差別」が横たわっているのがこの作品の特徴です。
「差別」というテーマ、そこに目を向けると、例えばライオンの市長ライオンハートが市長という役職に付いているのも単に「百獣の王だから」という以上の意味付けが見て取れるようになり多くの物事、それが登場する動物たちに抱くステレオタイプなイメージを逆手に取るように作られている当たりも非常にクレバーで楽しいです。
もう一つ、この作品にはかなりマニアックな、というか大人向けの笑いが多々仕込まれているのも特徴です。同じディズニーの「アナと雪の女王」をオマージュしたセリフや映画「ゴッドファーザー」(1972年製作。監督フランシス・フォード・コッポラ、主演マーロン・ブランド)のハイレベルなパロディなど、とても子供には分からないであろうネタが多いです。これだけなら日本にも「妖怪ウォッチ」のような作品もあるのですが、そこに政治的な風刺劇も織り交ぜた高質な物語も展開してしまうところにディズニーアニメの恐るべき底力を感じずにはいられません。
しかもこんな映画を大統領選直前のタイミングで公開してしまうというアグレッシブさ!何だかんだ言ってアメリカのエンターテインメントは懐が深いと言わざるを得ませんね。
動物たちの生息環境に合わせ季節や天候をエリア毎に仕切り適した環境を人工的に作り出すズートピアの世界観をセリフにほとんど頼らずにビジュアルで見せ切るハイグレードな美術も楽しく、単に観てるだけでも十分に面白い映画ではありますが、観終わった後、あるいは2度目を観るなら、テーマに対し一歩踏み込んでみた方がもっと面白さを感じられる映画です。たっぷり楽しんでちょっと考えさせてくれるパワー溢れるエンターテインメント。是非、スクリーンでどうぞ。
個人的にはジュディとニックのコンビが予想を超えて良かったのでもう1本観てみたいくらい。いつか続編が製作されると嬉しいなぁ。
今回も100人越えの参加者ということで、前回の歌会を頭から参加していたワケではなかった事もあり、いつもの集合場所が膨れ上がっている様に軽く驚きました(笑)
また今回みちさんの提案で設けられたJAM部屋も大盛況だったようですね。私も1曲参加させてもらいました。普段のカラオケと少々違う感覚に戸惑いましたが、6人がかりでパート分けして歌うのはなかなか無い経験なので楽しかったですね。
こんばんは、小島@監督です。
そうそう、今回じゃんけん大会で島根の地酒セットを頂きました。出雲はまだしも隠岐や石見の地酒は今まで縁が無かったのでどんな味わいなのか楽しみですよ。
さて、今回の映画は「ズートピア」です。
動物たちが暮らす大都会ズートピア。そこにウサギのジュディ・ホップス(声・ジェニファー・グッドウィン)が新任警察官として配属された。しかし、過去に例の無い体の小さなウサギの警察官など誰もその能力を信用せず、署長である水牛のボゴ(声・イドリス・エルバ)から与えられた仕事は駐禁の切符切り。
理想と現実のギャップに苦しみながらも仕事を続けるジュディは、ある日厭世的なキツネの詐欺師ニック(声・ジェイソン・ベイトマン)と出会う。
折しもズートピアでは肉食動物たちが謎の失踪事件を繰り返していた。ひょんなことからジュディはニックと共に失踪事件を追うことになるのだが。
ディズニーの新作アニメーション映画は、いかにもディズニーらしい動物を基調にした可愛らしいキャラクター達が躍動しながら、しかしその実相当に骨太で硬派な物語を展開します。
聡明で猪突猛進、そしてちょっぴり世間知らずなジュディと厭世的ながら世渡り上手なニックという対照的な2人が事件捜査に当たるという構図自体は決して珍しい物ではありませんが、方や草食動物、方や肉食動物という設定が後半思わぬ形で活かされてくる当たりが見事。それ以外にも数々の小道具や序盤の小さなエピソードが終盤活きてくる作劇が実に巧みです。
サイズも生息環境もまちまちな多くの動物たちが暮らすズートピアは、そのまま多様な人種が混在するニューヨークの戯画化と言えるでしょう。
その為ジュディとニック、それぞれが抱くコンプレックスはそのままマイノリティゆえの苦しみとも言えます。ケモナー大歓喜の可愛らしいビジュアルながら物語の根底には様々な形の「差別」が横たわっているのがこの作品の特徴です。
「差別」というテーマ、そこに目を向けると、例えばライオンの市長ライオンハートが市長という役職に付いているのも単に「百獣の王だから」という以上の意味付けが見て取れるようになり多くの物事、それが登場する動物たちに抱くステレオタイプなイメージを逆手に取るように作られている当たりも非常にクレバーで楽しいです。
もう一つ、この作品にはかなりマニアックな、というか大人向けの笑いが多々仕込まれているのも特徴です。同じディズニーの「アナと雪の女王」をオマージュしたセリフや映画「ゴッドファーザー」(1972年製作。監督フランシス・フォード・コッポラ、主演マーロン・ブランド)のハイレベルなパロディなど、とても子供には分からないであろうネタが多いです。これだけなら日本にも「妖怪ウォッチ」のような作品もあるのですが、そこに政治的な風刺劇も織り交ぜた高質な物語も展開してしまうところにディズニーアニメの恐るべき底力を感じずにはいられません。
しかもこんな映画を大統領選直前のタイミングで公開してしまうというアグレッシブさ!何だかんだ言ってアメリカのエンターテインメントは懐が深いと言わざるを得ませんね。
動物たちの生息環境に合わせ季節や天候をエリア毎に仕切り適した環境を人工的に作り出すズートピアの世界観をセリフにほとんど頼らずにビジュアルで見せ切るハイグレードな美術も楽しく、単に観てるだけでも十分に面白い映画ではありますが、観終わった後、あるいは2度目を観るなら、テーマに対し一歩踏み込んでみた方がもっと面白さを感じられる映画です。たっぷり楽しんでちょっと考えさせてくれるパワー溢れるエンターテインメント。是非、スクリーンでどうぞ。
個人的にはジュディとニックのコンビが予想を超えて良かったのでもう1本観てみたいくらい。いつか続編が製作されると嬉しいなぁ。
Blu-ray発売を目前に控えた「ガールズ&パンツァー劇場版」がここに来て今週末から何と全国150館規模での再上映が決定しました。ちょうどゴールデンウィークの大作攻勢も一段落したタイミングの良さも手伝って、多くの上映館でエース級のスクリーンでの上映です。来場者特典もあるそうですが、「公開27週目入場者プレゼント」という響きはさすがにちょっとクレイジーです(笑)
こんばんは、小島@監督です。
ここまで来ると最終興収がどこまで行くか見てみたいですね。
さて、今回の映画は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」です。
これまで数々の世界的危機を救ってきたアベンジャーズたち。しかし世界はその代償として多くの犠牲を生んでいた。やがて、アメリカの一民間組織が世界を飛び回り活動することに各国の目は厳しいものになっていく。
そんな折、あるテロ事件の捜査を行っていたアベンジャーズたちはその過程で犠牲者を出してしまう。それを契機に遂に彼らを国連の管理下に置くための協定「ソコヴィア議定書」が締結されるに至った。
強大過ぎる自分たちの力に何らかの「歯止め」の必要性を感じていたトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は協定に賛同するが、権力の監視下では不本意な戦闘を強要されかねない事を危惧するスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)は協定の調印を拒絶。アベンジャーズたちの対応は真っ二つに分かれ、2人の溝は深くなっていく…
2008年に製作された「アイアンマン」から続く「マーベル・シネマティック・ユニバース」、その最新作は、簡単には答えの出ない問題にアベンジャーズが二分され、遂には激突するまでに至る物語です。主役はあくまでもキャプテン・アメリカですが、ソーとハルク以外のほぼ全員が登場するので事実上の「アベンジャーズ3」と捉えても差し支えないかもしれません。
タイトルの「シビル・ウォー」とは直訳すれば「内戦」の事ですが、アメリカにとっては「南北戦争」を指す言葉でもあり、物語の内容を二重の意味で端的に示すものになっています。キャプテン・アメリカを主人公にした前作「ウィンター・ソルジャー」がベトナム戦争に絡んだ言葉でもあったため、南北戦争とベトナム戦争に因んだキーワードのもと、現代的なテロリズムとの戦いを描くキャプテン・アメリカの苦悩の旅路はアメリカ、アメリカ的正義の葛藤の道程の戯画化と捉えることもできそうです。
何年も何作もかけてドラマを積み上げてきただけあり、各キャラクターの苦悩や葛藤、そこから導き出される決断が実に地に足の着いたものになっているのが見事です。
キャプテン・アメリカとアイアンマン、双方の立場と葛藤は、言い換えれば「強大な力を大きな権力の判断に委ねるか、個人の意思に委ねるか」という事であり、その命題は、特に銃規制などに代表されるアメリカを長く苛ませる問題の姿ですし、「国境を越えて活動をすることで新たな憎悪を生んでしまう」のは現代アメリカのジレンマの姿そのものと言え、この暗喩といくつもの怨讐が織り交ざるドラマの構図が観る者を引き込みます。
何よりこの映画を優れたものにしているのはその葛藤や感情を一身に引き受けてくれるスーパーヴィランが「出てこない」という点に尽きます。それ故に登場人物同様に観客もこの重い苦悩から逃げることは出来ません。それ故、最後にこの対立を仕組んだ「犯人」が語る真相は重い余韻に満ちています。
またこの作品はヒーローアクションとしても実に優れています。ともすれば沈鬱に過ぎる物語を多彩なキャラクター達の能力を活かしたアクションを、ハッタリ効かせるところは徹底的に効かせ、生身の感じを残すべきところはちゃんと体重を感じさせるように組み立てられていて、非常にメリハリとテンポが良く、高揚感に溢れています。特に空港での乱戦シーンは物語的には相当深刻な状況なのにアクションの凄さにテンション上がる楽しいシーンになっています。
物語の性格上、最低でも前作「ウィンター・ソルジャー」の鑑賞は必須の作品ではありますが、あらゆる点で水準以上の文句ない傑作です。賑やかな内容なせいか入りも上々なようでもうしばらく上映も続きそうですし、予習してから臨むだけの価値はありますよ。
こんばんは、小島@監督です。
ここまで来ると最終興収がどこまで行くか見てみたいですね。
さて、今回の映画は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」です。
これまで数々の世界的危機を救ってきたアベンジャーズたち。しかし世界はその代償として多くの犠牲を生んでいた。やがて、アメリカの一民間組織が世界を飛び回り活動することに各国の目は厳しいものになっていく。
そんな折、あるテロ事件の捜査を行っていたアベンジャーズたちはその過程で犠牲者を出してしまう。それを契機に遂に彼らを国連の管理下に置くための協定「ソコヴィア議定書」が締結されるに至った。
強大過ぎる自分たちの力に何らかの「歯止め」の必要性を感じていたトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は協定に賛同するが、権力の監視下では不本意な戦闘を強要されかねない事を危惧するスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)は協定の調印を拒絶。アベンジャーズたちの対応は真っ二つに分かれ、2人の溝は深くなっていく…
2008年に製作された「アイアンマン」から続く「マーベル・シネマティック・ユニバース」、その最新作は、簡単には答えの出ない問題にアベンジャーズが二分され、遂には激突するまでに至る物語です。主役はあくまでもキャプテン・アメリカですが、ソーとハルク以外のほぼ全員が登場するので事実上の「アベンジャーズ3」と捉えても差し支えないかもしれません。
タイトルの「シビル・ウォー」とは直訳すれば「内戦」の事ですが、アメリカにとっては「南北戦争」を指す言葉でもあり、物語の内容を二重の意味で端的に示すものになっています。キャプテン・アメリカを主人公にした前作「ウィンター・ソルジャー」がベトナム戦争に絡んだ言葉でもあったため、南北戦争とベトナム戦争に因んだキーワードのもと、現代的なテロリズムとの戦いを描くキャプテン・アメリカの苦悩の旅路はアメリカ、アメリカ的正義の葛藤の道程の戯画化と捉えることもできそうです。
何年も何作もかけてドラマを積み上げてきただけあり、各キャラクターの苦悩や葛藤、そこから導き出される決断が実に地に足の着いたものになっているのが見事です。
キャプテン・アメリカとアイアンマン、双方の立場と葛藤は、言い換えれば「強大な力を大きな権力の判断に委ねるか、個人の意思に委ねるか」という事であり、その命題は、特に銃規制などに代表されるアメリカを長く苛ませる問題の姿ですし、「国境を越えて活動をすることで新たな憎悪を生んでしまう」のは現代アメリカのジレンマの姿そのものと言え、この暗喩といくつもの怨讐が織り交ざるドラマの構図が観る者を引き込みます。
何よりこの映画を優れたものにしているのはその葛藤や感情を一身に引き受けてくれるスーパーヴィランが「出てこない」という点に尽きます。それ故に登場人物同様に観客もこの重い苦悩から逃げることは出来ません。それ故、最後にこの対立を仕組んだ「犯人」が語る真相は重い余韻に満ちています。
またこの作品はヒーローアクションとしても実に優れています。ともすれば沈鬱に過ぎる物語を多彩なキャラクター達の能力を活かしたアクションを、ハッタリ効かせるところは徹底的に効かせ、生身の感じを残すべきところはちゃんと体重を感じさせるように組み立てられていて、非常にメリハリとテンポが良く、高揚感に溢れています。特に空港での乱戦シーンは物語的には相当深刻な状況なのにアクションの凄さにテンション上がる楽しいシーンになっています。
物語の性格上、最低でも前作「ウィンター・ソルジャー」の鑑賞は必須の作品ではありますが、あらゆる点で水準以上の文句ない傑作です。賑やかな内容なせいか入りも上々なようでもうしばらく上映も続きそうですし、予習してから臨むだけの価値はありますよ。
2013年に公開された鈴木亮平主演の異色ヒーロー映画、「HK変態仮面」が続編の公開を前になんと地上波での放映が決まりました。
…という話を最初に聞いた時は何かのギャグかと思っていたのですがどうやらホントのようです。週間テレビ番組表に記載されてました。
まだご覧になったことの無い方はもちろん、既に観た方も実はDVDも持ってますなんて方も折角ですし、どこまで放送されるのかを確かめるためにもこの機会に是非!東海地区ではメ~テレにて13日深夜25時54分より放送予定です。
こんばんは、小島@監督です。
しかしあの映画は鈴木亮平より安田顕の方が地上波放送に耐えられるかどうか心配である。
さて、今回の映画は、リクエストを頂きまして「テラフォーマーズ」をご紹介です。
21世紀、爆発的な人口増加を迎えた人類は火星移住を計画。火星を人類が居住できる環境に改造するために苔と「ある昆虫」を送り込んだ。
それから500年後、日本政府は役目を果たした「昆虫」を駆除するために15人の人間を火星に送り込んだ。しかし、小町小吉(伊藤英明)ら火星に派遣された者たちを待っていたのは、予想をはるかに上回る驚異的な進化を遂げた「昆虫」たちの襲撃だった…!
「映画」というものが観る者にもたらす「魔法」、それは必ずしも名作や傑作と呼ばれる作品だけから感じ取れるわけではありません。時にはこういった作品からほろ苦い形で垣間見えてしまうこともあります。
この作品を手掛けたのは「クローズZERO」「ヤッターマン」などの三池崇史監督、脚本は劇団☆新感線の座付き作家にして「天元突破グレンラガン」「仮面ライダーフォーゼ」などのシリーズ構成も担った中島かずき、音楽は「十三人の刺客」や現在放送中の「とと姉ちゃん」の劇伴を手掛けた遠藤浩二とそうそうたるメンバーです。
キャストにしても主演の伊藤英明を始め山下智久、山田孝之、小栗旬、武井咲、小池栄子、ケイン・コスギと実力はもちろんこういうアクション映画には不可欠な「動ける」俳優陣が勢揃いしています。
「テラフォーマーズ」という原作コミックのテイストからして映像化するに当たって最適解に近いメンバーが揃ったと言って過言ではないように思えます。
…にも関わらずこの作品は「映画の神様」に見放されてしまったとしか思えない出来と言わざるを得ません。
決して原作を軽視してるワケでもなくむしろちゃんとリスペクトしてるように見えますし、SFアクション、しかも主要人物たちが「変身」する作品でありながらもガチンコのクロスファイト主体のアクションシークエンスの構成は悪くないですし、1本の作品としてはある程度まとまってはいます。しかし何故かこの映画には上質の素材を「面白い映画」へと化学変化させるための「熱」が決定的に欠けてしまっています。先日このブログで紹介した「仮面ライダー1号」が、作品としては不格好ながら高い「熱量」を放っていたのとは対照的です。
居並ぶ俳優陣が揃って顔だけでなくほぼ全身特殊メイクを施してアクションする絵面は何気に観ていて面白かったですが、それが映画自体の価値を高めるに至っていないのが残念でなりません。
邦画にしては高い予算規模でこれだけの人材が揃ってここまでの物しか作れなかった、ということの原因をどこかに求めるのなら、単に「コミックを実写にしようと思うのが間違い」というところで止まってはいけないでしょう。日本映画としては大作と言っていい規模ありながら「実力のある人たちがその力を十全に発揮できる環境を作り得なかった」ならば日本映画界が宿す構造的欠陥は私の想像をはるかに超えて根深いような気がします。
アクション寄りの作品との意外な相性の良さを見せつける小池栄子や池田秀一による無闇にカッコいいナレーションなど細々見どころもありますが、正直言って「B級」こそスクリーンで観たいのだ!という困った嗜好の方以外にはとてもお薦めできる作品ではありません。それでもご覧になりたいという方は、「たとえ人が揃っても面白い映画ができるとは限らない」という苦い真実を確かめるつもりで観るのなら、決して2時間が無益に過ぎるような事にはならないのではと思います。
…という話を最初に聞いた時は何かのギャグかと思っていたのですがどうやらホントのようです。週間テレビ番組表に記載されてました。
まだご覧になったことの無い方はもちろん、既に観た方も実はDVDも持ってますなんて方も折角ですし、どこまで放送されるのかを確かめるためにもこの機会に是非!東海地区ではメ~テレにて13日深夜25時54分より放送予定です。
こんばんは、小島@監督です。
しかしあの映画は鈴木亮平より安田顕の方が地上波放送に耐えられるかどうか心配である。
さて、今回の映画は、リクエストを頂きまして「テラフォーマーズ」をご紹介です。
21世紀、爆発的な人口増加を迎えた人類は火星移住を計画。火星を人類が居住できる環境に改造するために苔と「ある昆虫」を送り込んだ。
それから500年後、日本政府は役目を果たした「昆虫」を駆除するために15人の人間を火星に送り込んだ。しかし、小町小吉(伊藤英明)ら火星に派遣された者たちを待っていたのは、予想をはるかに上回る驚異的な進化を遂げた「昆虫」たちの襲撃だった…!
「映画」というものが観る者にもたらす「魔法」、それは必ずしも名作や傑作と呼ばれる作品だけから感じ取れるわけではありません。時にはこういった作品からほろ苦い形で垣間見えてしまうこともあります。
この作品を手掛けたのは「クローズZERO」「ヤッターマン」などの三池崇史監督、脚本は劇団☆新感線の座付き作家にして「天元突破グレンラガン」「仮面ライダーフォーゼ」などのシリーズ構成も担った中島かずき、音楽は「十三人の刺客」や現在放送中の「とと姉ちゃん」の劇伴を手掛けた遠藤浩二とそうそうたるメンバーです。
キャストにしても主演の伊藤英明を始め山下智久、山田孝之、小栗旬、武井咲、小池栄子、ケイン・コスギと実力はもちろんこういうアクション映画には不可欠な「動ける」俳優陣が勢揃いしています。
「テラフォーマーズ」という原作コミックのテイストからして映像化するに当たって最適解に近いメンバーが揃ったと言って過言ではないように思えます。
…にも関わらずこの作品は「映画の神様」に見放されてしまったとしか思えない出来と言わざるを得ません。
決して原作を軽視してるワケでもなくむしろちゃんとリスペクトしてるように見えますし、SFアクション、しかも主要人物たちが「変身」する作品でありながらもガチンコのクロスファイト主体のアクションシークエンスの構成は悪くないですし、1本の作品としてはある程度まとまってはいます。しかし何故かこの映画には上質の素材を「面白い映画」へと化学変化させるための「熱」が決定的に欠けてしまっています。先日このブログで紹介した「仮面ライダー1号」が、作品としては不格好ながら高い「熱量」を放っていたのとは対照的です。
居並ぶ俳優陣が揃って顔だけでなくほぼ全身特殊メイクを施してアクションする絵面は何気に観ていて面白かったですが、それが映画自体の価値を高めるに至っていないのが残念でなりません。
邦画にしては高い予算規模でこれだけの人材が揃ってここまでの物しか作れなかった、ということの原因をどこかに求めるのなら、単に「コミックを実写にしようと思うのが間違い」というところで止まってはいけないでしょう。日本映画としては大作と言っていい規模ありながら「実力のある人たちがその力を十全に発揮できる環境を作り得なかった」ならば日本映画界が宿す構造的欠陥は私の想像をはるかに超えて根深いような気がします。
アクション寄りの作品との意外な相性の良さを見せつける小池栄子や池田秀一による無闇にカッコいいナレーションなど細々見どころもありますが、正直言って「B級」こそスクリーンで観たいのだ!という困った嗜好の方以外にはとてもお薦めできる作品ではありません。それでもご覧になりたいという方は、「たとえ人が揃っても面白い映画ができるとは限らない」という苦い真実を確かめるつもりで観るのなら、決して2時間が無益に過ぎるような事にはならないのではと思います。
よりにもよってこのタイミングで風邪を引く大失敗。熱はそう上がらずに済みましたが、声が潰れ気味です。ぐぬぬ…
ガス欠の状態で12時間以上働く日々が続いているのでそりゃ治りも遅いです。
そんな折、何か喉に良さ気な飲み物でも…と考えフッと思いついた、赤ワインにオレンジマーマレードを溶かし込んでレンジで軽く温めたグリューワインもどきみたいな物を作ってみたらコレが思いのほか美味しくできました。
こんばんは、小島@監督です。
目分量で適当に作りましたが、大体赤ワイン100㏄に対してマーマレード20gくらい。あればシナモンとか加えると更に香りが良くなる…ハズ。簡単で美味しいので皆さんも是非。赤ワインもスーパーやコンビニでも買える安い物で充分です。
さて、昨日そのちょっと声の潰れた身でライブ行ってきました。今回は「高垣彩陽3rdコンサートツアー2016 "individual"」名古屋公演です。「ライブツアー」ではなく「コンサートツアー」と呼称するあたりが声優イベント花盛りな昨今でも高垣彩陽の特異なポジションを象徴しているかのようです。
2013年に開催された2nd以来3年ぶりとなるツアーで、前回名古屋公演に足を運んでその豊かな声量と高い表現力に魅了された身としてはまた生で聴ける機会が来る日を心待ちにしていました。
今回はツアータイトルが昨年11月に発売されたアルバムと同じということでそのアルバムを中心にセットリストが構成。前回ツアーと違うのはステージ演出を本職の演出家にお願いしたそうで、楽曲によっては演劇的な演出が施されているのも印象的でした。
自身の持ち歌だけでなくその高い歌唱力を活かしてクラシックやミュージカルナンバーから数曲カバーして披露してくれるのも変わらずで名古屋公演では「アヴェ・マリア」と「Time to say good bye」を披露。
それからほとんど間髪入れずに「シンフォギア」シリーズの楽曲を立て続けに連発して一気に場をヒートアップさせてくる緩急の付け方も楽しく、穏やかなクラシックナンバーからハードロックまで自在にこなす高垣彩陽のハイレベルなパフォーマンスを満喫しました。
心なしか前回ツアーより音楽表現に深み、凄みのようなものが増したように感じられます。特にここ数年スフィアとしてももちろん「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズでの経験が高垣彩陽の音楽の世界を広げてくれたのではないかな、という気もします。
ライブ終盤では客席の通路に登場して歌を披露してくれるサプライズ。そして今回私のいた席はその通路の前。ということで文字通りほんの数秒ながら「手を伸ばせば届く」距離であやひーを観られる幸運!アイエエエ!近い!グッドルッキングが近い!
基本的にアイドル寄りのライブイベントになる声優のイベントの中では異彩を放つ高垣彩陽ですが、それ故に「音楽」というものの楽しさ、深みに触れられるパワーがあります。これから先、彼女の世界がどのように広がり、深みを増していくのか。一ファンとしては楽しみが尽きません。
ガス欠の状態で12時間以上働く日々が続いているのでそりゃ治りも遅いです。
そんな折、何か喉に良さ気な飲み物でも…と考えフッと思いついた、赤ワインにオレンジマーマレードを溶かし込んでレンジで軽く温めたグリューワインもどきみたいな物を作ってみたらコレが思いのほか美味しくできました。
こんばんは、小島@監督です。
目分量で適当に作りましたが、大体赤ワイン100㏄に対してマーマレード20gくらい。あればシナモンとか加えると更に香りが良くなる…ハズ。簡単で美味しいので皆さんも是非。赤ワインもスーパーやコンビニでも買える安い物で充分です。
さて、昨日そのちょっと声の潰れた身でライブ行ってきました。今回は「高垣彩陽3rdコンサートツアー2016 "individual"」名古屋公演です。「ライブツアー」ではなく「コンサートツアー」と呼称するあたりが声優イベント花盛りな昨今でも高垣彩陽の特異なポジションを象徴しているかのようです。
2013年に開催された2nd以来3年ぶりとなるツアーで、前回名古屋公演に足を運んでその豊かな声量と高い表現力に魅了された身としてはまた生で聴ける機会が来る日を心待ちにしていました。
今回はツアータイトルが昨年11月に発売されたアルバムと同じということでそのアルバムを中心にセットリストが構成。前回ツアーと違うのはステージ演出を本職の演出家にお願いしたそうで、楽曲によっては演劇的な演出が施されているのも印象的でした。
自身の持ち歌だけでなくその高い歌唱力を活かしてクラシックやミュージカルナンバーから数曲カバーして披露してくれるのも変わらずで名古屋公演では「アヴェ・マリア」と「Time to say good bye」を披露。
それからほとんど間髪入れずに「シンフォギア」シリーズの楽曲を立て続けに連発して一気に場をヒートアップさせてくる緩急の付け方も楽しく、穏やかなクラシックナンバーからハードロックまで自在にこなす高垣彩陽のハイレベルなパフォーマンスを満喫しました。
心なしか前回ツアーより音楽表現に深み、凄みのようなものが増したように感じられます。特にここ数年スフィアとしてももちろん「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズでの経験が高垣彩陽の音楽の世界を広げてくれたのではないかな、という気もします。
ライブ終盤では客席の通路に登場して歌を披露してくれるサプライズ。そして今回私のいた席はその通路の前。ということで文字通りほんの数秒ながら「手を伸ばせば届く」距離であやひーを観られる幸運!アイエエエ!近い!グッドルッキングが近い!
基本的にアイドル寄りのライブイベントになる声優のイベントの中では異彩を放つ高垣彩陽ですが、それ故に「音楽」というものの楽しさ、深みに触れられるパワーがあります。これから先、彼女の世界がどのように広がり、深みを増していくのか。一ファンとしては楽しみが尽きません。
昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
仕事の都合で途中からの参加でしたが、行ってみれば参加人数約120人とか何だか凄いことに!人の少ない部屋を選んで入ろうかと思っていたらどこにもそんな所無かった(苦笑)
ならばと一つ所に決めずにほぼ片っ端から各部屋にお邪魔させていただきました。迷惑に思ってたらサーセン。
なた、今回は名刺交換会あったりアナログゲームやってるテーブルあったりファミコンあったりと「サロン」がえらく充実していたので、良く考えたら結局1曲も歌わずじまいだったのに結構充実した時間を過ごせました。これまでほとんど言葉を交わせずにいた方とも喋ったりできましたしね。交換した名刺にツイッターのアカウントを記載されていた方々は昨日の内にフォローさせていただきました。今後ともよろしくお願いします。
こんばんは、小島@監督です。
まぁとは言え昨日のアレはカラオケしに行った人間の行動ではない気がしたので次回はちゃんと頭から参加してちゃんと歌います。
さて、今回の映画は「仮面ライダー1号」です。
街に突如現れ暴れ始めた怪人たち。彼らは一人の少女を狙っていた。更にそこに介入する者たちがいた。秘密結社ショッカーを見限り袂を分かった彼らは自身を「ノバ・ショッカー」と名乗った。
普段戦っている「眼魔」とも違う怪人たちが戦い合う異様な光景に驚きながらも天空寺タケル(西銘駿)は、戦闘の渦中にいる少女を救うべく「仮面ライダーゴースト」に変身する。
しかし多勢に無勢な上に少女を守りながらの戦いにタケルは苦戦を強いられる。必死の戦いも虚しく少女がさらわれようとしたその時、一人の男が乱入する。
男の名は本郷猛(藤岡弘、)、この世に誕生した最初の「仮面ライダー」である。
今年でシリーズ45周年ということで様々な企画を打ち立てているらしい仮面ライダーですが、ある意味その最大の目玉ともいうべき作品の登場です。
2012年より毎年3~4月に過去のライダー作品だけでなくスーパー戦隊シリーズともクロスオーバーさせた「スーパーヒーロー大戦」シリーズが上映されており、時期的にはそれと重なる作品ではありますが、今回はタイトルロールである仮面ライダー1号と現在放送中の「仮面ライダーゴースト」に登場するゴースト・天空寺タケルとスペクター・深海マコト(山本涼介)のみで、同作のネット配信用短編で登場した「レジェンドライダー眼魂(これを使用することで過去のライダーに変身する)」を用いるシーンが途中に登場するものの、これまでのような「お祭り感」は薄めの作品になっています。また藤岡弘、も一昨年に公開された「平成ライダー対昭和ライダー」で本郷猛役で出演してはいますが、特にそれとの関連も無いようです。
この作品の見どころはもう何と言っても藤岡弘、演じる本郷猛・仮面ライダー1号の圧倒的存在感に尽きます。
ライダーとしてももちろん生身での殺陣やバイクスタント、もっと言えばただ座ってるだけの姿ですらオーラのようなものを放っています。
藤岡弘、が企画段階から参加したとのことで、シナリオについても藤岡弘、の意向が大きく反映された内容になっているとか。特に「命の尊さ」を強く訴えたかったそうで、これが怪我の功名というか瓢箪から駒というべきか、「一度死んで蘇った」ゴーストの設定と巧い具合にマッチしたのも作品に良い影響を及ぼしています。
ただ、この作品、非常に欠点も多いです。
「秘密結社の中で起こる世代交代の波」、そうしてできた「ノバ・ショッカー」という存在、これほどの美味しいネタを持って来ておきながらそれを巧く扱いきれてるとは言い難いですし、そうだというのに物語の全体の流れとは特に関係の無いシーンが突然挿し挟まれたり、そりゃボロクソに言う人も多かろうという感じです。
決して見栄えが良くはなく欠点だらけで1本の映画としてはおよそ不格好。
でも涙が出る。涙が出るほどカッコいい。
たった一人、たった一つのキャラクターのスピリットをフィルムに焼き付ける、そのためだけに敬意と熱意を以て作り上げられたこの映画は、いわば「イコン」ともいうべき輝きを持ちました。
まぁ平たく言えば「おっさんが泣く映画」です、コレ(笑)
既に公開も終盤に差し掛かり、上映回数もだいぶ少なくなってきていますが、もしかしたらコレが最後かもしれない本郷猛の雄姿、興味のある方、というかかつてライダーごっこに興じた少年たちこそ目に焼き付けておくだけの価値はありますよ。
仕事の都合で途中からの参加でしたが、行ってみれば参加人数約120人とか何だか凄いことに!人の少ない部屋を選んで入ろうかと思っていたらどこにもそんな所無かった(苦笑)
ならばと一つ所に決めずにほぼ片っ端から各部屋にお邪魔させていただきました。迷惑に思ってたらサーセン。
なた、今回は名刺交換会あったりアナログゲームやってるテーブルあったりファミコンあったりと「サロン」がえらく充実していたので、良く考えたら結局1曲も歌わずじまいだったのに結構充実した時間を過ごせました。これまでほとんど言葉を交わせずにいた方とも喋ったりできましたしね。交換した名刺にツイッターのアカウントを記載されていた方々は昨日の内にフォローさせていただきました。今後ともよろしくお願いします。
こんばんは、小島@監督です。
まぁとは言え昨日のアレはカラオケしに行った人間の行動ではない気がしたので次回はちゃんと頭から参加してちゃんと歌います。
さて、今回の映画は「仮面ライダー1号」です。
街に突如現れ暴れ始めた怪人たち。彼らは一人の少女を狙っていた。更にそこに介入する者たちがいた。秘密結社ショッカーを見限り袂を分かった彼らは自身を「ノバ・ショッカー」と名乗った。
普段戦っている「眼魔」とも違う怪人たちが戦い合う異様な光景に驚きながらも天空寺タケル(西銘駿)は、戦闘の渦中にいる少女を救うべく「仮面ライダーゴースト」に変身する。
しかし多勢に無勢な上に少女を守りながらの戦いにタケルは苦戦を強いられる。必死の戦いも虚しく少女がさらわれようとしたその時、一人の男が乱入する。
男の名は本郷猛(藤岡弘、)、この世に誕生した最初の「仮面ライダー」である。
今年でシリーズ45周年ということで様々な企画を打ち立てているらしい仮面ライダーですが、ある意味その最大の目玉ともいうべき作品の登場です。
2012年より毎年3~4月に過去のライダー作品だけでなくスーパー戦隊シリーズともクロスオーバーさせた「スーパーヒーロー大戦」シリーズが上映されており、時期的にはそれと重なる作品ではありますが、今回はタイトルロールである仮面ライダー1号と現在放送中の「仮面ライダーゴースト」に登場するゴースト・天空寺タケルとスペクター・深海マコト(山本涼介)のみで、同作のネット配信用短編で登場した「レジェンドライダー眼魂(これを使用することで過去のライダーに変身する)」を用いるシーンが途中に登場するものの、これまでのような「お祭り感」は薄めの作品になっています。また藤岡弘、も一昨年に公開された「平成ライダー対昭和ライダー」で本郷猛役で出演してはいますが、特にそれとの関連も無いようです。
この作品の見どころはもう何と言っても藤岡弘、演じる本郷猛・仮面ライダー1号の圧倒的存在感に尽きます。
ライダーとしてももちろん生身での殺陣やバイクスタント、もっと言えばただ座ってるだけの姿ですらオーラのようなものを放っています。
藤岡弘、が企画段階から参加したとのことで、シナリオについても藤岡弘、の意向が大きく反映された内容になっているとか。特に「命の尊さ」を強く訴えたかったそうで、これが怪我の功名というか瓢箪から駒というべきか、「一度死んで蘇った」ゴーストの設定と巧い具合にマッチしたのも作品に良い影響を及ぼしています。
ただ、この作品、非常に欠点も多いです。
「秘密結社の中で起こる世代交代の波」、そうしてできた「ノバ・ショッカー」という存在、これほどの美味しいネタを持って来ておきながらそれを巧く扱いきれてるとは言い難いですし、そうだというのに物語の全体の流れとは特に関係の無いシーンが突然挿し挟まれたり、そりゃボロクソに言う人も多かろうという感じです。
決して見栄えが良くはなく欠点だらけで1本の映画としてはおよそ不格好。
でも涙が出る。涙が出るほどカッコいい。
たった一人、たった一つのキャラクターのスピリットをフィルムに焼き付ける、そのためだけに敬意と熱意を以て作り上げられたこの映画は、いわば「イコン」ともいうべき輝きを持ちました。
まぁ平たく言えば「おっさんが泣く映画」です、コレ(笑)
既に公開も終盤に差し掛かり、上映回数もだいぶ少なくなってきていますが、もしかしたらコレが最後かもしれない本郷猛の雄姿、興味のある方、というかかつてライダーごっこに興じた少年たちこそ目に焼き付けておくだけの価値はありますよ。