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ちゅうカラぶろぐ


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Amazonプライムを導入して以降、スマホやタブレットにダウンロードできるのも手伝って、時間を見つけては色々と主に映画を中心に観ています。公開時に観たいと思いながら観れずに終わった作品も結構ラインナップされているのがありがたく、「海底47m」「スカイ・スクレイパー」「トランスフォーマー ロストエイジ」、仮面ライダー映画の「ドライブ&ゴースト」などホイホイ観てます。まだあまり手は伸ばしていませんが1940~50年代のクラシックな作品も割と揃ってるのが嬉しい。まさか「アメリカ最高のホームズ」と言われるベイジル・ラスボーンのシャーロック・ホームズまであるとは。

 こんばんは、小島@監督です。
 とはいえ観てるものが何となくジェイソン・ステイサムとかドウェイン・ジョンソンとかが多いのはご愛敬。いや~部屋の掃除とかのBGVにしようと思うとああいうノー天気なアクション映画とかサメ映画とかが一番都合良くて(笑)

 さて、今回の映画は「存在のない子供たち」です。

 レバノンの貧民街に生きる少年ゼイン(ゼイン・アル=ラフィーア)は、人を刺した罪で少年刑務所に収監されていた。年齢は12歳とされているが出生届が出されていないため医学的に推定される年齢に過ぎない。そんなゼインは弁護士を代理人に裁判を起こした。ゼインが訴えたのは両親。その理由は「自分を産んだ罪」を告発することだった…

 そういうことは本来あって良い話ではないのですが、本人がどれほど願っていてもそもそも最初から社会の一員として加えてもらえない人たち、というのが確かに存在します。日本でも出生届が出されず学校にも行けずに社会の最底辺で生きる無戸籍者が1万人(推定)はいるとされています。是枝裕和監督の「誰も知らない」や「万引き家族」、あるいはドラマ「相棒season16」の「少年A」などこういった存在を題材にした作品もあります。レバノンで製作されカンヌなど世界各地の映画祭で高い評価を得たこの「存在のない子供たち」はそういう存在を描く作品の、ある意味で究極に近い姿ともいえるでしょう。

 物語はゼインが両親を告発する裁判の冒頭陳述のシーンの後、ゼインがそこに至るまでの過程を描きます。
 ゼインは朝から夜まで働かされています。心が安らぐ時といえば年の近い妹サハル(シドラ・イザーム)と遊んでいる僅かな時間のみ。しかしそのサハルも家賃の支払えない両親によって家主と強引に結婚させられてしまいます。ゼインの両親も明日の仕事さえ定かでない最貧層に生きており、弱者がさらに弱い者を食いつぶす地獄のような状況を丹念に描きます。サハルの結婚を止められなかったことでゼインは家を飛び出すのですが、ここから物語は更に思わぬ方向へ転がっていきます。

 驚くべきはこの映画、ゼインの代理人である弁護士ナディーンを演じこの映画の監督でもあるナディーン・ラバキーを除き作中に登場するほぼ全ての登場人物が俳優ではなくラバキー監督とキャスティングディレクター・ジェニファー・ハッダードによりスカウトされた「登場する人物と近い境遇の者たち」である点です。主人公ゼインもシリア難民ですし、家出したゼインが出会うことになるシングルマザーのラヒルを演じるヨルダノス・シフェラウはエチオピア難民で、レバノン国内でホームレス同然として職を転々としつつ違法状態で滞在しており不法移民で逮捕されるもののラバキー監督が身元保証人となって釈放された経緯を持ちます。
 積み重ねられた取材とこのストリート・キャスティングが功を奏し、フィクションでありながら高いリアリティをもってこの映画は観る者に迫ってきます。

 物語は、絶望の上に更に重い絶望がのしかかるような中で微かな希望を見せて終わります。それは登場人物を演じる彼らにも幸あれと願うかのように。
 まるでナイフを突きつけられたような、腹の底に重く響くような、そんな余韻を残すこの映画です。同時に観るとなればどんなに辛くとも向き合うしかないと観る者に覚悟させる力を持つ作品でもあります。世界の片隅で起きる対岸の火事のような出来事ではなく、もしかしたら自身の足下で起きようとしていることかもしれません。こういう映画が多くの人の目に留まれば、と願います。

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8月から会社に復帰して、なんとか通勤しています。

会社では私が怪我で休んだことは展開されていましたが、
その怪我の理由などは、なぜか伏せられていました。

個人情報の保護なんか無いイメージの会社なのに、
こんな時に限って割と気を遣っててちょっと呆れる。

なので復帰して初めて会う人がほぼ毎回のように、
怪我の内容を聞いてきて話をするのに飽きてきました。
8月も終わりなのに、まだ聞かれるという始末です。

今では特に考えなくても、口が勝手に話してくれます。
ネタの1個しか無い芸人のようです。



さて、前回の歌会は『ジャンケン大会』の賞品が大量!

やはり盆休み最終日に開催の歌会ということもあり、
みなさん、帰省や旅行での外出が多かったようですね。

じゃんけん大会向けに多くのお土産を提供くださり、
大変盛り上がったジャンケン大会となりました。
賞品の提供をくださった方、本当にありがとうございます。

ジャンケン大会の隣の『ご自由にお持ちください』コーナーも
これまた大量の品物が提供されていたましたね。

この、ご自由にお持ちくださいコーナーですが、
基本的にはジャンケンしてまではいらないかな?
でも欲しい人はもらっていってくださいといった感じ。

このコーナーでは結構、品物が残ったりするのですが、
そうすると、私やスタッフが持ち帰ったりしています。

そんな品物に今回は以下の物がありました。



『ラブライブ!サンシャイン』のジグソーパズルです。
とても小さい箱なのに、150ピースということで興味があり、
持って帰ってやってみようと、ゲットしてまいりました。


うん、小さい。



開けてみると、やっぱり小さい。





片付けました。

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日曜日に歌会ご参加の皆様お疲れ様でした( ̄▽ ̄)
久々という事でたくさんの方にお会いできました!たかが3ヶ月、されど3ヶ月でしたね。

ついでにいうと、撮影担当がいなかったので、初の撮影もさせていただきました。
慣れなくもカメラを向けても、快く写ってくださった皆様、感謝でございますm(__)m

かときちさん復活記念の採点ゲーム企画も、盛りがって楽しかったですね(*´∀`)
たまにはこういうのもいいですね~。
あまり歌えなかったから、プライベートでもやろうかなぁとか思ってしまいましたわ。

間がしばらくあったのと、帰省時期だったそいか、じゃんけん大会の持ち込みはとても多かったですね(^_^;
かくゆう私もやっと5月にいった旅行のお土産を消化できました(笑)
もらってくださった方は美味しく頂いてもらえば幸いです(*´∀`)


私事ではありますが、職を9月に変える事になりました。これからは完全日曜日休みになるので、歌会の参加がしやすくなりましたヽ(*´∀`)ノ
ゲーム屋さんは、うちのサークルにも都合はよかったのですが、まぁいろいろです。最初は風刺に近いので、理由とか書こうかと思いましたが、なんかマイナスな内容なのでやめました。ま、常に市場や人の気持ちは変わりゆくものというもんです(´・ω・`)


2週間お休み頂いているので、まったりしていますが、来月にも引越しの準備があるかもしれないので、断捨離しないとなのです。
・・・とはいえ、物が多すぎて困っていますが、
持ち込めるなら歌会中に処分を依頼したいくらいです(笑)

とりあえず、久々の長い休みを満喫しますとしますわ。ま、遠出の予定はありませんがね。

では、また来週~

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 ま、私は不参加だったんですけどね!3か月ぶりの歌会、参加したかったです…!カラオケで採点とかも久しくやってないので残念。

 こんばんは、小島@監督です。
 次回は参加しますよ、ええ!予定空けてますしね!

 さて、そんな歌会を横目に私は昨日どこへ行っていたかというと横浜行ってました。目的は「THE IDOLM@STER SHINY COLORS SUMMER PARTY 2019」です。アイマスイベントのチケットを、それもライブビューイングではなく現地会場のチケットを自力入手できたなんて久しぶりです。厳密にいうと「SideM」の2017年ツアー愛知公演以来2年ぶり。ライブビューイングが充実しているので観るだけなら割とカバーできているのですが、現地参戦となるとグッとハードルが上がってしまいます。昨年シンデレラガールズのナゴヤドームライブを現地で観ていますがチケット自体は譲り受けたものでしたし。それだけ人気コンテンツに成長したという証拠でもあるのですが。

 「アイドルマスター シャイニーカラーズ」はそんなアイマスグループの中でも最も新しい作品で昨年4月にリリースされたタイトルです。今年3月に1stライブが行われ、今回のサマーパーティが2度目の大規模イベントになり、パシフィコ横浜にて昼夜でキャストを入れ替え2公演が行われ、その昼の部を鑑賞してきました。実はパシフィコ横浜を訪ねるのは8年ぶり。その8年前もアイマスイベント。TVアニメ製作決定の告知に歓喜の大絶叫をした思い出があります。

 初期のSideM同様ユニット単位の出演を基本とするシャイニーカラーズ、昼の部の出演は「イルミネーションスターズ」(関根瞳(櫻木真乃役)/近藤玲奈(風野灯織役)/峯田茉優(八宮めぐる役))、「アンティーカ」(礒部花凜(月岡恋鐘役)/菅沼千紗(田中摩美々役)/八巻アンナ(白瀬咲耶役)/成海瑠奈(三峰結華役)/結名美月(幽谷霧子役))、「ストレイライト」(田中有紀(芹沢あさひ役)/幸村恵理(黛冬優子役)/北原沙弥香(和泉愛依役) )の3ユニット11名が出演。この内ストレイライトの3人だけは夜の部にも出演しています。ストレイライトは1stライブ後に新キャラとして発表されゲーム中に登場したユニットなのでお披露目的な意味合いも強いのでしょう。

 イベントは出演者全員によるゲームのテーマ曲ともいえる「Spread the wings」の披露で開幕し、その後WEBラジオの公開録音(今月どころか今週中にもう配信されるそう)、朗読劇、更に今回のイベントに合わせ事前収録してきた初島への合宿の映像の上映とそれにちなんだトークと、上演時間の6割ほどをトーク中心に固める構成。どことなくバラエティ番組的なノリを感じます。困ったことに頭の回転の速い方が数名見受けられはしますが全体を見渡せば相当にグダグダで、中には「そういうのまで含めて楽しみにして来てる」ファンばかりだから良いようなものの事故に近い危険球めいたものもあり、ちょっとハラハラしました(苦笑)。

 後半はライブパート。正統派アイドルポップをストレートに聴かせてくれるイルミネーションスターズ、ハードロック調のナンバーに5人のフォーメーションダンスがパワフルに重なるアンティーカの2ユニットはどちらも2曲ずつながら1stライブから完成度を上げてきているのが感じられましたが、その後を受けてのストレイライトの「wandering dream chaser」に鷲掴みにされました。トランスに近い速いビート、転調とオーバーラップも多い難度の高い楽曲に対しコレがホントに初披露!?と驚いてしまうほどのハイレベルなパフォーマンスに自分も含めアガる会場のボルテージ。初っ端からコレとは先が楽しみどころではない感じです。

 10月にはフェスでの出演とは言えいきなり東京ドームでのパフォーマンスが待っているほか単独でも同月にイベントを控え、今は場数を踏ませて経験を積ませたいと言った最中の今回のイベント、まだまだ荒削りといったところですが、洗練される前だからこそ観れる味わいというものはやっぱりあって、そういうのを存分に味わえた点では大満足でした。これからどのように彼女たちが成長していくのか、楽しみです。

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静岡県での煽り運転、傷害事件がすっかり話題ですが、
愛知県や茨城県でも同じ人物の犯行があるようです。

しかしながら殴りかかる映像を見るとハンパじゃなく、
それを冷静に撮影する女性含めて狂っていますよね。

煽り運転する人に絡まれないようにするだけでなく、
こんなことされそうなご時世、護身をするためには、
スタンガンくらいは必要なのではないかと思います。

しっかりドライブレコーダーを装備、撮影して、
スタンガン使用しても仕方なかったよねみたいな。

もう、あれくらいで禁錮5年くらいでいいと思います。
ああ、地下帝国で土木工事でいいです。通貨はペリカ。



さて、クッソ暑い盆休みの前半のある日のこと。

昼に出先から帰宅後に冷蔵庫から飲み物を取り出し、
キンキンに冷えた喉ごしを堪能しようとすると・・

ヌルい。

冷蔵庫の扉が開きっぱなしだったのかな?と思い、
また冷蔵庫を開けて他の食材とかを触ってみると、
やはり冷やされていました感をほとんど感じません。

もう済んでしまったことは今さら仕方がないので、
冷蔵庫扉を締めたことを確認してから自室に戻ります。

そして今週末のちゅうカラの準備などをしていると、
冷凍庫も冷えていないのではと心配になってきました。

そう思うと考える前に冷蔵庫に向かい、冷凍庫を開け、
すぐ目に付いたブラックサンダーアイスを触ってみます。
すると、もうアイスクリームの固形感がないのです。

こうなってくると、もう食材の心配どころではなく、
冷蔵庫そのものが故障していることにショックです。

母と話しますが当然「買うしかないよね」の結論で、
急な出費もショックですが、そうは言ってられません。
どうやら母が言うには24年も使っていたそうです。

早速、電機屋に向かい冷蔵庫のコーナーに向かい、
ここで冷蔵庫に興味のない私は驚きを隠しきれません。

え?冷蔵庫ってこんなに高いの?

私自身、冷蔵庫を買おうと私自身思ったことがないので
こんなに冷蔵庫が高いなんて思いもよりませんでした。

あ~、なんか急な高額出費の憂鬱な盆休みだなあ。



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台風が接近して外は風がビュービュー吹いていますが、暴風域にはかからなさそうなのです。とはいっても影響がゼロではないので、明日も含めて気をつけるに越したことはないですね(・ω・)
仕事帰りが12時過ぎという、がっつり通過中だから気をつけないとヤバいかもなー

次の日曜日はついに復活する歌会があります!
雨は降らなさそうでよかったです(*´∀`)

次の歌会にも、毎度ながらモニタとゲーム機というたくさん荷物を持ち込むんですが、ついにいつものスピーカーを乗っけていたカートをキャリアカートにパワーアップさせました(キャンプに使うアレ)
容量アップ以上に荷物を全部引いて運べるのは楽チンになりそう( ¯﹀¯ )♪
あとは、んなデカいカートを引いて金山駅を抜ける勇気が必要(笑)


さて、次回の歌会に復活特別企画として、
「歌合戦」が開催されます。

ルールは
1.全国採点グランプリを使って点数を出す
2.挑戦は1人1回のみ(タイミングは任意)
3.賞品は、amazonギフトカード2000円
対象者は
A.点数が1番高い方
B.点数が2番目に低い方

そして
C.平均点が高い部屋の方、全員

となっています。
詳細は、また当日になってからお伝えするかと思います(゚Д゚)ノ
点数かぁと気になる方もいますが、あくまで歌会のおまけなので、気軽に楽しみましょうヽ(*´∀`)ノ


私もどこかしらに参加はしようと思ってますが、まぁ8階付近でしょうね。一緒の部屋になった方はよろしくお願いしますm(__)m


ゲームについては、先週話題にも出しましたが、
スイッチは、「フィットボクシング」
あとは、ドラクエの勇者が配信開始になりましたので、定番の「大乱闘スマッシュブラザーズspecial」セット

PS4は、要望が多いPSVR「ビートセイバー」をご用意致します(゚Д゚)ノ
「ドラゴンボールファイターズ」もジャネンバが配信されたので、格ゲー対応で、アケコンも持ち出そうか検討中。

全部載っけてるかどうかはわかりませんからね(´・ω・`)
とりあえずカラオケから遠ざかってますが、ゲームも遊べるカラオケサークルなので、需要は低くとも続ける所存でございます(゚Д゚)ノ


では、週末にお会いましょう(*´∀`)

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だいたい自分の仕事の最繁忙期に重なるのでもう何年も行ってはいませんが、お盆休みの前半となるこの連休にコミックマーケットが開催されました。行けないのは残念ですがTwitter見てると毎度趣向を凝らしすぎた面白コスプレの写真が続々とアップされてくるのでそれはそれで楽しみだったり。アイドルマスターの事務所(キャラじゃなくて建物の方)のコスプレ合わせとか金曜ロードショーのタイトルロゴのコスプレとかどういう流れで思いついたのか良く分からないものがバンバン上がってきます。皆さん暑い中ホントご苦労様です(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 また、エロスいのはとらのあななどで委託販売されているものを購入することもできるのですが、ニッチなものを掘り下げた同人誌となるとやはり現地で買うしかないものも多いのでまたどこかで足を運んでみたいものよ。

 さて、今回の映画は「天気の子」です。

 「ねえ、今から晴れるよ」
ーーその少女はそう言った。
 それまで暮らしていた離島を家出し、高1の少年・森嶋帆高(声・醍醐虎汰朗)は東京にやってきた。しかし当然のように生活は瞬く間に困窮し、帆高は東京へ向かう船中で出会った縁を頼りに須賀圭介(声・小栗旬)のもとを訪ねた帆高は、圭介の助手としてオカルト雑誌のライターとして働き始める。
 東京は連日雨が降りやまず、陽光の射さない日々が続いていた。しかしどこからかその人物が祈れば必ず晴れ間が差すという「100%の晴れ女」の噂が囁かれていた。そんなある日、雑踏の中で帆高は一人の少女と出会う。天野陽菜(声・森七菜)と名乗るその少女には不思議な能力があった。
 「ねえ、今から晴れるよ」
ーーその少女はそう言った。そして厚く垂れこめた雲の切れ間に光が差し始めるーー

 「新世紀エヴァンゲリオン」が大きなムーブメントを起こした1990年代後半から2000年代前半にかけて、個人の情動や葛藤、ごく数人のミニマルな関係性が世界の現象と直結する「セカイ系」と呼ばれる物語構造を持つ作品が数多く登場しました。またそれと時を同じくして「Kanon」(1999年)「AIR」(2000年。共にゲームブランド「Key」)などに代表される感動的なシナリオでプレイヤーの涙を誘う「泣きゲー」と呼ばれる作品がアダルトPCゲームの分野で開花しその後コンシューマーへの移植やアニメ化などで一般市場へも波及していきました。「突然何を言い出すんだ?」と思われた方もいらっしゃるでしょうが、「天気の子」を観ていたらそんな時期の作品たちと同じ、自分にとってはどこか懐かしい匂いをかぎ取ったからです。

 「君の名は。」の大ヒットから3年、新海誠監督の最新作は天候が調和を崩し雨が降り続く東京を舞台に、運命に翻弄される少年と少女の姿を描く物語です。新海誠のお家芸ともいえる精緻にして繊細な背景美術は、一瞬たりとて同じ姿をしない「天候」の変化がもたらすダイナミズムまでも表現し、ただ観てるだけでも引き込まれるようなカットがいくつも登場する美しいビジュアルを楽しませてくれます。音楽の使い方も相変わらず絶妙で、ここぞというタイミングで使われるRADWIMPSの手による歌曲が時には三浦透子のクリアなボイスと相まって感情のうねりをより高めてくれます。

 この作品で注目すべき点は、主人公である帆高も陽菜もアウトローであるところでしょう。家出少年である帆高はホームレス同然の生活を送っており、陽菜は両親がおらず小学生の弟・凪(声・吉柳咲良)と共に2人暮らしをしているが児童相談所にマークされています。それが能動的か受動的な結果であるかは作中最低限にしか語られませんが、社会の規範から弾き出された彼らは閉塞した手の届く範囲の「セカイ」の中で必死にあがくしかないのです。作中重要なキースポットである廃ビルのモデルとなった代々木会館が1970年代半ばに大ヒットしたアンチヒーロー・ドラマ「傷だらけの天使」の主舞台であったことも決して偶然ではなく意図的なものでしょう。
 社会の枠組みの中で助けを求められない少年少女に依って立てるものなど「感情」しかなくその儚いもののために暴走ともいえる行動を取り始める彼らにはどこかアメリカン・ニュー・シネマ的な香りも漂います。

 なかなか思いがけないところに到達する結末といいある意味でかなりトリッキーな作りの物語であり、サマーシーズンの目玉に持ってくるような作品なのに花澤香菜と佐倉綾音の2人の人気声優に妙なネタを仕込んで演じさせるといった異様にマニアックなことを仕掛けていたりかなりやりたい放題の全開新海誠テイストを堪能できる1本です。
 これを懐かしいと思うか新鮮に映るかは人それぞれでしょうが、この繊細で純粋な暴走はやはり映画ならではのマジックです。画面の情報量が多いタイプの作品ですのでなるたけ大きなスクリーンで堪能してほしい一本ですね。
 


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