昨日富士急ハイランドコニファーフォレストで開催された「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 7thLIVE Q@MP FLYER!!! Reburn」を配信で観ていました。本来なら昨年開催される予定でしたがコロナ禍で延期となったイベントです。ライブタイトルに「Reburn」という言葉が後から付されているのが象徴的です。初の野外ライブということで、野外ならではの演出がふんだんに盛り込まれており映像で観ても「強い」画が次々と出てくる様に、PCの小さなモニターで観ているのがもどかしくなるほど。できれば現地で観たかったとの思いが強くなりました。
こんばんは、小島@監督です。
まだまだ気軽に遠征してライブを観に行ける日々は先になりそうです。
さて、今回の映画はしばらくぶりに配信の作品から1本。「ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男」です。
1987年、愛犬と共に平穏に暮らす老人・カルヴィン(サム・エリオット)には秘密があった。若き日の彼はエージェントとして歴史の陰でヒトラー暗殺に成功していたのだ。しかしその事実は公になることはなく世界を変えられなかった無力感と恋人と死別し添い遂げられなかった後悔を抱えて生きてきた。
そんな男の元にある日FBIが訪れる。山林地帯で多発している殺人事件、それは「ビッグフット」と呼ばれる得体のしれない存在の仕業というのだ。しかもそれに殺された遺体は未知のウィルスで汚染されていた。このままでは病原体の感染拡大までも引き起こされてしまう。FBIはエージェントであったカルヴィンにビッグフット殲滅を依頼しに来たのだ。
勉強とか部屋の掃除とかのBGMに、音楽ではなく何か映像を流す方もいらっしゃるかと思います。私の場合、「X-FILES」とか「HAWAII FIVE-O」とかの基本1話完結のスタイルを取る海外ドラマを吹替版で流すことが多いのですが、たまにB~C級のモンスター映画にすることがあります。ぶっちゃけ真面目に見る気が無いから面白い作品である必要が無いので「時間の無駄」とかレビューされている物でも何の問題無くむしろそういうのが見たい時もあったりします。今回の映画もそうやって流し見しようとしていた1本です。
「ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男」なんてどう贔屓目に見ても頭が悪いとしか言いようがないこのタイトルで、しかし描かれているのは積年の後悔を抱きながら生き続けた男の晩節を描いた哀歌だと誰が想像できましょうか。ちょっとウキウキしながらアホ映画かけようとしてたんですよ、私。率直に言ってタイトルに「ビッグフット」が入ってる作品は基本クソ映画です。ええ、何ならAmazonプライムでもNETFLIXでも適当に検索をかけてみてください。きっと偏頭痛がします。だというのに、まさかこんなヘドロじみたところに一粒の金が眠っていようとは。
この主人公カルヴィンを演じたのはサム・エリオット。1960年代の終わりから現在に至るまで映画やドラマに出演を続ける名優で、2018年には「アリー/スター誕生」でアカデミー賞助演男優賞に初ノミネートされました。また、製作総指揮を担ったダグラス・トランブルは「2001年宇宙の旅」や「未知との遭遇」のVFXを手掛けデジタル・エフェクトのパイオニアとされるレジェンド的人物です。キャストもスタッフもこの珍奇なタイトルからは想像もつかない渋く重厚な布陣です。
表情一つ、所作一つに哀切が滲むサム・エリオットの演技を骨太なカメラワークとBGMが支えます。タイトル通りちゃんとヒトラーは出ます。ビッグフットも出ます。ですが、実は思いのほかアクションシーンは少ない映画です。70代後半のサム・エリオットに激しいアクションは難しい、というのもあったでしょうが描くべきは老いた男が自身の矜持を懸けて最後の戦いに臨む姿そのものであり、どう戦ったかは最小限で十分だからでしょう。ラストシーンが醸し出す余韻の深さにはちょっと胸にこみあげるものがありました。
ハリウッドメジャーな作品や文学映画だけを追っていては決して目に留まることの無い場所にありながら、ボンクラ映画を観たい向きには本気過ぎてそっぽを向かれてしまう、映画と言う広大な海の中でポツンと存在する孤島のような1本です。しかしそこで消えていってしまうにはあまりに惜しい魅力に満ちていて、映画が持つ魔法の不思議さに驚かされます。これぞ怪作。完全に油断していました。Amazonプライムなどで観ることができますので、この私のブログを読んでちょっとでも気になってくださった方は是非トライしてみて欲しいですね。
こんばんは、小島@監督です。
まだまだ気軽に遠征してライブを観に行ける日々は先になりそうです。
さて、今回の映画はしばらくぶりに配信の作品から1本。「ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男」です。
1987年、愛犬と共に平穏に暮らす老人・カルヴィン(サム・エリオット)には秘密があった。若き日の彼はエージェントとして歴史の陰でヒトラー暗殺に成功していたのだ。しかしその事実は公になることはなく世界を変えられなかった無力感と恋人と死別し添い遂げられなかった後悔を抱えて生きてきた。
そんな男の元にある日FBIが訪れる。山林地帯で多発している殺人事件、それは「ビッグフット」と呼ばれる得体のしれない存在の仕業というのだ。しかもそれに殺された遺体は未知のウィルスで汚染されていた。このままでは病原体の感染拡大までも引き起こされてしまう。FBIはエージェントであったカルヴィンにビッグフット殲滅を依頼しに来たのだ。
勉強とか部屋の掃除とかのBGMに、音楽ではなく何か映像を流す方もいらっしゃるかと思います。私の場合、「X-FILES」とか「HAWAII FIVE-O」とかの基本1話完結のスタイルを取る海外ドラマを吹替版で流すことが多いのですが、たまにB~C級のモンスター映画にすることがあります。ぶっちゃけ真面目に見る気が無いから面白い作品である必要が無いので「時間の無駄」とかレビューされている物でも何の問題無くむしろそういうのが見たい時もあったりします。今回の映画もそうやって流し見しようとしていた1本です。
「ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男」なんてどう贔屓目に見ても頭が悪いとしか言いようがないこのタイトルで、しかし描かれているのは積年の後悔を抱きながら生き続けた男の晩節を描いた哀歌だと誰が想像できましょうか。ちょっとウキウキしながらアホ映画かけようとしてたんですよ、私。率直に言ってタイトルに「ビッグフット」が入ってる作品は基本クソ映画です。ええ、何ならAmazonプライムでもNETFLIXでも適当に検索をかけてみてください。きっと偏頭痛がします。だというのに、まさかこんなヘドロじみたところに一粒の金が眠っていようとは。
この主人公カルヴィンを演じたのはサム・エリオット。1960年代の終わりから現在に至るまで映画やドラマに出演を続ける名優で、2018年には「アリー/スター誕生」でアカデミー賞助演男優賞に初ノミネートされました。また、製作総指揮を担ったダグラス・トランブルは「2001年宇宙の旅」や「未知との遭遇」のVFXを手掛けデジタル・エフェクトのパイオニアとされるレジェンド的人物です。キャストもスタッフもこの珍奇なタイトルからは想像もつかない渋く重厚な布陣です。
表情一つ、所作一つに哀切が滲むサム・エリオットの演技を骨太なカメラワークとBGMが支えます。タイトル通りちゃんとヒトラーは出ます。ビッグフットも出ます。ですが、実は思いのほかアクションシーンは少ない映画です。70代後半のサム・エリオットに激しいアクションは難しい、というのもあったでしょうが描くべきは老いた男が自身の矜持を懸けて最後の戦いに臨む姿そのものであり、どう戦ったかは最小限で十分だからでしょう。ラストシーンが醸し出す余韻の深さにはちょっと胸にこみあげるものがありました。
ハリウッドメジャーな作品や文学映画だけを追っていては決して目に留まることの無い場所にありながら、ボンクラ映画を観たい向きには本気過ぎてそっぽを向かれてしまう、映画と言う広大な海の中でポツンと存在する孤島のような1本です。しかしそこで消えていってしまうにはあまりに惜しい魅力に満ちていて、映画が持つ魔法の不思議さに驚かされます。これぞ怪作。完全に油断していました。Amazonプライムなどで観ることができますので、この私のブログを読んでちょっとでも気になってくださった方は是非トライしてみて欲しいですね。
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