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ちゅうカラぶろぐ


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東京や大阪を対象にまたしても緊急事態宣言が。寄りにも寄って金曜日の夜に発令されたためイベントやプロスポーツ関係、各種施設なども対応に追われる様がニュースで報じられたりしてました。映画館も都心部のシネコンには休業要請が出たりしています。
 また、間の悪いことにその週末は「アイドルマスターシャイニーカラーズ」の3rdツアー東京公演の開催日でもあり、運営側も相当苦慮したのでしょう、初日は観客を入れて2日目は無観客の配信のみという形に。当然現地のチケットは払い戻しです。今月は出費が嵩んでいるので当初は配信の視聴も見送るつもりでいましたが、この理不尽とも言える状況はさすがに居た堪れず、昨日のday2のみですが配信チケットを買ってライブを鑑賞してました。開演が予定より2時間も押したのは急な開催方式の転換によるトラブルが発生した面もあったはずです。
 また感染者が増えている状況なので致し方ないのかもしれませんが、文化的事業に対するダメージがもう大きすぎる。それでもなおオリンピック開催に向けて動いている都や政府の動きとのギャップも含めてさすがに私も憤りの方が大きくなってきています。

 こんばんは、小島@監督です。
 映画もまた封切りが次々と延期になっていますが、せめて行けるものは行こうと思っている今日この頃。

 さて、今回の映画は「ノマドランド」です。

 2011年、リーマンショックによる不況の影響を受けネバダ州の街「エンパイア」は所有する企業が破綻したことにより閉鎖され、ファーン(フランシス・マクドーマンド)は住む家を失った。
 ファーンはキャンピングカーを改造し荷物を積み込み車上生活を送りながらAmazon物流センターやキャンプ場など季節労働を渡り歩き全米を移動する「ノマド」として生きることを決意する。
 ファーンは行く先々で様々な理由で車上生活を選んだノマド達と出会いその交流の中で車上生活の術を学んでいくファーンの、長い長い旅路とは。

 実際にノマドとなって生活しながら彼らの生活ぶりを取材したノンフィクション作家ジェシカ・ブルーダーの著書「ノマド 漂流する高齢労働者たち」をベースとし、「スリー・ビルボード」などで高い評価を得るフランシス・マクドーマンドが主演とプロデュースを兼ねて映画化された作品です。各国の評論家や映画ファンからの絶賛を受け、既にベネチア国際映画祭金獅子賞、トロント国際映画祭観客賞、ゴールデングローブ賞作品賞・監督賞を受賞し、まさに今日アカデミー賞でも作品賞を受賞するなど今年の賞レースを席巻しています。

 非常に独特な雰囲気に包まれた作品です。カメラは主人公ファーンが車上生活に苦闘しながら多くを学び喜怒哀楽を発していく様を付かず離れず寄り添っていきます。しかも興味深いことにファーンが出会うノマド達は作中最も深く交流を重ねることになる初老のノマド・デヴィッドを演じるデヴィッド・ストラザーン以外はほぼ実際にノマドの人たちであり、数名は本人役でファーンに深く関わる人物として登場します。この劇映画でありながらもドキュメンタリーのような手触りの作風がこの映画を他に類を観ないものにしています。また、様々な容貌を見せる砂漠を背景にしたロードムービーでもあるこの作品はどこか1960~70年代に隆盛したアメリカン・ニューシネマ的な雰囲気を漂わせてもおり、しかもそれを手掛けたのが中国出身の女性監督であるクロエ・ジャオ、というのも実に興味深いところです。
 
 ファーンが家を失った街・エンパイアは実際にネバダ州に存在した街で、建築資材大手であったUSジプサムが従業員のために街ごと所有していましたが経営破綻と共にその機能も失い郵便番号さえ無くなってしまいました。無論そうして住む場所を失った人たちを救済する措置もあるのですがそこからこぼれた人も少なくないのが実相で、作中深くは描かれないものの、ファーンが旅路の中で出会う人々も多かれ少なかれそういったバックボーンを抱えています。
 しかし、それでも老後に差し掛かった身でありながら車上生活を選び取った彼らにはある種の「芯」があり、先行きの見えない不透明さを抱えながらも荒涼として見える路上でこそ解放される魂があることをこの映画は見出します。それを象徴するのが作中ある人物が言う「この生活にはさよならが無い」です。別れてもこの道の先のどこかでまた会える。死に別れたとしてもその思い出を誰かに語ることで記憶されていく。高齢で車上生活を続ける「ノマド」たちは紛れもなく社会問題ではありますが、弱者であることを自覚しているが故に知らない誰かとも通じ合い思いやる生き方を見せる、どこかシンプルですらある優しさを持つ彼らの姿に、映画の余韻と共に観る者の心に残す「何か」があることでしょう。

 この作品がコロナ禍が席巻する世界で称賛される理由は確かにあると感じられる映画です。今だからこそ観る意味もあるでしょう。上映は終盤に差し掛かっているようですが、アカデミー賞受賞を追い風にロングランになる可能性もあります。決してダイナミックな映画ではないので好き嫌いはあるでしょうが、それでも多くの方にご覧になって頂きたい1本ですね。

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