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ちゅうカラぶろぐ


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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 ええ!バレンタインと言ったらサラミですよ!ほら、「クリスマスには鮭を食え」(Byサモーン・シャケキスタンチン「ルパンレンジャーVSパトレンジャー」より)とも言うじゃないですか!
 …と、参加者以外には一切伝わらない一文で始まる書き出し。

 こんばんは、小島@監督です。
 でも恵方巻のごとくかぶりつくのはまた後日にしたい。

 さて、今回の映画は「シティーハンター 新宿プライベートアイズ」です。

 女子大生・進藤亜衣(声・飯豊まりえ)は父親が事故死して以来連日何者かにつけ狙われるようになった。ある日、一つの噂を知った亜衣は新宿駅へ向かう。新宿駅東口にある掲示板。そこに「XYZ」と記せば…!
 しかし取り立てて何か起きるような様子はない。眉唾物の都市伝説を真に受けた自身の愚かさを呪いながら駅を後にした亜衣は防犯グッズでも買って帰ろうとした矢先に暴漢たちの襲撃を受ける。しかし、突如現れた一人の男に暴漢たちは瞬く間に叩きのめされてしまった。驚く亜衣に向かいその男は言った。
「俺を読んだのは、君だろ?…XYZ。確かに、後が無さそうだ」
 男の名は冴羽獠(声・神谷明)。人呼んで、「シティーハンター」。

 1980年代後半に訪れたジャンプ黄金期に連載され、1987年からはTVアニメも放送し大ヒットシリーズとなった「シティーハンター」、その約20年ぶりとなる新作が劇場用作品として製作され現在公開中です。主要キャストは冴羽獠役神谷明、槇村香役伊倉一恵を筆頭に当時のオリジナルメンバーが勢揃いしたほかスタッフの方も総監督こだま兼嗣以下当時の中心メンバーが多数参加した作品になっています。
 キャストについて更に言えばIT企業の若きCEO御国を演じる山寺宏一、その側近・氷枝役の山崎たくみ、冴羽獠たちを陰ながら助力をする「教授」と呼ばれる老人役の茶風林はTVアニメ放送時にモブとして多様な役をルーティンで演じていた経験があり、そういった点でも面白いキャスティングと言えるでしょう。また、レジェンド級の声優が揃い踏みする中で健闘している亜衣役飯豊まりえの好演と、出番は少ないながら強烈なインパクトを残すコニータ役徳井義実(チュートリアル)の怪演もポイント。

 そんなこの映画の最大の特徴、それは「変わっていない」こと。コレに尽きます。確かにかつて公衆電話だった通信手段はスマートフォンになり、軍用ドローンが物語の肝の一つであったりとツールこそ変遷していますが「シティーハンター」という物語をなす「イズム」は何も変わっていません。それこそ直撃世代なら開幕1分と経たずに毎週の放送を楽しみにしていた「あの頃」に引き戻してくれることでしょう。物語のきめ細やかさよりも「シティーハンターらしさ」を重視して作られているため、ところどころシナリオが緩いというかアバウトなのですが、そう言った点まで含めて「らしい」と言えますね。
 意図的なものか、結果的にそうなったのかはわかりませんが、変化著しい新宿駅周辺だけでなく花園神社やゴールデン街など意外と変わらないままでいる場所が度々ロケーションとして登場するのも興味深いところです。

 「シティーハンター」を構成する要素としてもう一つ無視できないのが音楽。「シティーハンター」はアニメとJ-POP(当時はまだこの呼称は無かったが)との関係性を大きく変えた画期的な作品であり、特に「Get Wild」はTM NETWORKをブレイクさせ90年代半ばにブームを巻き起こす小室哲哉のサウンドを世に知らしめる契機となりました。今作ではその「Get Wild」がエンディングテーマに使われているほか当時のTVシリーズのオープニングやエンディング、挿入曲の大半がBGMとして作中に登場します。それもアレンジバージョンなどではなくそのままで使用されているところに製作者のこだわりを感じます。

 世代でない人から見ればあっけらかんとしたセクハラとパワハラの応酬で笑いを取る「シティーハンター」のスタイルは眉をひそめてしまうものかもしれません。ただこれが通っていた時代の産物だったということであり、またそうでなければ「シティーハンター」とは言えないのです。現在とは少しスタイルの違う笑いを楽しんで頂けると嬉しいのですが。

 この映画はファーストショットからエンドクレジットまで、余すところなく一分の隙も無い完璧なまでの「シティーハンター」。今回に限っては私、贔屓目丸出し。自身が直撃世代のただ中にいた幸運をこれ程噛み締められた作品にそうそう出会った事がありません。特に同世代の方にはあの頃胸躍らせたキャラクターと音楽たちが映画館であなたの訪れを待っています。

 

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