とは言え全体を観れば活気があって素晴らしいと思うのですが、どうして何もかも同じ日に開催されるのでしょう?あれもこれも観たい方には取捨選択を迫られる週末でもあったでしょうね。
こんばんは、小島@監督です。
私ですか?私はもちろん仕事です(泣)
せいぜい仕事上がりに「ストライクウィッチーズ」を観に行くのが精一杯でしたさ。
さて、今回はちょっとユニークなアニメ映画をご紹介。「TATSUMI マンガに革命を起こした男」です。
彼の名は漫画家辰巳ヨシヒロ。
1950年代後半、いわゆる「貸本漫画」の隆盛に伴い従来の子供向けとは一線を画す、生々しい人間の感情をぶつける大人向けの作品を描く作家たちが登場し始める。その最中、新聞各紙は「俗悪マンガの氾濫」として貸本漫画を糾弾するキャンペーンを展開。それに憤慨した辰巳ヨシヒロは子供向け漫画とは違う大人向けの漫画を指し示すものとして「劇画」という言葉を生み出した。
そして時代は高度経済成長期へと移って行き、「少年サンデー」「少年マガジン」と言った週刊誌の創刊も追い風となり、「劇画」は手塚治虫すら嫉妬するほどのムーブメントを巻き起こすようになる。
これは手塚とも「トキワ荘」の面々ともまた一味違うマンガの昭和史である。
辰巳ヨシヒロという漫画家については正直あまりよく知りません。知ってる事と言えば「劇画」という言葉を生み出した事と、彼の自伝的作品であり、この映画の原作とも言える「劇画漂流」が2009年の手塚治虫文化賞大賞を受賞した事、くらいでしょうか。作品は読んだ事が無いですね。
後になって知りましたが「劇画漂流」は1990年代半ばから約10年間に渡って「まんだらけ」の季刊カタログに連載されていたものを単行本化したものだとか。もしかしたらそちらの方で目にした事のある方はいらっしゃるかも。
余談ですが辰巳が「劇画」という言葉と共に立ち上げた漫画家グループ「劇画工房」のメンバーの中には後に「ゴルゴ13」で国民的人気を獲得することになるさいとう・たかをがいたりします。
映画はその「劇画漂流」をベースに、辰巳ヨシヒロが1970年代に発表した短編5編を挿入する形で構成されています。ナレーションを辰巳ヨシヒロ本人が担当しており、さながらドキュメンタリーを観ているかのようです。
本編に挿入する形で登場する5つの短編も従軍カメラマンが原爆直後の広島で撮影した1枚の写真を巡って数奇な運命をたどる「地獄」や、落ち目の漫画家がたまたま駆け込んだ公衆トイレの壁に描かれた卑猥な落書きにのめり込んでいく「はいってます」など、時にハードに時にユーモラスに人間の業や生々しい感情を叩きつける作品が並び、観る者の心を揺さぶります。
作中のナレーションではない辰巳のセリフと短編の主人公は全て別所哲也が演じており、その演じ分けの見事さはある種落語的のようにも思えました。
原作の描線を極力活かすような形で映像化されているようで、その素朴ですらあるビジュアルも最近のアニメとは一線を画しますね。
この映画を最もユニークにしている点は、日本の漫画を原作にし、作中の言語もすべて日本語であるにもかかわらずこの映画は邦画ではなく洋画であるところでしょう。監督はシンガポールを中心に活動するエリック・クー、アニメートはカナダのクリエイター・フィル・ミッチェルの指揮のもと、インドネシアのスタジオで製作されたそうです。
近年ようやく再評価の機運が生じているとは言え日本では既に忘れられた作家といえる辰巳ヨシヒロは実は海外での評価が非常に高く、「劇画漂流」の英訳版が発売された際にはニューヨーク・タイムズが一面で取り上げたりしたそうで、書店のコミックコーナーでは手塚の隣に並んでいる事も珍しくないとか。
映画の原作への多大なリスペクトを観ればそれも納得と言ったところでしょう。
この映画について非常に残念に感じてしまう点は、一人の漫画家から見た昭和史としてこれほど深い洞察を兼ね備えた映画が日本では成し得なかった、その一点に尽きるでしょう。同時に日本の漫画が思った以上に世界で読まれてる事にも驚きましたが、ジャパン・カルチャーとして持て囃される昨今ですが、手塚治虫の没後から既に四半世紀を経ながらまだ漫画は真に「文化」としてはまだ緒に就いたばかりなのだ、と思わざるを得ません。逆に「マンガ」にはまだそれだけ広い裾野があるのだ、という考え方もできるでしょうか。
決してメインストリームに立つことは無い映画ですが、観る者に様々な感情と感慨を喚起させずにはおかないこの作品、機会があれば是非触れてみて欲しい1本ですね。マンガ勃興期のエネルギーをそのまま伝える熱気を宿したこの作品、味わっておいて損は無いと思いますよ。
今回はしばらくぶりにじゃんけん大会に参戦して水樹奈々ライブポストカードをゲット。帰宅後自室で一人ニヤニヤしておりました。
こんばんは、小島@監督です。
先日のMAAさんのブログを読むとさいたまスーパーアリーナのなーなライブも良かったんだろうな~、Blu-ray化を楽しみにしていよう。
さて、今回の映画は「劇場版PSYCHO-PASS」です。
人間の犯罪傾向を数値化し「犯罪係数」を測定する事で治安を守る「シビュラシステム」が敷かれた近未来の日本。
その日本への密入国を図ろうとした外国人テロリストを鎮圧した常守朱(声・花澤香奈)ら公安局刑事課一係のメンバー達。テロリストへの取調の結果、かつて公安局刑事課一係の執行官であった狡噛慎也(声・関智一)の関与が疑われる。その真相を確かめるため、朱は単身テロリストたちの出身地である「SEAUh(東南アジア連合/シーアン)」へと渡るのだった。
2度のテレビシリーズを経て「サイコパス」が遂に劇場版に。シーズン2のラストから更に1年半後の世界を舞台に新たな物語が紡がれます。
先々週のショーグンさんのブログにも登場している作品ですが、今回は私なりの観点で語ってみようかなと思います。いや、観ちゃうと語りたくなるんだって、この映画(笑)
先ずは桁違いに情報量の上がった画面や、オーケストレーションとコーラスをふんだんに使用してより重層的になった音楽が支える音響面など全てがテレビシリーズより格段にスケールアップしています。年間通して絶えず何がしかアニメ映画の新作が公開される昨今ですが全編に亘りスクリーンの大画面と大音響での鑑賞に堪えるアニメ映画、というのはさすがになかなか無いのでそれだけでもこの映画を楽しむ価値はありますね。
この映画、物語の構成も他のアニメ映画ではなかなか見ない要素が多いのも特徴です。
最たるものが「英語は基本的に英語のまま喋って字幕が表示される」ところで、吹替えとかではなく演じてる声優がそのまま英語のセリフを喋っています。
主要人物に子供がいないというのもアニメでは意外に珍しいですね(子供っぽい考え方してる人はいますが)
また、シーズン1の頃から様々な小説などからの引用がセリフに組み込まれる作品でしたが劇場版でもそれは変わりません。むしろさらに洗練されている感じです。
因みに今回のブログのタイトルは個人的に作中最もツボにハマったセリフから拝借させてもらいました。こんな気の利いた(?)罵倒が飛ぶなんてアニメそうそう無いですよ(笑)
既にご覧になってる方の為にちょっぴり説明すると「ポストコロニアル」とは「独立を果たした植民地がその後も植民地主義的な遺産や関係性が持続しているような状況、またはその文化的な研究」とでもいうような意味合いの言葉です。その発端と確立はエドワード・サイードの「オリエンタリズム」からと言われています(さすがにまだ読んだ事無い)学生時代にサラッと触れた事がある程度の言葉をまさかここで聞くことになろうとは。どんな勉強もやっておく価値があるってもんです(笑)
このシーンに限らず作中のセリフや掛け合いからその含意を深読みしてみるのも楽しい作品です。
フィリップ・K・ディックの「マイノリティ・リポート」を彷彿とするシビュラシステムはどうもインテリをアウトローにしてしまう様で、テレビシリーズの頃からインテリマッチョが多い作品です。彼らが引き合いに出すセリフやタイトルをきっかけに様々な作品に触れてみるのもまた一興。
実はもう一つ物凄くツボにハマった箇所があるのですがさすがにネタバレがヒドイのでここでは黙っておきます(笑)
そうそう、「キャラ萌え」的な面で観ると、この映画ぶっちぎりで宜野座伸元(声・野島健児)の独壇場です。シーズン2ではイマイチの扱いでしたが今作では大活躍。彼のファンでまだご覧になっていない方は是非観に行っておきましょう。
1980年代に黎明期を迎えた「サイバーパンクSF」というジャンルは一時衰退したものの種々のテクノロジーの進化によってイメージを喚起しやすくなり、「近未来」という言葉により「現実味」が増して近年再び活気づいてきている印象です(無論「ニンジャスレイヤー」のヒットも要因の一つでしょう)。日本でその旗手足りえたであろう伊藤計劃氏が既に故人になっているのは残念ですが、それでも「サイコパス」のような作品が生まれ、そこから新たなファンが増えると嬉しいですね。その故・伊藤計劃の作品のアニメ映画化も控え、まだまだ目が離せそうにありません。
今月スタートの冬アニメもおおよそ出揃った感じです。
個人的に大本命だった「アイドルマスターシンデレラガールズ」が期待以上の出来栄えを魅せてくれて嬉しい限りでしたが、他は官能的な食事シーンが食欲中枢を刺激する飯テロアニメ「幸腹グラフィティ」がなかなか良い感じだったもののせいぜいそれぐらいで今期は自分には当たりがが少ないな…とか思っていたところに出ましたダークホースが。
それは「夜ノヤッターマン」!
タイトルからお色気度増量アレンジのヤッターマンかと思いきや、ド直球の王道を走る物語に初回からいきなり俺号泣。先々どう展開するかは分かりませんが、取り敢えず一番外せないタイトルになりそうです。
こんばんは、小島@監督です。
皆さんの今期の注目作は何ですか?
さて、先週の土曜日ショーグンさんと共に大阪・梅田まで「原由実バースデーライブ2015I'm home」を観に行ってきました。
「アイドルマスター」の四条貴音役や「ログ・ホライズン」のマリエール役などで声優として活躍中の原由実さんですが、同時にアーティスト活動も行っています。もっともまだそう日は深くないようで昨年初めてのソロライブを行ったばかり。
同じくアイマス声優で先月ライブに足を運んだ今井麻美さんのように精力的にツアーもこなすというようなキャリアはまだ無くいろいろまだ未熟さを感じる部分も多かったですが、そのこなれていない感じがまた良かったですね。
「I’m home(ただいま)」と題されたこのライブは大阪出身の原由実さんの地元での凱旋ライブという意味合いも込められているようです。
原由実さんの持ち味とも言える柔らかいながらも芯があり良く通る声から紡がれる歌は「spiral moment」や「オレンジ色の季節」「CROSSOVER」など意外にもビートの速い曲が多く、そのパワフルなパフォーマンスから一転、非常に緩いトークとのギャップが面白い。
アイマスではその声を活かした「恋花」のような良質のバラード曲もあったりしますが個人名義では案外そう言った曲はまだ少ないよう。その分これからもっと広がる余地を感じさせてくれます。
他にも本人が大ファンと公言しているL'arc~en~cielの曲をカバーしたり、ほぼプライベートに近い状況で撮影した映像を披露したりと様々な趣向が。
中でも「作曲にトライした」もののライブ当日に間に合わず、Aメロとサビしかない所にプロデューサーが突貫で作詞して当日になってバックバンドと合わせたという本人が作曲に挑戦したこと以上に短時間でステージ披露できるまでに持って行ったプロデューサーの力技にむしろ驚かされた逸品(そんな状況なので曲名は当然無い)が披露される一幕は未完成の曲を聴ける貴重さもあって色んな意味で楽しかったですね。
とてもどうでもいい話なのですが、ライブも終わりに差し掛かった頃あたりから本人意識的なものかどうかわかりませんが原由実さんトークが次第に大阪弁に。さすが生粋の大阪人というべきかそのイントネーションがとても綺麗で何かちょっとドキドキしました(笑)
ライブの終盤、原由実さんとバックバンドのメンバーがそれぞれゴムボールにサインした物を客席に投げてプレゼントしてくれる、という趣向があったのですが、
その一つが自分の手に!しかも原由実さん自身のサインのボール!
というまさかの幸運。マジで心拍数上がって変な汗出ました(笑)
コレがそれ。左は今回のライブのパンフレットです。何と言うか年明け一発目からとんでもなく縁起が良いぜ!今年はアイマス10周年!その皮切りに良い弾みが付きました!
ただこれ、物自体はホントに安価なゴムボールなのでどうやって保存すればよいのでしょう?何か良い知恵をお持ちの方がいらっしゃったら私にご教授頂けると嬉しいです。
対バン形式のアマチュアバンドのライブイベントに行くのは久しぶりです。全部で6組出演してましたが、アマチュアなのでレベルもまちまち。言っちゃなんですが残念な人もいます。目の前の客に対してだけしか歌わない人もいればギターだけ突出したバンドもいたりホント様々。日頃こういったイベントには足を運ばないのでたまには良い経験でした。
こんばんは、小島@監督です。
結局のところ贔屓目抜きにしてvoda☆poneさんのバンドが一番レベルが上でした。だからトリだったのかな(笑)?
さて、今回の映画は「ベイマックス」です。
自身の才能を持て余し地下ロボットバトルを繰り返す少年ヒロ。ある時兄のタダシに大学の研究室に連れられたヒロはそこでタダシやその仲間たちの研究に目を輝かせ自分も大学へ入る事を決意する。
難度の高いプレゼンを成功させ大学への入学を勝ち得たヒロだったが、その晩研究室は火災に遭い、タダシはそれに巻き込まれて命を落としてしまう。
しばらく後、傷心で引きこもるヒロの前に亡きタダシが研究していたケアロボットが姿を現した。
「私はベイマックス。あなたの健康を守ります」
白くてふわふわしたケアロボット・ベイマックスのキャラクターとヒロとタダシの兄弟の絆を前面に押し出した予告編からは想像つきにくいですが、原作は何とマーベルコミックス。原題を「Big Hero 6」と言い、一人の少年が兄の死を乗り越えヒーローになるまでが描かれます。
物語の舞台となる架空の都市、サンフランシスコと東京をミックスした「サンフランソウキョウ」のイメージがまず素晴らしい。「ニンジャスレイヤー」のネオ・サイタマほど頽廃的ではないですが、ごった煮のようでいて妙な所にリアルさを宿した独特の猥雑さを持ったビジュアルが楽しく、この街を駆け回るヒロの姿はアニメーションならではの魅力に溢れています。
また、ケアロボット・ベイマックスのキャラクターも秀逸。ゆるキャラチックなデザインも然る事ながら亡き兄タダシの精神の体現者としても存在し、傷心のヒロの心を救って行きます。
「インターステラー」のTARSや「翠星のガルガンティア」のチェインバーなど、近年不思議と観る者に強い印象を与えるAIキャラが続出していますが、このベイマックスもそれらに勝るとも劣らないキャラクターと言えますね。
マーベル原作のヒーロー物ということもあり、終盤はダイナミックなアクションが連続します。ちょっとどころかかなりボンクラ感ありますが、この辺りはアニメーションならではの躍動感を楽しめるところで、また自分は2Dでの鑑賞でしたが、画面のレイアウトからして3Dで観るのも楽しそうです。
「ベイマックス」はマーベルとコラボレーションしたことでディズニー映画の中で初めて男の子のハートに直球で届く「言葉」を持った作品です。と同時にそれまでのディズニー作品が持ち得た詩情のようなものも失くしておらず、全編に散りばめられた日本のサブカルチャーへの多大なリスペクトとオマージュの数々と共に、ストレートに楽しめる珠玉のアニメ映画と言えるでしょう。
まだまだ上映も続きそうですし、時間を作って観てみる価値はある映画だと思いますよ。
そうそう、ディズニー映画であると同時にマーベル映画でもあるこの作品、他のマーベルヒーロー映画同様エンドクレジット中にもうワンシーンあります。ある意味最高にテンション上がるので、場内が明るくなるまで席をお立ちになりませんよう(笑)
三が日も終わって今日から仕事始めの方も多いのではないでしょうか。
私もご多分に漏れず今日からスタート。
年末はギリギリまで業務だったのに年明けのスタートが一緒というのはいささかげんなりしてしまいますけども(苦笑)
こんばんは、小島@監督です。
ま、そんなこんなですが今年もよろしくお願いします。
さて、2015年最初となる今回は映画ではなく映画館の話。
昨年暮れに大阪まで今井麻美のライブツアーに行った翌日、ある映画館に立ち寄りました。 宿を取った天王寺から地下鉄で1駅の動物園前駅からさらに歩く事数分、できたばかりの「あべのハルカス」から1㎞と離れていないにもかかわらずおしゃれとは無縁の昭和の匂いを残す商店街のはずれにある映画館、「トビタ東映」です。
東映の名を冠しているだけあり、主に東映配給の邦画(中でも特に任侠映画)の旧作を週替わりの3本立てで上映する映画館です。同じ建物の中には洋画の旧作を同様に週替わりの3本立てで上映する「トビタシネマ」もあり、最初にチケット(800円。曜日や時間によって割引あり)を購入すれば入退場自由なのも両館共通です。3本の映画を朝9時から翌朝4時頃まで連日オールナイトで上映しているのも共通した特徴です。
映画館の前にある電柱には両館のチラシが貼り付けてありました。映画館の前に掲示してあるポスターもスタッフが手作りしてるようです。
余談ですが、「ちょんの間」と呼ばれる遊郭街が現在も残ってる事で有名な飛田新地はこの映画館の目と鼻の先にあります(大阪は条例でソープランドが禁止されているため、今なおこのような場所が数か所存在する)さすがに独りで行くにはコワイのでそこまで行きませんでしたが(苦笑)
場内の様子はこんな感じ。席数は192席。古い映画館らしく、その座席のほとんどに修繕の跡があります。上映前にはスピーカーから昭和歌謡が流れ続け、今が21世紀だという事を忘れそうです。
この日上映していたのは「侠客列伝」
1968年に製作された任侠映画で、主演は高倉健。共演に若山富三郎、鶴田浩二、藤山寛美。若き日の里見浩太郎も出演しています。監督は1920年代から70年代まで200本以上の娯楽映画を手掛けたマキノ雅弘。刑法改正に伴いこれまで通りに賭場を仕切る事が出来なくなったヤクザ達の戦いが描かれます。東映任侠映画の絶頂期に作られた作品なので、高倉健のスター性を存分に楽しめる一本です。思いもかけないタイミングで終わってしまうのには驚かされましたが。
因みに昨年11月に亡くなってばかりですが、追悼特集というわけではありません。単に通常営業で高倉健主演映画を上映していただけです。この日は他に「無法松の一生」(1958年製作)と「烈火」という竹内力主演のVシネマを上映していました。
映画館がまさに「場末」と言って良い場所なので客の中に若い女性は一人もいません。カップルなんているわけがありません(笑)ほとんどが労務者と思しき中高年男性です。館内に灯る「禁煙」の表示灯にも関わらず客席で煙草を吸う方が何人もいます。そして前の座席に足を乗せて鑑賞してる人も何人もいます。近年重視されるマナーを鼻で笑うかのような、はっきり言ってガラが悪……ワイルドな環境です。ですが不思議なくらいみんな真剣に観てるのも印象的でした。やはり健さん映画というのもあったでしょうが、そういうのを差し引いても半世紀近く前の映画を観てる雰囲気ではなかったですね。
旧作を上映する名画座と呼ばれる場所は大抵「現在から過去を振り返る空気」か「過去に時間が止まっている空気」のどちらかを持っているものですが、これほど時間が止まっていると思わせる場所に訪れたのは初めてです。タイムスリップをしたかのようなこの感覚は正直いろいろ衝撃的でした。
今年も遠出の機会があれば積極的に色んな映画館に足を運んでみようかと思ってます。何だか最近そう言うのが楽しくなってきました(笑)
今年も残すところあとわずか、私の今年最後のブログ更新です。今回は今年観た61本(手元の記録より。但しライブビューイング除く)の映画から2014年のベスト5をチョイス!
昨年同様現在の鑑賞可能状況も併せて記載します。
1.THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!
しょうがない。こればっかりはもうどうしようもない(笑)公開中に4度も映画館に足を運んだ作品も今のところ人生でこれだけですしね!
Blu-rayやDVDも既にリリースされているのですが、各種イベントなどで現在も断続的にスクリーン上映されています。
2.フルートベール駅で
アイマス以外で最も印象に残ったのがコレ。丸腰であるにもかかわらず警官に射殺された黒人青年の最期の一日を描くドラマ。地味で淡々とした作りではあるけどだからこそ沁みる。現在も同様の事件が起こり大規模なデモにまで発展しているアメリカの縮図も垣間見えます。
Blu-ray/DVD/ダウンロード版発売中。
3.グランド・ブダペスト・ホテル
貴婦人の遺産を受け継ぐことになったコンシェルジュとベルボーイの冒険を描くミステリ・アドベンチャー。超豪華なキャストとこれでもかと盛り込まれた技巧と趣向の数々が楽しい。
Blu-ray/DVD/ダウンロード版発売中。
4.ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
今年観た中で最高のボンクラ映画(笑)一人一人ではどうしようもないアウトローたちがチームを組んで宇宙の危機に立ち向かう。ノー天気で底抜けに面白い一本。作品を盛り上げる70年代のヒットナンバーも楽しい。
ダウンロード版は既に発売中。Blu-rayとDVDは来年1月21日にリリースです。
5.楽園追放
ただでさえ自分好みの要素満載なのにヒロインの声が釘宮理恵。しょうがない。もうどうしようもない(笑)
まだ上映が続いている映画館もあるのですが、既にBlu-rayやDVDがリリースされています。
ベスト5はこんな感じです。続けて次点として印象に残った映画をご紹介。こちらは単に自分が観た順に列記していくので特に順位とかは無いです。
・メイジーの瞳
離婚した両親の間を行き来する少女の心の揺れを描くドラマ。メイジー役のオナタ・アプリールの演技が半端無い。Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・ダラス・バイヤーズ・クラブ
自身の延命の為に未承認の薬を求めやがて同じ境遇の患者へ薬を密輸するようになったHIV患者の物語。現在上映中の「インターステラー」でも主演しているマシュー・マコノヒーの鬼気迫る演技が凄い。Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・薄桜鬼
結構息の長い乙女ゲームの劇場版。その後なんだかんだとTVシリーズを観てしまい更には原作のゲームにまで手を出してしまいました(笑)2部作ですが既に2作品ともソフト化されています。
・アナと雪の女王
ちょっとブームになり過ぎた感もありますが、良作なのは間違いありません。Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・かしこい狗は、吠えずに笑う
2人の女子高生の奇妙な友情の顛末とは。製作費150万円の超低予算インディーズ映画ながら上質な逸品。一見の価値あり。TSUTAYAでのみDVDレンタルが可能です。
・キャプテンアメリカ・ウィンターソルジャー
現代的な風刺とヒーローの苦悩を掘り下げる骨太な物語と派手で大味なアクションの両立が楽しい。Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・たまこラブストーリー
恋と進路に悩む少年と少女の瑞々しい青春の日々を描くアニメ。甘酸っぱいぜ!Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・GODZILLA
その威容!その咆哮!ずっと待ってたんですよ、怪獣映画を!Blu-ray等のソフトは2月25日リリース予定。
・マレフィセント
眠れる森の美女の魔女を主人公にしたファンタジー。主演アンジェリーナ・ジョリーとオーロラ姫役エル・ファニングの演技が作品の格を上げている。近い時期に公開された同じディズニーの「アナと雪の女王」との相似点を見比べてみるのも一興。Blu-ray/DVD/ダウンロード発売中。
・テロ、ライブ
ほぼ全編リアルタイムかつTV局のスタジオの中だけで展開するサスペンス。少々飛躍が過ぎる部分もありますが、ハイレベルな緊張感を楽しめます。DVDが2月4日に発売予定。Blu-rayの発売予定は今の所無いようです。
・NY心霊捜査官
謎めいた事件に過去の傷をえぐられながらも真相を追う刑事。果たして全ては悪霊の仕業なのか?一般的なオカルト・ホラーとは一線を画す作りでベースはむしろ刑事もの。単に現場検証してるだけのシーンがヤケに怖かったり、雰囲気を醸成する演出が冴える。刑事の心の成長に物語の軸を置き、ホラー映画にしては珍しく温かな印象を残すラストの余韻も良い。Blu-ray等ソフトは2月4日発売予定。
・ジェイソン・ベッカーNOT DEAD YET
ALSを発症しながらも音楽活動を続けるギタリスト、ジェイソン・ベッカーの半生を綴るドキュメンタリー。どんな状況でも人は音楽を奏でられる。その意志と情熱に涙が止まらない。現在各地のミニシアターで上映されています。中部東海地区では来年1月31日よりジョイランドシネマ沼津にて上映開始予定。
どれも素晴らしい作品ばかりなのですが、昨年と比べるとホームラン級の当たりが少なかった印象です。
来年はどんな映画に出会えるのでしょう。2015年もガンガン観ていきますよ!
でもそんな中を敢えて強引に休みを取って(というか2か月前から「この日はお休みいただきます」と主張し続けた成果とも言う)、この土日大阪に行ってきました。
夜、ほとんどの店がえらい混んでてさすがクリスマスシーズン。そこを敢えて孤独のグルメする俺。それもまた一興。
こんばんは、小島@監督です。
結果的に良いBARを見つける事が出来たので大体OK(笑)
さて、大阪まで出向いた一番の理由は今年最後のライブ観覧、「今井麻美9th live tour little legacy」の初日である大阪公演です。
アイマスの如月千早役やシュタインズゲートの牧瀬紅梨栖役などで声優として知られる今井麻美ですが、一方では精力的に音楽活動も行っています。
とは言えアイマスのライブは幾度となく足を運んだ私もそこから離れた「今井麻美」としてのライブを観るのは初めてです。
会場となった大阪クリエイティブセンターは元々名村造船所跡、つまりガチの港湾施設で、住宅地と港湾業者の無骨な建物が並ぶ周囲は飾りっ気ゼロ。開場までの間は雨と海風で風邪引くんじゃないかと心配になる寒さでした(苦笑)
直前にリリースされたアコースティックアレンジアルバム「little legacy」を引っ提げてのツアーという事でセットリストはアルバムに収録された楽曲を中心に構成されていたようです。
今井麻美の持ち味とも言える伸びがあり良く通る歌声とエモーションを前面に押し出す歌唱スタイル、それを支える豊かな表現力は見事なもので、「漆黒のサステイン」のようなハードロックナンバーやボサノヴァアレンジの「COLOR SANCTUARY」、ラテン調の「The Azure」など、幅広いジャンルの楽曲を聴かせてくれます。
その多彩なジャンルの楽曲をフォローするバックバンドのパフォーマンスも素晴らしく、正直そう広いとは言えないステージなのにベース、ギター2人、キーボード、ドラム、パーカッション、サックス、バイオリンという8人体制!かなり窮屈な印象を拭えない大編成でしたがそれ故に重厚なサウンドが楽しめました。パンフレットを読むとステージによっては更にフルートとバックダンサーも加わるとか。水樹奈々のライブにも匹敵しそうな大所帯です(笑)
特に今井麻美が衣装替えでステージから降りている間にバックバンドのみで披露された「スターウォーズのテーマ」と「G線上のアリア」のメタルアレンジは選曲と言いアレンジと言い自分の好みにどストライクでえらいテンション上がりました。
ええそうです、うっすら察しがついているかと思いますがバックバンドの技量が高いと私の評価はさらに高くなります(笑)
曲間のトークも積極的に客と絡むスタイルが、時にちょっとウザい感じもするもののそれはそれで楽しく、ライブの隅から隅まで楽しめた印象です。
唯一の後悔はライブにはアイマスP達が少なからず参戦すると容易く想像できたにも関わらず、名刺を用意しなかったことでしょうか(苦笑)
次はぬからないぞ!
今回ソロライブを初めて観てみて、アイマスライブにおける今井麻美は本当に「如月千早」だけを研ぎ澄ませてきてるのだ、と実感しました。さすがアーティストというべきでしょうか。まるで色が違います。アイマスライブの時は千早のキャラクターそのままに、どこまでも冴え渡る良く晴れた冬の日の空のようなブルーのイメージですが、ソロライブの方は時に赤、時に白、そして黄色や黒と、パレットにもっと多様な絵の具が用意されている感じです。この印象の違い自体が楽しさにつながるのも新鮮でした。
実は来月もう一人アイマス声優のソロライブを観覧する予定になっているので、それもまた楽しみになってきました。
来年もいろんなライブを楽しんでいきたいですね。
何よりアイマス10周年も控えてるしね!日程がいつになるか分からないけど、何が何でも行きますよ!