ちゅうカラぶろぐ


[55]  [56]  [57]  [58]  [59]  [60]  [61]  [62]  [63]  [64]  [65
今年は本当に大御所の訃報が相次ぐというか、昨日樹木希林さんがお亡くなりに。少し前から病状の悪化が報じられていたので遂にその時が来たかという感じですが、それでも自分が幼い頃から観ていた映画やドラマの多くに(それも文字通り本当にたくさんの作品に)出演していた方が亡くなったというのは何だか寂しいものがあります。今年に入ってからも山崎努とW主演し画家・熊谷守一とその妻秀子の晩節を描いた「モリのいる場所」やカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した是枝裕和監督の「万引き家族」、来月には一人の女性が茶道を通じ成長していく姿を描いた「日日是好日」の公開が待機しているなど出演作が途切れない中だっただけに余計にそう思わせます。

 こんばんは、小島@監督です。
 来年には元号が変わるのも手伝って、相次ぐ訃報にはどうしても時代の変わり目を感じさせられてしまいますね…

 さて、今回の映画は「MEG ザ・モンスター」です。

 潜水艦からのSOSを受けて海溝に潜ったレスキュー・ダイバーのジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)は、そこで信じられないほど巨大な「何か」と遭遇した。救助を途中で打ち切らざるを得ず、結果潜水艦のクルーや救助隊のメンバーの多くを失ってしまったジョナスは、巨大生物の存在を訴えるものの耳を貸す者はおらず、同僚を死なせた責任を取り海難救助の一線から身を引いた。
 5年後、大陸から200マイル離れた海洋研究施設で深海探査船が未知の海溝を発見し責任者のジャン博士(ウィンストン・チャオ)やスポンサーのモリス(レイン・ウィルソン)らは歓喜に包まれた。しかしその直後探査船は「何か」の襲撃を受けて消息を絶つ。バイタルサインがモニターできたため探査船クルーの生存は確認できたが未知の海溝を前に救助に行く術が無い。そこで研究チームはジョナスとコンタクトを図るのだが…

 ジェイソン・ステイサムVS巨大サメ!
 誰ですかこんな素敵でバカなことを思いついてしまった人は。ありがとう!本当にありがとう!この無駄に頭の悪い図式にどうしようもなくワクワクしてしまった方は、もうこの先の文章なんて読まなくても良いですから早く最寄りの映画館のタイムテーブルと自分のスケジュールを突き合わせてさっさと観に行くのです。ええ、今すぐ!
 そうでない方はもう少し拙文にお付き合いください。

 作家スティーヴ・オルテンが1997年に発表した小説「THE MEG」、大ヒットを博し5作の続編も執筆された作品で(日本では第1作が邦訳されたのみ。長らく絶版状態になっていたが今回の映画化を機に十数年ぶりに復刊された)、90年代末に一度映画化が企画されるも頓挫し塩漬けにされるも20年の時を経て遂に日の目を見るという異色の経緯を持つモンスターパニック映画が現在公開中です。90年代末と言えば「MEG」と同じワーナーブラザーズの配給で海洋研究所を舞台にしたサメ映画で「ディープブルー」という作品があったのでその辺りの絡みもあったかもしれません。

 主演であるジェイソン・ステイサムほかリー・ビンビン、クリフ・カーティス、ルビー・ローズ、マシ・オカなど国際色豊かなキャストが揃っているのが特徴で、監督は「クール・ランニング」(1993年製作)、「ナショナル・トレジャー」(2004年製作)などで知られるジョン・タートルトーブ。また個人的には「シュレック」シリーズや「メタルギアソリッド」シリーズを手掛けたハリー・グレッグソン=ウィリアムズが音楽を担当しているのもポイント。
 ステイサムはアクションスターとしての華々しい経歴がありますがそれ以前は高跳び込みの選手としてイギリス代表に選ばれていたほどの実力を持つ人物で、物語のほとんどが海で展開される今作は「ホーム」に帰ってきたような感じです。また、今回のステイサムは結構穏やかな笑顔を浮かべるシーンが多く、全体的にこれまでのイメージとは少し違って新鮮な雰囲気がありますね。
 
 物語については率直に言ってB級も良い所で一つ一つのエピソードが軽く俳優のスター性に頼り切りなところがあり良く出来てるとは正直言い難いのですが、こういう映画はこれくらい大味な方がいっそ楽しいのでこれで良いっちゃ良いのです。むしろ昨今溢れるZ級サメ映画に根本的に足りないのはVFXではなく役者力だということを「MEG」を観てると実感します。

 またこの映画を観ていて感じるのは近年進出が著しい中国資本の浸透ぶりです。「キングコング:髑髏島の巨神」や「パシフィック・リム:アップライジング」などチャイナマネーが大きな役割を果たした娯楽大作が増加傾向にある今日ですが、名実共に米中合作である今作はキャスト・スタッフ・ロケーション・エキストラ、果ては中国での上映レーティングに配慮したであろう映像表現に至るまで、全てにおいて媚びていると思われても仕方ないほどに中国に寄っているのでこの辺りに眉をひそめてしまう人もいるかもしれません。一方で、従来ならばこの「MEG」のような作品はもっと低予算で製作されるタイプの企画だったはずで、それを一流のキャストやスタッフを揃えて大迫力のアトラクション・ムービーを完成させるまでに持って行けるというのは一概に悪いことばかりではないというのもあります。「MEG」は現在の潮流の頂点にあるともいえる映画なので、そういう点でも興味深く観られる作品です。

 もちろん観るに当たってはそんな生臭いこと考えずにノー天気に楽しめばいいので、いつ以来なのかもう良く分からないくらいに久しぶりの超大作サメ映画をせっかくなら大きなスクリーンで味わってほしいところですね。ていうかコレがうっかりヒットしたらいろいろなステキ企画が無駄にグレードアップされて世に出る可能性がワンチャンあるのでみんな是非観に行こうぜ(笑)!

拍手[1回]

哀しいかなスケジュールの都合が付かず現地参戦はおろかライブビューイング鑑賞もできませんでしたが、先週末に開催された「アイドルマスター シンデレラガールズ」のイベントが思わぬ形で話題に上りました。会場である「ヤマダグリーンドーム前橋」を擁する前橋市がイベントを協賛して全面的にバックアップ。名産品だけでなくキャラクターの名前や好みに因んだ場所も盛り込んだガイドマップを作製したり、ユニットの1つを一日市長に任命したり、ライブ中には市のマスコットキャラクターが出演したり。市長が音頭を取って商店や飲食店の協力を取り付け、その様子を市長自身がTwitterを利用して発信するなど積極的にイベントを盛り上げる姿勢が注目され、地方面などでも紹介されるほどに。それが功を奏し各店舗の売上だけでなく知名度も大きく向上したようで、今後地域振興策の一つのモデルケースとなりそうな勢いです。

 こんばんは、小島@監督です。
 オタクは何だかんだと巧く乗せられればチョロいという典型例みたいなものですが、実際行動力と購買力は高いのでそこに着目して準備した市長さんのセンスが見事。

 さて、今回の映画は「アントマン&ワスプ」です。

 超人的な能力を持つヒーローチーム「アベンジャーズ」の活動を国連の管理下に置く「ソコヴィア協定」、その賛否を巡って勃発した「シビル・ウォー」に参加した事によりFBIの監視下に置かれ自宅に軟禁状態に置かれてから2年、スコット(ポール・ラッド)は時折訪れる娘キャシー(アビー・ライダー・フォートソン)と遊ぶ時間を楽しみにしながら日々を過ごしていた。
 刑期満了まであと3日と迫った日の夜、スコットは不思議な夢を見た。それはかつて任務達成のために自身を亜原子サイズまで縮小した結果量子世界に入り込み戻れなくなったジャネット(ミシェル・ファイファー)の姿だった。夢から覚めたスコットは居ても立ってもいられず禁じられていたハンク・ピム博士(マイケル・ダグラス)とホープ・ヴァン・ダイン(エヴァンジェリン・リリー)とコンタクトを試みる。それが新たな戦いを呼び起こすことになるとも知らずに。

 「マーベル・シネマティック・ユニバース」の最新作は2015年に製作された「アントマン」の続編であり同時に「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」と今年春に公開された「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」との間を結ぶ物語です。
 シリーズの中では異色のファミリーコメディだった前作を今作も踏襲。主演であるポール・ラッドが前作よりも脚本に深く関与していますが、監督ペイトン・リード以下主要製作陣は前作と同じメンバーがほぼ再結集しています。

 大企業のCEOであるトニー・スタークやそもそも神様のソーなどノーブルというかセレブリティなメンバーが多いアベンジャーズにあって高い能力を持ちながらも行き詰ってる人生にもがき、せめて娘のヒーローではあり続けたいと願うスコット・ラングの等身大の人物像は今作も健在。軟禁生活を送りながら仲間たちと自身の再出発となる起業を後押ししたりして変わらずままならない人生と奮闘中。面白いのはスコットとキャシー、ピム博士とホープという2つの父娘の関係性に加えて今作ではもう一つの「父と娘」の関係性が登場し、三者三様の親子の絆がドラマを有機的に展開させていく点です。ファミリー路線かくあるべし。この辺りのテリングの巧みさは是非注目してほしい所ですね。
 一方で親子の絆が軸になっている事から実は世界規模の危機のはずなのに非常にミニマムでクローズドに展開しているように見えるところで、そのギャップの面白さがテンポの良い展開やノリのいいダイアログとと相まってストーリーへの没入度を高めてくれる手腕の高さも見事なものです。

 体のサイズが瞬時に次々と変わるアントマンの特性を活かしたユニークなバトルシークエンスは更に進化して観る者を楽しませてくれるでしょう。総じてレベルは高いのに非常に敷居の低い誰が見ても楽しめる作品になっています。
 もちろんシリーズのファンにとっては各作品へのリンクとなる部分も見逃せず、今後公開がアナウンスされている「キャプテン・マーベル」と「アベンジャーズ4」へときっちりブリッジしてくれます。

 何だかんだとファミリー・ムービーはある意味で映画の王道で、いくつになってもやっぱり観てて楽しいということを思わせてくれる「アントマン」シリーズ、こういうあっけらかんとした作品の持つパワーを、どうぞ楽しんでみてください。

拍手[1回]

週末、ちゅうカラメンバーのまささん主催のアナログゲーム会に参加して来ました。貸会議室を借りて参加メンバーみんなして色んなボードゲームやカードゲームを一日中遊び倒す会です。アナログゲームは割と興味はある方で、これまでも何度か誘いはあったのですが、何せ自分が一番人と時間が合わせづらいものだからなかなか参加できずにいたところ、やっとその機会が。1ラウンド2分とかからないアスリートじみたゲームや微かな情報から互いの手の内の読み合いが熱いゲームなど遊んでたら気づいたらあっという間に夕方。楽しい時間を過ごせました。

 こんばんは、小島@監督です。
 次は「パンデミック:クトゥルフの呼び声」もプレイしてみたい。

 さて、今回の映画は「カメラを止めるな!」です。

 山奥の廃墟で自主映画の撮影隊がゾンビ映画を撮影していた。しかし監督(濱津隆之)はこだわりが強いあまり主演女優(秋山ゆずき)になかなかOKを出さず、疲れの見え始めた俳優たちを見かねたメイク(しゅはまはるみ)により休憩が差し挟まれることになった。束の間息をつく俳優とスタッフたち。しかしそんな彼らの前に本物のゾンビが襲い掛かる!次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。その様を嬉々として撮影し続ける監督。この状況、果たして生き残れる者はいるのか!?全てはワンシーンワンカットで展開する!
 …という映画を撮った人たちの物語。

 予算僅か300万円、キャストも無名俳優ばかり、監督は短編でこそある程度実績はあるものの長編を手掛けるのはこれが初めて、本来ならば私みたいな映画ファンがいくらか食いつく程度でほとんど見向きもされないハズのインディーズ映画がこの夏の映画市場を席巻しました。僅か数館のミニシアターから始まったロードショーが今や上映館数が150館を越え、まだ増加中。早い内からロードショーを行っていたシネマスコーレでは当初2週間の限定上映でしたが連日立ち見が出るほどの盛況ぶりに少なくとも10月第1週までのロングランを決定しました。ほぼ社会現象と言って良いムーブメントを巻き起こしています。

 開幕から始まる37分間ワンカットのゾンビ映画。インディーズ作品なので画もチープ、変な所に変な間がある上に時折不自然なアングルが出てくるので観易くもなく、だんだんエスカレートしていく俳優の演技は悪くないものの、それだけ観ていれば全編ワンカット以外には大して印象にも残らない作品だったでしょう。しかしエンドロールが終わってからが本当のこの作品のスタートです。
 ネタバレ無しでここから先の話を書くのはほぼ不可能。是非観に行って欲しいとしか言えません。最初に登場したワンカット映画に感じた不自然さが次々とパズルが完成していくようにバチっと音を立ててハマっていくカタルシスと創作のエネルギーがもたらすむせ返るような熱が大量の笑いと共にもたらされる快感に酔いしれさせてくれるでしょう。観終わった後もう一度頭から観てみたくなるのでリピーターが多いというのも頷けます。

 映画の神様は何も大作だけに宿るわけではないことを証明してみせる別領域からの傑作。映画の裾野にはまだこんなものを作れてしまう人たちがいると思うとそれだけでワクワクします。この「魔法」はスクリーンで味わって何ぼです。どうぞ映画館へ足を運んでその目で確かめてみてください。

拍手[1回]

昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 今回は先日亡くなった声優・石塚運昇さんを悼んでちょっと試しに歌ってみたかった1曲を除いて彼の出演作品の主題歌縛りで歌ったりしてました。他には最近何人かから薦められているタイトル「ヒプノシスマイク」の1曲を2本のマイクで6人がかりで歌ったりしたのもなかなか鮮烈で楽しかったですね(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 「ヒプノシスマイク」は若手声優に混じって速水奨が渋い声でラップしてるのが楽しい。そこだけキーが低いので自分にとっては歌いやすいのもありがたい(笑)

 さて、今回の映画は「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」です。

 イーサン・ハント(トム・クルーズ)は、盗まれたプルトニウム奪還の指令を受け仲間と共にミッションに当たるが、一度は回収に成功するものの不意を突かれルーサー(ヴィング・レイムス)が人質に取られたことによりプルトニウムは何者かに横取りされてしまった。
 事件の影にかつてイーサンが首魁ソロモン・レーン(ショーン・ハリス)を捕え壊滅に追い込んだ秘密組織「シンジケート」の残党による過激分派「アポストル」が関与している事を知ったイーサンは、プルトニウム取引の情報を掴み武器商人ホワイト・ウィドウ(ヴァネッサ・カービー)と接触を図ろうとするのだが…

 1996年に製作された第1作目から実に22年続く人気シリーズであり、今やトム・クルーズの代表作ともいえる「ミッション:インポッシブル」、その第6作目が現在公開中です。作品毎に脚本と監督が代わり作劇のテイストの変化もシリーズの楽しみの一つではありましたが、今回は初めて前作「ローグ・ネイション」の監督クリストファ・マッカリーがそのまま続投。物語も前作から地続きとなっており、イルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)が再びヒロインとして登場するほか「M:I:Ⅲ」のラストでイーサンと結婚した女性ジュリア(ミシェル・モナハン)が久しぶりに登場し、今まで以上に過去作との結びつきが強く、イーサン・ハントの人物像への深いアプローチも含めてシリーズの総決算のような趣の1本になっています。先述の通り前作から連続する物語になっているので出来れば「ローグ・ネイション」は観ておいた方が良いでしょう。

 多方面で紹介されていたのでご存知の方もいらっしゃるっと思いますが、「フォールアウト」は何とシナリオが完成しないままに撮影が始まっています。良くも悪くもシステマティックに製作スタイルが完成されている昨今のハリウッドメジャーで撮影しながら物語を組み上げていくこの手法は異端に近く、結果ロジカルに見れば整合性に欠ける部分はあるものの登場人物たちのエモーションを原動力として極めてダイナミックに展開しているのが特徴です。大きな欠点と言えば4作目「ゴースト・プロトコル」よりイーサンと同じチームで戦うブラントがこの独特な製作スタイルを敢行したが故に演じるジェレミー・レナーのスケジュールの都合が付かず、これほど集大成的な内容でありながら彼が登場しない点にあるでしょう。正直この一点についてだけはとてももったいないと言わざるを得ません。

 とは言えその欠点を差し引いても1本のアクション映画として観た場合の満足度はやはり桁違いです。冒頭のサスペンスフルなシークエンスだけでなくイーサンのヘイロー・ジャンプ、パリ市街のど真ん中で展開するカーチェイスなど、相変わらずほとんどノースタントでやってみせるトム・クルーズ。どれ一つ取っても大抵のアクション映画ならクライマックスに持ってきて観客に「払ったお金分の価値はあった」と思わせられるだけの質量のものを冒頭からラストシーンに至るまで何種類もこれでもかとばかりにブチ込んでくる圧倒的ボリュームには舌を巻くほかなく、不世出のエンターテイナーであるトム・クルーズが55歳になってもここまでやってしまうことに限界を超える人間の強さを見る思いがします。

 実は撮影中に足を骨折して全治9か月の怪我を負ったというのに6週間後には復帰するというトム・クルーズのシリーズ最高峰の体の張りっぷりに今作を最高傑作と見る向きもありますが、その辺りは人それぞれではあろうものの重量級の見応えを約束するシリーズの集大成のような1本であることは間違いなく、超大作という言葉が相応しい作品です。鑑賞を検討中の方、こういうのはやっぱり映画館で観てこそですよ。

拍手[3回]

先週訃報がものすごい勢いで駆け巡っていったので既にご存知の方も多いかと思いますが、声優・石塚運昇さんがお亡くなりに。舞台俳優を経て80年代半ばから声優としてのキャリアをスタートし、以降「ポケットモンスター」のオーキド博士を始め「ドラゴンボール改」のミスター・サタンや「名探偵コナン」の中森警部など数多くの役を演じたほか、洋画の吹替も数多くこなし特に「96時間」などのリーアム・ニーソンや「CSI」シリーズでデヴィッド・カルーソが演じたホレイショ警部などが知られています。
 彼の演じた役の中には皆さんにも忘れがたいキャラクターが一人はいるのではないでしょうか。個人的には「カウボーイビバップ」のジェット・ブラック、「FLAG」の赤城圭一、「機動戦士ガンダム00」のセルゲイ・スミルノフなどが強く印象に残っています。特に「ジョジョの奇妙な冒険」の老ジョセフ・ジョースターの重厚でありながらチャーミングな演技は彼の到達点じゃないかと思うほど鮮烈でした。むしろ忘れがたいキャラクターが多すぎるのが辛い。

 こんばんは、小島@監督です。
 本当に惜しい方を亡くしました。ご冥福をお祈りいたします。

 さて、今回の映画は「ウインド・リバー」です。

 アメリカ中西部、ワイオミング州のネイティブアメリカン保留地ウインド・リバー。深い雪に閉ざされた山岳地帯でネイティブアメリカンの少女の遺体が発見された。第一発見者となった野生生物局のハンター・コリー・ランバートは、部族警察長ベン(グレアム・グリーン)と共にFBIの到着を待つが、ようやくやってきたのは新米の女性捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)ただ独りであった。
 監察医の検死結果によりコリーとジェーンは少女が何者かから暴行を受け、逃走中に大量に肺にマイナス30度の冷気を吸い込んでしまった事による肺出血が原因で亡くなったことを知る。果たして少女を死に追いやったのは誰なのか。ジェーンは経験と土地勘の乏しい土地で捜査を行うためにコリーに正式に協力を要請。2人の捜査が始まる。

 アメリカ・メキシコ国境地帯における麻薬戦争を題材にしたスリラー「ボーダーライン」(2015年製作、監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ、主演エミリー・ブラント)のシナリオで高い評価を得たテイラー・シェリダンの初監督作品(もちろんシナリオもテイラー・シェリダン本人)となるクライム・サスペンスが現在公開中です。本国アメリカでは当初わずか4館での限定公開として封切られながらそのクオリティの高さがSNSなどで評判となり4週目には全米2,000館オーバーへと規模が拡大。興収チャートに6週連続トップ10入りする大ヒット作となりました。

 「ボーダーライン」同様、ここで描かれるのは現代社会の潮流から忘れ去られた土地と人々の姿です。保留地の住民たちは概して慢性的な貧困状態にあり、極寒の気候も相俟って逼塞した空気の中で窒息しそうな憂鬱さの中で生きている事が随所に見え隠れします。実際ウインド・リバー保留地からそう遠くないところに2つの国立公園(イエロー・ストーンとグランドティトン)があり観光産業が発展している反面保留地では主要産業がいわゆる「インディアン・カジノ」くらいしかないそうで、薬物依存やアルコールによる若年層の犯罪率も高く、人口の流出による過疎化も急速に進んでいるとか。作中を包み込む沈鬱な空気は決して鈍色の雪景色によるものだけではないのでしょう。

 事件の真相がもたらす主題が必ずしも犯人を見つけ出す事になくスリラーとしては一見弱い作りでありながら、先述の閉塞感や絶望感から来る緊張感の描出が巧みでダレるということがありません。また監督の手腕が良かったのか、登場する人物の演技が片っ端から上手いのも特筆すべき点で、主演であるジェレミー・レナーとエリザベス・オルセンは現時点でのキャリアの最高峰じゃないかと思えるほどの好演です。奇しくもこの2人「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」と「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でホーク・アイ役とスカーレット・ウィッチ役で共演しており、その演技の対比を楽しむのもありでしょう。

 派手なアクションで人目を引くでなく、安易なストーリーテリングを良しとせず、たどり着く地点の生々しさは重く苦く、しかしそんな中に微かに煌めく人間の強さに光を見る。渋い味わいの映画です。ようやく少し涼しさを感じさせる風が吹くようになったこの時期、ノー天気な大作も楽しいけれど、こういう重厚でヒューマニズム溢れる作品を通してその余韻を噛み締めるのも楽しいですよ。

拍手[0回]

お盆休みに突入したものの、今年はさりとて遠出の予定とかは入れていないので丸一日かけて自室の片づけなどしてました。まさか部屋の片づけしてるだけで熱中症に片足突っ込みかけることになるとは思ってませんでしたが。やはりゾンビ映画観ながらやるのはまずかったか(苦笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 さすがお盆休みというべきか、近くのホームセンターに買い物に行ったらえらい混雑ぶり。帰省してきた方も含めて地元の人口が増える時期、というのはこんなところでも実感します。

 さて、今回の映画は「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 2人の英雄」です。

 人類の8割以上が何らかの「個性」と呼ばれる特殊能力を持って生まれる「超人社会」となった時代。個性を以て犯罪を為すヴィランに対抗するヒーロー育成が急務とされた。
 ヒーロー養成の名門である「雄英高校」で学ぶ少年・緑谷出久(声・山下大輝)は、№1ヒーローであり同時に出久の師でもあるオールマイト(声・三宅健太)と共に林間合宿を控えた夏休みのひと時、招待を受けて世界の科学者たちが集うという海上の巨大移動都市「I・アイランド」へ向かった。到着したオールマイト達を出迎えたのはかつてオールマイトと共に学んだ親友にして科学者であるデヴィッド(声・生瀬勝久)とその娘・メリッサ(声・志田未来)であった。最先端の研究機関に足を踏み入れてテンションの上がる出久と久しぶりに親友と久闊を叙するオールマイト。その一方で、何者かの手引きによりヴィラン・ウォルフラム(声・小山力也)が島に侵入し、暗躍を始めていた…

 今年もたくさんのアニメ映画が公開されるサマーシーズンに、新たなタイトルが登場です。現在第3シーズンが放送中で土曜夕方の顔になりつつある「僕のヒーローアカデミア」がその上昇中の人気を引っ提げて初の映画化。原作者堀越耕平監修のもと、原作では描かれていない空白の数日間のエピソードが展開します。新規タイトルながらいきなり100館越えの大型公開である辺りに配給元東宝の期待が伺えます。長崎健司監督以下主要スタッフはTVシリーズをそのまま引き継ぎ、製作スタジオもTVシリーズ同様BONESが手掛けています。

 少年漫画の王道を行く展開が楽しい原作の劇場アニメ化だけあってシンプルかつストレートに楽しい作品になっています。オールマイトとデヴィッド、出久とメリッサの2つの交流を軸に「ヒーロー」としての魂が次世代へと繋がっていく物語はいかにも「ヒロアカ」らしさに溢れています。共に声優経験が案外豊富だからかゲスト出演者である生瀬勝久と志田未来の演技もレベルが高く安心して聞いていられるのが地味に点が高い。
 あと個人的にはメリッサはもちろん麗日お茶子(声・佐倉綾音)、八百万百(声・井上麻里奈)、耳郎響香(声・真堂圭)らのパーティードレス姿が実にグッドルッキングなのも高ポイント!ええ(笑)!
 元々TVシリーズ自体が比較的高い作画レベルを維持している作品ですが、劇場映画化されたことで作画力が質量ともに大幅に上昇し、特にクライマックスのアクションシークエンスは実にハイレベルなアニメーションを堪能できるのが何より大きなポイントで、スクリーンでアニメ映画を楽しむならこうでなくちゃ!という楽しさに満ちています。

 一方で気になる点もいくつかあり、出久の所属する1年A組のメンバーが一応全員登場するものの、早い段階でポジションを振り分けられ話の中心に近い方に来た側には全員何かしら見せ場が用意されていますが、遠い側に振り分けられた方はほぼ空気というのはバランスの悪さを感じさせる上、段取りを優先させてシチュエーションが用意されているように見受けられるシーンがいくつもあるのはマイナスで、人によっては感情移入を大きく妨げられる一因となり得るところです。この辺りがもっと自然に展開していればより高い感動を得られたに違いないだけにもったいなく思います。

 とは言えこの辺りも織り込み済みで観られるならトータルの出来栄えは良く、プログラムピクチャーとしてはとても楽しい作品に仕上がっています。
 ところでこの映画は配給元の東宝にとっては「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「名探偵コナン」「ポケットモンスター」と、東宝を20年以上支えてきた4大アニメに継ぐ5番目のタイトルに成長することを期待されているとか。次代を担えるだけの力が宿っているのかどうか、どうぞスクリーンで確かめてみてください。
 

拍手[2回]

先週はワケあって急遽山口県の方まで行って来ました。前日は仕事終わりにカプセルホテルを取ってのかなりの強行軍です。名古屋を離れて自覚しましたが、名古屋、マジで暑いです。山口の方も猛暑で暑かったのは確かですが、名古屋市街に比べると幾分マシです。今夏の名古屋の暑さはもうほとんどギャグ。この週末はコスサミなどのイベントも行われちゅうカラメンバーの方の中にも参加された方がいらっしゃるようですが熱中症などにはならなかったでしょうか。

 こんばんは、小島@監督です。
 それにしても最悪用事を終えたら大阪か神戸で泊まらなきゃいけないかな~と思っていたら終電間近とは言えその日の内に帰ってくることが出来ました。結構うまいこと繋がるものだなぁ。

 さて、昨日の日曜日はこの週末幕張メッセで開催された「THE IDOLM@STER PRODUCER MEETING 2018 What is TOP!!!!!!!!!!!!!?」のライブビューイングを観に行ってきました。
 冬から春先にかけてのライブツアーを敢行したSideM、6月にさいたまスーパーアリーナでの大型イベントを成功させたミリオンライブ!、そして11,12月にドーム公演が控えているシンデレラガールズと、最近関連タイトルが絶好調のアイドルマスター。その根幹でもある765プロオールスターズも年始に開催されたライブ「初星宴舞」から7か月後に今回のプロデューサーミーティングと数年ぶりに年2回の大型イベント開催で、今年は私のような古参Pのテンションが上がる年になってまいりました。デレマスもミリマスもSideMも大好きですが、やっぱり765プロオールスターズは何というかこう実家に戻ってきたような安心感があります(笑)

 「プロデューサーミーティング」というイベントタイトルに合わせ、ライブパフォーマンスのみではなくアドリブ満載の朗読劇なども取り入れたバラエティ豊かな構成をしており、中でも出色は昨年12月に発売されたゲームソフト「アイドルマスター ステラステージ」の開発スタッフたちを招いてのトークパート。アイマスは総合プロデューサーの坂上陽三氏や音楽プロデューサーの中川浩二氏などニコ生などでホイホイ出てきて喋り倒す方もいらっしゃるのですが、背景アートやキャラクターモデリングを担った現場のスタッフが登壇して喋るなど滅多にあるものではなく、シナリオコンセプトがどのように決まって行ったかや、「貴音のボリュームのあるウェーブヘアーをモデリングする作業がきつくて夢にまで出てきた」「アイマスではパンチラがバグ扱いなのでデバッカーがパンチラを発見すると画像付きで報告してくる」など多くの貴重な開発秘話が飛び出しました。

 ライブパートでは「そして僕らは旅に出る」や「アマテラス」など最近リリースされた曲を中心にアッパーなナンバーを揃えてきましたが、予想外に圧巻だったのはゲストメンバーである詩花役高橋李依さんの「Blooming Star」。アイマスでは最初期より提供曲数は少ないものの全てに確固たる世界観を感じさせる傑作を生み出し続けた椎名豪氏の手による、パーソナルな感情がやがて大きな夢や未来へと繋がっていく壮大なメロディーラインのナンバーを透き通るような、それでいて力強く広がっていく歌声に気づけば呑み込まれている自分がいました。アイマスに新たな歌姫が誕生する瞬間を目の当たりにした感激はなかなか堪えられるものではありません。

 ラストのMCでは出演者たちから感傷的な言葉もいくつか飛び出し、13年という時の長さを否応にも感じさせてちょっとしんみりも。思えば一つのコンテンツがここまで続くのは奇跡以外の何物でも無く、そしてそれがこれからもずっと続くとは限らない。それでも続く限りは観続けていたいのだ。敢えて「終わらない」ことを選んだアイマス。どこまで行くことになるのか、覚悟は出来てるか?私は出来てる。

拍手[0回]

/