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ちゅうカラぶろぐ


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本当は全て地続きに違いないのに、元号の変わり目に時代の境目を感じるのはやはり日本人的な感覚なのでしょう。ここ最近は日々どこかで「平成最後の」という枕詞を目にします。そして私のブログも今回が「平成最後」。だからと言って特別なことは何もしないんですけどね(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 ついでに言うと明日も明後日も仕事なのであまり自身としては変わり目感が無いんですよ(苦笑)

 さて、よく考えたらこれも「平成最後の」ライブ案件、昨日「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE TOUR UNI-ON@IR!!!!」仙台公演Day2のライブビューイングを観に行ってきました。

 「アイドルマスター ミリオンライブ!」6周年を記念して、仙台・神戸・福岡の3都市6公演で行われるツアーが始まりました。「ミリオンライブ」では各キャラクターに「Princess(赤・ピンク)」「Fairy(青)」「Angel(黄)」の3つの属性が割り振られており、今回のツアーは各公演の出演者が3つの属性の1つのみで構成されているのが特徴。仙台公演は伊吹翼役Machicoさんをリーダーとして「Angel」チームが出演しました。

 「UNI-ON@IR!!!!」というタイトルに合わせ、ライブは特番の歌番組というスタイルで展開し、「ミリオンライブ! シアターデイズ(以下ミリシタ)」で765プロの事務員として登場するキャラ青羽美咲が番組のMCという役回りで要所でスクリーン出演するという趣向で展開しました。
 ライブ中は特に休憩などは無かったのですがセットリスト的に前半と後半でテイストが変わる2部構成。前半は出演者を「ミリシタ」で実施されたイベントになぞらえ4つのユニットに振り分けて各ユニットが3~4曲ずつ披露する形で進行。出演者の衣装もミリシタのイベントでキャラクターが来ていた衣装に準拠したものになっているのも楽しく、更に各ユニットの少なくとも1曲は「アイマス」の初期のナンバーからのカバーが披露され観客を驚かせました。
 この前半部で特に私の印象に残ったのは宮尾美也役桐谷蝶々さんと島原エレナ役角元明日香さんのデュオ「Cleasky(クリアスカイ)」。ミリシタのイベントでは劇中劇として両親の都合で都会を離れ離島で暮らすことになったのが不満でふてくされていたエレナが転校先で出会った不思議な少女美也との交流の中で笑顔を取り戻していくと言う物語が展開していましたが、それに合わせて教室の机で美也への手紙を書くエレナや通り雨に遭い傘を指したら雨宿りをしてるエレナを見つけ傘を差しだす美也、など曲の進行に合わせて芝居が展開する趣向と恐らく丹念に練習を重ねたに違いない2人の息の合い方も見事で、更にユニットの持ち歌である「虹色Letters」だけでなくカバー曲「笑って!」(元歌は天海春香(声・中村繪里子)。TVアニメの劇中曲)のチョイスも雰囲気にハマり、頭一つ抜けたパフォーマンスを魅せていました。
 コレに限らず各ユニットのカバー曲はそれぞれの特徴に合わせた選曲をしていて楽しい上にこれから先の公演が楽しみにさせてくれましたね。

 後半部はユニットの枠を外してソロ曲やユニット曲を披露。Angelチームはチームカラー的にユニークな曲も多いのですが巧い具合に構成しているなという印象。個人的には北上麗花役平山笑美さんの伸びやかなヴォーカルが活きたソロ曲「FIND YOUR WIND」が久しぶりに聴けて嬉しかった。演じるキャラも影響していたのでしょうが元々本人たちの資質もあったのか全体的にMCのトークパートで巧く取り回せる人が少なく、最後までまるで締まらない感じだったのは良くも悪くもと言ったところでしょうか(苦笑)。いやまあ随分と笑わせてはもらったんですけれど。
 ライブ終盤で驚かされたのが歌番組の締めくくりという意味合いで「今日のハイライト」としてライブ前半の様子をコラージュしてクリップを流していたこと。5分程度のクリップとは言え僅か1時間少々の間にそれを作り上げるスタッフの労力は大したものです。陰に陽にスタッフの尽力が隅々まで行き渡っているのが窺えるステージでした。

 トータルで見て非常に楽しめたぶん、これから先のPrincessチームとFairyチームのセットリストを予想したりするのも楽しく、ツアーの今後の展開にも期待を膨らませてくれるステージでした。来月開催のPrincessチームの公演が待ち遠しい。ただ問題なのは現地どころかライブビューイングのチケットすら手に入れられてない事なんですけどね!何とかしないと(苦笑)!

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昨日行われた統一地方選、市町村によっては定足数ギリギリかそれ以下の立候補者しか現れず、無投票当選で決まったところも多いと聞きます。そんな中、私の住む市では無事(?)選挙が執り行われたのですが、市議の議席数21に対して立候補者は22名。つまり落選する人は僅か1名!ということで選挙期間中は例年に無く熾烈というか必死な感じがどの候補者からも見受けられて、何だか不思議な印象を受ける日々でした。

 こんばんは、小島@監督です。
 ま、確かに一人だけ落ちるのは嫌だわ(苦笑)

 さて、今回の映画は「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」です。

 シンガポール、マリーナベイ・サンズの屋上レストランに一組の男女がいた。剣呑な会話の後、女はいら立ちを隠さずに去ってゆく。後刻、ホテルのエレベーターから女が足をふらつかせながら降りてきた。ショッピングモールをよろめきながら歩くその女は、やがて力尽きて倒れた。その背中にはナイフが突き立てられていた。それと時を同じくしてモールで爆発事件が発生。現場はパニックに陥る。ようやく状況が落ち着き捜査を始めたシンガポール警察はホテルのエレベーターで血塗られた怪盗キッド(声・山口勝平)のカードを発見する。
 一方日本では江戸川コナン(声・高山みなみ)が灰原哀(声・林原めぐみ)に頭を下げていた。シンガポールで開催される空手の大会に参戦する京極真(声・檜山修之)を応援しに行こうとする鈴木園子(声・松井菜桜子)や毛利蘭(声・山崎和佳奈)達と同行したくて体を一時的に元に戻す薬を懇願していたのだ。しかし哀の返事はそっけない。諦めて家路につくコナンだったが、その後ろを尾けていく影があった…

 大体何でもありの「名探偵コナン」の世界ですが、その中にあっても登場するだけで作品の空気を変えてしまうほどの異彩を放つキャラクターがいます。特にその極め付きと言うべき存在が「蹴撃の貴公子」の異名を取る400戦無敗の空手の達人にして鈴木園子の恋人・京極真です。シリーズ23作目となる劇場版はそんな京極真を全面フィーチャーした1本になっています。ここ数年劇場版コナンはサブキャラクターにスポットを当ててフィーチャーした作品が続いていますが、その流れに乗った格好とも言えるでしょう。
 脚本は2017年公開の「名探偵コナン から紅の恋歌」でも脚本を担った大倉崇裕が2年ぶりに再登板。監督は「黄昏乙女×アムネジア」や「うたのプリンスさまっ♪ マジLOVEレジェンドスター」などで演出を手掛けた永岡智佳がコナンシリーズ初の女性監督として大抜擢。彼女自身もこれが初監督作になりますが、今年6月公開予定の劇場版「うたのプリンスさまっ♪」でも監督を務めており、今後の飛躍が期待される気鋭のクリエイターです。
 補足的なトピックとして、昨年まで故・石塚運昇さんが演じていた怪盗キッドを追う刑事・中森警部が石井康嗣さんへとTVシリーズに先んじて変更になっています。

 本編のほとんどがシンガポールで展開する今年のコナンはワケあってキッドとコナンが共闘したり、早い段階でヒールが判明してむしろその人物との対決が主軸になる構図を取るあたりも普段と毛色が違います。全体的にキャラクターに寄り気味で導入部こそ興味を引かれるものの、状況とサブキャラの人間関係が整理され切れておらず、結果サスペンスとしては弱すぎる一方で、マッチョなヒーロー(つまり京極真)がマキャベリストな悪役が企む陰謀と立ち向かい、その最中でヒロイン(つまり園子)も窮地に陥る、という物語の構図はどこか1980年代のアクション映画を思い起こさせる楽しさがあります。それを縦軸として京極真と鈴木園子のラブロマンスが横軸に絡みそこに怪盗キッドの華やかさがアクセントとして加わっています。このラブロマンスが思いがけない効果をもたらすのが園子。これまで基本的に蘭ののろけ話を冷やかすポジションだった園子が今回はずっと恋する少女の顔をしているのですが、これがかなり可愛い。こんなに可愛い園子は多分見たこと無い!というくらいちょっと驚いてしまう可愛らしさです。

 劇場版コナンは昨年の「ゼロの執行人」から映画製作にイラストレーター・Loundrawによるイメージボード作成が取り入れられており光源の強調や明暗のコントラストに独特の風合いが備わり出したのですが、今作でもそれが映像面で活かされていてショットがところどころ「画」として決まる瞬間があります。今後数年はこの傾向が続きそうで、見どころの一つとなりそうですね。

 そして無論今回はアクションがいろいろ頑張り過ぎです。手数が多いのは勿論ですがバトルアニメではよく見るもののコナンではまず見かけないエフェクトがバシバシ決まります。決まり過ぎて軽く笑いが取れる領域に行ってしまっているくらいです。

 普段とテイストが、というより最早ジャンルが違ってしまっている今年の劇場版コナン。アクションエンターテインメントとしては実は真っ当なタイプなのですが、コナンとしては完全に異色作です。賛否両論間違いないでしょうが、私としては何だかんだ楽しめてしまいました。はっきり言って深く考えたら負けです。観たままを楽しみましょう(笑)

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 今回は久しぶりのコミック交換会ということで、私は色々思案した結果つい最近アニメ放送してたし自分としても大好きだし「これだ!」と吉田秋生の「BANANA FISH」にしました。どなたの手に渡ったか分かりませんでしたが、楽しんで頂けたら幸いです。…まだ読んだ事無ければいいのだけど。
 私が頂いたのは山東ユカの「スパロウズホテルANNEX」。見た目は巨乳で美人だけどとってもバイオレンスなビジネスホテルのフロント係のお姉さんの活躍を描く4コマ漫画「スパロウズホテル」のスピンオフだそうです。恥ずかしながらどちらも存じ上げなかったのですが、コレをチョイスした方が丁寧な手書きの紹介カードを挟み込んでくださっていました。どなたか分かりませんがありがとうございます!

 こんばんは、小島@監督です。
 皆さんの手にはどんな漫画が行き渡りましたか?

 さて、今回の映画は「スパイダーマン:スパイダーバース」です。

 ニューヨークで暮らす少年マイルス・モラレス(シャメイク・ムーア)は、両親の期待を背負い名門校に通うがそんな日々に行き詰まりを感じていた。ある夜、叔父のアーロン(マハーシャラ・アリ)と共に地下道の一角でグラフィティアートを楽しんでいた時、クモに噛まれてしまい、以来体に異変を覚えるようになった。
 自身の変化に戸惑いを隠せないマイルス。そんな折マイルスはキングピン(リーヴ・シュレイバー)がグリーン・ゴブリン(ヨーマ・タコンヌ)と共に加速器を用いて多次元宇宙への扉を開こうとしていた。それを阻止しようとスパイダーマンことピーター・パーカー(クリス・パイン)が立ちはだかったが加速器を制止させることには成功したもののその中でピーター・パーカーは命を落としてしまう。
 スパイダーマンの死にニューヨークが悲しみに暮れる中、2代目になろうと奮闘するマイルスだったが上手く行かない。そんなマイルスの前にピーターと似た、しかし別の男が現れる。男の名はピーター・B・パーカー(ジェイク・ジョンソン)。別次元から来たスパイダーマンである。

 何度も映画化、アニメ化されており今夏も「アベンジャーズ」のシリーズの一環として「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」の公開が控えている「スパイダーマン」ですが、意外にもアニメ映画が製作・公開されるのはコレが初めてだそうです。今年のアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したこの作品は、実にユニークかつダイナミックな映像で観る者を圧倒してくれるパワフルな作品に仕上がっていました。
 多次元宇宙からやってきたスパイダーマンたちはモノトーン調、ジャパンアニメ風、カートゥーン調と見た目からして個性的。このまるで絵柄の違うキャラクターを同じ画面で共存させてあまつさえ縦横無尽にアクションまでしてしまう所がこの作品の魅力です。更に画面にコマ割りや吹き出しが度々登場しコミック的表現をそのままアニメの中に落とし込んでおり、それがアニメとしても効果的に作用しているところがポイントです。コミック的表現を持ち込んだアニメ作品自体は前例が無いわけではないのですが、先述の絵柄の違うキャラクターの共存が強い未見性を生み出すのに一役買っています。

 映像ばかりに目が行きがちですが、物語の方も結構骨太。「スパイダーマン」の骨子とも言える「大いなる力には、大いなる責任が伴う」ことをマイルスは先輩とも言うべきスパイダーマンたちから、そして自身の体験によってその覚悟を心に刻み一人のヒーローへと成長していく姿を見事に描き出し熱い物語が展開します。

 CG技術の隆盛により大抵の表現は実写の枠の中で表現できてしまうようになりましたが、「アニメでしかできない表現というのは確かにある」ということを教えてくれる1本です。既に公開から1か月ほど経過していますが、未見の方は是非このセンス・オブ・ワンダーをスクリーンで体感して欲しいですね。
 またこの映画、作品を手掛けた監督のロドニー・ロスマンらのリップサービスかもしれませんが興行成績如何によっては続編の計画もあるそうで、その際には「レオパルドン」(東映が1978年に製作したTV特撮シリーズのスパイダーマンに登場した巨大ロボ)を登場させたいと言ってくれています。これはぜひ実現して欲しい!あのポップアートなビジュアルの中に武骨な巨大ロボ!観たい!観たいぞ!

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3月の終わりから4月に入った年度の変わり目にかけて忙しい日が続いてとにかくリフレッシュしたかったので一昨日の休日は「とにかく1日好きに使う!」と心に誓い、歯医者の定期検診(これだけは以前から予約入れてた)を終わらせた後は数年ぶりにテイラーに寄ってスーツを仕立て、靴を1足新調し、映画を2本ハシゴして、最後に太陽さんに寄って居合わせたちゅうカラメンバーたちと談笑して帰るという、スーツと靴に時間かけすぎて昼食を食べ損ねたことが誤算だった以外はほぼしたかったことをやり切った最高の休日を過ごせました。

 こんばんは、小島@監督です。
 ほぼ全く予定の無い上に翌日も休みなんていう日は実はなかなか取れないのが辛い所ですが、でもたまにはこんな日が無いとね。

 さて、今回の映画はそんな一昨日観た映画の一つ、「ビリーブ 未来への大逆転」です。

 ハーバード大学法科大学院に入学したルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は、新入生歓迎の食事会の席でグリスウォルド学部長(サム・ウォーターストン)から「女子学生は、男子の席を奪ってまで入学した理由を聞かせてくれ」と問われて驚く。時は1956年。弁護士はまだ「男の仕事」であった。
 法科の2年生である夫マーティン(アーミー・ハマー)と共に子育てと家事をこなしながら猛勉強するルース。しかし現実は厳しく、首席で卒業しても弁護士の道は開けず席の空いていた大学教授に就任することで折り合いを付けざるを得なかった。
 時は流れ1970年、ルースは学生たちに性差別と法について教鞭を執っていた。憲法では「法の下の平等」を歌いながら堂々と男女差別を認める法律が数多く存在する。そんな状況を変えようと情熱を燃やす学生たちを弁護士へと育て上げるのがルースの仕事だったが、自身が弁護士になれなかったことに不満を募らせていた。
 そんなある日、マーティンはルースにある訴訟の記録を見せる。それがルースの運命を大きく変えることになるのだった。
 
 貧しい家庭に生まれながら苦学して法学を修め、男女平等や女性の権利のために長年闘ってきた人物であり現在85歳を超えてなお現役最高齢の最高裁判事として活躍を続けるルース・ベイダー・ギンズバーグという人物は、現代アメリカにとって生ける伝説のような人物です。そんな彼女の学生時代から1970年代までの業績を主軸に描き上げた劇映画です。「ビリーブ」という邦題は、1960年代から長くNASAで活躍した黒人女性キャサリン・ジョンソンの姿を描いた「ドリーム」を思い起こさせるものとなっていますが、これは原題の直訳ではなく原題は「ON THE BASIS of SEX」、直訳すれば「性に基づいて」。率直とも思えるこのタイトルは作中に台詞としても登場します。この言葉に対するある人物のリアクションがなかなかニヤリとさせられるのでどうぞお楽しみに。
 監督は「ディープ・インパクト」や「ペイ・フォワード 可能の王国」などを手掛けた女性監督ミミ・レダー。映画ではエンターテインメント色の強い作品が多い彼女ですが、今作ではむしろTVドラマ「ER緊急救命室」で見せたような専門用語を飛び交わせながらも緊張感を持たせ観客を惹きつける手腕を存分に発揮している印象です。また脚本はルース・ギンズバーグの実の甥であるダニエル・スティープルマンが手掛けています。ルース本人に時間をかけてインタビューすることが出来たようで、例えば作中描かれる裁判は当日の口頭弁論以上に事前に提出する趣意書に比重が置かれて描かれているのもルースからの要望だとか。

 この映画を観るに当たって留意する点は常に時代背景を念頭に置いておくこと、でしょう。先月このブログで取り上げた「グリーンブック」もそうなのですが、60年代は公民権運動が盛り上がりを見せていた時期であり、性差別の撤廃はそんな機運の中でルース以前にも既に度々訴えられては退けられていた時期で、ルースの登場はある意味時代の必然とも言えたでしょう。
 また作中ルースよりもむしろ夫であるマーティンの方が家事も子育ても主体的に行っているのですが、「男は仕事、女は家事」というジェンダーロールが一般的だった1950年代~70年代という時代背景を考えればルース以上にマーティンの方が開明的な考えの持ち主であることが分ります。更に言えば妻の能力を誰より評価し最大の理解者として献身的に寄り添い続けるマーティンの姿はある意味で女性にとって最高のパートナーのように映るのではないでしょうか。ルースを人間観たっぷりに演じるフェリシティ・ジョーンズも勿論ですが、マーティンを篤実に演じるアーミー・ハマーの姿も観る者に強く印象に残ります。

 また、この映画の優れている点、いやそれは実際のルースの鋭い着眼点の表れでもあるのですが、ルースはただ女性の権利を主張していただけでなく「女を女らしさで縛る時、男も男らしさに縛られている」事の落とし穴を見出しており、それを作中でも明確に描き出してみせた点です。これが非常に見事で、男女問わず示唆に富んだ映像体験を与えてくれるでしょう。

 現在、トランプ政権発足時から保守派が幅を利かせる中でルースは政権批判も辞さないリベラル派のアイコン的存在でもあり昨年には彼女が最高裁判事になるまでを追ったドキュメンタリー映画「RBG」も製作され(日本では5月公開予定)、ますます存在感を増す人物です。日本でも様々な形で色濃く残る性差別について考える契機ともできますが一方で同じ人物をクローズアップさせた映画が2本同時期に公開されている点を鑑みてもこれ自体が近く行われる中間選挙へのメッセージとも取れ、なかなかに深読みをさせてくれる1本です。既に公開が後半に差し掛かっているため上映回数も減ってきているところではありますが、大作やアニメ映画が続々上映される時期にあって独特の存在感を示すこの作品、熱い内に観て欲しい1本でもありますね。
 

 

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5月1日から施行される新たな元号「令和」が発表されました。
 万葉集の新年を寿ぐ歌からの引用と聞けばどこか風雅さを感じる言葉でもあり、一方で「令」とはもともと占師が吉凶を見たその結果、つまり天の声を跪いて聞いた様を表した文字であり、そこから「天の声を以て和を成せ」と読み解けばどこか温かみに欠ける言葉でもあり。皆さんはどのような印象を受けたのでしょうか。

 こんばんは、小島@監督です。
 新たな元号のもとに紡がれる時代は、どのような色になるのでしょうか。

 さて、今回の映画は「プリキュア ミラクルユニバース」です。

 良く晴れた夜、星奈ひかる(声・成瀬瑛美)は羽衣ララ(声・小原好美)たちと天体観測を楽しんでいた。ひと際輝く星を見つけてはしゃぐひかるだったがその星が異様に輝きを増し、気づけば
ひかる達は別の世界へとワープしていた。そこでひかる達はピトン(声・小桜エツ子)と名乗る妖精と出会う。ピトンは「キラキラ星」という星でミラクルライトを作る工場にいたのだが、今そこでは異変が起きていた。その異変により生み出された魔物がひかる達にも迫り、ひかる達はプリキュアに変身して戦おうとするのだが。

 毎年恒例のこの季節が今年もやってまいりました。ええ!もちろん観に行きましたよ春のプリキュア映画!もう半分意地みたいなところもありますがね(笑)!

 シリーズ物というのは本当に本当に大変で、TV放送とは別に年に2本の映画を作り続ける苦しみとはいかばかりなのでしょう。まして前作とでも言うべき昨秋公開の「プリキュアオールスターズメモリーズ」は15周年の節目に相応しい記念碑的な傑作で、その後を継ぐ作品となればその重圧も相当なものだったでしょう。一つの節目を経た後で試行錯誤が求められる時期だけにそのプレッシャーは尚更。今回の映画を観ながらふとそんなことを考えてしまいました。

 春のプリキュア映画は毎年2月に新シリーズの放送がスタートすることから先輩となる前作までのプリキュアたちが新たなプリキュアたちを支えるような構造を取る作品が多いのですが、今年もご多分に漏れず、というか例年以上に顕著となっています。結果的に特に「HUGっと!プリキュア」の主人公野乃はな(声・引坂理恵)の成長が垣間見えるのが良いですね。
 例年にない特徴というとこれまで以上にメインターゲットである子供たちに語りかける作りをしていて、序盤から頻繁にミラクルライトを振るよう呼びかける点です。それもただ振るだけでなく円を描かせたり星型に振らせたりとバリエーションも多く、前作が少々大人向けに作り過ぎた揺り戻しというべきか、ちゃんと子供向けにしようという意識が見えます。

 ですが、この映画よほど難産で逼迫したスケジュールの中で製作されたのか、根本的な欠点の多い作品です。シナリオも構成も相当に雑ですし作画のレベルも安定せず、一アニメ映画としては低評価にせざるを得ず、私のように放っておいても観に行く人以外にはとてもお薦めできない作品です。長くプリキュア映画を観てきましたが「試行錯誤の結果が上滑りした」作品はあってもここまで作りそのものが残念なものはちょっと記憶に無いので「ダメなものほど観たい」という困った嗜好の持ち主には薦めてみてもいいかもしれません。

 15年も作品を作り続けていればそりゃたまにはこういうのも出てきてしまうよね、という気もする一方で、こういう「子供だまし」が何作も続かないで欲しい映画です。一ファンとしてはどうか秋の映画で挽回して欲しいと願ってやまないですね。 
 
 

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先週日本を駆け巡ったイチロー引退のニュースにはさすがに私も寂しい気持ちを隠しきれません。あまり野球の話を大っぴらにしたことはないのですが、実は私、小学生の頃に兵庫県西宮市に住んでいた時期があり、父親に連れられて初めて観に行った野球の試合が阪急対南海戦だったことから以降ずっと阪急(現在のオリックス・バファローズ)ファンで、だからこそ90年代にオリックス・ブルーウェーブ(当時)で大活躍していたイチローはまさにスター、というかヒーローのような存在でした。
 今まで、本当にありがとうございました。

 こんばんは、小島@監督です。 
 しかしイチローというと度々目撃される「定時で帰る」や「人の金で焼き肉が食べたい」などのフレーズがデザインされた珍妙なTシャツのイメージも強いのですがアレは一体何だったんだろう(笑)

 さて、今回の映画は「ロボコップ(4Kリマスター版)」です。

 近未来のデトロイト。犯罪都市として腐敗と荒廃が進んだこの都市は警察組織も巨大コングロマリット企業「オムニ社」によって民営化され街全体が支配されていた。
 デトロイト市警に配属されたばかりのアレックス・マーフィ(ピーター・ウェラー)は、相棒のアン・ルイス(ナンシー・アレン)と共に強盗犯を追跡する。強盗犯は連続して警官を殺害する「警官殺し」のクラレンス(カートウッド・スミス)率いる一味であった。追跡の末クラレンスのアジトを見つけたマーフィ達だったが返り討ちに遭いマーフィは射殺されてしまう。
 しかしオムニ社はある計画を実行に移すためマーフィの死体を利用した。マーフィのまだ生きている部分を生体部品として利用しデトロイトの犯罪撲滅のために戦うサイボーグ警察官「ロボコップ」を完成させたのだ…!

 1980年代というのはCG技術はまだ揺籃期にあったものの進歩を続ける映像技術と、1977年に公開された「スターウォーズ」の大ヒットも追い風にして「E.T.」「エイリアン」「ターミネーター」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ブレードランナー」「プレデター」など現在でもシリーズが続いていたり高い人気や評価を得ているアイコニックなSF映画が次々と製作された時期でもあります。そんな最中の1987年に「ターミネーター」と同じオライオン・ピクチャーズによって製作されたのがこの「ロボコップ」です。監督は後に「氷の微笑」「スターシップ・トゥルーパーズ」などを手掛けるようになるポール・バーホーベン。
 TV放送で何度か観たことはあるのですが、まさかスクリーンで上映されるのを観られる日が来ようとは。

 ちょっとシュールなCMを挟みながら進む、妙にキャスターのテンションが高いニュース番組のシーンがシニカルな笑いを誘うイントロで始まるこの映画は、非常に激しいバイオレンス描写が特徴で、それ故にTV放送用や海外上映用に差し替えたシーンがあったり再編集が施されたりしています。日本でも初公開時や地上波放送時はそのバージョンが使われており、本来の形であるディレクターズカット版の鑑賞が可能になったのは2007年にDVDが発売されてからだとか。ありがたいことに今回のリマスター版上映はそのディレクターズカット版を基にしているのでその激しいバイオレンスぶりを余すことなく鑑賞することができます。
 無論それだけが特徴ではなくロボコップとして蘇ったもののオムニ社によって記憶を消されたマーフィがふとしたきっかけで自身の記憶を探し始める、そんな所に深みを感じられる物語が魅力です。

 また、SF映画だけありVFXも見どころです。特に後半ロボコップと戦うことになる治安維持用ロボット「ED-209」はストップ・モーションを駆使した特殊撮影の大家であるフィル・ティペットの手による力作で、CG全盛の現在とは一味違うアナログ特殊効果の妙を楽しむことが出来ます。

 実は「ロボコップ」は個人的にちょっと思い入れがあります。この1作目の大ヒットによってシリーズは3作目まで製作された(2014年にはリブートされた作品も上映されました)のですが、その3作目の公開時、ラジオ局(確かニッポン放送だった)のキャンペーンに当選して同級生と共にラジオCMに出演したことがあるのです。それ故自分としても思い出深いキャラクターで、久しぶりの再会とでも言うべき今回のリバイバル上映はなかなか不思議な感慨がありました。
 時にはこういう映像体験も楽しいですね。

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 今回は昨日「ゾンビランドサガ」や「アイドルマスターSideM」などのイベントと重なったこともあり普段より少なめの参加者数でしたがその分皆さんがっつり歌えたのでは。初参加の方も楽しんで頂けたようで何よりです。

 こんばんは、小島@監督です。
 そうそう、どなたか分かりませんがじゃんけん大会でワインを出品された方、品物の紹介は私がしておきました。前置き無しのアドリブでワインの解説するイベントが発生する、それがちゅうカラ(笑)

 さて、今回の映画は「グリーンブック」です。

 1962年、ニューヨークのナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒を務めるトニー・”リップ”・バレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)は、店が改装のため2ヶ月休業を決めてしまい、妻子を養うために新たな仕事を探していた。
 ある日「ドクターが運転手を探している」と紹介されたトニーが指定された住所を訪ねるとそこはカーネギーホールだった。しかも相手は医者ではなく劇場上層部の高級マンションで暮らす黒人ピアニストのドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)だった。ドナルドが求めていたのはクリスマスまでの2か月間、差別が色濃く残るアメリカ南部を回るコンサートツアーの運転手だった…

 アメリカという国は面白いもので時に文化的な面から政治の潮流に対して揺り戻しというか反目の風を起こすことがあります。今年のアカデミー賞作品賞を受賞したこの「グリーンブック」は1950年代からピアニストとして長く活躍したドナルド・シャーリーとナイトクラブ「コパカバーナ」に長く勤めその後俳優なども経験したトニー・バレロンガの友情を実話をベースにした物語です。共同脚本としてクレジットされているニック・バレロンガはその名の通りトニーの息子であり、父親から聞かされた話が作品のベースとなっているとか。監督は「メリーに首ったけ」や「愛しのローズマリー」などのコメディ映画を数多く手掛けたピーター・ファレリー。いやしかしまさか彼がオスカー監督になる日が来ようとは。

 アカデミー賞受賞に当たっては賛否両論あるそうですが、相当にハードな内容をユーモアでくるんで優れたエンターテインメントに仕立て上げたという点で実にハイレベルな逸品です。
タイトルにある「グリーンブック」とは1930~1960年代に発行されていた黒人旅行者向けのガイドブックで、黒人が利用できる店や宿が紹介されていたほか黒人が差別や暴力を避け長距離移動をするために欠かせないツールとなっていました。1960年代のアメリカ南部での黒人差別や盛り上がりを見せていた公民権運動に対しては「夜の大捜査線」(1967年製作)などに詳しく、合わせて鑑賞すればより理解を深められるでしょう。一方でドナルドと同行することになるトニーも白人ではあるもののイタリア系アメリカ人でいわゆる「WASP」ではないためマジョリティーにはなりきれないところもポイントです。
 コメディ寄りに作ってある映画ではありますが、「笑うに笑えないシーン」というのが作中登場する瞬間があります。作品のテーマから鑑みてある意味でそここそが物語の「肝」であるとも言えるでしょう。作中では約2ヶ月間の物語となっていますが実際のツアーは1年以上にも及ぶ長丁場だったそうです。とすると映画を観る中で不意に訪れるズシンと来るようないくつかの瞬間ももっとずっと重く深かったに違いありません。
 
 物語の骨格にヘビーなテーマを内包していますが一方で優れていると感じさせるのは、トニーとドナルドのキャラクター造形の見事さに加えて、主要人物の人となりを見せる冒頭から気の利いたセリフと共に心地良い余韻を残すラストシーンまで、極めて起承転結が端正で映画として非常に「観やすい」というのも挙げられます。テーマを表現したいばかりに複雑にするのではなく明快に整理された物語構造は作品の敷居を正しく下げることに成功していて「伝える」ということに迷いが無い作品となっています。
 無論ピアニストの物語なので音楽のセンスも良く、サントラが欲しくなる人もいらっしゃるんじゃないでしょうか。あと多分カティーサークを飲んでみたくなります、きっと(笑)
 
 半世紀ほど前の時代を舞台にした物語ではありますが、描かれる主題は普遍的で現在にも通じるテーゼです。この作品がアカデミー賞作品賞を受賞したという一事を見ても政治的な意図を見出すことは容易いとは思いますが、先ずは映画を自身の目で見て判断してみてください。

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