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ちゅうカラぶろぐ


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お誘いを受けて、「リアル脱出ゲーム」と「名探偵コナン」のコラボレーション企画「紺青の美術館(クルージング・ミュージアム)からの脱出」に参加してきました。残業続きで疲労が溜まってる上にだいぶ空腹気味というまあまあなコンディションでしたが「コナン」の脱出ゲームは一度体験してみたかったので強行軍は承知で参加してきました。
 成功率8.4%という結構な高難度でしたが結果は成功!いや~成功すると疲れも吹っ飛びますね!大して活躍できたワケでもないんですが(苦笑)。しかも参加したのが夜8時の回で、終了したら思った以上に時間が押してて皆と余韻に浸る間もなく駅に向かってダッシュせざるを得なかったのが残念でしたが。

 こんばんは、小島@監督です。
 それにしても冒頭と終わりにアニメ映像を見せてくれるくらいは予想してましたが他にもいろいろ仕込んでいてその旺盛なサービス精神を堪能しました。数々のコラボレーションを展開する「リアル脱出ゲーム」ですがその中でもコナンは特に人気というのもうなずけます。昨年までの公演も期間限定でリバイバルするとかで、そちらの方も興味ありますね。

 さて、この土日は「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE UNI-ON@IR!!!! SPECIAL」のライブビューイングを観に行ってきました。
 今年4月から6月まで、仙台、神戸、福岡と3会場6公演を行ったミリオンライブ6thツアーの「再公演」という趣旨のイベントで、21,22日の2日間さいたまスーパーアリーナ(以下SSA)で開催されました。ミリオンライブのゲーム中に登場した12のユニットを、各会場では4ユニットずつの出演でしたが今回は初日と2日目に各6ユニットずつ、つまり両日で出演者を総入れ替えする形で行われました。またそれ以外にも「スペシャルゲスト」と称して各日の出演者の数名が別日の公演にも登場。今回のツアーでは使われなかったゲーム内でのイベント曲を披露して、ステージの良いアクセントになっていました。

 今回のステージ、これまでのアイマスライブとは一味違うというか、基本が「再公演」という形であるため、順番はともかく披露される楽曲の6割以上がこれまでのステージで使われたものと同じ楽曲が披露されるという点が大きな特徴です。お陰様で諸事情あってライブビューイングすら観られなかった神戸公演の出演者たちのパフォーマンスを今度こそ観ることができたのは嬉しかったところ。神戸公演でのゲストパフォーマーだった和太鼓集団「梵天」の方たちや福岡公演のゲストであるタップダンサーユニットも再登場しコラボレーションの楽しさを改めて魅せてくれました。

 無論全く同じではなく1曲だけ別の曲に変えてきたり、曲は同じでも演出を変えてきたりと単なる再公演にしない趣向が随所に凝らされていましたが。「誰が何をどのように」歌うかが分からないというのがアイマスライブの魅力の一つではありますが、敢えてそれを半分封じたような形をとる今回のライブは、それだけパフォーマンスの質が問われるものであったといえるでしょう。
 興味深いことに、MCやパンフレットでのインタビューなどで多くの出演者が語っていましたが、ユニットを重視した今回の6thツアーはこれまでよりもかなりリハーサルに時間をかけることができたようで、確かに多くのユニットで充実した稽古量を感じさせる骨太なパフォーマンスを楽しませてくれました。特に今回のSSAでは6thツアー中に一度観た楽曲でもそのほとんどが前よりグレードアップを果たしていて驚くやら感動するやら。ミリオンライブもそれなりにライブイベントを観てきてはいますが、「この人ってこんな事できる人だったっけ?」という方が何人も見受けられたので、もしかしたらある種のブレイクスルーを果たした方もいらっしゃるように思えます。

 イベント終盤ではゲーム「ミリシタ」での新機能実装のほかに来年5月に初の野外ライブを開催することが告知されました。「ミリオンライブ!」は6年という時間を経て円熟した貫録を宿すようになってきました。常時新風が吹く「シンデレラガールズ」や、動き始めてまだ日が浅くこれからその方向性が決まっていくであろう「シャイニーカラーズ」とは一味違う「ミリオンライブ!」ならではのスタイルが完成しつつあり、今後の進化が楽しみです。


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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 前回参加できなかったので今回が自分にとって再開後の最初の歌会になりました。歌会以外では普段あまりカラオケに行かない人なので、ここぞとばかりに満喫しました。10人近い大勢でヒプノシスマイク歌ったりできたのも楽しかったですね。
 あと取り敢えず「お願いマッスル」は覚えようと思いました(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 そして今回で通算400回目のブログ更新になります。自分でもビビる数字になってきました。今後ともよろしくお願いいたします。

 さて、今回の映画は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」です。

 1969年、ハリウッド。かつてテレビ西部劇で名を馳せた俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は、しかし今では悪役やゲスト出演など単発の仕事で食いつなぐ日々を送りくすぶっていた。長年リックのスタントダブルを務めた相棒クリフ・ブース(ブラッド・ピット)にスタントの仕事を回す余裕も無い。リックを評価している映画プロデューサーのマーヴィン・シュワーズ(アル・パチーノ)はリックにイタリア製の西部劇に出てみないかとオファーをかけるがリックは返答を渋った。
 リックが住む家の隣には新進の映画監督ロマン・ポランスキー(ラファル・ザビエルチャ)とその妻シャロン・テート(マーゴット・ロビー)が引っ越してきていた。愛する夫や友人に囲まれ幸福の絶頂にあるシャロンを横目に次の仕事を探すべく苦闘するリック。そんなリックの前に新しいテレビ西部劇の悪役のオファーが舞い込んでくる。

 1969年のアメリカというのは現在から見ると文化史的にも現代史的にも非常に重要な事件が相次いだ年と言えるでしょう。6月にはニューヨークのゲイバーに踏み込んだ警察と居合わせた客たちの抵抗が暴動にまで発展し、後のLGBT権利獲得運動の大きなターニングポイントとなった「ストーンウォールの反乱」が、7月には人類が初めて月面に降り立った「アポロ11号」と上院議員エドワード・ケネディが飲酒運転の末に事故を起こし死体遺棄を図り非難が集中しの後の大統領への道が永久に閉ざされることになったスキャンダル「チャパキディック事件」、8月にはカウンターカルチャーを象徴するイベントとして今なお伝説となっている音楽フェス「ウッドストック・フェスティバル」が開催。夏だけでもこの密度。保守的な思想に反発した者たちのベトナム反戦運動や公民権運動、フリーセックスなどを訴えた「ヒッピー・ムーブメント」が隆盛した時期でもあります。
 ハリウッド映画の方に目を向ければ、豪華なセットが組まれた大作映画が退潮傾向にある中で比較的低予算ながら反体制的な人間の心情を描いた「アメリカン・ニュー・シネマ」が萌芽し、「明日に向かって撃て」「イージー・ライダー」「真夜中のカーボーイ」といった今も名作と名高い作品が立て続けに製作されました。そんな時代の狂騒を映画の中に蘇らせる作品、それが「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」です。
  
 レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターの初共演を始め、マーゴっと・ロビー、アル・パチーノ、ダコタ・ファニングらの豪華な出演者たちの競演を観ているだけでも充分に楽しかろうとは思いますが、何も知らずにただそれを眺めているよりはある程度の予備知識を入れておいた方が良いタイプの作品です。前述の事柄のいくつかが直接的なり間接的なり作中に描写されますし、何より重要なのはそんなハリウッドの只中で起きた、カルト集団マンソン・ファミリーの一員が引き起こした「シャロン・テート惨殺事件」がこの映画最大のモチーフとなっています。というかこの事件を知っていることが前提で作られています。

 寂しがり屋で涙もろく感情の振り幅が大きいリックとどこか諦観し陰のあるクリフのコンビの日常を丹念に描きつつ、シャロン・テートの天真爛漫な日々を交互に見せていきます。シャロン・テートは実在の人物ですがリックとクリフは架空のキャラクターであるため(と言っても作中登場するエピソードから察するに明らかに両者ともモデルがいます。それも複数。)史実と虚構が濃密に絡み合う独特の物語空間が築き上げられていきます。服装や小道具に至るまでタランティーノのこだわりが生きた画面作りも功を奏し、観る者を1969年のハリウッドへ誘います。

 リックとクリフ、シャロンの両者の時間は終盤までほとんど交差しないのが特徴ですが、その両者が交錯したとき物語は一気にドライブします。2時間以上かけて積み上げたものがどういう爆発の仕方をするのかは、ぜひご覧になって確かめてみてください。「映画」という虚構がもたらす「魔法」が存分に活かされたクライマックスが待っています。
 「ワンス・アポン・ア・タイム」というのはお伽噺の書き出しの常套句、だからこそ可能な「魔法」があり、それはイマジネーションが創造する芸術に許された「魔法」です。161分という長尺ではありますが、このパワーとエネルギーを前に退屈はほとんど感じないでしょう。もっともそれだけ上映回数に限りが出てタイミングをつかみにくくはなりますが(苦笑)、それでも多くの方に味わってほしい逸品ですね。

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視聴率はさっぱり振るわないと聞きますが、大河ドラマ「いだてん」がとにかく面白いです。来年開催の東京オリンピックの太鼓持ち企画に間違いはないのですが、1900年代から60年代までの数十年間をスポーツや文化史の面から語るというのは実に興味深く、数々のアスリートたちの奮闘だけでなく関東大震災のようなカタストロフの中でスポーツが果たした意義、スポーツが政治に絡めとられていく様などを見事に描き出していてとてもエキサイティング。武将や政治家ではなく本来ならば「名もなき市井の人々」でしかない人たちが物語の中心にいるのもいいですね。

 こんばんは、小島@監督です。
 物語も終盤に近付きつつあり、どのようなクライマックスを描くのか楽しみです。

 さて、昨日の日曜は「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-4th LIVE@オオサカ《Welcome to our Hood》」のライブビューイングを観に行ってきました。
 2017年から開始された男性声優によるキャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク」、昨年末からコミカライズもされ、今年末にはアプリゲーム配信開始も予定されてはいるものの基本はCDというか音源のみの展開というのは近年にしてはかなり珍しいと思うのですが、急速に人気を獲得してきたタイトルです。楽曲はちゅうカラの歌会でも最近良く歌われていますね。私もいくつかは歌ったことがあります。というか私がコレを知るきっかけになったのも昨年頃にちゅうカラメンバー数人から薦められた結果だったりします。出演声優の中にベテラン速水奨がいるのですが、薦めてきた方たちの大半が「彼がラップしている」という角度から来た辺り皆さん良く分かっていらっしゃいますな(笑)

 ちょっとポイント高いのは開演直前の前説。何とここもラップ。「携帯の電源はOFFに」「非常灯は開演したら消えるけどもしもの時は点灯する」など、お決まりともいえる内容を歌詞に織り込みラップで説明されます。例えば私が良く行くアイマスライブでは「事務所の事務員」が説明するのが通例になっていますが、開演前に「場」を作るこういうのは結構大事だと思う方なのでここから結構期待値が上がりました。
 ライブがスタートして何より驚かされたのは主人公である山田一郎役木村昴の芸達者ぶりです。瞬時に声色や速度を変えたりボイスパーカッションを交えたりとまさに縦横無尽。ほかの方は微かに「仕事」が見える瞬間があるのですが木村昴だけはただひたすらに楽しそうなのが印象的。また、全員が配役を演じながら濃度の高いリリックを時にはいスピードでラップするのにも関わらず、滑舌が良いので歌詞が聞き取りやすいというのも高ポイント。ひたすら「良い声」を堪能できるイベントです。

 「ヒプノシスマイク」の楽曲はZeebraやラッパ我リヤなどHIPHOPアーティストの手によるものも数多く、ライブイベントではそう言った楽曲提供者がゲスト出演するのが通例となりつつあり、この日は餓鬼レンジャーと山嵐の2ユニットが出演しました。
 餓鬼レンジャーはMC2人とDJ2人、そしてダンサーの5人ユニット。…なんですが、このダンサーが曲者。「タコ神様」と呼ばれる彼は赤い全身タイツにひょっとこのお面を付けたいでたちでしかもステージの真ん中で実になまめかしく踊るため、画面にフレームインしているとどうしてもそっちを観てしまう異様な存在感。
 山嵐はHIPHOP系では珍しい生バンドを擁したユニットで、ヘヴィロックに近い曲調が特徴。山嵐は単にゲスト出演しただけでなく、ファンの評価も高い楽曲「DEATH RESPECT」においてバックバンドとして登場。生演奏に乗せて展開されたこの曲はファンのボルテージを最高潮に持って行ってくれました。

 イベントの終わりには6人の新キャラの発表と来年メットライフドームで開催予定のライブの告知が。
 いっぺん生で観てみたいという好奇心から行ってみたイベントでしたが予想以上に楽しめました。HIPHOPと声優という2つのサブカルチャーの融合が見せる化学反応を満喫。今度は一度現地で味わってみたい気もしますね。

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この週末開催されていたアニサマの初日でサプライズゲストとして「アイドルマスター」の如月千早(今井麻美)が登場して「蒼い鳥」を1曲だけ披露して大喝采を浴びていったことが評判になりました。
 それを聞いて「ああ、千早らしいな」と思ってしまったのはきっと私だけではないのでしょう。「そういうことができる人」だと長い時間かけて観てきましたから。きっとその会場にも立っていたのでしょう、如月千早が。

 こんばんは、小島@監督です。
 しかしおかげで来月のバンナムフェスが尚のこと楽しみになってきました。待ち遠しい…!

 さて、今回の映画は「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」です。

 リュカ(声・佐藤健)は父パパス(声・山田孝之)と共に宿敵ゲマ(声・吉田鋼太郎)に連れ去られた母マーサ(声・賀来千香子)を探す旅を続けていた。
 ある時ラインハットの王子ヘンリー(声・坂口健太郎)がモンスターに拉致され、パパス親子はそれを追跡に向かったが、それはゲマの策略だった。パパスはリュカの眼前で殺され、ヘンリー共々誘拐され奴隷としての日々を送ることになった。
 それから10年、ヘンリーと共に一計を講じ脱出に成功したリュカは父の遺志を継ぎ「天空の剣」を扱える勇者を探す旅に出るのだった。

 1980年代から続く日本を代表するRPGの金字塔「ドラゴンクエスト」、映像化されるのもこれが初めてではなく1989年にTVアニメ化されてもいますが、映画となると「ダイの大冒険」や「ロトの紋章」など世界観を生かした派生作品からの劇場版のみで、これまでのゲームを直接的に原作とした映画化、それもフルCGでのアニメ化はこれが実質初めてといっていいでしょう。実は劇場用作品ではないのですがドラクエは一度実写化もされています(「勇者ヨシヒコ」のことではない)、1988年に製作された「ファンタジア・ビデオ」がそれで、すぎやまこういちの手によるフルオーケストラの音楽をバックにセリフのないサイレントで展開する作品で、製作は後に「新世紀エヴァンゲリオン」を手掛けることになるGAINAX。特撮部分は「陰陽師」の尾上克郎や「シン・ゴジラ」の樋口真嗣が担っていたり、竜王役で庵野秀明が出演したりしています。
 
 さて、話を「ユア・ストーリー」の方に戻しましょう。
 物語の評価が非常に高いドラクエ5をベースにしたこの作品は、親子3世代で展開する長い物語を105分でやろうとしているので多くの「成長」のプロセスをバッサリカットした超ハイペースで展開します。映像としての出来は良く、特に5の主人公はバギ系の魔法が得意というのを生かして特にバギマが(ゲーム中ではそう長く一線級では使えないのだが)大迫力で大活躍してくれます。俳優たちの演技もなかなかでリュカ演じる佐藤健が思いのほか「役者の顔が見えない」ことと、有村架純演じるビアンカが想像以上に可愛いのがポイント高いです。
 一方でこの速い展開に対し、ほぼゲームのままで使われているすぎやまこういちの音楽のリズムが合っていないというのが問題です。ドラクエの音楽は実はかなりゆっくりであり、自分のペースで進められるゲームの方ではそれがマッチしているのですがこういうアレンジを施した映画ではそれが裏目に出てしまっています。そのまま使うのは要所にとどめてもっと大胆にアレンジしても良かったのではと感じます。

 そして各所で賛否両論の展開が待つ終盤。実は私はそこそこ高く買っています。「そのまま映像化したのでは絶対に勝てない」のをよく理解した上でのリスキーな冒険に敢えて踏み切った点に対してです。「ドラクエじゃなくても良かったのでは」という声も聞きましたが、こういうのはメジャータイトルでやるからこそ効果的ともいえます。相当に危うい道であり、またその道に踏み切るための準備が十全であったとも言い切れませんでしたが。
 もう一つ興味深い点は、ここでのリュカとあるキャラクターとのやり取りが言ってみれば「古い」点です。恐らくこれは監督山崎貴のゲームに対するイメージであろうと同時にシナリオを監修した堀井雄二が長く向き合ってきた感覚でしょう。日本のゲーム市場を牽引した人物がもしかしたら今でも「この感覚」と戦っているかもしれないのはどこか切ない感じもします。そして100館規模のメジャー作品でコレを語るならできれば15年前までには通っているべきステップだったようにも思えます。この辺りに「名探偵ピカチュウ」のような作品を生み出せるようになったハリウッドのようなゲームと映画の距離感を作り出せずにいる日本のゲーム市場と映画市場の「遠さ」を感じます。

 賛否はどうあれ、ドラクエのプレイ遍歴も含めて観た者同士で語り合えるという点では決して悪い作品ではないでしょう。公開も終盤に差し掛かり上映回数も少なくなってはいますが、まだの方は一度ご覧になってみるのも一興ですよ。

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Amazonプライムを導入して以降、スマホやタブレットにダウンロードできるのも手伝って、時間を見つけては色々と主に映画を中心に観ています。公開時に観たいと思いながら観れずに終わった作品も結構ラインナップされているのがありがたく、「海底47m」「スカイ・スクレイパー」「トランスフォーマー ロストエイジ」、仮面ライダー映画の「ドライブ&ゴースト」などホイホイ観てます。まだあまり手は伸ばしていませんが1940~50年代のクラシックな作品も割と揃ってるのが嬉しい。まさか「アメリカ最高のホームズ」と言われるベイジル・ラスボーンのシャーロック・ホームズまであるとは。

 こんばんは、小島@監督です。
 とはいえ観てるものが何となくジェイソン・ステイサムとかドウェイン・ジョンソンとかが多いのはご愛敬。いや~部屋の掃除とかのBGVにしようと思うとああいうノー天気なアクション映画とかサメ映画とかが一番都合良くて(笑)

 さて、今回の映画は「存在のない子供たち」です。

 レバノンの貧民街に生きる少年ゼイン(ゼイン・アル=ラフィーア)は、人を刺した罪で少年刑務所に収監されていた。年齢は12歳とされているが出生届が出されていないため医学的に推定される年齢に過ぎない。そんなゼインは弁護士を代理人に裁判を起こした。ゼインが訴えたのは両親。その理由は「自分を産んだ罪」を告発することだった…

 そういうことは本来あって良い話ではないのですが、本人がどれほど願っていてもそもそも最初から社会の一員として加えてもらえない人たち、というのが確かに存在します。日本でも出生届が出されず学校にも行けずに社会の最底辺で生きる無戸籍者が1万人(推定)はいるとされています。是枝裕和監督の「誰も知らない」や「万引き家族」、あるいはドラマ「相棒season16」の「少年A」などこういった存在を題材にした作品もあります。レバノンで製作されカンヌなど世界各地の映画祭で高い評価を得たこの「存在のない子供たち」はそういう存在を描く作品の、ある意味で究極に近い姿ともいえるでしょう。

 物語はゼインが両親を告発する裁判の冒頭陳述のシーンの後、ゼインがそこに至るまでの過程を描きます。
 ゼインは朝から夜まで働かされています。心が安らぐ時といえば年の近い妹サハル(シドラ・イザーム)と遊んでいる僅かな時間のみ。しかしそのサハルも家賃の支払えない両親によって家主と強引に結婚させられてしまいます。ゼインの両親も明日の仕事さえ定かでない最貧層に生きており、弱者がさらに弱い者を食いつぶす地獄のような状況を丹念に描きます。サハルの結婚を止められなかったことでゼインは家を飛び出すのですが、ここから物語は更に思わぬ方向へ転がっていきます。

 驚くべきはこの映画、ゼインの代理人である弁護士ナディーンを演じこの映画の監督でもあるナディーン・ラバキーを除き作中に登場するほぼ全ての登場人物が俳優ではなくラバキー監督とキャスティングディレクター・ジェニファー・ハッダードによりスカウトされた「登場する人物と近い境遇の者たち」である点です。主人公ゼインもシリア難民ですし、家出したゼインが出会うことになるシングルマザーのラヒルを演じるヨルダノス・シフェラウはエチオピア難民で、レバノン国内でホームレス同然として職を転々としつつ違法状態で滞在しており不法移民で逮捕されるもののラバキー監督が身元保証人となって釈放された経緯を持ちます。
 積み重ねられた取材とこのストリート・キャスティングが功を奏し、フィクションでありながら高いリアリティをもってこの映画は観る者に迫ってきます。

 物語は、絶望の上に更に重い絶望がのしかかるような中で微かな希望を見せて終わります。それは登場人物を演じる彼らにも幸あれと願うかのように。
 まるでナイフを突きつけられたような、腹の底に重く響くような、そんな余韻を残すこの映画です。同時に観るとなればどんなに辛くとも向き合うしかないと観る者に覚悟させる力を持つ作品でもあります。世界の片隅で起きる対岸の火事のような出来事ではなく、もしかしたら自身の足下で起きようとしていることかもしれません。こういう映画が多くの人の目に留まれば、と願います。

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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
 ま、私は不参加だったんですけどね!3か月ぶりの歌会、参加したかったです…!カラオケで採点とかも久しくやってないので残念。

 こんばんは、小島@監督です。
 次回は参加しますよ、ええ!予定空けてますしね!

 さて、そんな歌会を横目に私は昨日どこへ行っていたかというと横浜行ってました。目的は「THE IDOLM@STER SHINY COLORS SUMMER PARTY 2019」です。アイマスイベントのチケットを、それもライブビューイングではなく現地会場のチケットを自力入手できたなんて久しぶりです。厳密にいうと「SideM」の2017年ツアー愛知公演以来2年ぶり。ライブビューイングが充実しているので観るだけなら割とカバーできているのですが、現地参戦となるとグッとハードルが上がってしまいます。昨年シンデレラガールズのナゴヤドームライブを現地で観ていますがチケット自体は譲り受けたものでしたし。それだけ人気コンテンツに成長したという証拠でもあるのですが。

 「アイドルマスター シャイニーカラーズ」はそんなアイマスグループの中でも最も新しい作品で昨年4月にリリースされたタイトルです。今年3月に1stライブが行われ、今回のサマーパーティが2度目の大規模イベントになり、パシフィコ横浜にて昼夜でキャストを入れ替え2公演が行われ、その昼の部を鑑賞してきました。実はパシフィコ横浜を訪ねるのは8年ぶり。その8年前もアイマスイベント。TVアニメ製作決定の告知に歓喜の大絶叫をした思い出があります。

 初期のSideM同様ユニット単位の出演を基本とするシャイニーカラーズ、昼の部の出演は「イルミネーションスターズ」(関根瞳(櫻木真乃役)/近藤玲奈(風野灯織役)/峯田茉優(八宮めぐる役))、「アンティーカ」(礒部花凜(月岡恋鐘役)/菅沼千紗(田中摩美々役)/八巻アンナ(白瀬咲耶役)/成海瑠奈(三峰結華役)/結名美月(幽谷霧子役))、「ストレイライト」(田中有紀(芹沢あさひ役)/幸村恵理(黛冬優子役)/北原沙弥香(和泉愛依役) )の3ユニット11名が出演。この内ストレイライトの3人だけは夜の部にも出演しています。ストレイライトは1stライブ後に新キャラとして発表されゲーム中に登場したユニットなのでお披露目的な意味合いも強いのでしょう。

 イベントは出演者全員によるゲームのテーマ曲ともいえる「Spread the wings」の披露で開幕し、その後WEBラジオの公開録音(今月どころか今週中にもう配信されるそう)、朗読劇、更に今回のイベントに合わせ事前収録してきた初島への合宿の映像の上映とそれにちなんだトークと、上演時間の6割ほどをトーク中心に固める構成。どことなくバラエティ番組的なノリを感じます。困ったことに頭の回転の速い方が数名見受けられはしますが全体を見渡せば相当にグダグダで、中には「そういうのまで含めて楽しみにして来てる」ファンばかりだから良いようなものの事故に近い危険球めいたものもあり、ちょっとハラハラしました(苦笑)。

 後半はライブパート。正統派アイドルポップをストレートに聴かせてくれるイルミネーションスターズ、ハードロック調のナンバーに5人のフォーメーションダンスがパワフルに重なるアンティーカの2ユニットはどちらも2曲ずつながら1stライブから完成度を上げてきているのが感じられましたが、その後を受けてのストレイライトの「wandering dream chaser」に鷲掴みにされました。トランスに近い速いビート、転調とオーバーラップも多い難度の高い楽曲に対しコレがホントに初披露!?と驚いてしまうほどのハイレベルなパフォーマンスに自分も含めアガる会場のボルテージ。初っ端からコレとは先が楽しみどころではない感じです。

 10月にはフェスでの出演とは言えいきなり東京ドームでのパフォーマンスが待っているほか単独でも同月にイベントを控え、今は場数を踏ませて経験を積ませたいと言った最中の今回のイベント、まだまだ荒削りといったところですが、洗練される前だからこそ観れる味わいというものはやっぱりあって、そういうのを存分に味わえた点では大満足でした。これからどのように彼女たちが成長していくのか、楽しみです。

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だいたい自分の仕事の最繁忙期に重なるのでもう何年も行ってはいませんが、お盆休みの前半となるこの連休にコミックマーケットが開催されました。行けないのは残念ですがTwitter見てると毎度趣向を凝らしすぎた面白コスプレの写真が続々とアップされてくるのでそれはそれで楽しみだったり。アイドルマスターの事務所(キャラじゃなくて建物の方)のコスプレ合わせとか金曜ロードショーのタイトルロゴのコスプレとかどういう流れで思いついたのか良く分からないものがバンバン上がってきます。皆さん暑い中ホントご苦労様です(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 また、エロスいのはとらのあななどで委託販売されているものを購入することもできるのですが、ニッチなものを掘り下げた同人誌となるとやはり現地で買うしかないものも多いのでまたどこかで足を運んでみたいものよ。

 さて、今回の映画は「天気の子」です。

 「ねえ、今から晴れるよ」
ーーその少女はそう言った。
 それまで暮らしていた離島を家出し、高1の少年・森嶋帆高(声・醍醐虎汰朗)は東京にやってきた。しかし当然のように生活は瞬く間に困窮し、帆高は東京へ向かう船中で出会った縁を頼りに須賀圭介(声・小栗旬)のもとを訪ねた帆高は、圭介の助手としてオカルト雑誌のライターとして働き始める。
 東京は連日雨が降りやまず、陽光の射さない日々が続いていた。しかしどこからかその人物が祈れば必ず晴れ間が差すという「100%の晴れ女」の噂が囁かれていた。そんなある日、雑踏の中で帆高は一人の少女と出会う。天野陽菜(声・森七菜)と名乗るその少女には不思議な能力があった。
 「ねえ、今から晴れるよ」
ーーその少女はそう言った。そして厚く垂れこめた雲の切れ間に光が差し始めるーー

 「新世紀エヴァンゲリオン」が大きなムーブメントを起こした1990年代後半から2000年代前半にかけて、個人の情動や葛藤、ごく数人のミニマルな関係性が世界の現象と直結する「セカイ系」と呼ばれる物語構造を持つ作品が数多く登場しました。またそれと時を同じくして「Kanon」(1999年)「AIR」(2000年。共にゲームブランド「Key」)などに代表される感動的なシナリオでプレイヤーの涙を誘う「泣きゲー」と呼ばれる作品がアダルトPCゲームの分野で開花しその後コンシューマーへの移植やアニメ化などで一般市場へも波及していきました。「突然何を言い出すんだ?」と思われた方もいらっしゃるでしょうが、「天気の子」を観ていたらそんな時期の作品たちと同じ、自分にとってはどこか懐かしい匂いをかぎ取ったからです。

 「君の名は。」の大ヒットから3年、新海誠監督の最新作は天候が調和を崩し雨が降り続く東京を舞台に、運命に翻弄される少年と少女の姿を描く物語です。新海誠のお家芸ともいえる精緻にして繊細な背景美術は、一瞬たりとて同じ姿をしない「天候」の変化がもたらすダイナミズムまでも表現し、ただ観てるだけでも引き込まれるようなカットがいくつも登場する美しいビジュアルを楽しませてくれます。音楽の使い方も相変わらず絶妙で、ここぞというタイミングで使われるRADWIMPSの手による歌曲が時には三浦透子のクリアなボイスと相まって感情のうねりをより高めてくれます。

 この作品で注目すべき点は、主人公である帆高も陽菜もアウトローであるところでしょう。家出少年である帆高はホームレス同然の生活を送っており、陽菜は両親がおらず小学生の弟・凪(声・吉柳咲良)と共に2人暮らしをしているが児童相談所にマークされています。それが能動的か受動的な結果であるかは作中最低限にしか語られませんが、社会の規範から弾き出された彼らは閉塞した手の届く範囲の「セカイ」の中で必死にあがくしかないのです。作中重要なキースポットである廃ビルのモデルとなった代々木会館が1970年代半ばに大ヒットしたアンチヒーロー・ドラマ「傷だらけの天使」の主舞台であったことも決して偶然ではなく意図的なものでしょう。
 社会の枠組みの中で助けを求められない少年少女に依って立てるものなど「感情」しかなくその儚いもののために暴走ともいえる行動を取り始める彼らにはどこかアメリカン・ニュー・シネマ的な香りも漂います。

 なかなか思いがけないところに到達する結末といいある意味でかなりトリッキーな作りの物語であり、サマーシーズンの目玉に持ってくるような作品なのに花澤香菜と佐倉綾音の2人の人気声優に妙なネタを仕込んで演じさせるといった異様にマニアックなことを仕掛けていたりかなりやりたい放題の全開新海誠テイストを堪能できる1本です。
 これを懐かしいと思うか新鮮に映るかは人それぞれでしょうが、この繊細で純粋な暴走はやはり映画ならではのマジックです。画面の情報量が多いタイプの作品ですのでなるたけ大きなスクリーンで堪能してほしい一本ですね。
 


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