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ちゅうカラぶろぐ


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昔からアトピー持ちなので季節の変わり目に湿疹ができるのは良くあることだったのですが、春先に発疹ができた時には何故かいつもと違う気がしてかかりつけの皮膚科に相談したのが事の発端。
 その時「これが効いたか効かなかったか次来た時に教えてください」と抗生剤を処方され、実際のところ薬は効いて発疹が治まったのでそのことを報告したら「鼻を悪くしている可能性がありますね。知り合いに腕のいい耳鼻科の先生がいます。紹介状を書きますのでそこに行ってみてください」と紹介状を渡されたので先日その耳鼻科へ行ってみたら「副鼻腔炎」と診断されました。それも昨日今日どころではなく子供の頃から数十年単位でやってるものが今また悪化してきているという可能性があるそうです。湿疹から副鼻腔炎が割り出されたのも驚きましたが、その耳鼻科で「今、鼻が詰まっているような感覚はありますか?」と聞かれたので「取り立てて不自由さは感じていませんけど」と答えたら「ろくに鼻が使えない状態に体が慣れてしまっていますね。治療が上手くいけばもっと通るようになりますよ」とサラッと言われたのが衝撃。ということはもうずっと、それこそソムリエ試験受けた時でさえ嗅覚にハンデを抱えた状態だったということか!?

 こんばんは、小島@監督です。
 まさか40代も半ばに差し掛かってから五感がパワーアップ(?)する可能性が出てくるとは。治療は面倒だけどちょっとワクワクして来てる自分がいます。

 さて、今回の映画は「シン・ウルトラマン」です。

 ある時を境に、謎の巨大不明生物「禍威獣(カイジュウ)」が頻出するようになった日本。政府は5名の専門家による特別機関・禍威獣特設対策室、通称「禍特対(カトクタイ)」を設置し、その対策に当たらせていた。
 ある日、首都圏郊外にて自身を透明化できる禍威獣「ネロンガ」が出現し猛威を振るっていた。禍特対による対応が難航する中、禍特対の神永(斎藤工)は指定地域に怪獣の進路上で子供が逃げ遅れているのを確認する。子供の保護に急行する神永だったがまさにその時大気圏外から謎の光球が降着。神永は舞い上がる土砂から子供を庇うが、頭に岩石が衝突し意識を失った。その粉塵と土煙の中から銀色の巨人が姿を現し人々を驚愕させる。さらに巨人はネロンガを驚異的な強さで圧倒し、空に消えていった…

 1966年に登場し、「巨大ヒーローアクション」という地平を切り拓いて以後半世紀を超えて支持を集め現在もシリーズが重ねられる「ウルトラマン」、「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン」を手掛けた庵野秀明が総監修・製作・脚本・編集(何ならモーションアクターも)を担い、盟友・樋口真嗣が監督を務め初代ウルトラマンへの多大なリスペクトを捧げた1本が誕生しました。

 庵野秀明にしろ樋口真嗣にしろ、稀代のクリエイターであると同時に年季と気合の入ったオタクであることを存分に見せつける1本です。冒頭のタイトルの見せ方からこだわり全開。畳み掛けるような速度で世界観を紹介し、そのままネロンガとウルトラマンが次々と登場する序盤はそのスピード感も相まってまさに最初からクライマックスというノリです。CGを敢えて着ぐるみっぽく見せて昭和特撮の雰囲気を再現しつつも60年代当時の技術では為しえないショットも存分に織り込むカメラワークが堪りません。
 物語が一旦落ち着く中盤にはザラブ星人や、山本耕史演じるメフィラス星人が登場し、ウルトラマンのもう一つの味わいであった日常の延長線上のSF感覚が作中に組み込まれ、当時のセンス・オブ・ワンダーを現代に復活・アップデートさせようとする試みがなされるのも興味深いところです。
 
 「シン・ゴジラ」と同じく非常に多くの人物が出演する映画ですが、ウルトラマン=神永役斎藤工とメフィラス役山本耕史の二人の演技が取り分け絶品。どちらも姿形は人間と同じでも感覚と思考が地球人のそれとは決定的に違うという役柄を見事に演じ切っています。

 一方でこの映画は欠点も多々目につきます。ウルトラマンや異星人(作中の表現では外星人)が魅力的に描かれている一方で登場人物の多くは類型的なキャラクターに終始してしまっていること、「シン・ゴジラ」ほどには強くスクラップ&ビルドしておらず、レガシーへの模倣以上にはなりえていないこと、ネタバレ無しでは具体的にどれとは言えないのですが、長澤まさみの描写に奇妙に下品なオヤジ臭さが漂うのもマイナスに作用しています。また、恐らくはアングルの面白さを優先していて撮影機材の雑多さには敢えて頓着しなかったのか、ショット単位で画面の質感に結構バラつきがあります。IMAXなどハイスペックな上映形態よりも一般のスクリーンで観た方がコレに限っては没入度は高くなるかもしれません。

 作り手がオタク過ぎるということが良い方向にも悪い方向にも強固に作用したような1本。個人的にはとてもテンションがアガると同時にひどく冷静になって観てしまう二律背反じみた不思議な感覚が終始やってきました。とはいえ懐かしさと新しさが同居する、無邪気に観る分にはとても楽しいヒーローアクション映画です。ここからウルトラマンの世界に踏み込んでみたいと思う方もきっと出てくるはず。せっかくなら新鮮なうちに映画館で観てしまいましょう。多分「私の好きな言葉です」が癖になります(笑)

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