ちゅうカラぶろぐ


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昨日の歌会に参加された皆さん、お疲れ様でした。
といって私は今回欠席。久屋大通公園で土日開催されていた「ANYTIME WHISKY」というウィスキーのイベントにスタッフとして参加しておりました。よもや年に一度あるかどうかの休日出勤と歌会が被ってしまうとは。昨日は一日雨模様だったにも関わらず持ち込んだ商品の中には完売したものもあったりで成功と言っていい印象で歌会を諦めた甲斐もあったというもの。ただ普段デスクワーカーの身で二日間休憩時間以外は立ちっぱなしというのはさすがにきつくて一夜明けてもまだ足が重い。今日を代休にしておいて良かったぜ(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 「ANYTIME WHISKY」は来年も11月に開催が決定しています。良かったら来てくださいねー!

 さて、今回の映画は「もののけ姫」です。

 室町時代、貴族も将軍家の力も弱体化しつつあった頃。北の果てに暮らすエミシ一族の青年アシタカ(声・松田洋治)は、村を襲ったタタリ神と対峙した際に体に呪いを受けてしまう。呪いを絶つ手段を探るためアシタカは西方へと旅立ち、その道中で山犬に育てられた少女・サン(声・石田ゆり子)と出会う。人間を嫌うサンから森から去るように警告されるアシタカだったが、その歩みを止めること無くやがてエボシ御前(声・田中裕子)が治める「タタラ場」と呼ばれる鉄の精錬所に辿り着く。森を切り拓きながら発展を進め力を付けるタタラ場によって森に棲む者たちの生きる場が失われつつあることを知るアシタカ。その夜、タタラ場の住民たちから「もののけ姫」と呼ばれ恐れられる少女・サンがエボシ御前の命を奪うためにタタラ場を急襲した。

 今年の秋はどういうわけだか私の青春時代が大挙して帰ってきています。それも特に1997~98年がピンポイントで。先週このブログでも取り上げた「劇場版新世紀エヴァンゲリオン」もそうですし、「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz特別編」「少女革命ウテナ/アドゥレセンス黙示録」がリバイバル上映されています。配給会社に言わせても単なる偶然の産物らしいのですが。思いっきりモラトリアムな大学生していたとはいえ全てが良い時期でもなかったので観ていて何もかもを「昔は良かった」と浸れるものでもないのですが、それでもやはり10代~20代初めの時間を生きた90年代は自分の中で特別です。そんなリバイバルのビッグウェーブに最大級の大物がやってきました。

 28年前に「もののけ姫」を初めて観たとき、「アニメーションが一段上に行った」と本気で震えた事を覚えています。あまりの感激に日を置かずもう一度観に行きました。重厚な物語構造と徹底した時代考証とが見事にビジュアライズされ、言葉として語るべきところと画として見せるべきところの配分も神がかり的なバランスです。冒頭から完結まで全てのカットが画面の隅まで神経が行き届いて尋常じゃない迫力を放っています。宮崎駿監督は次作「千と千尋の神隠し」をピークに良きにつけ悪しきにつけ作品の傾向がどんどん内的になっていって絵コンテのキレは増しているものの物語としては分かりにくくなっているのが特徴ですが、「もののけ姫」はシナリオのレベルも高く今現在改めて観ても作品の「格」が桁違いです。

 リバイバル上映にあたり4Kリマスターが施され映像と音響がクリアになったところに更にIMAXフォーマットにアップグレードされ、恐らくこの破格の作品を最高純度で味わえる環境が提供されています。久石譲による壮大なBGMの凄みを追体験できるのももちろんですが、ほとんど記憶になかったところで結構繊細に環境音が入っているのに驚かされました。リバイバルとは言え上映館では度々満席になるほどの人気で作品の力を改めて認識できる良い機会となったのではないでしょうか。あまりの好調ぶりに先週からDolby cinema版も上映が始まりました。色彩表現が豊かなDolby cinemaでどう見えるかも興味ありますね。
 様々な意向から宮崎駿作品はサブスクでの配信に乗らないためTV離れが進む昨今では浸透度が弱くなっていると聞きますが、だからこそこれをIMAXやDolby cinemaで初見できる方たちが私にはちょっとうらやましい。

 「生きろ。」というキャッチコピーだった「もののけ姫」と「みんな死んでしまえばいいのに」だった「エヴァンゲリオン」、更に言えば翌年にTV放送された富野由悠季監督の「ブレンパワード」のキャッチコピーは「頼まれなくたって生きてやる」でした。「ブレンパワード」はある程度意識的だったでしょうが「もののけ姫」と「エヴァ」は偶然に対になったと聞きます。1990年代の終わりは「生きる」ことはどういうことか、どこかで問われているような時期でもありました。その時代の熱を今の方たちが微かでも感じ取ってもらえたら、嬉しいですね。

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