ちゅうカラぶろぐ


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4勝中3勝を上げてしまうあまりにも神がかった活躍からか何故かメジャーリーグ公式がホラー映画のキャラクターになぞらえて紹介されたりチャック・ノリス・ファクトのような語録(本人はひとこともそんなことは言ってない)が出てきたりしたドジャース山本由伸の獅子奮迅ぶりが強烈だったワールドシリーズもさることながら、アメリカ・カリフォルニア州デルマー競馬場で行われたダートレースの最高峰ブリーダーズカップクラシックでのフォーエバーヤング勝利の快挙に心が震えました。
 1989年の優勝馬サンデーサイレンスは種牡馬として日本の競馬界に変革をもたらした馬でもあり、フォーエバーヤングはそのひ孫。まさに壮大な血脈のドラマ。彼は既にサウジカップでも勝利しており名実共にダート世界最強状態。どこまで進化するのでしょうか。

 こんばんは、小島@監督です。
 それにしても情報量が多すぎる日曜日だ(笑)

 さて、今回の映画は「新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生」「Air/まごころを、君に」です。

 全ての使徒は倒された。しかし、碇シンジ(声・緒方恵美)は渚カヲル(声・石田彰)の命を奪ってしまったことで精神的に追い詰められ生きる意志も失いつつあった。一方、人類補完計画を進めるゼーレとNERV最高司令官碇ゲンドウ(声・立木文彦)が決裂。ゼーレはNERVの全てを手中に収めるべくまずはメインコンピューター「MAGI」へのハッキングを工作。赤木リツ子(声・山口由里子)の協力を得てどうにか阻止は成功するが、ゼーレは次の一手として戦略自衛隊を投入しての武力占拠を開始した。

 1997年と言えば神戸で児童連続殺人事件、いわゆる「酒鬼薔薇事件」が起き山一證券など大手金融機関が相次ぎ破綻、タイでのバーツ暴落を呼び水としたアジア通貨危機などが起き、それらによって醸成された空気が今に至るも禍根を残す就職超氷河期を生み出しました。
 映画では「インデペンデンス・デイ」「もののけ姫」が大ヒット。年末には「タイタニック」が公開されそれらを超えるヒットを記録することになります。ゲームの方ではSEGAのセガサターンと数年間シェアを競っていたSONYの PlayStationへ「ファイナルファンタジーⅦ」発売を機に趨勢が傾き始めます。
 私は当時大学生。先の見えない不安を抱えながら、それでもどこかモラトリアムの中にいた時期でした。そんな時期に「新世紀エヴァンゲリオン」はまさにブームを巻き起こしていました。「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」に次ぐ第3のアニメブームとも呼ばれていましたね。ここでのムーブメントが現在に至る素地になったと言っても過言ではありません。

 様々な理由からTV放送時では主人公碇シンジの内的世界での心情を語るに留まっていたラスト2話を語り直すという形で完結編「REBIRTH」としてリメイクし、TVシリーズ総集編「DEATH」と共に2本立てで公開するという形で製作が始まった劇場版エヴァ。しかし製作が遅れを重ねたためまずは総集編と完結編の冒頭のみで構成された「シト新生」を先行で公開。実際のところは「DEATH」の方も完成品とは言い難かったらしく(当時の予告編を良く見ると「未定」とか「作業中」というテロップが度々出てくる)アップグレードバージョンである「DEATH(TRUE)2」が翌年発表されています。
 今年「月一エヴァ」と称して「シト新生」から「シンエヴァ」までの6本の劇場版を約半年かけてリバイバル上映が始まりました。私としてもどちらも28年ぶりの劇場鑑賞になりました。

 物語のトピックよりも主要人物の情動をフォーカスしカットアップした「DEATH」は総集編と称しながらこれだけで物語はまず把握できません。TVシリーズを観ていてもまず置いてけぼりにされるレベルで全くの初見では着いていくことも出来ないでしょう。しかしその衝動性は強く伝わります。
 完結編である「Air/まごころを、君に」も生きる意志を見失ってほぼずっとうずくまってるシンジ君に最後にして最大の重圧がのしかかり破滅的なカタストロフへ直進する超ダウナーな展開で、心に余裕が無いとちょっと厳しい映画です。恐らくは過熱したブームがもたらす完結編への異常な期待や重圧、ファンたちのフィクションへの過度な依存への忌避感などが庵野秀明監督の中にあったかもしれません。風刺というよりかなり観客へ直接的に説教しているような印象すらあります。厄介なのがそうやって自分たちへ痛罵してくる相手が自分たち以上に心身すり減らして血を吐いてるように思えてしまうことでしょうか。当時の自分には居心地悪い作品で、特に「Air/まごころを君に」の方は鑑賞後ちょっとイラつきながら映画館を後にしたことを思い出します。

 あれから30年近く経ち年齢を重ねて当時の自分も生々しい思い出もある程度客観視できるようになった今再見する機会を得たのも不思議な気分です。ただ今観ると物語がどうこうとかとは別に1〜2フレームしか見せないショットを大量に重ねてくる終盤のあるシーンが目がチカチカし過ぎてちょっと辛い、とかそういうものの方が強くなってしまってこれが老いというものか(苦笑)

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