ちゅうカラぶろぐ


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今月から日曜夜9時で放送が始まったドラマ「ロイヤルファミリー」が最高に面白い。競走馬の馬主でもある人材派遣会社社長に関わることになった税理士を主人公に、競馬に携わる者の生き様を描き、シビアところとロマンを両立させながら熱い物語を展開させて引き込まれます。レースシーンもかなりの迫力。何なら武豊や戸崎圭太ら現役ジョッキーやウマ娘でオグリキャップを演じる高柳知葉がカメオ出演してるサービス精神旺盛ぶりも楽しい。

 こんばんは、小島@監督です。
 スケジュール的には実際の有馬記念当日に最終回放送ということになるのかしら。「ウマ娘シンデレラグレイ」の第2クールに秋のG1戦線と合わせて年内の日曜日は競馬漬けになりそう。

 さて、今回の映画は「七人の侍」です。

 戦国時代、相次ぐ野武士の襲撃に窮した百姓たちは防衛の為に侍を雇うことを決意する。代表として街へ出た利吉(土屋嘉男)たちだったが日々の食事が提供される以外に栄誉も褒賞も無い仕事を引き受ける者などなかなか現れない。そんなある日、利吉たちは野盗に人質にされた幼子を機転を利かせて救出した勘兵衛(志村喬)という名の侍と出会う。勘兵衛ならばと頼み込む利吉たち。熟慮の末に勘兵衛は引き受けた。40騎はいようかという野武士たちを制するには7人は必要と考えた勘兵衛は仲間を探し始める。やがて七郎次(加東大介)、久蔵(宮口精二)、菊千代(三船敏郎)ら個性的な顔触れが揃い、一行は村へと向かった。

 「七人の侍」は1954年に製作され巨匠黒澤明監督の代表作というだけでなく後続に多大な影響を与えて日本や世界の映画史上極めて重要な位置付けの存在となった作品です。ジョージ・ルーカスやスティーブン・スピルバーグ、宮崎駿は元より「NARUTO」や「ONE PIECE」「鬼滅の刃」でさえその影響下にあると言っても過言ではないほどです。クラシックの名作たちをシネコンで上映する企画「午前十時の映画祭」でも何度もラインナップに入る定番のプログラムでしたが、今回新たに4Kリマスター版が製作され「午前十時の映画祭」特別企画としてのロードショーが行われています。
 DVDなどで何度か観たことがあるのですが今回ようやくスクリーンでの鑑賞が叶いました。

 70年という時間の経過をものともしない圧倒的鑑賞体験。
 封建的な秩序の終焉で理念が空洞化した中での侍の矜持、貧困と強奪に窮しながらも強かに生きる農民たち、個性的なキャラクターたちのアンサンブルの中で見えるヒューマニズムはこれが製作されたのが戦後からまだ10年も経っていない時期ということも考慮するとなおさら響くものがあります。当時としては珍しい、一つのシーンを複数のカメラで同時撮影する「マルチカム撮影」とそれで得た映像素材を最大限活かしてみせた編集がもたらすダイナミズムに裏打ちされたアクションの生々しい迫力も引き込まれるよう。

 また、今回の4Kリマスターは非常に丁寧に行われたようでモノクロなのに板の木目も分かるほど映像が高精細になっている上、DVD等で収録されているものは何ヶ所かセリフが聞き取りにくい箇所があったのですがそれも無くなって全てがクリアになっています。シナリオを読むか魂で聴き取るしかなかった三船敏郎の叫びが容易く!何とありがたい!

 古いしモノクロだし時代劇だし207分と長い(途中休憩あり)しでハードル高いのは確かですが、文句など付けようがない傑作。観てみると妙に見覚えのあるやり取りや聞き覚えのあるセリフがちょくちょく出てくるような気がするのはその原点がここにあるから。最高の状態で触れられるこの機会に、是非多くの方にご覧になって欲しいですね。

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