ちゅうカラぶろぐ


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少し前から平日早朝にTVドラマ「あぶない刑事」が再放送されていて、それを録画して夜に観るのが最近の楽しみ。1980年代を代表するドラマの一つですが、今に至るまで全く観たことがなくどこかで一度観てみないとなぁと思っていたので渡りに船。ただ40年近く前のドラマを今観ると面白さより別のところに目が行ってしまいます。まだ再開発前でみなとみらいも無い横浜の風景や今とは違う形やデザインのボトルやラベルをした酒瓶などがとても興味深く映ります。もちろん今とは全く安全基準の異なるデインジャーなスタントにも驚きますが(笑)。あんなの毎回やってたとか凄過ぎる。

 こんばんは、小島@監督です。
 一通り観終わったら映画の方にも手を付けてみよう。

 さて、今回の映画は「ファイナル・デッドブラッド」です。

 大学生のステファニー(ケイトリン・サンタ・フアナ)は、毎夜見る自分や家族が悲惨な死を遂げる悪夢に悩まされていた。成績も下がり奨学金も打ち切られそうになったステファニーは、これがただの悪夢ではないと確信し手がかりとなる人物を探し始める。やがてステファニーは50年以上に渡って死神による「死の連鎖」が続いていることを知り、自身と家族に迫る「死の運命」と対峙することになる。

 予知夢によって事故を回避した若者たちが、死神によってもたらされる逃れられない死の運命に巻き込まれ無惨な死を遂げるホラー「ファイナルデスティネーション」は2000年〜2011年までの間に5本のシリーズが製作された、00年代を代表するホラーシリーズです。1作目ではまだそれほどではありませんでしたが2作目「デッドコースター」以降は「死のピタゴラスイッチ」と表現される、こんなの良く思いついたな、そしてこんな死に方は絶対にしたくない感心するほどのユニークかつパズル的な流れで登場人物が惨殺されるのがパターンとなっていきました。
 怖いと不謹慎な笑いが同居する作風が支持されたシリーズでしたが2011年製作の「ファイナル・デッドブリッジ」を最後にシリーズは途絶えていました。今回実に14年ぶりの新作です。本国ではシリーズ最高興収と評価を叩き出しながらも日本では当初配信のみとなる予定でした。しかし「ミーガン2.0」が本国での不評から配信スルーへ切り替えられて公開中止となってしまい、その空いた穴を埋めるような形で急遽公開となりました。

 設定的に全作を繋ぐように作られており、シリーズとしてのスタイルは堅持しながらも旧作との繋がりは匂わせる程度に抑えていてこれ単体でも十分に楽しめるようになっているその塩梅が絶妙。初見さんでもシリーズの魅力を最大限に感じられるようになっています。
 登場人物の死のバリエーションも実に多彩。そして上手い具合にフェイントをかけてリズムをずらしてくるのでマンネリズムを楽しむ作品なのに予想がつかないという面白さがあります。また今作は何気ない日常のひとコマを最高に不穏に見せることに対して天才的。ちょっと笑えてしまうくらいです。初めて観る方にはかなり新鮮に映るのではないでしょうか。

 また、大半の作品に登場しシリーズのナビゲーター的キャラクターとも言えるブラッドワースは今作も登場。同時に彼を演じた名優トニー・トッドの遺作ともなりました。出演時既に末期癌を患っていて明らかに悪い痩せ方をしているのですが、短い登場ながら映画に一本芯を通す存在感を放っています。このシーンのおかげで悪趣味なB級映画という枠に押し込めるには惜しい風格が宿っています。とは言っても盛大に腕とか首とか血飛沫とか飛ぶ映画なのでそういうのが苦手な方には一切お薦めしませんが(笑)

 緊急公開となった今作、事前の宣伝も少なく公開規模も全国20館程度と小さいながらも各上映館の入りは上々で観客評も高いようなのが嬉しいところ。ここ数年洋画はいくつかの例外を除いて斜陽も良いところで海外で評判が良くてもスクリーンにすらかけられないことも増えてきてしまっています。実写邦画とアニメが好調とは言えそれしかヒットしていないという状況はあまり健全とは言えません。今作の好調が次へ繋がる布石となると良いのですが。

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