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ちゅうカラぶろぐ


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昨日名古屋城二の丸広場で開催された「THE ENCORE 5thワンマンライブ ECHOES OF SUMMER」を観に行って来ました。だいたい半年に一度くらい大きなワンマンライブを行うTHE ENCORE、今回は名古屋城を舞台に初のバンドセットワンマンです。アイドルとして着実にレベルアップしている彼女たち。バンドの生音と相まっていつも以上にパワフルなパフォーマンスを堪能。推すようになってから1年半、彼女たちがどこまで行けるのか楽しみ。推せる間は推しますぞ。
 
 こんばんは、小島@監督です。
 ところでTHE ENCORE、CDリリースが決定したのが何気に嬉しい。ようやく車の運転中に聴けそう。

 さて、今回の映画は「8番出口」です。

 地下鉄に乗っていた男(二宮和也)のもとに元恋人(小松菜奈)から電話がかかって来た。彼女は男に妊娠を告げ、産むかどうか迷っていると伝える。予期せぬ連絡に困惑する男は動揺を隠せぬまま駅を彷徨い歩いているうち徐々に電波が弱くなって遂には通話中に電話が切れてしまった。気づけば見知らぬ通路に独り。しかし行けども行けども出口に辿り着かず何故か何度も白いシャツの男(河内大和)とすれ違う。
 男はやがて「ご案内」と書かれた注意書きの看板に気づいた。「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」「8番出口から外に出ること」、男は無限に繰り返すループから脱出することができるのか。

 原作はKOTAKE CREATE氏によるインディーズゲーム、2023年にリリースされた後ゲーム配信者の紹介などで評判になったタイトルです。それが主演に二宮和也を迎えてまさかの実写映画化。そもそもストーリーらしいストーリーの無いゲームをどう料理するんだと思っていたらヒットメーカー川村元気の個性が爆発して日本ではあまり見かけないタイプの極めてユニークなソリッドシチュエーションスリラーに仕上がっていました。
 時間がループする作品は多くあれど場所がループする作品というの自体がまず珍しく、近年だと2014年製作のメキシコ映画「パラドクス」くらいでしょうか。こちらかなり難解な作品で気軽には薦めづらいですが、「8番出口」を観て同種の作品が無いか気になった人は挑戦してみて欲しいですね。

 冒頭主人公がループに囚われ主題が始まるまでの数分間、主人公の男の主観によるワンカット映像で始まるこの映画、作劇、映像ともにかなり凝ったことをしている作品で、100館以上の規模で公開するメジャータイトルにしては相当に挑戦的です。音響設計も極めて緻密に構築されており、天井の低い地下鉄の通路というロケーションに加えて主人公の男が喘息持ちという設定が合わさり全編で強い閉塞感を作り出しているのが大きなポイント。この呼吸が苦しくなるような感覚を生み出す映像はどこかスタンリー・キューブリックを思い起こさせます。

 主要人物が10人に満たないごく少人数しか登場しない中で、物語を牽引する二宮和也の深みを感じさせる演技はさすがの一言ですが、それより何より今作は「歩く男」役の河内大和の演技が強烈。「通路の端から端まで歩く」という動きをほぼ寸分違わず何度もやって見せてるだけでも驚き。河内大和、舞台をメインに活躍している方でドラマや映画の出演歴はそれほど多くはない方ですがこの作品をきっかけに大きく知名度を上げるんじゃないかと思うくらいにインパクトがあります。

 この作品を敢えてジャンル付けするならホラーに分類されるだろうとは思います(実際そう言う描写もある)が、あまり意識的に怖がらせようとはしていないのが特徴でそう言ったものを観たい人や原作により忠実にあって欲しい向きには相当に肩透かしを食うのは間違い無く、そりゃヒットに反して賛否両論なのも頷けます。こういう作家性の強い作品がメジャータイトルから出てくるあたり、今邦画は意外と裾野が広くなっているようです。
 個々人で感想が違うタイプの作品と思われますし、興味のある方は是非スクリーンでどうぞ。ちょっと地下鉄に乗るのが怖くなるかもしれませんが(笑)

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