最終回を目前に再上映が始まった「機動戦士ガンダムジークアクスBeginning」、せっかくの祭りだ!乗っかるか!と何か妙な勢いで観に行ったら私と同類項と特典が欲しい方がわんさといたのか映像的には取り立てて何のサプライズも用意されていない正真正銘の再上映がほぼ満席。ええいどいつもこいつも!言うて私もですが(笑)!
こんばんは、小島@監督です。
いよいよ最終回は明日深夜!!
さて、先日は珍しくミュージカルを観に行って来ました。四季劇場名古屋で現在公演中、劇団四季の「ゴーストアンドレディ」です。
1854年ロンドン、ドルーリー・レーン劇場。そこには「灰色の幽霊(グレイ)」(萩原隆匡)の噂があった。彼の姿が現れた芝居にはその後興行の成功が約束されるという。そのグレイに会うために劇場を1人の令嬢が訪れた。彼女はグレイに自身を殺してくれと懇願する。令嬢の名はフローレンス・ナイチンゲール(谷原志音)、やがて従軍看護婦として苛烈な戦場に身を投じることになる女性である。
(註・出演者は私が鑑賞した回のものになります。メインキャラクターはダブルもしくはトリプルキャストのため日や上演回によって異なります)
劇団四季の演目というとブロードウェイの邦訳版かディズニーのイメージが強いのですが、今作は違います。原作者は何と「うしおととら」「からくりサーカス」で知られる藤田和日郎のコミック。「黒博物館」という連作シリーズの第2作として発表された作品です。アニメ化も映画化もすっ飛ばしてあの藤田和日郎作品が舞台化!という事態に普段観劇に興味の薄い私もさすがに気になり劇団四季の会員になっている家族にもし観る機会があるなら誘って欲しいと以前から声をかけていて先日ついにその機会が巡って来ました。
いやびっくりですよ、何だこの面白い芝居!
劇団四季で公演するだけあってマスに訴えかけられる洗練さを持たせている一方で泥臭くも熱い藤田和日郎イズムがちゃんと反映されていて両立できているのにはいくら何でも驚異です。
少年や若者と超常の存在とがバディとなるのは「うしおととら」などでも見られる藤田和日郎作品お得意のシチュエーションですが、今作では若者に当たるのがあのナイチンゲールであり彼女も含めて実在した人物が多数登場して史実を大胆に織り交ぜながら展開します。原作では「黒博物館」シリーズ全体の狂言回しとして「学芸員(キュレーター)」と呼ばれる女性が登場しますが、舞台版では登場せずグレイにその役回りを担わせているほか、物語の発端となる発射された銃弾同士がぶつかった「かち合い弾」は登場せず別の道具に置き換えられていたりと舞台劇として上演するためのアレンジはいくつも施されていますが、作品としての核は見失っていません。
実のところ「黒博物館」は今まで読んだことが無く、今回の舞台を鑑賞した後から原作を手に取ったのですが、「これは舞台用に盛っただろう」と思ったところが原作通りだったり「これは藤田っぽいので原作にあるだろう」と思ったらオリジナル要素だったりしてどちらから行っても楽しいです。
史実を織り交ぜながらも基本としてはダークファンタジーな物語の作品世界を表現する演出も非常に凝っており、「グレイは見える人にしか見えないし声も聞こえない」のを「見える人以外は視線も合わさない」というハイレベルなことをさり気なくやっているのにも驚きますが、早着替えと照明や舞台装置を駆使しての「死者の魂が天へ召される」様や剣戟やワイヤーアクション、果てはイリュージョンまでも使ってみせての死闘など高さも奥行きも使えるだけ使うクリエイティブなダイナミズムにも感服します。何より四季ファンの家族に言わせると「エース級しかいない」というキャスト陣の渾身の歌唱と演技が乗ってまさに圧倒的。
あの濃いビジュアルとアクの強い世界観をどうやって舞台にするのさ!?という興味だけで観に行ったらここまで原作のイズムと劇団四季のテイストをがっぷり組ませて昇華させてくるとは思わず、終幕に至る頃にはついうっかりマジ涙。珠玉の鑑賞体験になりました。
開演以来大好評らしく平日でも席が取りづらいのと、やはり映画観るよりはだいぶ張るのでハードルは高いですがこれは本気でお薦めしたい。そしてびっくりして欲しい。
こんばんは、小島@監督です。
いよいよ最終回は明日深夜!!
さて、先日は珍しくミュージカルを観に行って来ました。四季劇場名古屋で現在公演中、劇団四季の「ゴーストアンドレディ」です。
1854年ロンドン、ドルーリー・レーン劇場。そこには「灰色の幽霊(グレイ)」(萩原隆匡)の噂があった。彼の姿が現れた芝居にはその後興行の成功が約束されるという。そのグレイに会うために劇場を1人の令嬢が訪れた。彼女はグレイに自身を殺してくれと懇願する。令嬢の名はフローレンス・ナイチンゲール(谷原志音)、やがて従軍看護婦として苛烈な戦場に身を投じることになる女性である。
(註・出演者は私が鑑賞した回のものになります。メインキャラクターはダブルもしくはトリプルキャストのため日や上演回によって異なります)
劇団四季の演目というとブロードウェイの邦訳版かディズニーのイメージが強いのですが、今作は違います。原作者は何と「うしおととら」「からくりサーカス」で知られる藤田和日郎のコミック。「黒博物館」という連作シリーズの第2作として発表された作品です。アニメ化も映画化もすっ飛ばしてあの藤田和日郎作品が舞台化!という事態に普段観劇に興味の薄い私もさすがに気になり劇団四季の会員になっている家族にもし観る機会があるなら誘って欲しいと以前から声をかけていて先日ついにその機会が巡って来ました。
いやびっくりですよ、何だこの面白い芝居!
劇団四季で公演するだけあってマスに訴えかけられる洗練さを持たせている一方で泥臭くも熱い藤田和日郎イズムがちゃんと反映されていて両立できているのにはいくら何でも驚異です。
少年や若者と超常の存在とがバディとなるのは「うしおととら」などでも見られる藤田和日郎作品お得意のシチュエーションですが、今作では若者に当たるのがあのナイチンゲールであり彼女も含めて実在した人物が多数登場して史実を大胆に織り交ぜながら展開します。原作では「黒博物館」シリーズ全体の狂言回しとして「学芸員(キュレーター)」と呼ばれる女性が登場しますが、舞台版では登場せずグレイにその役回りを担わせているほか、物語の発端となる発射された銃弾同士がぶつかった「かち合い弾」は登場せず別の道具に置き換えられていたりと舞台劇として上演するためのアレンジはいくつも施されていますが、作品としての核は見失っていません。
実のところ「黒博物館」は今まで読んだことが無く、今回の舞台を鑑賞した後から原作を手に取ったのですが、「これは舞台用に盛っただろう」と思ったところが原作通りだったり「これは藤田っぽいので原作にあるだろう」と思ったらオリジナル要素だったりしてどちらから行っても楽しいです。
史実を織り交ぜながらも基本としてはダークファンタジーな物語の作品世界を表現する演出も非常に凝っており、「グレイは見える人にしか見えないし声も聞こえない」のを「見える人以外は視線も合わさない」というハイレベルなことをさり気なくやっているのにも驚きますが、早着替えと照明や舞台装置を駆使しての「死者の魂が天へ召される」様や剣戟やワイヤーアクション、果てはイリュージョンまでも使ってみせての死闘など高さも奥行きも使えるだけ使うクリエイティブなダイナミズムにも感服します。何より四季ファンの家族に言わせると「エース級しかいない」というキャスト陣の渾身の歌唱と演技が乗ってまさに圧倒的。
あの濃いビジュアルとアクの強い世界観をどうやって舞台にするのさ!?という興味だけで観に行ったらここまで原作のイズムと劇団四季のテイストをがっぷり組ませて昇華させてくるとは思わず、終幕に至る頃にはついうっかりマジ涙。珠玉の鑑賞体験になりました。
開演以来大好評らしく平日でも席が取りづらいのと、やはり映画観るよりはだいぶ張るのでハードルは高いですがこれは本気でお薦めしたい。そしてびっくりして欲しい。
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