昨日は歌会をお休みし東京まで出張って「TIF2025メインステージ争奪LIVE〜前哨戦〜」というのを観に行って来ました。毎年8月に開催される日本最大のアイドルフェスという「TOKYO IDOL FESTIVAL」、「アイドルマスター」や「ウマ娘」も出演経験のあるフェスですがAKB48やももクロのような知名度の高いところが出演する傍らで気鋭のアイドルユニットに単に出演するだけでなくメインステージで歌う機会を作る企画を例年やっているようで、私が推してる「THE ENCORE」がその候補8ユニットの1つに選ばれ、「前哨戦」では候補者たちが出演をかけて全2部各4ユニットずつでパフォーマンスを競いそれぞれ観客投票で出演ユニットを決める、というイベントです。「アイマス」ではゲームの仕様としてこんな感じのイベントがあったりするのですが実際にやっているところを観るのは初めてです。
普段目にする対バンライブが本気じゃない、とは思いませんが大舞台への出演を懸けての勝ち抜き、となるとどのユニットもコンディションのピークをここに持ってきてギアを一段上げて来ていて観ていてビリビリするほどでした。投票結果で明確に勝者と敗者が分けられ歓喜と落胆がステージ上で同居します。場の空気に当てられてしまったようで、THE ENCOREが勝ち残りを決めた瞬間には私も絶叫(笑)。推しが躍進する姿を見るのは嬉しいものです。
こんばんは、小島@監督です。
正直言ってここまで来たらTIF初日にある決勝戦も観たいのですが、何せ同じ週にアイマスライブがあって既にそっちのチケット持ってるので無理なのが残念でなりません…
さて、今回の映画は「国宝」です。
任侠の一門に生まれた立花喜久雄(吉沢亮)は、抗争により父親を失った後、その才を認めた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎(渡辺謙)に引き取られ、歌舞伎の世界に足を踏み入れる。半二郎の息子・花井半弥(横浜流星)と共に歌舞伎の芸を磨き高め合って行く。しかし数多くの出会いと別れ、そして時代の流れが2人の運命を大きく揺るがせて行く。
圧巻!まさにその言葉が相応しい。
歌舞伎の世界を舞台に重厚な人間ドラマが展開します。監督の李相日は「悪人」「怒り」に引き続き3度目の吉田修一原作の映画化になります。脚本に「サマーウォーズ」の奥寺佐渡子を、撮影に「アデル、ブルーは熱い色」のソフィアン・エル・ファニを迎えるなど超一流のスタッフが集結し、贅沢で格調高くありつつも美麗かつ繊細な映像世界を見せてくれます。175分という長尺ですが脚本は緻密に練り上げられており、時代や境遇が変わっても芸の道を突き進む喜久雄と半弥に物語の焦点を合わせ梨園の外をほとんど描かないことで集中を途切れさせません。とは言え50年という時間を3時間で駆け抜ける、極限まで凝縮させた密度なので喜久雄も半弥も揃って状況のアップダウンが激し過ぎない?みたいなところはあるものの(笑)、その乱高下ぶりが映画の面白さをスポイルすることはありません。
歌舞伎を扱った映画なのにメインどころに本職の歌舞伎俳優がいないのも特徴的ですが(無論監修は入っており監修を務めた中村鴈治郎は今作に出演もしている)、どれほどの稽古を積んだのか吉沢亮、横浜流星、渡辺謙らの舞台上の佇まいは歌舞伎役者そのもの。特に吉沢亮はクローズアップにも負けない女形の美しさを体現しています。そして出番はそれほど多くはないが喜久雄、半弥のともに大きな影響を与える人間国宝・小野川万菊を演じる田中泯の凄みが出色。登場すると画面に一本線が走ります。
また、そんな舞台のシーンを見せるのに様々な映画的技法を駆使して迫力を演出しており、そのカメラワークの妙からして特に終盤のシーンは、あれは劇場を借りたのではなく劇場まるごとセットで作り上げたもののように思えます。
難点があるとすれば歌舞伎の用語や演目に対する解説がほぼ無いところにありますが、ただでさえストーリーが面白いところに出演者の演技が尋常じゃないので観ている間はまず気になりません。むしろこれを機にいろいろ調べたりして歌舞伎の入口にしても楽しいですね。
いずれにしても今年を代表する一本に違いありません。来年の日本アカデミー賞を席巻する可能性すらあるでしょう。特撮オタク的な話をすると「仮面ライダーフォーゼ」で互いに親友という役どころで出演した吉沢亮と横浜流星が共に大河ドラマで主演を張り、日本を代表する役者に成長してこの規模の作品で2度目の共演を果たしたというのも何だか嬉しくなります。
スクリーンで観る楽しさに満ち溢れた一本であり、日本映画はまだやれるということを見せてくれる作品でもあるので、上映時間の長さに臆することなく是非劇場で味わっていただきたいですね。
普段目にする対バンライブが本気じゃない、とは思いませんが大舞台への出演を懸けての勝ち抜き、となるとどのユニットもコンディションのピークをここに持ってきてギアを一段上げて来ていて観ていてビリビリするほどでした。投票結果で明確に勝者と敗者が分けられ歓喜と落胆がステージ上で同居します。場の空気に当てられてしまったようで、THE ENCOREが勝ち残りを決めた瞬間には私も絶叫(笑)。推しが躍進する姿を見るのは嬉しいものです。
こんばんは、小島@監督です。
正直言ってここまで来たらTIF初日にある決勝戦も観たいのですが、何せ同じ週にアイマスライブがあって既にそっちのチケット持ってるので無理なのが残念でなりません…
さて、今回の映画は「国宝」です。
任侠の一門に生まれた立花喜久雄(吉沢亮)は、抗争により父親を失った後、その才を認めた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎(渡辺謙)に引き取られ、歌舞伎の世界に足を踏み入れる。半二郎の息子・花井半弥(横浜流星)と共に歌舞伎の芸を磨き高め合って行く。しかし数多くの出会いと別れ、そして時代の流れが2人の運命を大きく揺るがせて行く。
圧巻!まさにその言葉が相応しい。
歌舞伎の世界を舞台に重厚な人間ドラマが展開します。監督の李相日は「悪人」「怒り」に引き続き3度目の吉田修一原作の映画化になります。脚本に「サマーウォーズ」の奥寺佐渡子を、撮影に「アデル、ブルーは熱い色」のソフィアン・エル・ファニを迎えるなど超一流のスタッフが集結し、贅沢で格調高くありつつも美麗かつ繊細な映像世界を見せてくれます。175分という長尺ですが脚本は緻密に練り上げられており、時代や境遇が変わっても芸の道を突き進む喜久雄と半弥に物語の焦点を合わせ梨園の外をほとんど描かないことで集中を途切れさせません。とは言え50年という時間を3時間で駆け抜ける、極限まで凝縮させた密度なので喜久雄も半弥も揃って状況のアップダウンが激し過ぎない?みたいなところはあるものの(笑)、その乱高下ぶりが映画の面白さをスポイルすることはありません。
歌舞伎を扱った映画なのにメインどころに本職の歌舞伎俳優がいないのも特徴的ですが(無論監修は入っており監修を務めた中村鴈治郎は今作に出演もしている)、どれほどの稽古を積んだのか吉沢亮、横浜流星、渡辺謙らの舞台上の佇まいは歌舞伎役者そのもの。特に吉沢亮はクローズアップにも負けない女形の美しさを体現しています。そして出番はそれほど多くはないが喜久雄、半弥のともに大きな影響を与える人間国宝・小野川万菊を演じる田中泯の凄みが出色。登場すると画面に一本線が走ります。
また、そんな舞台のシーンを見せるのに様々な映画的技法を駆使して迫力を演出しており、そのカメラワークの妙からして特に終盤のシーンは、あれは劇場を借りたのではなく劇場まるごとセットで作り上げたもののように思えます。
難点があるとすれば歌舞伎の用語や演目に対する解説がほぼ無いところにありますが、ただでさえストーリーが面白いところに出演者の演技が尋常じゃないので観ている間はまず気になりません。むしろこれを機にいろいろ調べたりして歌舞伎の入口にしても楽しいですね。
いずれにしても今年を代表する一本に違いありません。来年の日本アカデミー賞を席巻する可能性すらあるでしょう。特撮オタク的な話をすると「仮面ライダーフォーゼ」で互いに親友という役どころで出演した吉沢亮と横浜流星が共に大河ドラマで主演を張り、日本を代表する役者に成長してこの規模の作品で2度目の共演を果たしたというのも何だか嬉しくなります。
スクリーンで観る楽しさに満ち溢れた一本であり、日本映画はまだやれるということを見せてくれる作品でもあるので、上映時間の長さに臆することなく是非劇場で味わっていただきたいですね。
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