珍しくライブ以外の要件で今週末東京へ行くことになり、当初東京で宿泊するつもりで宿を探していたのですが、何か大きなイベントでもあるのか軒並みホテルの値段が普段の倍以上で何なら東京ー名古屋間をもう一往復できるじゃないかくらいに上がっていたので山手線沿線での宿泊を断念。横浜や熱海の線も考えたのですが最終的に「もういっそ名古屋で泊まれば良いんじゃね?」と思い立ち、早い話が今度の歌会は名古屋で前泊して参加します(笑)
こんばんは、小島@監督です。
それにしても最近週末の東京はヤバいと聞いていましたがほんとなかなか(苦笑)
さて、今回の映画は「Love Letter」です。
神戸、渡辺博子(中山美穂)は婚約者だった藤井樹の三回忌法要に参列した日、樹の母・安代(加賀まりこ)から樹の中学時代の卒業アルバムを見せてもらう。そこに書かれていた樹の昔の住所へ博子は「お元気ですか?」と一通の手紙を書いた。
小樽、博子が書いた手紙は図書館職員をしている同姓同名の藤井樹(中山美穂/二役)の元へ届いた。樹は不審に思いながらも返事を出すとまた博子から返事が来た。そうして2人の奇妙な文通が始まった。
一通の手紙をきっかけに同じ顔をした2人の人物に繋がりが生まれ、2つの恋が描かれていく、1995年に製作された恋愛映画の名作です。今年公開30周年を記念し4Kリマスター版がリバイバル上映されています。「スワロウテイル」「リリィ・シュシュのすべて」などで日本映画に独自の地歩を築く岩井俊二監督の長編デビュー作であり、助監督には後年「GO」や「北の零年」などを手掛けることになる行定勲が務めています。日本アカデミー賞で優秀作品賞を受賞したほか同年のキネマ旬報ベストテンに選出されるなど高い評価を得て岩井俊二監督の名を世に知らしめる結果になりました。1999年に公開された韓国では140万人を超える観客動員を記録し1998年に解除された日本大衆文化の流入制限以後最初に大ヒットした日本映画となりました。
と、まあそういう情報は良く知っていたのですが実は今まで一度も観たことが無く、今回たまたま時間が合った折に思い立ち、30年越しに初鑑賞して来ました。
冒頭、主演中山美穂が雪の斜面を駆け降りる映像をバックにタイトルやメインキャスト・スタッフが流れる長回しのワンカットから詩的な画が鮮烈に冴え渡る作品です。ここに限らず随所に痺れるほどに綺麗なショットが多いのは岩井俊二監督のディレクションもさることながら「映画番長」と呼ばれたほどの名カメラマン・篠田昇の技量によるところも大きいでしょう。それはまるで当時の空気ごとフィルムに焼き付けたかのようですらあるほどです。
何よりそのカメラワークが捉える中山美穂の美しさと言ったら!アイドルとして活躍していた頃からある意味で自分にとっては「世代のひと」だったので見た目の良さは知ってるつもりではいたのですが、「ああ、中山美穂ってこんなにも美しい人だったのか」と思わずにはいられませんでした。
手紙が恋人と同姓同名で顔が自分と瓜二つの人物の元に届く、というあり得ないシチュエーションを、しかしオーバーにはなり過ぎずある種の説得力を持たせながらリリカルに語り切っている手腕もかなりのもので、岩井俊二監督と言えばこれが原点にして頂点という方がいるのも頷けます。
唯一の難点としては、これがリマスターした原版のそもそもの劣化が要因なのか、あるいはたまたま自分が観た回で偶然そうなってしまったのか判然としないのですが本編の主に序盤で数ヶ所音声が曇っていた箇所があった点です。会話が壁一つ隔てたようなトーンになってしまっていて、あれはさすがにちょっぴり勿体なかった。
もともと30周年に向けて準備されていた企画だったのではと思われますが、昨年の中山美穂の急逝を受けて、映画のラストには故人を偲ぶメッセージが付け加えられています。
彼女の在りし日の輝きを刻み込みながら、不思議な魔法にかけられたような、どこか胸を締め付けられるような、そんな映像体験でした。
30年の時を経てなお放つきらめきは衰えることなく、きっとこれからも観る者を魅了し続けてくれることでしょう。
こんばんは、小島@監督です。
それにしても最近週末の東京はヤバいと聞いていましたがほんとなかなか(苦笑)
さて、今回の映画は「Love Letter」です。
神戸、渡辺博子(中山美穂)は婚約者だった藤井樹の三回忌法要に参列した日、樹の母・安代(加賀まりこ)から樹の中学時代の卒業アルバムを見せてもらう。そこに書かれていた樹の昔の住所へ博子は「お元気ですか?」と一通の手紙を書いた。
小樽、博子が書いた手紙は図書館職員をしている同姓同名の藤井樹(中山美穂/二役)の元へ届いた。樹は不審に思いながらも返事を出すとまた博子から返事が来た。そうして2人の奇妙な文通が始まった。
一通の手紙をきっかけに同じ顔をした2人の人物に繋がりが生まれ、2つの恋が描かれていく、1995年に製作された恋愛映画の名作です。今年公開30周年を記念し4Kリマスター版がリバイバル上映されています。「スワロウテイル」「リリィ・シュシュのすべて」などで日本映画に独自の地歩を築く岩井俊二監督の長編デビュー作であり、助監督には後年「GO」や「北の零年」などを手掛けることになる行定勲が務めています。日本アカデミー賞で優秀作品賞を受賞したほか同年のキネマ旬報ベストテンに選出されるなど高い評価を得て岩井俊二監督の名を世に知らしめる結果になりました。1999年に公開された韓国では140万人を超える観客動員を記録し1998年に解除された日本大衆文化の流入制限以後最初に大ヒットした日本映画となりました。
と、まあそういう情報は良く知っていたのですが実は今まで一度も観たことが無く、今回たまたま時間が合った折に思い立ち、30年越しに初鑑賞して来ました。
冒頭、主演中山美穂が雪の斜面を駆け降りる映像をバックにタイトルやメインキャスト・スタッフが流れる長回しのワンカットから詩的な画が鮮烈に冴え渡る作品です。ここに限らず随所に痺れるほどに綺麗なショットが多いのは岩井俊二監督のディレクションもさることながら「映画番長」と呼ばれたほどの名カメラマン・篠田昇の技量によるところも大きいでしょう。それはまるで当時の空気ごとフィルムに焼き付けたかのようですらあるほどです。
何よりそのカメラワークが捉える中山美穂の美しさと言ったら!アイドルとして活躍していた頃からある意味で自分にとっては「世代のひと」だったので見た目の良さは知ってるつもりではいたのですが、「ああ、中山美穂ってこんなにも美しい人だったのか」と思わずにはいられませんでした。
手紙が恋人と同姓同名で顔が自分と瓜二つの人物の元に届く、というあり得ないシチュエーションを、しかしオーバーにはなり過ぎずある種の説得力を持たせながらリリカルに語り切っている手腕もかなりのもので、岩井俊二監督と言えばこれが原点にして頂点という方がいるのも頷けます。
唯一の難点としては、これがリマスターした原版のそもそもの劣化が要因なのか、あるいはたまたま自分が観た回で偶然そうなってしまったのか判然としないのですが本編の主に序盤で数ヶ所音声が曇っていた箇所があった点です。会話が壁一つ隔てたようなトーンになってしまっていて、あれはさすがにちょっぴり勿体なかった。
もともと30周年に向けて準備されていた企画だったのではと思われますが、昨年の中山美穂の急逝を受けて、映画のラストには故人を偲ぶメッセージが付け加えられています。
彼女の在りし日の輝きを刻み込みながら、不思議な魔法にかけられたような、どこか胸を締め付けられるような、そんな映像体験でした。
30年の時を経てなお放つきらめきは衰えることなく、きっとこれからも観る者を魅了し続けてくれることでしょう。
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