「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ダークナイト」「バック・ドラフト」などの劇伴で知られる作曲家ハンス・ジマーが5月に初来日ライブを、しかも名古屋公演があると知り、ウキウキ気分で最速先行の抽選にエントリーしようとしたらぴあのクレジットカードを作る必要があって心底がっかり。流石にそこまではしたくない。
こんばんは、小島@監督です。
2次抽選はそこまでしないでエントリーできると良いなぁ…
さて、今回の映画は「バンパイアハンターD」です。
人類が最終戦争により衰亡して1万年近い時を経た未来、人類は「貴族」と呼ばれたバンパイア達の支配下にあった。しかしその「貴族」たちも種族的衰退と精神的退廃の中にあり徐々に繁栄を失いつつあった。再び繁栄の糸口を掴んだ人類は「貴族」に反旗を翻し都から追い立てるに至るが、なお不死に近い生命力と超常の能力は人類を脅かし続けていた。「貴族」に対抗するための必然として「貴族」を狩るプロフェッショナル「ハンター」が誕生した。中でも「貴族」と人間の混血児「ダンピール」は最高のハンターであるとされた。そしていつしか一際美しい容貌を持つ黒衣の青年「D」(声・田中秀幸)の名が人々に囁かれるようになる。
ある夜、荘園主エルバーン(声・清川元夢)の令嬢シャーロット(声・篠原恵美)が貴族マイエル・リンク(声・山寺宏一)によって誘拐された。エルバーンは「D」にシャーロット奪還を依頼する。一方で先んじて依頼を受けたボルゴフ(声・屋良有作)率いるマーカス兄弟もまたシャーロットとマイエルを追っていた。
よもやもう一度スクリーンで出会えることが出来ようとは。
伝奇小説の第一人者・菊地秀行により1983年に第1巻が刊行され現在もシリーズが続くゴシックホラー「吸血鬼ハンターD」、その中の第3巻「妖殺行」を原作として2000年にまず海外での上映が先行する形で劇場版アニメが製作されました。日本では翌2001年に公開されましたが、英語音声日本語字幕という上映形態も手伝い、高い評価を得ながらもそれほど反響は大きくなかったように思います。現在ではDVDも廃盤となり配信にもかからず長く幻の作品状態になっていましたが、マフィア梶田と中村悠一のWEB番組「わしゃがなTV」で取り上げられたことで再評価の機運が高まり、リマスターBlu-rayの発売決定と製作25周年というタイミングで初の日本語音声によるスクリーン上映が実現しました。
私も結局DVDでも観る機会が無かったため実に四半世紀ぶりの再会となりました。
改めて観てもため息が出そうなほど超絶美麗、ここまで描き込めるものなのかと惚れ惚れするほどの緻密な作画が全編に渡り展開します。監督はアクションエンターテインメントの分野で世界的に高い支持を集め、後継への影響も大きい川尻善昭。もともとハードボイルドな作品を得意とする方で、伝奇作家菊地秀行の作品とは相性が良く1987年の「妖獣都市」は川尻監督の出世作と言える一本です。ダイナミックなアクションを流麗そのものの作画で見せつつ、原作の陰鬱で耽美な世界観を余す事なく画として構築し、それでいて叙情的でもある今作はまさに川尻善昭の真骨頂と言えるでしょう。全体的にセリフがそれほど多くはないのも特徴で、画自体が雄弁に語ってくれるアニメ映画の楽しさに溢れています。
2000年製作のこの映画は、アニメ製作がアナログからデジタルへ移行する過渡期の最中の作品であり一部にデジタル技術が用いられているものの、基本的にはセル画での手塗りで描かれたアニメの最後期に当たる作品です。手数を惜しまない手工業の極致とでも言うべきでしょうか、この頃公開された作品には今観れば一種の到達点のような輝きがあります。1週間限定ではなかなか厳しいかもしれませんが滅多に無い機会ですし、今では失われた超絶技巧がもたらす迫力をスクリーンで味わっていただきたいですね。
こんばんは、小島@監督です。
2次抽選はそこまでしないでエントリーできると良いなぁ…
さて、今回の映画は「バンパイアハンターD」です。
人類が最終戦争により衰亡して1万年近い時を経た未来、人類は「貴族」と呼ばれたバンパイア達の支配下にあった。しかしその「貴族」たちも種族的衰退と精神的退廃の中にあり徐々に繁栄を失いつつあった。再び繁栄の糸口を掴んだ人類は「貴族」に反旗を翻し都から追い立てるに至るが、なお不死に近い生命力と超常の能力は人類を脅かし続けていた。「貴族」に対抗するための必然として「貴族」を狩るプロフェッショナル「ハンター」が誕生した。中でも「貴族」と人間の混血児「ダンピール」は最高のハンターであるとされた。そしていつしか一際美しい容貌を持つ黒衣の青年「D」(声・田中秀幸)の名が人々に囁かれるようになる。
ある夜、荘園主エルバーン(声・清川元夢)の令嬢シャーロット(声・篠原恵美)が貴族マイエル・リンク(声・山寺宏一)によって誘拐された。エルバーンは「D」にシャーロット奪還を依頼する。一方で先んじて依頼を受けたボルゴフ(声・屋良有作)率いるマーカス兄弟もまたシャーロットとマイエルを追っていた。
よもやもう一度スクリーンで出会えることが出来ようとは。
伝奇小説の第一人者・菊地秀行により1983年に第1巻が刊行され現在もシリーズが続くゴシックホラー「吸血鬼ハンターD」、その中の第3巻「妖殺行」を原作として2000年にまず海外での上映が先行する形で劇場版アニメが製作されました。日本では翌2001年に公開されましたが、英語音声日本語字幕という上映形態も手伝い、高い評価を得ながらもそれほど反響は大きくなかったように思います。現在ではDVDも廃盤となり配信にもかからず長く幻の作品状態になっていましたが、マフィア梶田と中村悠一のWEB番組「わしゃがなTV」で取り上げられたことで再評価の機運が高まり、リマスターBlu-rayの発売決定と製作25周年というタイミングで初の日本語音声によるスクリーン上映が実現しました。
私も結局DVDでも観る機会が無かったため実に四半世紀ぶりの再会となりました。
改めて観てもため息が出そうなほど超絶美麗、ここまで描き込めるものなのかと惚れ惚れするほどの緻密な作画が全編に渡り展開します。監督はアクションエンターテインメントの分野で世界的に高い支持を集め、後継への影響も大きい川尻善昭。もともとハードボイルドな作品を得意とする方で、伝奇作家菊地秀行の作品とは相性が良く1987年の「妖獣都市」は川尻監督の出世作と言える一本です。ダイナミックなアクションを流麗そのものの作画で見せつつ、原作の陰鬱で耽美な世界観を余す事なく画として構築し、それでいて叙情的でもある今作はまさに川尻善昭の真骨頂と言えるでしょう。全体的にセリフがそれほど多くはないのも特徴で、画自体が雄弁に語ってくれるアニメ映画の楽しさに溢れています。
2000年製作のこの映画は、アニメ製作がアナログからデジタルへ移行する過渡期の最中の作品であり一部にデジタル技術が用いられているものの、基本的にはセル画での手塗りで描かれたアニメの最後期に当たる作品です。手数を惜しまない手工業の極致とでも言うべきでしょうか、この頃公開された作品には今観れば一種の到達点のような輝きがあります。1週間限定ではなかなか厳しいかもしれませんが滅多に無い機会ですし、今では失われた超絶技巧がもたらす迫力をスクリーンで味わっていただきたいですね。
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