どういう偶然の結果なのかわかりませんが今年の4月11日に「アマチュア」「ベテラン」「プロフェッショナル」という3本の映画が公開されます。しかも全部アクション映画。「アマチュア」はディズニー配給、「ベテラン」は韓国映画、「プロフェッショナル」はリーアム・ニーソン主演と三者三様で全く相互に関係は無いのですがこうなったらもう3本立てで観たい。
こんばんは、小島@監督です。
でもホントにハシゴできたとして、3本目をどれにしても疲れて途中で寝ちゃいそう(笑)
さて、今回の映画は「ベルサイユのばら」です。
1770年、同盟関係を強固なものとするためオーストリア女大公マリア・テレジアは娘の1人である皇女マリー・アントワネット(声・平野綾)をルイ15世の孫、後に王位を継ぎルイ16世(声・落合福嗣)となる青年の元へ嫁がせた。婚礼の日、アントワネットは近衛兵の中に美しい人物を目に留める。見目麗しき青年と思われたその人物は男として育てられたジャルジェ将軍(声・銀河万丈)の娘・オスカル(声・沢城みゆき)であった。
漫画家・池田理代子が1972年に発表した「ベルサイユのばら」は連載中から支持を集めて社会現象と呼べるほどのヒットとなり、1974年に宝塚歌劇団で初演されてその後半世紀に渡り演じ続けられる定番の演目となりました。1979年にはTVアニメも放送され漫画史上に輝く不朽の名作と言って良い作品です。私も中学生ぐらいの頃にTVアニメの再放送を観て強くハマった経験があります。そんな今なお熱い支持を受ける「ベルサイユのばら」が、実に45年ぶりに劇場用作品としてアニメ化されました。
結構長い原作を3部作ではなく2時間で全編やり切ると聞いて期待と不安が半々で観に行きましたが、なかなかどうして見応えのある作品に仕上がっていました。
まず、ミュージカルに仕立ててあるのが非常に効果的に働いています。ほぼダイジェストと言ってもいいくらい大胆に省略されているのですが、時代背景の解説を黒木瞳によるナレーションに任せ、主要人物の心情の変遷を歌に乗せてさながら舞台上でセットが回転して場面が切り替わるかのように次のシーンへ移行するのでぶつ切り感が薄くなっています。
限られた時間に対するエピソードの取捨選択も上手く、数多い要素が重奏的に交錯する原作から激動の時代の中で凛々しく立つオスカルの鮮烈な生き様にのみを貫くようにスポットを当て続けて構成しているため、かなり観やすく分かりやすいものになっています。
他方でデュ・バリー伯夫人やロザリーなど原作で重要な役割を持っていてもほぼ全く出てこない人物や一切触れられないエピソードも当然のように多いため、この構成に不満がある方もいるでしょう。ここは割り切って翻案というものの面白さを楽しんでしまいましょう。
ミュージカルなので当然と言えば当然なのですが珍しくヴォーカル曲が多い澤野弘之の音楽と原作の描線を活かしつつ現代的にリファインした岡真理子の手による華やかなビジュアルも相性が良く、美しい映像と音楽に身を任せて舞台劇を楽しむかのように観られる一本。ほとんど蛮勇と言っても良いくらいの今回のアニメ映画化ですが、これを機に原作本を手に取ったりTVアニメ版や宝塚歌劇へと手を伸ばしたりしても良い、そんな入り口になれる作品ではないかと思いますね。
こんばんは、小島@監督です。
でもホントにハシゴできたとして、3本目をどれにしても疲れて途中で寝ちゃいそう(笑)
さて、今回の映画は「ベルサイユのばら」です。
1770年、同盟関係を強固なものとするためオーストリア女大公マリア・テレジアは娘の1人である皇女マリー・アントワネット(声・平野綾)をルイ15世の孫、後に王位を継ぎルイ16世(声・落合福嗣)となる青年の元へ嫁がせた。婚礼の日、アントワネットは近衛兵の中に美しい人物を目に留める。見目麗しき青年と思われたその人物は男として育てられたジャルジェ将軍(声・銀河万丈)の娘・オスカル(声・沢城みゆき)であった。
漫画家・池田理代子が1972年に発表した「ベルサイユのばら」は連載中から支持を集めて社会現象と呼べるほどのヒットとなり、1974年に宝塚歌劇団で初演されてその後半世紀に渡り演じ続けられる定番の演目となりました。1979年にはTVアニメも放送され漫画史上に輝く不朽の名作と言って良い作品です。私も中学生ぐらいの頃にTVアニメの再放送を観て強くハマった経験があります。そんな今なお熱い支持を受ける「ベルサイユのばら」が、実に45年ぶりに劇場用作品としてアニメ化されました。
結構長い原作を3部作ではなく2時間で全編やり切ると聞いて期待と不安が半々で観に行きましたが、なかなかどうして見応えのある作品に仕上がっていました。
まず、ミュージカルに仕立ててあるのが非常に効果的に働いています。ほぼダイジェストと言ってもいいくらい大胆に省略されているのですが、時代背景の解説を黒木瞳によるナレーションに任せ、主要人物の心情の変遷を歌に乗せてさながら舞台上でセットが回転して場面が切り替わるかのように次のシーンへ移行するのでぶつ切り感が薄くなっています。
限られた時間に対するエピソードの取捨選択も上手く、数多い要素が重奏的に交錯する原作から激動の時代の中で凛々しく立つオスカルの鮮烈な生き様にのみを貫くようにスポットを当て続けて構成しているため、かなり観やすく分かりやすいものになっています。
他方でデュ・バリー伯夫人やロザリーなど原作で重要な役割を持っていてもほぼ全く出てこない人物や一切触れられないエピソードも当然のように多いため、この構成に不満がある方もいるでしょう。ここは割り切って翻案というものの面白さを楽しんでしまいましょう。
ミュージカルなので当然と言えば当然なのですが珍しくヴォーカル曲が多い澤野弘之の音楽と原作の描線を活かしつつ現代的にリファインした岡真理子の手による華やかなビジュアルも相性が良く、美しい映像と音楽に身を任せて舞台劇を楽しむかのように観られる一本。ほとんど蛮勇と言っても良いくらいの今回のアニメ映画化ですが、これを機に原作本を手に取ったりTVアニメ版や宝塚歌劇へと手を伸ばしたりしても良い、そんな入り口になれる作品ではないかと思いますね。
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