忍者ブログ

ちゅうカラぶろぐ


[4427]  [4426]  [4425]  [4424]  [4423]  [4422]  [4421]  [4420]  [4419]  [4418]  [4417
皆さん明けましておめでとうございます。
 今年も映画ももちろん色々とアクティブに楽しんで行けたら良いなぁ。後は割と真面目にダイエットを始めないと(笑)

 こんばんは、小島@監督です。
 そんなわけで今年も宜しくお願いします。

 さて、今回の映画は「ビーキーパー」です。

 農場で養蜂をして暮らす男アダム・クレイ(ジェイソン・ステイサム)。世の関わりから距離を置き隠棲するアダムだが農場の持ち主である老婦人エロイーズ(フィリシア・ラシャド)には感謝の念を抱いていた。しかしある日エロイーズはフィッシング詐欺の被害に遭い全財産を失って絶望のあまり自殺してしまった。怒りに燃えたアダムは静かに復讐を決意する。独自の情報網でエロイーズに詐欺を仕掛けた会社を突き止めたアダムはその会社をビルごと爆破して壊滅させる。しかしアダムの復讐はそれだけでは止まらなかった。

 世界的にもアクションスターの地位を獲得しているジェイソン・ステイサム、正月映画の目玉として公開された新作は、彼の持つ魅力を最大限に引き出し、さながら定型構文のようなプロットでありながらもそれだけに留まらない味わいを放ちます。連日ニュースを飾る特殊詐欺、溢れるスパムメールにうんざりしている方も多いはず。生活にまとわりつく見えない悪意をステイサムがとびきりアグレッシブにブチのめします。
 「リベリオン」「ウルトラヴァイオレット」を手掛けたカート・ウィマーがシナリオを書き、「フューリー」「スーサイド・スクワッド」などのデヴィッド・エアーが監督を務めた今作は、いっそ爽快なほどにどこまでも際限無くエスカレートしていく1人の男の復讐劇を描きます。

 冒頭から余分なところの少ないスマートさが心地良い。監督がステイサムの役者としての力量を信頼しているのでしょう、アダム・クレイの人となりや恩人に対する感謝の念の深さを僅かな描写で観客に印象づける手腕が実に巧みです。ちょっと笑ってしまうのは捕獲したスズメバチの巣を処分し、ミツバチの巣箱から蜂蜜を精製する一連の淀みない所作に「殺気」が宿っている点です。何も始まらない内から「こいつは絶対に只者ではない」感がひしひしと伝わり「彼がこの後どう暴れてくれるのか?」という期待を否が応でも高めてくれます。

 エロイーズが破滅して自死するに至り、ステイサムスイッチがONになると始まる最初の山場、特殊詐欺集団のオフィスへ単身突撃してビルごと爆破するまでの流れるような一連のシークエンスはあまりに痛快。映画が進むにつれてステージも変わり、物語の全容が少しずつ明らかになってもステイサムは躊躇することなくむしろどんどん加速していきます。掴んだテンポを最後まで手放さないため、時には「敵地へ潜入する過程」が丸ごと存在しないシーンがあるくらいです。結果どうなるかというと、アダムが襲撃してくることが分かっているので悪党たちは金とコネをフル活用して特殊部隊を配置して迎え撃つ構えをしたらもう中にいる、というほとんどホラー映画のような状況が登場します。アレには流石にビビりました(笑)。もはや歩く災害。過去最高レベルのステイサム無双がスクリーンで爆発します。

 「ビーキーパー」というタイトルらしく蜂の習性を落とし込んだシナリオも小気味良く、新年一発目くらいは景気の良いものが観たいという方に打ってつけ。
 言わばナマハゲのように「悪いことしたらステイサムが成敗しに来る」と、情操教育にも取り入れるべき一本。優しさと恐怖を振りまく新たなヒーローの活躍を是非スクリーンでご堪能あれ。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
忍者ブログ / [PR]