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ちゅうカラぶろぐ


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お誘いを受けて先日友人宅で麻雀を楽しんで来ました。実際の牌を握るのはもちろん「雀魂」などのゲームもほとんどプレイしていなかったので、本当に数ヶ月ぶりの麻雀です。久しぶりなので楽しめれば結果はズタボロでも良いや〜くらいに思いながらやっていたのが良かったのか、最終的にかなりのボロ勝ち。二盃口なんて初めて上がれましたよ。

 こんばんは、小島@監督です。
 やっている間はずっと思考を巡らせているからか、終わってみると座りっぱなしなのに結構疲れていて、その感覚も含めて楽しい一日でした。また卓を囲みたいですね。

 さて、今回の映画は「ネズラ1964」です。

 1963年、映画会社社長ユカワ(蛍雪次朗)は「ゴジラ」シリーズで席巻する東宝に負けじと新たなコンセプトの特撮映画を企画する。折しも公開されていたヒッチコックの「鳥」にもインスパイアされ、大量のネズミが人々を襲う「大群獣ネズラ」を立ち上げる。撮影には着ぐるみのほか、生きたネズミをそのまま接写して特撮映像に用いることも取り入れ、新基軸の映画として世に送り出そうとしていたが。

 ここ最近仕事が立て込んでいてちょっと新作を観に行く時間が取れず、さりとてでも何かは観たいとAmazonプライムの画面を眺めていたらまさかのコレが目に飛びこんで来ました。
 「大群獣ネズラ」は1964年の正月映画として大映が準備していた作品ですが、結局公開されることは無くお蔵入りした幻の映画です。この映画を題材に、当時の記録をリサーチし、その製作状況をフィクションを交えて描いたのがこの「ネズラ1964」です。監督は主にインディーズ畑で特撮映画を製作している横川寛人。「大仏廻国」や「怪猫狂騒曲」などクラシックな特撮映画の発掘と再映画化を良く手掛けている方で、2020年、コロナ禍の只中で製作された作品になります。

 高度経済成長期の熱狂の中というのは特撮映画界も様々な機器の登場や技術革新と共に試行錯誤を繰り返していた時期でもあり、「大量の生きたネズミを撮影に投入する」、という今からすればどう考えてもいかんだろ、というようなことにも果敢に挑戦した、またそれができてしまった時期でもあります。ネズミを集めるために「ネズラ」の横断幕を付けたトラックを映画館各所へ向けて走らせ、持ち込まれたネズミを一匹いくらで買い取って行ったそうです。
 そんな状況だから当然衛生環境など良いわけも無く、ネズミを媒介にしたダニアレルギーで瀕死に陥った撮影クルーもいたとか。不衛生さが人づてに広がり近隣住民からの抗議運動まで起こった末に保健所からも指導が入り映画は中止を余儀無くされ、ネズミは全て焼却処分となりました。1971年の大映倒産、その後の徳間書店による子会社化、2000年代に入ってからの角川書店への権利譲渡などを経る中で残っていた素材も散逸していき、今ではスチル写真が僅かに残るのみになっています。
 ただ、この失敗を糧に後年「大怪獣ガメラ」の誕生に繋がることにもなる(「ネズラ1964」にもそれを示唆する描写がある)ため日本特撮映画史においてユニークな立ち位置にいるとも言えるでしょう。

 「ネズラ1964」はそうした状況をうまく取り込んで映画にしている作品で、当時と同じ手法を用いながら撮影したショットもあるなどなかなか熱意が伺える映像です。
 しかしいかんせんほぼインディーズの低予算作品なので、「昭和38何月何日」と度々テロップが登場しますが、特撮シーン以外の箇所では使っている小道具や衣装が全く時代に合っていなかったり、恐らく当時としてはこの言い回しは無いと思われるセリフが散見されるためどうにもちょっと落ち着かない印象。熱意に対して作品のクオリティが追いついていないのを飲み込んで観る映画と言わざるを得ない、しかしかと言って嫌いではないという複雑な心境。

 とは言え55分という短めの上映時間に加えて作品の性格上なかなか視聴が難しいタイプの映画に違いはなく、今回のAmazonプライム配信開始は素直にありがたいのひと言です。ここ最近はインディーズでもパワーのある作品が出つつある中、押さえておいて損は無い一本。特にアナログな特撮にこだわりを感じられる作品ですので、そういうのが好きな方には是非おすすめしたいですね。

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