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ちゅうカラぶろぐ


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職場で私と同じセクションにいる同僚が、名古屋生まれ名古屋育ちだけど野球はDeNAファンという人で、早い話が今回の日本シリーズに浮き足だっています。で、何としても現地で観に行きたくて第6戦と第7戦のチケットを買ったので(初戦と第2戦は家の都合でどうしても行けなかったらしい)2日の休みを代わってくれと頼み込まれ、まあそう何度もあることじゃないし良いかと承諾。
 それは良いのですが、2戦目までの感じからすると第6戦無くない?

 こんばんは、小島@監督です。
 やっぱりダントツでリーグ制覇したチームは格が違う。

 さて、今回の映画は「ボルテスV:レガシー」です。

 その日地球は突如外宇宙からの襲撃を受けた。プリンス・ザルドス(マーティン・デル・ロサリオ)率いるボアザン帝国が侵攻を開始したのだ。初めて見る武器の数々に地球の軍勢は歯が立たない。圧倒的優勢に立ちながらもザルドスは侵攻の手を緩めず「ビーストファイター」と呼ばれる獣型の巨大ロボットを投入してきた。
 その頃地球では前線基地「ビッグファルコン」にスティーヴ(ミゲル・タンフリックス)ら5人の若者が集められていた。目的も知らされず秘密訓練を受けさせられていたスティーヴたちだが指揮官リチャード・スミス(アルバート・マルティネス)より訓練がボアザン帝国と戦うためだと告げられる。スティーヴたちは密かに製造されていた「ボルトマシン」に乗り込み、ボアザン帝国打倒のため出撃した。

 歌や物語、美術などの創作物が、それを生み出した国より他の国で思わぬ形で評価されることが稀に起こります。例えば「劇画」という名称を提唱した漫画家辰巳ヨシヒロなどはその著作が日本より英語圏の方が評価が高く、シンガポールでアニメ映画が製作されたことがあります。他にも凄いのになると本国アメリカではほぼ見向きもされなかった曲がどういう経緯か海を渡り南アフリカだアパルトヘイト抵抗運動のプロテストソングとして長く歌い継がれることになったシクスト・ロドリゲスというシンガーもいます。

 ここに一本のロボットアニメがあります。その名は「超電磁マシーンボルテスV」。
 1977年に日本で放送されたそれは翌年フィリピンに紹介され、最高視聴率58%を叩き出すほどの大人気となり、これが嚆矢となって日本アニメがフィリピンに積極的に進出するようになりました。人気が過熱したフィリピンでは反発運動が巻き起こり、一説には物語の内容を自分に重ねて危惧したとも言われていますが当時独裁政権を敷いていたフェルディナンド・マルコスによりシリーズ途中で放送中止に追い込まれ、革命により政権が打倒されマルコスが亡命した後に最終回まで放送された経緯があります。90年代後半に入り再放送をきっかけに再評価の波が来たあとは名実共にフィリピンの国民的アニメとなり、そのテーマ曲が選挙活動に使われたり刑務所でも流されたりと尋常じゃない浸透度を伺わせるエピソードが枚挙の暇が無いほどです。2000年代に主題歌を歌った堀江美都子がライブのためにフィリピン入りした際には国賓待遇をもって迎えられました。
 そんなフィリピンで、リメイクするなら俺たちしかいないとばかりに昨年実写ドラマ版が製作されました。全90話で作られたドラマ版の序盤15話を再編集して劇場用映画としたのが「ボルテスVレガシー」です。

 こんな言い方も何ですが、良いところと悪いところが画面の同じところから豪速球で投げ込まれるような、そんな作品です。再編集だというのにシーン一つ一つがくどくて冗長でテンポが悪く、勢いが削がれているのに画のカロリーは異様に高い、そんなチグハグさが全編ずっと付いて回るため難解ではないのに観やすい作品ではありません。
 ですがそんな画面から伝わってくるのは作り手が子どもの頃、きっと目を輝かせてアニメを観ていたに違いないという確信です。やたらとくどいのも作品の魂を表現するにはそれくらいしないといけないと本気で信じている節があります。もちろん商業作品である以上数字は取りに行っているはずですが、どこか何かを度外視して作っている、そんな作品です。オープニングテーマを最初はフィリピン語に翻訳して歌手に歌ってもらったけれど、「あのスピリットを再現出来ていない」から日本語で歌い直した、なんてエピソードに原作への並々ならぬ愛着が伺えます。

 不格好だがカッコいい、整っていないが熱い魂は確かにフィルムにこもっている。まるで素敵に全力なファンレター、あるいは熱烈でちょっと気恥ずかしいラブレターのよう。お世辞にも手放しで激賞できるような出来ではないのですが、こんな作品が一つくらいあったって良い。

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