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ちゅうカラぶろぐ


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「うる星やつら」に続いて「らんま1/2」の再アニメ化が発表されたり「魔法騎士レイアース」の再アニメ化が発表されたり「キン肉マン」の新作が放送開始したり「あぶない刑事」の新作映画が公開されたり今は一体何時代なのか良く分からなくなって来ている中、今日目に飛び込んで来た「魔法少女リリカルなのは20周年」に謎の大ダメージ。マジか。

 こんばんは、小島@監督です。
 このブログ書き始めた頃に劇場版なのは1作目の感想を書いたりした思い出。思えば遠くへ来たものです。

 さて、今回の映画は「クワイエット・プレイス:DAY1」です。

 末期癌を患いホスピスで暮らすサミラ(ルピタ・ニョンゴ)は、人生の最期を前に厭世的な日々を送っていた。セラピーの誘いでマンハッタンの劇場までやって来た日、サミラは空から多数の隕石が降り注ぐのを目撃する。間を置かず「何か」が人々を襲い始め、辺りは阿鼻叫喚の地獄と化した。「何か」は音に敏感に反応して襲うことを知ったサミラは愛猫フロドと共に息を潜め「何か」を避けながら、破壊された日常と尽きようとする自身の生命を前にある決意をする。

 やはりもふもふ。もふもふは全てを解決する。
 「音」に反応して人間を襲う外宇宙からの生物の襲撃により文明が崩壊した世界での、とある家族のサバイバルを描いたパニックホラー「クワイエット・プレイス」、そのシリーズ第3作は舞台をこれまでの田舎街からニューヨークへ移し、生物が襲来した「その日」を描きます。2作目「破られた沈黙」でも冒頭でDAY1の様子が描かれていましたが、その部分を1本の長編へとスケールアップさせた作品と言った趣きです。1名、前作からの人物が登場しますがほぼ独立した物語と言って差し支えありません。前2作で監督を務めたジョン・クラシンスキーは今回はプロデューサーとして参加し、監督は「PIG」で知られるマイケル・サルノスキにバトンタッチ。これまでよりひと味違った叙情的な雰囲気の作品に仕上げています。

 まず末期癌を患う詩人、という主人公の造形が異色です。そもそも死期が近いサミラは、怪物のファーストアタックをどうにかかいくぐったところで未来が無いことを自覚しています。だからサミラは他の人物のように生を希求して脱出ルートを探すのではなく自身の生を全うするための道を選びます。物語がパニックホラーの定型を取らないことと特殊な人物像が相まって主人公に不思議と感情移入しにくいのがポイントです。そしてそんな観客の視線を集めることになるのがサミラの相棒であるフロドという名の1匹の猫。この映画を実に味わい深いものにしているのはこのフロドの存在です。というかこの猫が事実上主役。
 監督はモンスターと猫のどっちを見せたいんだと思うくらいに猫の佇まいが魅力的。介助用に訓練されてもいるらしく不用意に鳴いたりしないし足音も静かと、真っ先に状況に順応するのもフロドですし、極限の緊張状態の中で猫を吸って落ち着けることのアドバンテージが強い(笑)。何ならホラー映画としての緩急もフロドがフレームインしてるかどうかにかかっているくらい。
 
 映画の最初から最後まで猫の可愛らしさ、気高さ、強さ、奔放さが全部盛り。曲がりなりにもホラーにカテゴライズされる映画の薦め方としてこういうのは正直どうかと思いますが、間違い無く現時点での今年最猫映画です。スリルを味わいたい向きより、猫を全力で堪能したい方にこそどうぞ。このもふもふにやられちゃってください(笑)。

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