ちゅうカラぶろぐ


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先週、何をもらってしまったのか高熱が出るわまるで飲んだくれが喧嘩した後みたいに顔が赤く腫れるわで散々な1週間でした。まるっとほぼ1週間出社もできずに寝込んでしまうとか数年ぶりのザマでようやく腫れがほぼ消えたとは言えホント冴えない感じです。

 こんばんは、小島@監督です。
 しかも今のところ原因不明。明日受けた検査の所感が聞けるので何か分かると良いのですが。

 さて、今回の映画は「マッドマックス:フュリオサ」です。

 文明が崩壊し、荒廃しつつある大地。辛うじて水と森が残る「緑の地」で暮らすフュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)は、バイカー軍団の緑の地への侵入を妨害しようとして逆に拉致され軍団のリーダー・ディメンタス(クリス・ヘムズワース)の元に連れて来られ、更にフュリオサを救出しようと単身乗り込んで来た母親メアリー(チャーリー・フレイザー)も拷問され殺されてしまう。
 ディメンタスは砦を支配するイモータン・ジョー(ラッキー・ヒューム)と交易を持ちかけ、フュリオサをジョーの花嫁として差し出した。

 2015年に公開されアクション映画の傑作として映画史にその名を刻む「マッドマックス:怒りのデス・ロード」、そのスピンオフにして前日譚となる作品です。前作ではシャーリーズ・セロンが演じ強烈な印象を残した孤高の女戦士フュリオサの若き日の復讐を、今作ではアニャ・テイラー=ジョイが引き継ぎ体当たりで演じています。フュリオサの復讐の相手となるディメンタスの、狂おうとして狂い切れず壊れていくユニークなキャラクター像をクリス・ヘムズワースが怪演しています。監督はマッドマックスシリーズ全作を手掛けたジョージ・ミラーが今作でも監督を務め、80歳を目前にしているとは思えない熱量で物語を紡いでいます。

 前作のようなアッパーテンションなノンストップアクションを期待していると、多くの点で対照的な作品です。温度感は確かに高いものの思いのほか語り口がどっしりしていて硬質なことに人によっては違和感を覚えるのではないでしょうか。前作が作中の経過時間が3日だったのに比して今作では15年という時間の中でフュリオサの戦士としての成長と復讐の行方を追います。「ヒストリー・マン」という全身に歴史を書き記して語り伝える老人の語りで進む今作は、より英雄叙事詩的な性格の強い作品となっています。
 見た目からしてエッジの効いたキャラクターたちは相変わらず多いものの、容赦の無いゴア描写でR15+だったレーティングは今作では直接的な人体破壊描写は避ける方向で作られているためかPG12設定となり、事実上年齢を問わず観られる作品となっていることも大きなポイントと言えるでしょう。

 ただ、レーティングが下がったからと言ってアクションがヌルくなったかと言うとそんなことありません。前作には無かった地対空のバトルシーンが盛り込まれるなどアイディアも手数も豊富。映像言語としての見せ方が圧倒的で、ほぼ砂漠ばかりの基本茶色っぽい画面で繰り広げられるアクションにはどこか宗教画の趣きがあります。しかもアクションシーンではセリフがほとんど介されないため実は作品全体の単語数は少ないのではないでしょうか。
 ちょっと匂わせて来る程度かなと思えば意外なほど「怒りのデス・ロード」へ直結するラストシーンしてるので前作も観たくなること必至。これぞ正しく前日譚。80歳を前にしても全く衰えを見せないジョージ・ミラーのエネルギッシュなファンキーぶりを、どうぞスクリーンでご堪能ください。

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