職場から目と鼻の先にあるローソンが、何故か3週間ほど臨時休業に。最寄駅から通勤経路を外れずに行けるコンビニは唯一ここだけで、これが思った以上に私を含めた職場の人間のモチベーションにダメージ。ちょっと足を伸ばすか大回りすれば他に何か所もコンビニはあるのですが、便利さには勝てないものですね(苦笑)
こんばんは、小島@監督です。
とは言え残業が立て込んだ帰りがけにLチキやからあげクンを買い食いするのが常だったので、それができないとちょっと調子が狂います。
さて、今回の映画は「DUNE/デューン 砂の惑星」です。
人類が地球圏外にまで進出した西暦10190年。公爵家アトレイデスの息子ポール(ティモシー・シャラメ)は、奇妙な夢を見ていた。遠い砂漠の惑星で一人の少女と出会い、そして大きな戦いに巻き込まれるのだ。
その頃ポールの父レト(オスカー・アイザック)は宇宙帝国の皇帝から「デューン」と通称される惑星アラキスへの移住を命じられた。アラキスでは人間の思考能力を伸ばす物質「メランジ」が生産されていた。その管理権は長年ハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)が有していたが国替えが行われることになったのだ。しかしアラキスでは自由の民フレメン族が度々蜂起を繰り返し不安定な政情におかれていた。
それは民からの敬愛を集め勢力を伸ばしつつあるアトレイデス家を失墜させようと皇帝とハルコンネン男爵が仕組んだ罠だった。陰謀によってポールは全宇宙から命を狙われることになってしまう。
「スタートレック」や「スターウォーズ」など後進に与えた影響が計り知れず、「史上最も影響力のあるSF小説の一つ」と言われるフランク・ハーバートの大河SF小説シリーズ「デューン砂の惑星」は、同時に映像化が困難な作品として知られています。かつては1970年代にアレハンドロ・ホドロフスキーが映画化に挑むも製作費が高騰し続け中止に追い込まれ(この時の経緯や後進への影響は2013年に「ホドロフスキーのDUNE」としてドキュメンタリー映画としてまとめられた)、塩漬けになったプロジェクトを一度はリドリー・スコットが受け継ぐも頓挫し、最終的にデヴィッド・リンチが1984年に映画化するも大幅にスケールダウンされた出来栄えに惨憺たる評価を受けました。余談ですがホドロフスキーは結果的に自分の企画を取り上げられてひどく沈んだ気持ちでリンチ版を観に行ったそうですが、出来栄えのあまりのひどさに観ててだんだん元気になったそうです(笑)。それなりに高い評価を得たのは映像技術の進歩を受け2000年に製作されその後2003年に続編も作られたTVシリーズくらいでしょう。
そんな難攻不落に挑むのは、「メッセージ」や「ブレードランナー2049」を成功させた現代SF映画の旗手ドゥニ・ヴィルヌーヴ。彼ならではの深い造詣と洞察によって、遂にスクリーンに負けないスケールの映画が出来上がりました。
「異次元の映像体験」的なうたい文句が躍る映画ですが、ヴィルヌーヴ作品をそれなりに観ていると彼の映像センスの集大成という印象の方が強いです。銃弾以上に速い攻撃を無効化する武装「シールド」の発達により、再び日の目を見るようになった剣術による戦闘シーンや、羽ばたき飛行機械オーニソプターなど初めて観る方でもどこかで既視感を覚える映像やガジェットが散見されるのではないでしょうか。
しかしこの映画にもし未見性を求めるならそれは細かな部分よりも全体の語り口そのものにあるでしょう。実は筋立てそのものはいささか抑揚に欠ける部分があり、ちょっとのっぺりしているのですが、1カット1カットの画が強いのです。映像の力が強い分、語る言葉は少なめになっているため小説を読むようなつもりで行ったら絵画かあるいは難解な散文詩だったくらいのギャップがあります。受動的に物語を牽引してもらおうとすると簡単に振り落とされ155分の上映時間を長くつまらないものに感じてしまうでしょう。なるほど公開からこっち賛否両論あるのも分かる気がします。ですがこちらも「せっかくだから浴びるくらい満喫してやるわ! 」くらいのつもりで行けばこれほど没入度の高い作品もなかなか無いです。
観始めると分かりますが原題には小さく「part one」とあり、実は2部作として企画された作品です。ですので今作では結構いいところでいわゆる「俺たちの戦いはこれからだ」みたいなエンディングを迎えます。かと言って一気に2本分撮り上げたわけではなく続編の製作そのものは先頃ようやくGOサインが出てこれから始まるようで、少し間を置いて2023年の公開を予定しているそうです。ちょっと待ちぼうけを食らう格好になりますがこの出来栄えを観ると完結編となる次作の公開も期待出来ると言うものでしょう。
比類なきこの映像詩、観るならスクリーン一択です。公開も終盤に差し掛かっていますので、まだの方は是非映画館へ。
こんばんは、小島@監督です。
とは言え残業が立て込んだ帰りがけにLチキやからあげクンを買い食いするのが常だったので、それができないとちょっと調子が狂います。
さて、今回の映画は「DUNE/デューン 砂の惑星」です。
人類が地球圏外にまで進出した西暦10190年。公爵家アトレイデスの息子ポール(ティモシー・シャラメ)は、奇妙な夢を見ていた。遠い砂漠の惑星で一人の少女と出会い、そして大きな戦いに巻き込まれるのだ。
その頃ポールの父レト(オスカー・アイザック)は宇宙帝国の皇帝から「デューン」と通称される惑星アラキスへの移住を命じられた。アラキスでは人間の思考能力を伸ばす物質「メランジ」が生産されていた。その管理権は長年ハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)が有していたが国替えが行われることになったのだ。しかしアラキスでは自由の民フレメン族が度々蜂起を繰り返し不安定な政情におかれていた。
それは民からの敬愛を集め勢力を伸ばしつつあるアトレイデス家を失墜させようと皇帝とハルコンネン男爵が仕組んだ罠だった。陰謀によってポールは全宇宙から命を狙われることになってしまう。
「スタートレック」や「スターウォーズ」など後進に与えた影響が計り知れず、「史上最も影響力のあるSF小説の一つ」と言われるフランク・ハーバートの大河SF小説シリーズ「デューン砂の惑星」は、同時に映像化が困難な作品として知られています。かつては1970年代にアレハンドロ・ホドロフスキーが映画化に挑むも製作費が高騰し続け中止に追い込まれ(この時の経緯や後進への影響は2013年に「ホドロフスキーのDUNE」としてドキュメンタリー映画としてまとめられた)、塩漬けになったプロジェクトを一度はリドリー・スコットが受け継ぐも頓挫し、最終的にデヴィッド・リンチが1984年に映画化するも大幅にスケールダウンされた出来栄えに惨憺たる評価を受けました。余談ですがホドロフスキーは結果的に自分の企画を取り上げられてひどく沈んだ気持ちでリンチ版を観に行ったそうですが、出来栄えのあまりのひどさに観ててだんだん元気になったそうです(笑)。それなりに高い評価を得たのは映像技術の進歩を受け2000年に製作されその後2003年に続編も作られたTVシリーズくらいでしょう。
そんな難攻不落に挑むのは、「メッセージ」や「ブレードランナー2049」を成功させた現代SF映画の旗手ドゥニ・ヴィルヌーヴ。彼ならではの深い造詣と洞察によって、遂にスクリーンに負けないスケールの映画が出来上がりました。
「異次元の映像体験」的なうたい文句が躍る映画ですが、ヴィルヌーヴ作品をそれなりに観ていると彼の映像センスの集大成という印象の方が強いです。銃弾以上に速い攻撃を無効化する武装「シールド」の発達により、再び日の目を見るようになった剣術による戦闘シーンや、羽ばたき飛行機械オーニソプターなど初めて観る方でもどこかで既視感を覚える映像やガジェットが散見されるのではないでしょうか。
しかしこの映画にもし未見性を求めるならそれは細かな部分よりも全体の語り口そのものにあるでしょう。実は筋立てそのものはいささか抑揚に欠ける部分があり、ちょっとのっぺりしているのですが、1カット1カットの画が強いのです。映像の力が強い分、語る言葉は少なめになっているため小説を読むようなつもりで行ったら絵画かあるいは難解な散文詩だったくらいのギャップがあります。受動的に物語を牽引してもらおうとすると簡単に振り落とされ155分の上映時間を長くつまらないものに感じてしまうでしょう。なるほど公開からこっち賛否両論あるのも分かる気がします。ですがこちらも「せっかくだから浴びるくらい満喫してやるわ! 」くらいのつもりで行けばこれほど没入度の高い作品もなかなか無いです。
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